大阪市およびその近郊に居住し, われわれの呼吸器外来を受診, 治療された慢性非伝染性閉塞性肺疾患とくに慢性氣管支炎および肺氣腫218例につき, medical research councils committee on etiology of chronic bronchitisの調査表に準じた調査と, 一連の細菌, 血液, 血清免疫学的検討, 心肺機能, X線検査を行なつてきた. 今回はこの中年令45-65才, %FEV
170%以下, 合併症のない男子49, 女子19例の成績を検討した. えられた成績は大氣汚染の影響が考慮される大阪市における慢性氣管支炎の実態を明らかにし, 男子群における成績は同時に, 最近Fletcher, Burrow. らの欧米の大都市, London, Chicago. におけるほぼ同様の検討とも対比して, 大都市のこれら慢性非伝染性肺疾患の病像には多くの共通点のみられること, および地理的, 社会的, 人種的要約に支配される差異を認め報告した.
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