日本内科学会雑誌
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50 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 大久保 滉, 完岡 市光, 氷室 一郎, 楠野 弥与子
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1163-1173
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    睾丸摘出(睾摘)ラットをA群(生後50日),B群(90~110日),C群(160~200日),D群(500~700日)の4群に分け,各群にtestosterone (T) 500γの毎日投与,一方A群では鉄,コバルト(Co)のそれぞれ単独投与,又はTとの併用投与, C, D群にはmethylandrostendiol (M)の投与を行なつた.成績:赤血球系;睾摘により生ずる低色素性小赤血球性貧血は,T投与で貧血は防止出来たが,赤血球直経の左方移動は軽度ながら残存した.鉄,Coおのおの単独投与では貧血は防止出来ず,Tとの併用投与では完全に防止されて,M投与では防止出来なかつた.白血球系;睾摘によりC群では好中球の持続的な減少がみられ,これはT投与で完全に防止された.鉄,Coのそれぞれ単独投与では好中球はほとんど著変なく,Tとの併用投与で著明な増多を示した.骨髄像;睾摘によりやゝ低形成の像を示し,T投与でほゞ正常像,鉄, CoのそれぞれとTとの併用投与では過形成の像を示した.以上の成績より,(1)睾摘の血液像への影響は動物の成熟度により左右される.(2)睾摘により生ずる貧血の一端はTの蛋白同化作用によるものではなくて,鉄或いは,Co代謝を介して二次的に惹起される.(3)Tは赤血球系のみならず,白血球系に対しても影響を与えるものと考えられる。
  • 葛谷 健
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1174-1181
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ブドウ糖負荷後のinsulin追加分泌出現の機序に関し,頭部にinsulin分泌の適応刺激を感受する部位があるか否かを検討する目的で次の実験を行なつた。insulin濃度測定には小坂らの下垂体副腎髄質剔出ラット法を用いた.犬を用い,まず頭部と体部間の側副血行遮断のため迷走神経,脊髄,総頚動脈,外頚静脈を残し,他の頚部軟部組織を悉く結紮切断して糖負荷を行なつたところ,膵静脈血中insulin濃度の上昇は正常とほゞ同様にみとめられた.次にA, B2頭の犬に以上の手術を施したのち,両犬の頭部が互に他犬の体部によつて養われる如き交叉吻合を設け,A犬の大腿静脈よりブドウ糖を注入した.耳血糖上昇はB犬の方がA犬より高度であつたが,膵静脈血中insulin濃度上昇はA犬においてのみみとめられた.以上により,頭部には体液性にinsulin分泌の適応刺激を感受する部位は存在しないと考えられる.
  • 古田 精市
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1182-1192
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年血栓栓塞症および動脈硬化症の成因に関する脂肪摂取の問題を,血液凝固に及ぼす影響より解明しようとする方法がとられるようになつてきた.著者は家兎にコレステロール飼育を行なつた際の血液凝固性の変動を追究し,同時にグルクロン酸およびコンドロイチン硫酸を併用した場合の影響について観察し興味ある所見を得た.すなわち飼育後全血凝固時間は次第に延長し,TEGにおいてもr, kの延長をみ,プロトロンピン消費の不良,第VII因子は増加, AntithrombinおよびThrombininhibitorの増加, PTCの減少等の変化を生ずることをみとめた。又第VII因子活性の増加およびAntithrombinの増加に対してコンドロイチン硫酸が抑制的に働くことをみとめた.プロトロンビン,第V因子,血漿卜ロンポプラスチン形成能,血小板数には一定の傾向の変動はみとめなかつた.これらの成績より,脂肪摂取時に凝固性が亢進するとしても,それはコレステロール以外の因子によるものと考えた.
  • 古田 精市
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1193-1205
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脂肪摂取と循環器系疾患との間には相関々係のあることが報告されているが,この原因の一つとして脂血症の血液凝固に及ぼす影響が問題にされている.著者はバターおよびサラダ油それぞれ100gを摂取した場合の凝固因子に与える影響,並びにバターにベニオールを併用した際の変動について検討した.バター摂取後には全血凝固時間の短縮,TEGにおいてもrおよびkの短縮をみ,血清,血漿の血液トロンボプラスチン形成能および第VII因子の増加,線維素溶解現象の抑制等がみとめられた.このような凝固性の亢進はベニオールを同時に併用することによつて著明に抑制された.これに反してサラダ油摂取の場合にはむしろ逆に凝固能の低下する傾向がみとめられ,線維素溶解現象は軽度ながら促進した.血漿プロトロンビン,第V因子,アンチトロンビン量等の因子はいずれの脂肪摂取後にも著明な変動はみとめられなかつた.
  • 中川 晨
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1206-1214
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性肺疾患において脂質代謝障害が発生することはすでに認められているが,その脂質代謝彰害が原因の一部とされる動脈硬化症と肺疾患との関係に関する報告はまだ多くは見られない.著者は人間ドック症例においてこの関係の検討を試みたところ,眼底動脈硬化の発生は慢性肺気腫患者では促進されることを疑わせる結果を得た.肺が脂質代謝に関与する機序はさまざまであり,肺組織自体の脂質代謝以外にも,二・三の要素が考えられる.第一に肺が脂血清浄因子の産生能を有することもその一部であり,これも慢性肺疾患によつて障害されることが考えられる.著者は健常人および慢性肺疾患患者について,ヘパリン負荷による脂血清浄能を測定したところ,慢性肺疾患患者は健常人に比し明らかに低下していることを認めた.またヘパリン負荷前後の血清脂質の変動は血清リポ蛋白比が最も著明であり,慢性肺疾患患者は健常人より高度の低下を示した.第二に脂質の生体内における分解過程には大量の酸素が必要とされ,この酸素を体外より摂取する肺が機能低下を来たすとき,持続的な低酸素血症を来たして脂質代謝に影響を及ぼすことが予想される.著者は動脈血酸素飽和度と血清脂質との関係を検討し,また慢性肺疾患患者および高血圧症患者に酸素吸入を施行し,血清脂質の変動を検討した.
  • 伊東 廉, 安曽 武夫, 小玉 道郎
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1222-1230
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    珪肺症(珪肺結核症を含む)の気管支造影所見は古来種々報告されているが,われわれも入院患者100例について行ない,考察を加えてみた.右81例中16名,左47例中6名のみに所見を認めず,他は拡張,狭窄,辺縁不正,閉塞,迂曲屈曲,偏位,集束の何れかの変化を見た.特に珠数状拡張が多く,左右共にB1,B2,B3,B6に頻発していた.われわれはこの珠数状拡張を珪肺症気管支造影の特異所見と考えている.近時神津等により肺機能と造影所見との関連,特に肺線維症における特徴が明らかとなつて来たが,これらの変化を含めて珪肺症の強い線維性萎縮をうかゞい知ることが出来た.
  • 紫芝 良昌, 折茂 肇, 橋場 邦武, 池田 正男
    1962 年 50 巻 11 号 p. 1231-1236
    発行日: 1962/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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