二次的栓球増多をきたす明らかな原因疾患がなく,著明な持続的栓球増多と血栓および出血傾向を示す疾患は, 1920年Diguglielmoがpiastrinemiaとして報告したのをはじめとして,いろいろな名称を冠した本症の報告が散見される.著者らは, 64才の男子で,本症と診断される1例を経験した.本症例は,両側足趾に次々と疼痛・壊死が出現し,時に,鼻出血・歯肉出血をみた.末梢血中の栓球数はほとんど常に100万/mm
3を越え,最高238万/mm
3に達し,軽度の貧血と白血球増多を伴つた.骨髄所見では,骨髄巨核球が237/mm
3と増加し,また,栓球生成能の亢進が示唆された.しかし,赤・白血球系細胞には異常をみなかつた.止血機能検査はいずれも正常値を示したが,栓球の粘着能および第1, 2, 3因子活性の低下が認められた.
32P4mCiの投与を行ない,栓球数は60~70万/mm
3に減少した.
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