日本内科学会雑誌
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52 巻 , 11 号
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  • 阪上 明
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1317-1322
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能異常症における間脳下垂体-甲状腺系feedback relationの検索は,従来甲状腺ホルモン負荷による甲状線131I摂取率,或いは放出率の低下を指標として行なわれているが,著者は直接血中甲状腺刺激物質を測定することによつて甲状腺ホルモン負荷による上位調節中樞の態度を検した.殊に最近バセドウ病の病因との関連が注目されている異常TSH (LATS)に対する甲状腺ホルモン負荷の影響を正常TSHと対比して追究した.甲状腺刺激物質の活性測定はマウス血中131I放射能増加率を指標とするMcKenzie変法を用いて行なつた.原発性甲状腺機能低下症患者ではT41mg, T3100μg1回投与で全例明らかに血中でSH活性の抑制されるを認めた.一部の例で検したところ,その抑制最少有効量はT4で0.6mg, T3では60μgであり,この投与量による抑制効果発現時間はT4で12時間, T3では6時間以内であつた.これに反し機能亢進症患者ではT45mgと大量負荷し,PBIを著増せしめたにも拘らずLATS活性は殆ど変動を示さず,本物質は正常のfeedback mechanismとは無関係に存することを推論せしめる結果を得た.
  • 田口 譲二
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1323-1329
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    赤血球の崩壊増大を血清間接ビリルビンおよびウロビリン体増量によつて知り得る如くに,血小板崩壊増大の有無を直接的に窺い得る方法は従来皆無であつた.先に当教室では血小板に遊離タウリンが他の血液分画に比べて圧倒的に多い事実を確認し,この事実を利用して,二次元paper chromatographyにより尿中遊離タウリンを測定して,血小板崩壊増大を窺い得る場合のあることを明らかにした.しかし,同測定法はかなり煩雑な手技と長時間を要し,一般の臨床的応用に供せられない欠点を有する.よつて著者は,遊離タウリンの測定法の改良を企て,簡便に,しかも短時間に尿及び血清中遊離タウリンを測定し得る一新法を考案した.すなわち,尿または血清を強酸性陽イオン交換樹脂で処理後,濾紙電気泳動にてタウリンを分離,抽出し,これを発色,定量した.本法による本邦健康人の尿及び血清中遊離タウリン量は,それぞれ75±15mg/l, 4.5±0.5mg/d1であった.
  • 久木田 正夫
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1330-1343
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    各種疾患における血清ceruloplasminとC-reactive proteinの関連性およびceruloplasmin定量法について検討するため,リウマチ性疾患,悪性腫瘍,急性腎炎,慢性腎炎,ネフローゼ型腎炎,腎結核,腎盂炎,肝臓疾患,本態性高血圧,動脈硬化,心筋硬塞,肺結核,その他の疾患,妊婦などの患者にいて血清ceruloplasminとC-reactive proteinを同時に測定して,その相互関係を検討し,また血清ceruloplasminの測定法について若干の検討を加えた.各種疾患により多少差異はあるがCRP陽性群では陰性群に比してceruloplasmin値が高値を示すものが多く,これが炎症性機転と多少関係していると思われる成績を得た.また定量法は従来のRavin改良法についてoxidase activityに影響する因子としてBuffer溶液のpH,そのMol濃度, substrateの濃度,反応温浴時間, sodium azide溶液の濃度による反応抑制効果を検討し,至適pHその他を指摘した.
  • 江川 義勝
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1344-1355
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膵障害時の消化吸収機能を検索する目的で, Cr2O3標識法による消化吸収試験, 131I-oleic acid吸収試験を実施し,あわせて,実験的に小腸粘膜の組織学的,組織化学的検索を行なつた.消化吸収試験では急性・慢性膵障害犬.膵全摘犬のすべてに蛋白,脂肪の消化吸収障害が認められ,特膵全摘犬で著明であった.慢性膵炎患者では一部に蛋白,脂肪の消化吸収障害を認めた. 131I-oleic acid吸収試験では,急性膵障害犬,膵全摘犬で血中吸収率の低下と糞便内排泄率の増加を認め,慢性膵障害犬,慢性膵炎患者では正常範囲内にあつた.膵障害犬における小腸粘膜の組織学的変化は著明なものとは云い難いが,組織化学的には急性膵障害犬,膵全摘犬のすべてにal-P-ase, ATP-ase, SDH活性の低下が認められた.以上から急性膵障害時,膵全摘時には消化機能のみならず,吸収機能障害の存在が,また慢性膵障害時には消化機能障害の存在が推察される.
  • 田中 照二
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1356-1364
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    著者は黄変米カビ障害の初期にみる肝内脂質の変動と障害後半にみる線維化過程とを生化学的な面を中心として経時的に観察することにより,肝障害時の脂質代謝異常と結合織代謝との反応相の一端の追求を試みた. 肝障害初期,まずglycogenの減少とともに肝内脂質の増量を来たし, さらに障害が進行するとphospholipidの減少を契機として全脂質分画は一斉に減少し,同時にhexosamineが漸次増量,その後hydroxyprolineはこれはり遅れて増加する.組織学的にも同様の傾向をみた.また本障害時にpyrimidine nucleotideのprecursorであるorotic acidとpurine bodyである4-amino-5-imidazole carboxamide, inosine-5'-phosphateの併用は, orotic acidの脂肝作用,線維化作用に抑制的効果をしめすことを認めた. このことは, nucleotide間のimbalanceを是正することによるものとも考えられる.以上の成績より,肝障害時の脂質変動と線維化過程との関連について考案した.
  • 木村 登, 森 泉, 東 明, 亀尾 洋, 遠藤 泰三, 良永 光啓, 下川 泰
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1365-1369
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    58才の男にみられた原発性amyloidosisを剖検により確認したので報告する.本症例は呼吸困難および胸部絞扼感を主訴として来院し,その後約6カ月経過し胸水貯留を来たし入院した.栄養はやゝ不良,軽度の貪血あり,血圧は低く,左胸腔内に胸水の貯留を認めた.心音は微弱なるも純,呼吸音も微弱であったがラ音は聽取せず,浮腫なし.心電図は洞調律にて大した低電位差もなく, ST低下も認めず,Tの振れがやゝ悪かつた.血液化学的所見も異常なし.胸水あるため胸腔穿刺を3回行ない,細胞診により悪性度III度の細胞を認む.更に胃透視を行ない異常陰影を認め,悪性腫瘍による胸水と考え,その治療と共に心筋代謝の改善を行なうも,次第に浮腫,胸水増強すると共に全身衰弱高度となり,心不全にて死亡す.
  • 木下 康民, 荻間 勇, 一之瀬 正彦, 浦野 力
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1370-1375
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    31才の男で,約4年半前に原因不明の血痰を喀出し,以後,血痰が継続したが, 1年後にはきらに咳嗽も加わり,ついで呼吸困難も現われるようになつた.また2年前,急性腎炎に罹患し,当時,浮腫・蛋白尿・血圧亢進を示したが,約2週間で,これらの症状および所見は改の善された.しかし1年前より,しばしば発熱を繰返し,次第にチアノーゼが現われ,起坐呼吸を営むに至り,入院3日目に死亡した.入院時,血圧は120~85,蛋白尿(〓),沈渣に赤血球多数を認め,血清残余窒素および無機燐も増加を示し,腎炎の所見を呈した,剖検で,肺は硬度増強し,赤褐色を呈し,結合織が著明に増加,肺胞内に著明な出血を認めた.腎は割面に赤色調強く,皮質に血線を認め,糸球体に限局性の瘢痕化と,ボウマン嚢の一部に,線維性の肥厚がみられる特異な糸球体腎炎の像と考えられた.この他,著明な所見としては,膵に閉塞性動脈内膜炎を認めた.以上の臨床症状および病理組織学的所見は, Goodpasture症候群に根当するものと思われる.
  • 里吉 営二郎, 木下 真男, 樋川 英子, 福永 昇, 小坂 不二彦
    1964 年 52 巻 11 号 p. 1376-1382
    発行日: 1964/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例: 35才,男,板前.昭和31年10月25日より徐々に発熱,右運動麻痺,言語障害が出現し, 28日入院した.入院時血圧120/80,腱反射亢進,病的反射陽性で,その後,運動麻痺は一時回復したが,発熱,低血圧発作と共に右片麻痺は再び悪化し,これに加えて, 32年11月には左の眼瞼下垂, 35年8月には左片麻痺も認めるようになつた.経過中3回にわたつて頚動脈写を行なつたが,いずれも両側総頚動脈での閉塞像を認め,椎骨動脈写によりはじめて前及び中大脳動脈が撮影された,入院後5年3カ月で死亡したが,剖検所見では両側頚動脈にやゝ狭窄を認めるが閉塞所見は全くなく,両側内包及び視丘外側核,淡蒼球から,左は内包後脚から赤核,黒質に至る軟化巣と,脳橋底部の両側軟化巣を認めた.かゝる症例の発生病理につき,二,三の考察を加えた.
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