15頭の正常なウサギ並びにフェニンジオン600mgをあらかじめ投与されて充分にプロソロンビン時間を延長せしめた25頭のウサギに, 1ug/kgのアドレナリンを静注すると,それぞれ危険率1%以下, 5%以下で一段プロソロンビン時間の有意の短縮が見られた.
15頭の正常なウサギ,並びにフェニンジオン600mgを投与した25頭のウサギに1g/kgのコレステロールを経口投与すると,それぞれ危険率1%以下, 5%以下で一段プロソロンビン時間の有意の短縮が見られた.
15頭の正常なウサギ並びにフェニンジオン600mgを投与された25頭のウサギの血管内膜を傷害すると,それぞれ危険率1%以下,5%以下で一段プロソロンビン時間の有意の短縮が見られた.
5mg/kgのナイアラマイドを2時間前に投与された45頭のウサギ並びにフェンジオン600mgと5mg/kgのナイアラマイドを投与された75頭のウサギでは,アドレナリン,コレステロールの投与,血管内膜傷害で起こる一段プロソロンビン時間の短縮は危険率1%以下で防止された.
すなわちアドレナリンやコレステロール,血管損傷等のストレスによる血液凝固性亢進が,抗凝固剤では予防できず,モノアミン酸化酵素阻害剤が血液凝固それ自体を阻止する事なく,しかもこれらによる血液凝固性亢進を予防し得る新しい型の藥剤である事を示した.
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