日本内科学会雑誌
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54 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 中村 隆
    1965 年 54 巻 6 号 p. 580-597
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 田沢 悌三
    1965 年 54 巻 6 号 p. 598-607
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    門脈圧亢進症に発達する肝外副血行路のうち,食道周囲静脈叢から肺静脈に至る門脈肺吻合血流は,右心,肺毛細管を通らないので,動脈血酸素飽和度を低下させる可能性があり,肝硬変症にみられる動脈血酸素飽和度低下の有力な原因の一つに考えられている.この当否を検討するため,新たに85KrおよびT-1824色素の脾内および末梢静脈内注入による門脈肺吻合血流の定量的測定法を創案し,対照7例と肝硬変症11例を含む門脈圧亢進症14例に実施した.対照7例はいずれも0に近い値を示したが,門脈圧亢進症14例中2例の肝硬変症は14%および11%の門脈肺吻合血流率を示し,他の3例は対照より僅かに高い値を,残る9例は対照の棄却隈界内の値を示した.また門脈肺吻合血流率と動脈血酸素飽和度との間には有意の相関がみとめられなかつた.すなわち明らかな門脈肺吻合血流を示す頻度は比較的低く,またその量も少なく,かつ動脈血酸素飽和度との間には有意の相関もみとめられないので,門脈肺吻合血流は肝硬変症にみられる動脈血酸素飽和度低下の原因としてあまり大き意義を有していないと思われる.
  • 宮本 東生
    1965 年 54 巻 6 号 p. 608-624
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高脂血症は主としてcholesterolないしtriglycerideの増加に由来する.この際脂質の主な担体であるβ-リポ蛋白(低密度リポ蛋白)は増加し,脂質部分の質的・量的変動につれてその組成と血中分布に特異的変化を来たす.したがつて高脂血症を呈する疾患群の診断に当つてはβ-リポ蛋白各分画の変動を測定することが重要である.著者はつぎの3方法について検討を加えた結果おゝむねその目的を満たしうる成績を得た.まず溶解度法によるリポ蛋白沈殿性の差を応用した血清chloroform反応(Knuchel法一東野変法)の濁度は超低密度リポ蛋白成分の増減と一致し,血中triglyceride値と相関性が高く,免疫化学的測定法としてのβ-L test値は低密度リポ蛋白中比較的Sf rateの低いリポ蛋白成分の増減を指示し,血中cholesterol値との相関性が高い.染色後濾紙電気泳動法によるβ-リポ蛋白patternは常に2分画に分かれ,そのうち原点分画は主にchylomicronで,超低密度リポ蛋白成分の一部も含まれる.
  • 金井 弘一
    1965 年 54 巻 6 号 p. 625-633
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    病態肝における血清アルブミンの生合成について,肝内アルブミンへの14C-leucineのとりこみを, in vivoおよびin Vitroの条件について検討したが,肝障害群では14C-leucineのとりこみは著しく低下し,ネフローゼ群では上昇していた.このような肝における血清アルブミンの生合成にかんする知識をさらに深めるために, hydroxyapatiteのカラムクロマトグラフィーによるアルブミンの細分画を試みた.正常では三つの分画(I, II, III)が得られるが,肝疾患では亘に分裂傾向が認められた.ネフローゼでは正常とほゞ同じパターンを示した.各細分画への14C-leucineのとりこみ率は,正常でも異なり, Iにもつとも高く,ついでII, IIIの順であった.ネフローゼではIとIIIの比放射能上昇が観察された,このような知見から, Iの細分簡が代謝的に活性の高い,しかもlabileなアルブミンであることが推論される.
  • 沢田 憲志
    1965 年 54 巻 6 号 p. 634-645
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    131Iアルブミンを用い対照・慢性肝炎・肝硬変例のアルブミン代謝を研究し,その病態との関連および代表的な肝硬変治療法のアルブミン代謝に及ぼす影響と意義を検討した.肝硬変でアルブミン合成が低下しても,生体内の総アルブミン量を一定の法則に従って保持しようとする機構が存在しており,これは総アルブミン量と分解量および分解率との間の一般法則として表わされることを明らかにした.アルブミン代謝よりみた肝硬変の治療面については,(1)高蛋白食では常にアルブミン代謝を積極的に改善するとは限らない.(2)プラスマ静注では,一般に総アルブミン量,アルブミン分解量ともに増加するが,ことに浮腫腹水のある例に有効であり,予後の改善に役立った.(3)glutocorticoidは一般にアルブミン代謝を亢進させるが,症例によつては投与後reboundによる悪化をみるものがあり,その投与にあたつては慎重を期すべきである。
  • 竹内 三郎, 永井 俊夫, 細川 禎正, 杉下 功, 杉山 弘和, 加藤 賢治, 伊東 毅, 笠原 信男, 佐橋 守正, 森 矩尉, 若圍 ...
    1965 年 54 巻 6 号 p. 646-652
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    alloxan投与, cortisol投与, glucose投与などの実験的糖尿ラットについて腎糖代謝の変動をしらべ,さらに内臓剔出ラットについて腎剔出を加えたものと,加えなかつたものをつくり,正常ならびに糖尿動物での血糖の推移を観察した.(1)alloxan糖尿動物の腎糖代謝の特徴は,糖利用障害,糖新生の亢進,糖再吸収の亢進,五炭糖回路の回転低下などを反映するような変動を示した.(2)cortisol投与糖尿動物の腎糖代謝は糖新生亢進像を思わせる動きであつた.(3)内臓剔出実験よりalloxan糖尿動物の腎での糖新生亢進を支持する所見を得た.(4)腎糖代謝変動の特質ならびに肝との類似性より,腎糖代謝もまたホルモン支配をうけている可能性がつよい.また糖尿状態のとき腎に糖新生亢進がみられることは重要なことであつて,このような状態では腎も肝と同様に積極的に生体内糖調節に関与しているものと考えられる.
  • 橋場 邦武, 中島 俊幸, 満岡 剛太郎, 玄洞 靖正, 小野 彰夫, 倉恒 宏正, 高橋 恵美
    1965 年 54 巻 6 号 p. 653-659
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    少なくとも約5年間にわたり持続している慢性心房性頻拍症の36才男子例について報告した.心電図上第I誘導のP波は陰性,心房拍動数は1分間120~150のことが多く比較的緩徐であり,かつ,多くの場合にWenckebach周期あるいは2: 1の房室ブロックを伴なった. PP間隔,および房室間伝導は自然にも変動する他に,情動,体動,体位変換などにより容易に変化し,その範囲は1分間約190の1: 1房室伝導にまで及び,他方, Aschner試験によりPP間隔は1秒以上にまで延長した. digitalis薬, procaineamide,迷走神経反射などにより,異所性調律の消失はきたさなかつた.本頻拍は発作性頻拍症とは種々の点で著しく異なるまれな頻拍症であり,この点につき文献的考察を行なつた.
  • 五味 二郎, 吉沢 繁男, 藤井 玻〓, 市川 陽一, 名越 秀樹, 亀谷 徹
    1965 年 54 巻 6 号 p. 660-664
    発行日: 1965/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    絨毛上皮腫は胞状鬼胎に続発することが多く,流産後がこれにつぎ正規産後の発生はもつとも少ない.ことに正常産直後の発生を報告した論文はまれである.本例は34才の主婦であるが妊娠の経過中異常を認めず,女児を正常分娩した後, 23日目に突然38°Cの発熱,呼吸困難,胸痛,血痰が出現した.両側中下肺野に水泡性ラ音を聴取し,胸部X線像上境界の不鮮明な細葉大陰影が全肺野に散在し,一部で癒合していた.子宮は超手挙大,淡赤色の帯下を認めたが分娩直後であったため,子宮復古不全として重視されなかつた.割検により子宮絨毛上皮腫および肺,肝,膵などへの広範な転移が発見された.絨毛上皮腫が時に原発巣よりの症状に乏しく,呼吸器症状のみを呈することのあるのを指摘し,その臨床症状,胸部X線所見の特徴につき考察した.
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