日本内科学会雑誌
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55 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 山岡 憲二
    1966 年 55 巻 4 号 p. 279-282
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
  • 塩田 憲三, 浜田 朝夫, 前田 泰生, 大岡 安太郎, 江村 正信, 三谷 建治, 松田 昌子, 井上 隆智, 沢井 三千男, 川村 成一 ...
    1966 年 55 巻 4 号 p. 283-289
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    大阪市およびその近郊に居住し, われわれの呼吸器外来を受診, 治療された慢性非伝染性閉塞性肺疾患とくに慢性氣管支炎および肺氣腫218例につき, medical research councils committee on etiology of chronic bronchitisの調査表に準じた調査と, 一連の細菌, 血液, 血清免疫学的検討, 心肺機能, X線検査を行なつてきた. 今回はこの中年令45-65才, %FEV170%以下, 合併症のない男子49, 女子19例の成績を検討した. えられた成績は大氣汚染の影響が考慮される大阪市における慢性氣管支炎の実態を明らかにし, 男子群における成績は同時に, 最近Fletcher, Burrow. らの欧米の大都市, London, Chicago. におけるほぼ同様の検討とも対比して, 大都市のこれら慢性非伝染性肺疾患の病像には多くの共通点のみられること, および地理的, 社会的, 人種的要約に支配される差異を認め報告した.
  • 前田 如矢, 滝野 進, 大島 久明, 田中 久米夫, 大城 忠, 谷 勲
    1966 年 55 巻 4 号 p. 290-296
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    慢性肺氣腫の心電図所見には, 右心負荷に由来するものと, 心と肺の解剖学的相互関係の変化によるものとが含まれる可能性がある. 背臥位で, 胸部誘導の通常位置および1肋間下位の各位置を胸壁上に印し, 胸部X線像および心電図を記録し, 胸部X線像上の心陰影上の導子位置および肺換氣機能との関係について検討した. その結果, 肺氣腫例の約68%は, 心陰影上の胸部誘導部位が相対的に高位を示した. 1肋間下位誘導で, 左側胸部誘導のS波電圧およびR/S比の減少を示すものが46.4%にみられたが, 残りの症例には著変をみなかつた. 肺換氣機能と導子位置の変化によるQRS波形の変化との間にはとくに関係は認められなかつた. 以上の成績より, 慢性肺氣腫例の左側胸部誘導における小さいR, 深いS, およびR/S比の減少等の所見は, 肺循環障害にもとづく右室負荷によると思われるが, やはり心の形態と位置の変化に由来する場合もあり得ることが考えられる.
  • 山形 昭英
    1966 年 55 巻 4 号 p. 297-307
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    腎counter-current理論の導入とともに腎濃縮稀釈機構は解明されつゝあるが, 特に尿素の腎内動態にかんしては摂取蛋白量の影響もあり不明の点も少なくない. 著者はrat腎内尿素分布状態を, 各種状態 (正常, 利尿および抗利尿) の経時的推移について14C標識尿素を併用して調べた. Mannitol利尿状態より正常状態への回復は腎乳頭が比較的早い回復を示し, ADH存在下においては, 髄質および乳頭の尿素に対する透過性が亢進し, 尿素のtrappingを増強せしめ, これが腎内尿素再循環に影響を与え皮質より乳頭に至る尿素の滲透圧濃度勾配を形成すると考えられた. 蛋白摂取量の変化による腎内尿素分布状態に及ぼす影響にかんしては, mannitol利尿例における高および低蛋白食群では腎よりの尿素洗い出しに対するbarrierの存在, 尿素再循環効率の変化等の問題が暗示された.
  • 永野 信之
    1966 年 55 巻 4 号 p. 308-325
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    臨床的に蛋白同化ステロイド (ASと略す), 副腎皮質ステロイド (CSと略す) 単独投与, 両薬同時併用, およびCS維持量投与中にAS追加併用の各群の, 血清蛋白成分, 血中非蛋白窒素成分, 血清電解質, 尿中窒素排泄量および体重の変動を観察し, 同時に各種ASの効果も比較検討した. 血清蛋白成分, 血中非蛋白窒素成分は4群とも正常範囲内で僅かに変動したが, 2組の併用群はAS単独群と類似の傾向をみた. 血清電解質も正常範囲内の変動をみたが, AS投与の3群はCaの上昇を観察した. 尿中窒素排泄量はAS単独群では明らかな減少をみ, この傾向はΔ′17MT, HMD等に顕著であつた. CS群では逆に増加した. 2組の併用群でAS単独群に匹敵する減少を認め, 投与第1週では単独群より顕著であつた. 体重増加はCS単独群以外に認め, AS別にも若干の差があつたが, 同時併用群で顕著であつた. 体重増加はまた, 窒素排泄減少と相関を示した.
  • 長沢 俊彦, 柴田 整一
    1966 年 55 巻 4 号 p. 326-330
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    SLEを始めとする種々の膠原病諸疾患62症例の血清中の抗核因子陽性率とそのstaining titerを螢光抗体間接法を用いて検討した. その結果SLEと強皮症の2疾患において陽性率がきわめて高く, そのstaining titerも全例32倍以上の高値を示すことを見出した. 一方, 近年ステロイド療法の進歩に伴なつてSLEの予後が著しく良好となり, 発病後10年近くを経過した現在, ステロイドの維持量を服用してほゞ正常の生活を営んでいる症例にも接しうるが, これら長年観察を続けているSLE諸症例の経過年数とstaining titerとの間には必ずしも正の相関が成立しないことが注目された. 螢光抗体間接法による抗核因子の検査はLE細胞検査よりも手技が簡単で, かつその判定も一目瞭然であり, 結果を定量的に表現できる. したがつて膠原病, とくにSLEあるいは強皮症の疑われる症例に遭遇した場合には必ず行なうべき臨床検査方法と思われる.
  • 藤原 二朗, 深尾 利津雄, 山手 和子, 宮地 徹, 宮地 秀樹
    1966 年 55 巻 4 号 p. 331-336
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
    1955年H. Popperらは低所得者層に属するアルコール中毒患者の剖検例中, 奇異な肝組織像を呈するもの, すなわちマロリ一体形成を伴なう肝細胞の変性壊死と著明な白血球のびまん性浸潤を伴なう繊細なかつ不規則な分布の膜様増生を主とする病変を集めて, 臨床像と併せ解析し, これをflorid cirrhosisの名の下に発表した. これらの病変はわが国においては, なぜか, 多量のアルコールの消費にもかゝわらず報告例を認めず, 民族的要因あるいは生活環境についてこの疾患の発生病理を考える上で興味ある例であろう. もしこの疾患の発生に榮養条件とともにアルコールの種類が関与するならば, 本患者にも長期にわたる日本酒およびウイスキー併用の前歴を認めることを考えあわせ, わが国においても近い将来, 多くの本疾患が報告される可能性が考えられよう. 以下本邦において初めていわゆるflorid cirrhosisと診断された患者の臨床像を中心に, 剖検所見を併せ報告する.
  • 1966 年 55 巻 4 号 p. 337-375
    発行日: 1966/07/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
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