光導電セルを用いた試作densitometerの構造,特性を述べ,本機により記録した色素稀釈曲線を示して,臨床的応用の可能性を論じた.本機はearpiece型, cuvette型両用とする事が出来,色素としてはEvans-blue, Indigo-carmine, Cardio-greenのいずれをも使用しうる.光導電セルを用いた独自の設計により,高感度と安定性が得られ,実用上,充分な直線性と即応性が確かめられた.各種心疾患における稀釈曲線のearpieceによる記録例を示し,特に,左一右短絡,逆流例における定性的指と標としてCp/C
FとFT/BTとの比をとり,正常との間に画然たる区別を図示した. cuvetteによる曲線の応用例として,大静脈に色素を注入した時の肺動脈および,末梢動脈曲腺を同時記録し,両者から左右心拍出量を同時に算定した例を示した.末梢動脈につき, cuvette曲線とearpiece曲線を分割採血による曲線と比較し,三者に算定心拍出量の一致を見た。
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