日本内科学会雑誌
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55 巻 , 2 号
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  • 中川 英雄
    1966 年 55 巻 2 号 p. 65-75
    発行日: 1966/05/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    血清に弱ビウレット反応を行なう時, リポ蛋白に類似した吸収スペクトルを認めるが, 490mμに吸収極大を示す分光学的特性を利用するα-リポ蛋白の新定量法を考案し, 健常者および諸疾患患者の血清α-リポ蛋白値を検討した. 癌患者の血清α-リポ蛋白値はやゝ特異的とみられる低値を示し, 血清総コレステロール値との相関性もその均衡の崩れが注目される. しかし血清α-リポ蛋白値の異常低下は, 癌疾患時においてのみ認められる所見ではなく, ネフローゼ症候群, Kimmelstiel-Wilson症候群, 骨カリエス, その他血清アルカリ・フォスファターゼ活性の異常な上昇を伴なう諸疾患時にも認められる. また癌疾患時の本法値の低下は, 各臓器癌で相違がみられ, 前立腺癌, 胃癌患者血清では, その低下率は異常な高率を示すが, その他の臓器癌では60-70%が低下するにとゞまる. また原発性肺癌例では異常低下を示さず, 他に転移巣を伴なう症例にのみその低下を認めた. 癌疾患時の血清リポ蛋白値の異常低下は, 脂質および蛋白の代謝異常のみならず, 関連する諸因子の関与が窺われる.
  • 井石 哲哉
    1966 年 55 巻 2 号 p. 76-83
    発行日: 1966/05/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    最近放射線による染色体異常が多数報告されているが, 被爆後20年を経過した原爆被爆生存者についての検討はまだ充分とはいえない. 著者はこれら被爆者になお原爆放射線の影響が残存しているかどうかを確かめ, 晩発障害として注目されている白血病の発生機序を解明する一手段として, 25例の被爆者につき末梢白血球培養法による染色体分析を行なつた. その結果を要約すれば被爆者群は正常群に比しaneuploid cells, polyploid cells, fragmentsの増加や, 正常人にみられなかつたdicentrics, rings, abnormal monocentric chromosomes等, chromosome-type aberrationsの出現が認められた. また被爆者群中被爆当時急性放射線症状のあつた群の方が, なかつた群より異常染色体の出現頻度が高かつた. 以上の成績は原爆放射線による染色体異常が長期にわたり存続する可能性と, その異常の頻度が被爆線量の多少に関係することを示すものであつて, かゝる観点から白血病発生に対する意義等につき種々考察を加えた.
  • 林 明徳
    1966 年 55 巻 2 号 p. 84-92
    発行日: 1966/05/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    古くから頚動脈洞反射にかんする研究は多く, 総頚動脈分岐部には, 圧受容体と化学受容体の存在することは多くの生理学者が認めるものである. これらにかんして, イヌを用いて, 頚動脈洞を刺激し, その血中カテコールアミン体の変動を認め, さらに, 動脈血中の化学成分の変化によつて起こる呼吸反射をみとめ, 先人の業績を確認しながら, 組織像を追究した. ことに, 電顕像および組織化学的方法によつても, 頚動脈体は, 腺でも単なる血管糸球でもなく, 傍神経節でもなく, クローム親和性細胞も認められず, いわゆる頚動脈体と呼称されるのにふさわしい臓器であることを認め, さらに, 頚動脈洞壁の微細構造と比較検討し, 本小体が化学受容体とされて当然のことと結語した.
  • 松田 春洋, 木村 公彦, 伊藤 朗喜, 塩見 博史, 酒井 孝敏, 田中 明, 陰山 克, 荒木 恒治
    1966 年 55 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 1966/05/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    卵巣腫瘍に胸水と腹水を合併し, 腫瘍除去後速やかに胸水腹水の消退する特異な症候群について, 1937年Meigsが詳細な報告を行ない, それ以来, 欧米において数多くの症例が報告されている. しかしわが国における報告は欧米に比し少ない. われわれは最近卵巣腫瘍に胸水腹水を合併したMeigss' syndromeの1例を経験したので報告する. 56才, 主婦. 主訴は腹部膨隆, 胸痛, および心窩部痛, 入院後諸種検査の結果胸水および腹水を認め, 腹腔鏡検査にて両側に卵巣腫瘍を認めた. 組織学的にはpapillary adenocarcinomaであつた. 手術後経過良好で, 術前に貯留していた胸水および腹水は完全に消失した. 以上の如きMeigs症候群の特異な症状および本症候群について若干の考察を述べ, 鑑別診断, 治療について付記する.
  • 木下 康民, 笹川 力, 堀川 隆助, 村川 英三, 大坂 敏
    1966 年 55 巻 2 号 p. 98-102
    発行日: 1966/05/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    筋肥大と硬直, 筋収縮後の弛緩困難等のミオトニー症状を伴なう粘液水腫 (Hoffmann症候群) の1例を経験した. 本邦ではまだその報告をみていない. 症例は38才の農夫で, 顔面の浮腫, 四肢の脱力感, 首および四肢筋の肥大, 硬直, 痙攣性疼痛により農耕作業不能となり, 当科に入院. 甲状腺腫は触れず, 発語障害があり, 握つた手指が容易に開けず, mounding phenomenon およびアキレス腱反射で弛緩相の遅延を認めた. 検査成績では甲状腺の機能低下, TSH test陰性, 慢性甲状腺炎の組織所見を, 筋電図では一部unitの脱落, low voltageを, 筋組織像では変性所見を, 血清GOT, GPT, LDH, aldolase, creatine phosphokinaseおよびcholesterolの上昇を認めた. これらの所見より, 非特異性慢性甲状腺炎によるHoffmann症候群と診断し, 甲状腺末を投与したところ, 上記自覚症状の著明な改善をみ, ふたゝび農業に従事できるようになつた. 血清酵素活性も正常となり, 筋電図, 筋組織像も好転した.
  • 1966 年 55 巻 2 号 p. 103-133
    発行日: 1966/05/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
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