日本内科学会雑誌
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56 巻 , 7 号
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  • 鳥飼 勝隆
    1967 年 56 巻 7 号 p. 633-644
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    中枢神経系virus感染症の流行状況の実体を捕える目的で,昭和37年より39年の3カ年にわたつて関東を中心とした地域の一般病院で扱われた無菌性髄膜炎67例と脳炎29例にvirus学的病原検索を行なつた.その結果, 47例(49%)に病原を確定し,その内訳は日脳感染例18例, ECHO 4感染例28例, CoxA 9感染例1例であつた.日脳感染例は例年にわたつて散発的に発生したが昭和39年8月より10月にかけてECHO 4による無菌性髄膜炎が静岡,福島地区に流行した.この静岡,福島地区と期を同じくして本邦の各地でもECHO 4による無菌性髄膜炎の流行がみられたが,これら流行は本邦で報告された最初の流行例である.静岡,福島地区の無菌性髄膜炎例を対象とし, ECHO 4に対してCF反応と中和試験を施行して両反応の成績を比較したところ, CF反応で45例中11例,中和試験で48例中21例の診断成績をえた.この相異の原因として両抗体価の上昇時期や,抗補体の存在などが関与することを明らかにした.
  • 高村 徳大
    1967 年 56 巻 7 号 p. 645-656
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食餌蛋白の質および量の糖尿病に及ぼす影響を追究する目的で臨床的ならびに実験的に検討した.その結果,糖尿病のcontrolと食餌組成の関係については,低蛋白低protein score食はcontrolに悪影響を及ぼすと思われ,また低protein scoreは高protein score食に比べ空腹時血塘,血清総cholesterol,リポ蛋白β/α比,糖同化能の面で不利な成績をえた. alloxan糖尿シロネズミにおいても低protein score食,殊にその低蛋白は糖同化能の面で不利な成績をえた. cholesterol負荷alloxan糖尿シロネズミおよび対照シロネズミにおいても諸代謝の面で低蛋白低protein score食が最も不利であり,漂準蛋白量protein score食で最も優れた成績をえた.病理組織学的にも低蛋白低protein score食では肝に高度な脂肪変性をきたし,膵ラ島にも悪影響を及ぼすことを知つた.またこの傾向はalloxan糖尿シロネズミで顕著であつた。以上,糖尿病の食餌療法においては良質の蛋白を適量与えることがcontrolや,合併症予防の面で望ましいと思われる.
  • 内田 邦彦
    1967 年 56 巻 7 号 p. 657-665
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺生理学的にみた呼吸機能障害は低酸素血症と高炭酸ガス血症の組み合わせに要約できる.しかし安静時には正常範囲にあつても,運動により異常を示す症例も多い.著者は負荷後の血液ガスを追究して呼吸機能障害の診断のみならず,治療,対策,管理の資料に役立てんと考えた.呼吸機能障害にかんする報告は多いが,その多くは換気面よりの追究で,血液ガスより追究した報告は少ない.とくに負荷後の動脈血検査から呼吸機能障害を追究したのが本論文の特徴である.著者は運動負荷にかんするわれわれの正常値より考え,負荷後のPaO2を80mmHgに, PaCO2を45mmHgで区分し, 3群に分類した.これら3群について心肺性動態諸因子,すなわち換気,肺胞換気,酸素摂取率,酸塩基平衡,血中乳酸・ビルビン酸濃度,血行動態の諸因子の運動負荷による変動を追究して,呼吸機能障害の障害パターンを知り,臨床的に有用な指標となることを示した.
  • 広木 忠行
    1967 年 56 巻 7 号 p. 666-677
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心室性期外収縮のベクトル心電図をFrank法を用いて撮り,稀発性のものも捉えるためにテープレコーダーを利用し,系統的な研究を行なつた.本編ではQRS環・T環を検討した.心室性期外収縮のベクトル心電図は主にQRS環の形と方向から, 6型A1, A2, B, C1, C2, C3型に分けられ,その起源部位にはA型は右室, B型とC型は左室が推定された. A1型は臨床的には良好な状態にある症例にみられることが多いが, B型とC型は比較的重症な症例に多かつた. A2型はこれらの中間に位置していた。頻発性心室性期外収縮と稀発性のものとの間には,ベクトル環の形にかんする限りでは殆ど差異がなかつた. A型とB型のT環は通常QRS最大ベクトルとほぼ正反対の方向に向うが, C型のT環はQRS環終末ベクトルとほぼ正反対の方向に向うことが多かつた.正常例の稀発性心室性期外収縮では純粋な二次性T変化を示すと考えられるが,この場合, T環はQRS環と同じ回転方向を示した.
  • 広木 忠行
    1967 年 56 巻 7 号 p. 678-684
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    洞調律を有する症例にみられた心室性期外収縮32例のベクトルU環の形態上の特徴について検討した.U環はQRS環の場合と同様にテープレコーダーを使用して撮つた.撮影のさいにTU環は佐野らのベクトル環分離切断装置を用いて観察した。心室性期外収縮のU環は,正常例にみられる正常収縮のU環がその始めの部分で小さく回転して,小さい環を形成し, T環終末脚の延長方向に棍棒状に延びるのとは対照的に,小さく回転するようにみえるが,小さい環を示すことは稀であり,形も不規則であつた.正常例にみられた心室性期外収縮のU環は臨床的に得られる範囲では, QRS変化に対して最も純粋な二次性変化を示すと考えられるが,このような際のU環は通常T環終末脚の延長方向に描かれた.一方,種々な心疾患を有する症例にみられた心室性期外収縮のU環は必ずしもT環終末脚の延長方向には延びず, TU接合部で著しい屈曲を示すものが多かつた.
  • 高畑 譲二
    1967 年 56 巻 7 号 p. 685-697
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    動脈硬化症患者の血清脂質および脂酸構成の異常についてすでに報告したが,今回はリノール酸エチル(ELと略す),デキストラン硫酸(DSと略す)を本症患者および実験的動脈硬化家兎に投与して,脂質および家兎のアテロームの回復に及ぼす影響を観察した.患者にELを15g/日投与すると血清コレステロールは明らかに低下し,血清総脂酸構成ではリノール酸%, L/O比の著増が認められた.実験的動脈硬化家兎に5g/日投与すると血清脂質は低下し,血清,組織での不可欠脂酸の相対的欠乏は改善されたが,アテロームの回復は認められなかつた.一方, DS 450mg/日を患者に投与すると,中性脂肪の著明な低下を認め,アラキドン酸%の上昇傾向を認めた.実験的動脈硬化家兎にDSを120mg/日静注すると血清中の各脂質は低下し,脂酸構成の改善は血清においてのみ認められ,アテロームの回復は認められなかつた,以上の点より両薬物は動脈硬化症の治療としてよりは予防的に使用されるべきものと考える.
  • 畑 明
    1967 年 56 巻 7 号 p. 698-708
    発行日: 1967/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝不全の存在下では高アンモエア血は,アンモニア単独ではみられない作用をもつと考えられるので,肝不全に関係する因子として,低血糖,低カリウム血,低級脂酸の三つをとりあげ,その単独作用と,アンモニアとの相互作用をしらべた.低血糖は脳幹網様賦活系の機能低下と,大脳辺縁系の興奮を起こす血糖値がかなり低い時には,アンモニアは低血糖の網様系抑制作用を助長する.軽度ないし中等度の低カリウム血では脳波に著変が起こらず,アンモニアとの相互作用も認められない.低級脂酸(酪酸)は網様賦活系を抑制する.酪酸が低濃度の場合,アンモニアは酪酸の作用を抑制するが,酪酸が高濃度の場合には,かえつてその作用を助長する.従来アンモニアは大脳辺縁系を興奮させて種々の精神々症状を起こすが,肝性昏睡の直接原因にはならないと考えられてきた.しかし.他の因子とともに働くと,その相互作用によりある場合には昏睡誘起因子となることを示した.
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