日本内科学会雑誌
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60 巻 , 7 号
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  • 萩原 義種
    1971 年 60 巻 7 号 p. 597-607
    発行日: 1971/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    感染症患者における末梢血好中球アルカリおよび酸フォスファターゼ(以下それぞれN-Ap, N-Acp)の態度を知る目的で組織化学的研究を行なつた.また家兎に溶連菌死菌,腸炎ビブリオ死菌を静注して偽好酸球のアルカリおよび酸フォスファターゼ(以上N-Ap, N-Acp)を経時的に観察した. N-Ap染色は朝長法, N-Acpは鈴木の方法に準じて行なった. N-Apは急性感染症ではその種類にかかわらず高値を示した.肺結核では軽症な場合N-Apは低値を,湿性胸膜炎でも低値を示した.赤痢有症者では高値を,保菌者では正常値をとつた.ビールス感染症では低値であつた. N-Acpでは一般細菌感染症,肺結核,ビールス感染症それぞれにおいて健康人との有意差は認められず,重症例で軽度の上昇を示すものもあつた.N-ApとN-Acpの間には相関は認められなかつた.家兎で死菌静注数時間後に起こる白血球増加時にはN-APは増加せず,かえつて4,5日後に高値を示した.N-Acpは一定の傾向を示さなかつた.
  • 梶山 梧朗, 村上 忠正, 松浦 千文, 柚木 宏, 三好 秋馬
    1971 年 60 巻 7 号 p. 608-615
    発行日: 1971/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Alcohol長期投与中におこる肝脂肪沈着の機序について研究するため,われわれは家兎に3週間20%alcoho1水を水の代りに飲ませ,これに標識脂肪酸として,通常家兎体内に存在せず,また体内に常在する脂肪酸とほぼ同様の代謝を受けると思われるエライジン酸を1)静脈内注射および2)消化管内投与することにより,流血中および肝における脂肪酸の動態の観察を試み,同時に3)肝および貯蔵脂肪の脂肪酸構成を分析したところ,静脈内注射では肝中性脂肪や燐脂質にalcohol投与による変化はみられないが,消化管内投与では血清および肝においてこれら脂質,なかでも中性脂肪に著しい変化があらわれた,また脂肪酸構成においてもalcohol投与による肝の変化が貯蔵脂肪の脂肪酸構成と必ずしも類似せず,むしろ食餌性脂肪による変化を示唆する傾向が一部に伺われ, alcohol長期投与による肝脂肪の変化は直接食餌脂肪により強く影響されるものと推定された.
  • 稲田 紘, 加藤 俊夫, 林 隆一, 伊藤 勝啓, 古川 俊之, 梶谷 文彦
    1971 年 60 巻 7 号 p. 616-623
    発行日: 1971/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    PSP排泄試験に含まれる腎血流以外の副次的な情報を解析し, PSPの腎排泄におよぼす各種因子の影響を定量的に把握するため, PSP排泄のkineticsの模擬を試みた.まず動物実験の結果, PSPは体内で二相分布をとることが判明したので,これに基づき数学モデルを作成し,電子計算機によりsimulationを行なつたところ,その応答曲線は動物実験による実測値とよく一致し,モデルの妥当性を裏づける成績を得た.そこでモデルの医学的意義を検討した結果, PSP分布の第1相は循環血漿,第2相は肝腸系と推定され,また移行係数k1, k2, k3はそれぞれ腎からの排泄能,肝の異物排泄能,腸管吸収を意味するものと考えられる.これらの解析から,肝と腎におけるPSP排泄の代償作用を説明することができるなど,数学ないし電子計算機を生体現象の解明に応用することの有用性が示唆された.
  • 久保 文孝
    1971 年 60 巻 7 号 p. 624-631
    発行日: 1971/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性肺気腫の病因および病態と免疫グロブリンとα1-antitrypsinの関連を追求し,併せて抗心抗体を検出し,これらと心肺機能検査成績とを比較検討した.肺気腫患者の上記血清蛋白の平均値は,正常値に比して, IgA濃度は明らかに増加し, IgGはわずかに増加しており, IgMとα1-antitrypsinはほぼ正常値を示したが, α1-antitrypsinはintermediate levelを示した症例がみられた.なおIgAは1秒率, %MBC, PaO2, SaO2, PAmなどの心肺機能検査成績との間に有意の相関がみられ,経過をみた症例では肺機能の改善とともに, IgA濃度の低下がみられ,IgAの変化は気管支肺病変を反映しているように思われる,これに対しlgGは心肺機能検査成績と相関はなかつたが,肺機能障害の顕著な肺高血圧症例で抗心抗体が陽性のものに高値を示す傾向がみられ, IgG濃度の上昇には自己免疫的な機転の関与が推定された.
  • 小島 章, 露崎 和敏, 石塚 敬太郎, 七條 小次郎, 山田 隆司, 金子 由之助, 佐藤 和雄
    1971 年 60 巻 7 号 p. 638-641
    発行日: 1971/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝臓の赤痢アメーバ性膿瘍は,本来亜熱帯性,又は熱帯性の疾患とされ,本邦では最近極めて稀な疾患となつたが,われわれは多彩な臨床症状を呈し,比較的長い経過を示し,外国での生活経験のないアメーバ性肝膿瘍の1例を経験した.患者は発熱,上腹部痛を主訴とし,肝腫大,著明な貧血,血沈値亢進,白血球増多, alk-P-aseの上昇があり,生前,肝膿瘍が確認され,その穿刺液よりチヨコレート様膿汁が得られ,アメーバ性肝膿瘍が推論されたが,下痢は全く無く,便,胆汁,膿汁検査にて,アメーバ原虫は発見されず,生前最終診断には致らなかつた.病理解剖により,廻盲部,肝,右肺のアメーバ感染が確認された.本邦にも,外地在住の経験が無いアメーバ性肝膿瘍の存在する事を明らかに示し,不明の肝疾患患者を診た場合,アメーバ性肝膿瘍も一応鑑別する必要のある疾患である事を示した貴重な1例である.
  • 1971 年 60 巻 7 号 p. 710
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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