ザルコイドージスは本邦においては比較的稀なものとされていたが,近年に至りその報告も多くなつて来た.われわれは集団検診にて肺門リンパ節の腫脹を認め,肺結核として化学療法を施行中,全身のリンパ節,耳下腺,肝,脾の腫脹を見るに至り,ザルコイドージスなることを診断し得た症例を経験したので報告する. 11才の女児,全身倦怠感,微熱のほか咳,喀痰はない.ツ反応は陰性,リンパ節の腫脹は頚部,腋窩,肘窩,鼠径部に見られ,組織学的には類上皮細胞を主とした結節が見られ,その中に巨細胞が認められた.眼科的には動脈周囲炎があり,血清蛋白では総蛋白の増加, A/Gの減少,グロブリンの増加がある.プレドニゾロン使用によりリンパ節,肝,脾の腫脹が縮小し,臨床検査成績も改善された.
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