日本内科学会雑誌
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54 巻, 3 号
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  • 三方 一澤
    1965 年 54 巻 3 号 p. 207-214
    発行日: 1965/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 特発性周期性四肢麻痺と甲状腺中毒性周期性四肢麻痺にかんする比較研究total exchangeable sodium, potassiumおよびtotal body waterについて
    紫芝 良昌
    1965 年 54 巻 3 号 p. 215-220
    発行日: 1965/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性周期性四肢麻痺8例,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺8例,甲状腺機能亢進症7例,正常健康人8例に, 24Na, 42K, 3H-waterを用いて, total exchangeable sodium (Nae), total exchangeable potassium (Ke), total body water (TBW)の同時測定を行しない, TBWから, lean body mass (LBM)を算出して, Ke/LBM, Nae/LBMを,各群について比較した.また一部の症例には, Ke, Nae, TBWの測定と同時に筋生検を行ない, Na, K, Cl,水骨含量を測定し, chloride spaceから筋細胞内K濃度を算出し, Ke/LBMと,筋細胞内K濃度の相関を調べた.特発性周期性四肢麻痺では, Ke/LBMは正常と比較して有意に低く, Nae/LBMは正常群と同様の値である.甲状腺中毒性周期性四肢麻痺および甲状腺機能亢進症では, Ke/LBMは低く, Nae/LBMは正常と比較して有意に高い値を示す. Nae/LBMに有意な増加のない例では, Ke/LBMと筋細胞K濃度の間に,正の相関が成立ち, Ke/LBM値から,筋細胞内K濃度を推定することができる。この結果に基づいて,各例における筋細胞内K濃度を推定すると,特発性周期性四肢麻痺では正常より低く,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺では正常,甲状腺機能亢進症では正常または低下していると推測される.
  • 特発性周期性四肢麻痺と甲状腺中毒性周期性四肢麻痺にかんする比較研究,発作誘発による筋細胞内外電解質濃度の変化について
    紫芝 良昌
    1965 年 54 巻 3 号 p. 221-228
    発行日: 1965/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性周期性四肢麻痺7例,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺8例について,麻痺発作誘発前とグルコース,インスリンにより誘発した麻痺発作中に筋生検を行ない,水分, Na, K, Cl濃度を測定し, chloride spaceから筋細胞内Na, K濃度(Na), (Ki)を算出して,麻痺発作と筋細胞内科の電解質の変動の関連を検討した.また,麻痺を伴なわない甲状腺機能亢進症7例につき, 1回のみ筋生検を行ない,麻痺を伴なう群と比較検討した.非発作時における筋細胞内外電解質濃度は,特発性周期性四肢麻痺では, (Kl), (Ki)/(Ko)とも甲状腺中毒性周期性四肢麻痺より有意に低く, (Nai), (Nai)/(Nao)はともに高い.発作誘発による筋細胞内K濃度の変動は,血漿Na濃度の変動と平行する.発作誘発によつて,(Ki)/(Ko)比は上昇するが,完全麻痺群において他の群よりも上昇の程度が大である.
  • 福田 守道, 井林 淳, 漆崎 一郎, 野間 昭夫, 伊藤 直彦, 秋川 恵二
    1965 年 54 巻 3 号 p. 229-236
    発行日: 1965/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    47才,女.約2年半前より周期的に反復する顔面および四肢の浮腫を伴なう波状熱と胸部圧迫感,全身倦怠感を主症状とし,輕度の喘息発作を伴なった症例で,発症後約1力年間地方病院に入院.高度の好酸球増多症を認めたところから好酸球性白血病の疑いで当科に転院.血液所見で末梢血中白血球数は正常範囲ぐあつたが,好酸球18~61%と異常増加を認め,骨髄像でも26.8%と好元酸球数の著増がみられた.皮膚,筋生検所見上,いずれにも輕度の萎縮と著明な好酸球浸潤が認められた.発熱発作には抗生物質,下熱薬は奏効せず,発熱前に乏尿を,また発熱時にこは全身浮腫ガ著明であつた.ステロイドホルレモン投与により自覚症は著しく改善し,発熱発作,好酸球増多も消失し,諸検査成績も正常化して退院した.現在経過観察中であるが,播種性好酸球性膠原病の1例と考えられる.
  • 井石 哲哉, 桧脇 千里, 満岡 剛太郎, 内山 英二, 竹林 茂夫
    1965 年 54 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 1965/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は55才の男,小学校教諭. 20才ごろより右頭頂部の膨隆に気づき,再三両側の中耳炎に罹患した.約4年前より顔面,四肢等に小膿疱疹が頻発, 1年前より金身性紅斑と肝腫,リンパ節腫脹が出現,白血球増多,とくに,リンパ球増多が日立ち,皮膚科にてリンパ性白血病の疑いで精査を受けた.しかし陽性所見はなく,その後,発熱と脾腫を指摘され当科へ入院した. X線学的に右頭頂部の膨隆に一致して骨欠損像を証明し,皮膚,およびリンパ節の生検で,組織学的にHand-Schuller-Christian病と診断した.なお本例の血漿中脂質の検索では異常を認めなかつた. prednisolone, dexamethasoneで治療して,皮膚症状の著明な改善とリンパ節腫脹,肝,脾腫の縮小が認められた.
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