日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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51 巻 , 11 号
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  • 高橋 一江
    1963 年 51 巻 11 号 p. 1433-1446
    発行日: 1963/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肋膜にはなお未解決の問題が少なくないが,教室で行なつている肋膜の病態生理究明の一環として,肋膜炎の推移による肋間および気管支動脈系の変化を追求すべく,家兎にテレピン油実験肋膜炎を作成し,主として合成樹脂鋳型標本と病理学的およびX線学的立場によつて,その経時的変化を比較観察した、健常の血管に比して,肋膜炎では,その生成の初期より患側肋間動脈に怒張および蛇行などの異常所見が出現し,以後さらにこれらの変化は増強し,あるいは強い吻合像などもみられ,その後蛇行像のみの残存する例も増加する.一方,気管支動脈系では高度の縦隔肋膜炎を随伴した場合かあるいは肋膜のみならず肺になんらかの病巣がみられる時に限つて著明な変化をみるのが常で,単なる肋膜病変では異常はなく,その他の知見とともに,健常時にみられない病態に対応する該血管系の態度をある程度明らかにしえた.
  • 福地 創太郎
    1963 年 51 巻 11 号 p. 1447-1456
    発行日: 1963/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    沖中らは広範な実験成績にもとづき,糖負荷後のインスリン追加分泌においては,背側迷走神経を中心とする末梢から中樞に亘る紳経反射調節機構が存在する可能性を想定したが,本論文では,さらに,これを具体的に裏付けるため,中樞神経系の一部である上部頚髄,および中腦を切断,あるいは部分的に破壊し,これが糖負荷後のインスリン追加分泌に及ぼす影響を観察した.すなわち,第Iないし第III頚髄切断,中腦切断および中腦腹側部両側磯壊犬においては,いずれもインスリン追加分泌は消失し,中腦腹側部片側破壊犬では,正常に比し軽度ではあるが,なお,糖負荷後膵静脈血中インスリン濃度の有意な上昇を認めた.さらに,腦定位固定装置により,中脳被蓋部を破壊した犬で,同様の実験を試み,破壊部位を組織学的に検討したところ,その局在性を明らかにすることは困難であつたが,主として,中腦網様体の一部を破壊した症例でインスリン追加分泌が消失する場合があることを認めた.これらの成績にもとづき,膵内分泌の中枢性調節にかんして若干の考察を加えた.
  • 二宮 陸雄
    1963 年 51 巻 11 号 p. 1457-1461
    発行日: 1963/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膵島局所におけるinsulin分泌調節機構研究の目的でアミノ酸膵局所動注後の還流静脈血漿insulin様活性を下垂体副腎髄質剔出ラット法により測定した. L-histidineまたはglycine注入後は一過性のinsulia放出を認めたが, L-leucine注入後は認めなかつた.さらに,前二者のinsulin放出効果が膵局所性に行なわれることを確認し,それらの強力な金属結合能に照らして,膵島B細胞内亜鉛の変動を介するinsulin分泌機序を想定した.
  • 山田 克浩, 長沼 和男, 庭山 清八郎
    1963 年 51 巻 11 号 p. 1460-1464
    発行日: 1963/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    霊菌は従来非病原性であるといわれて来たが,現在までに約40例の霊菌感染の報告がある.最近われわれは十二指腸乳頭部癌に霊菌によると思われる肝膿瘍を合併した症例を経験した.患者は55才の男,最初は38°Cに及ぶ弛張熱と全身痛があり,各種抗生物質の投与にもかかわらず1年間持続.約1年後弛張熱と共に黄疸が出現,肝脾の腫張,腹水の出現,吃逆の頻発あり,血中より霊菌を2回検出し霊菌に対する血清凝集反応の上昇を認めた. KM, SM, Staphcillinの投与にもかかわらず弛張熱は続き,全身衰弱で死亡.剖検により十二指腸乳頭部の拇指頭大の腺癌あり,十二指腸粘膜,膵頭部に癌細胞の浸潤あり,総胆管は小指大に拡張し,肝には粟粒大より碗豆大の多数の膿瘍を認めた.剖検時膿瘍の膿汁,胆汁より霊菌のみを多数検出した.
  • 長谷川 吉康, 柁原 輝朝, 所沢 剛
    1963 年 51 巻 11 号 p. 1465-1470
    発行日: 1963/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性骨髄腫には常に異常蛋白が血中または尿中に証明されるが,異常蛋白を伴なわぬ骨髄腫は世界の文献でも10数例を数えるに過ぎない.われわれはこのような稀有な1症例(本邦2例目)を,臨床上,細胞形態学上ならびに病理解剖学的に検討し,非定型型骨髄腫の名称のもとに報告した.
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