Stokes-Adams症候群はisoproterenol hydrochlorideを中心とする薬物療法,種々の蘇生術および電気ペースメーカーの発達により治癒可能の疾患となつた.最近著者らが経験した主として徐拍動型反復性Stokes-Adams症候群を有する7症例のうち2例は薬物療法に終始して死亡し, 5例は薬物療法により数回の危機を脱した後,植込式電気ペースメーカー装填を行ない,全例日常生活に復帰した.著者らの例でも洞調律時,高率に右脚ブロックを認め,左軸偏位をとるものが多い.血清蛋白は一般に低くα
2-グロブリンの増加例がみられる. Stokes-Adams発作に対する救急処置としてisoproterenol hydrochlorideは有力な薬物であり,その使用法を詳述したが,反復使用を必要とする場合,薬効に限界があり,植込式ペースメーカー適用の時期を誤らぬことが大切である.電気ペースメーカー植込後出現する「競り合い」現象抑制にreserpineが有効である.心房収縮の心機能におよぼす重要性を自験例により示し,心房波同調型ペースメーカーの将来性に言及した.
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