特発性周期性四肢麻痺8例,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺8例,甲状腺機能亢進症7例,正常健康人8例に,
24Na,
42K,
3H-waterを用いて, total exchangeable sodium (Na
e), total exchangeable potassium (K
e), total body water (TBW)の同時測定を行しない, TBWから, lean body mass (LBM)を算出して, K
e/LBM, Na
e/LBMを,各群について比較した.また一部の症例には, K
e, Na
e, TBWの測定と同時に筋生検を行ない, Na, K, Cl,水骨含量を測定し, chloride spaceから筋細胞内K濃度を算出し, K
e/LBMと,筋細胞内K濃度の相関を調べた.特発性周期性四肢麻痺では, K
e/LBMは正常と比較して有意に低く, Na
e/LBMは正常群と同様の値である.甲状腺中毒性周期性四肢麻痺および甲状腺機能亢進症では, K
e/LBMは低く, Na
e/LBMは正常と比較して有意に高い値を示す. Na
e/LBMに有意な増加のない例では, K
e/LBMと筋細胞K濃度の間に,正の相関が成立ち, K
e/LBM値から,筋細胞内K濃度を推定することができる。この結果に基づいて,各例における筋細胞内K濃度を推定すると,特発性周期性四肢麻痺では正常より低く,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺では正常,甲状腺機能亢進症では正常または低下していると推測される.
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