日本内科学会雑誌
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57 巻 , 4 号
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  • 齋藤 嘉美
    1968 年 57 巻 4 号 p. 415-419
    発行日: 1968/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    蛍光抗体法直接法を用いて大動脈炎症候群における免疫学的研究を行なつた.大動脈抗原は大動脈中膜(主に外膜側)・外膜の弾性線維にかこまれた部位に存在し,細網状または均等構造を有していた.補体結合反応による抗大動脈抗体価1:20の大動脈炎症候群2例に特異蛍光をえた.他の補体結合反応による抗体価が1:5であつた1例,陰性であつた2例の大動脈炎症候群3例,抗体価陰性の他疾患3例合計6例では,いずれも特異蛍光は得られなかつた.大動脈炎症候群において,かかる弾性線維間に介在する物質が,その抗原抗体反応に関連をもつこと,本症の発生上,自己免疫的機序の関与している再能性を考察した.
  • 豊増 省三
    1968 年 57 巻 4 号 p. 420-427
    発行日: 1968/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性リンバ性白血病のリンパ球の性格を究明する最初の実験として, 6例の慢性リンパ性白血病患者の末梢リンパ球をphytohemagglutinin (PHA)で培養し,その成績を二,三の血液疾患および正常人よりなる対照群のそれと比較した.慢性リシバ性白血病のリンパ球は対照群に比しPHA刺激にまつたく反応しないか,少数のリンパ球のみが反応を示した.培養細胞数を少なくすると芽球出現率, 3H-thymidineラベル率ともに上昇することを認めた.末梢リンパ球数の多い慢性リンパ性白血病例ではリンバ球の幼若化は認められなかつたが,血清γ-グロブリン値と幼若化との相関関係は明らかでなかつた.再生不良性貧血患者との交叉培養で,慢性リンパ性白血病患者の血清中にはPHA刺激に対する反応を抑制する因子はないようであつた.
  • 石渡 淳一
    1968 年 57 巻 4 号 p. 428-441
    発行日: 1968/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    わたくしは癌組織においては,変性組織と明らかに異なる電子構造の異常が存在し,少なくともその一部が細胞顆粒に存在する燐脂質を含む機能リポ蛋白(または活性錯化合物複合体)におけるradicalのtrap,またはspin relaxationが正常のそれと異なることに依存するという実験成績をえた.そして量子生物学的にみて,これが癌組織内過酸化物に生ずるcis-trans共軛methylene dieneにその源を求め,この常磁性の変化が癌特有の酵素活性の変動を招くものと推論した. B2-ButはDAB変性肝にけるESRスペクトルの強度を減ずるが,発癌肝にける特異なESRのシグナル(g=2.035)には影響はおよぼさなかつた.同様のことは, mitomycin C投与白鼡肝においても見られ,この種の特異的変化に対する薬物の開発は,今後の研究に俟たれることとなつた,しかしいずれにせよこれらの変化は未だ推測の領域をでず,その本質的解明は今後行なわれる幾多のモデル実験を総合した上でえられることはいうまでもない.
  • 松林 晧爾, 原田 寿彦, 槙林 親教, 田中 靖久, 翁 恵美
    1968 年 57 巻 4 号 p. 442-448
    発行日: 1968/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Sulfonylurea, biguanide, polyketone等の経口抗糖尿病薬およびinsulinの家兎肝,膵および白血球の酸素消費ならびに嫌気性解糖に対する影響を観察し,次の結果を得た.経口抗糖尿病薬は各組織の酸素消費をほとんどの場合抑制するが,嫌気性解糖は肝ではcalcium mesoxalate,膵ではmetformin,白血球ではtolbutamide, buformin, calcium mesoxalate等によりかなりの頻度に促進がみられる.またかかる傾向はsulfonylurea, biguanide, polyketoneのいずれにおいてもみられ,薬物相互間に作用上の明確な差はない.またinsulinは肝の酸素消費を高濃度で抑制し,低濃度で促進した.嫌気性解糖は肝および白血球ではやや促進されたが,促進傾向は僅かにすぎず,また膵の酸素消費および解糖はともに抑制された.これらの傾向は経口抗糖尿病薬の作用とはまた異なるようである.
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