日本内科学会雑誌
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50 巻 , 5 号
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  • 安部井 瑠美子
    1961 年 50 巻 5 号 p. 369-381
    発行日: 1961/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    不定な幾多の愁訴を有し,一般の内科学的検査を行なつても,特別の器質的疾患の見出されない患者の中には,自律神経失調症がかなり含まれているものと考え,これらの患者の臨床像や種種の統計的観察を行ない,又種々の自律神経機能を各種の自律神経安定剤の治療効果と比較し次の結果を得た.これらの患者の主訴としては全身性愁訴が多く,又神経筋性愁訴,循環性愁訴,胃腸性愁訴等に広く分布しており,これらの愁訴に対して安定剤が有効な場合が多く,統計的には,夏期や季節の変り目に多く,女子及び若年者に多かつた.又既往歴や既往の診断にも自律神経失調に関連ある事項が多かつた.従つてこの中には自律神経失調症が多数含まれていることが予想された.安定剤による治療効果と各種自律神経機能検査の比較では,呼吸試験は健康人に比し異常者が多かつたが,安定剤有効群と無効群では明らかな差異を認めなかつた.立位T減高も同様であつた. Wenger testでは有効者も無効者も殆どが健康人の変動範囲内にあつた. Mecholyl試験では,有効群は諏訪法で判定し殆どが異常値を示し,治療後は殆ど正常値になつた.無効群では治療前に正常値を示すものが多く,治療後は殆ど不変か,又は異常の方向に変動したものが多かつた.以上の成績から,機能的愁訴を有し,診断の困難な症例の中には自律神経失調症が多数含まれており,治療成績及び各種の検査成績からその過半数が自律神経失調であることを知つた.
  • 佐谷 誠
    1961 年 50 巻 5 号 p. 382-389
    発行日: 1961/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎,特に尿細管転送機能に関して,その機序遂行に必要なエネルギー源,およびその代謝様相をうかゞわんとし,今回は慢性腎炎患者につき血漿および尿中の有機酸(乳酸,焦性ブドウ酸,クエン酸,α-ケトグルタール酸)濃度を測定し,クリアランス法によりその変動を追求し,その臨床的意義について考察した.すなわち尿細管機能の指標として,パラアミノ馬尿酸クリアランスを取り,これが300cc/min以上においては,尿細管細胞代謝が平衡関係を維持するも, 300cc/min以下では不平衡が生じ,特に100cc/min以下で著明となり,これらの変化は尿細管細胞代謝活性の変化に由来すると考えられた.
  • 中村 舜吾
    1961 年 50 巻 5 号 p. 390-396
    発行日: 1961/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腸チフス患者赤血球が,腸チフス死菌で免疫した家兎血清と凝集を起こすことがわかつた.異種凝集素を吸着除去した家兎免疫血清の稀釈液と腸チフス患者赤血球浮遊液と混和し, 5時間37°Cに放置した後,その凝集を検した.この反応は腸チフス患者22名のうち11名(50%)に陽性であつた.健康者,腸チフス混合ワクチン接種者,腸チフス以外の疾患,腸チフスの既往歴あるものでは全例に陰性であつた.腸チフス死菌で免疫した4匹の家兎では全例陽性であつた.この凝集反応の陰陽はChloramphenicol投与によつて影響はうけなかつた.この凝集反応は, Typhus Abdominalis-Middlebrook-Dubos反応と同様に腸チフス発病早期に既に陽性になり,そして発病後3週では陰性になつた.この反応は腸チフスの早期診断に役立つ.この反応が抗原・抗体反応であるにしても,その機構においてWidal反応と異なるものがあるであろう.
  • 熊谷 朗, 大友 正明, 武内 望, 植田 彪, 矢野 三郎, 西野 和彦, 山本 昌弘, 浅沼 克次, 高橋 章
    1961 年 50 巻 5 号 p. 397-405
    発行日: 1961/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心不全,肝硬変,ネフローゼ患者等の尿中に多量のaldosterone排泄が認められ, Connはこれらの浮腫疾患群にsecondary aldosteronismなるclinical entityを与え,その浮腫発生ならびに増惡に対しaldosteroneの役割を重視した.私どもはこれら疾患の尿中のaldosteroneをbioassay, chemoassayの両面より測定し,これと電解質代謝との関係につき詳細に検討した結果,これら患者における体内aldosterone活性増大は単にaldosterone分泌増加といつた素朴な考え方のみでは理解しえず,肝におけるaldosterone非活性化障害やsodium excreting steroidsの分泌低下等の諸因子の重要性を認めた.また本症に対しglucocorticoid投与による利尿機序についても,この方面より検討した.
  • 森井 浩世, 長沢 俊彦, 三村 信英, 柴田 整一
    1961 年 50 巻 5 号 p. 406-413
    発行日: 1961/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    17才男子. 4年前より鼻閉があり, 9カ月前より鼻閉増強,鼻漏,鼻出血を生じ, 6カ月前下甲介試験切除により壊疽性鼻炎と診断され,東大耳鼻科に入院. Co60, Thio-TEPAによる治療を受け,一時鼻症状の改善を見たが,同科入院当初より蛋白尿,顕微鏡的血尿があり,入院中食欲不良,全身倦怠感,貧血,下腿浮腫,微熱,血沈促進,血清残余窒素の軽度上昇等を見るようになつた.退院後,輸血,利尿剤等により一時全身状態の改善を見たが, 1カ月前より諸症状が惡化, 2週間前より呼吸困難を生じ,急患として入院した.入院時,全身の高度浮腫,高血圧,眼底KW IV型,耳鼻科的に鼻粘膜萎縮,痂皮形成,肺野にラ音聽取,肝腫脹を認め,検査所見上,貧血,腎機能障害が著しく,ただちに治療をおこなつたが効なく,入院33時間後に死亡した.剖検により,鼻,副鼻腔,肺,脾等の肉芽腫,亞急性糸球体腎炎,結節性動脈周囲炎の像が見られ, Wegener肉芽腫の1例であることを確認しえた.
  • 谷川 久一, 瀬田 勝雄, 町井 彰, 伊藤 進
    1961 年 50 巻 5 号 p. 414-419
    発行日: 1961/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    28才女子例.数カ月にわたりノリを1~2帖毎日食べていたところ,重症の柑皮症となつた.血清ビリルビンその他の肝機能は正常なるも,血清カロチン448γ/dlと上昇し,ノリ中に含まれるカロチンによる柑皮症と診断す.柑皮症の発来は,カロチンを含む食品の多食といつた外因のみならず,個体側の内因も重要と考える.多汗体質,甲状腺機能低下などは,同症の発来を助けるもので,同患者にも自律神経失調によると思われる多汗体質および甲状腺機能低下おあつたのは興味深い.本症の皮膚黄染のメカニズムは,組織学的検討から,いつたん汗とともに出たカロチンが外から体表を染めるものと思われる.肝生検によりカロチンと同定し得た顆粒が肝細胞内,特にその周辺部に多くみられ,電子顕微鏡でみるとこの顆粒は滑面小胞体とゴルジー体と形態学上密接に関連していると思われる所見であつた.
  • 1961 年 50 巻 5 号 p. 434
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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