日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
61 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 青柳 元成
    1972 年 61 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    臨床例,とくに高血圧症,高血圧による左室肥大および正常例を対象として,心筋最大収縮速度Vmaxであらわされる心筋収縮特性について検討した.各群5例ずつを対象とし,通常左心カテーテル法により求められる等容収縮期の左室圧と左室dp/dtからMasonの方法に基づいて心筋最大収縮速度を求め,次いでatrial pacingによる心拍数増加の,これに及ぼす影響について調べた.心筋最大収縮速度は,安静時においても左室肥大群では正常群より低値を示し,逆に高血圧群では高値を示した. atrial pacingにより心拍数を増加させると,この傾向はさらに著明となり,とくに心拍数120では3群の間に統計的にも有意の差を認め,ヒトの肥大心においても多くの実験的報告と同様,心筋収縮特性の低下を認めることがわかつた.また,通常左心カテーテル法により求められる心筋最大収縮速度の臨床的有用性が認められた.
  • 大内 栄悦, 洞口 有成, 金子 良太郎, 野村 暢郎, 阿部 サナエ, 三浦 清美, 山形 敞一, 斉藤 輝信, 岡崎 太郎
    1972 年 61 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自己免疫疾患の発生病理については多くの成績が発表されているが,いまだ決定的な病因はないといつてよい.また自己免疫疾患の発生病理に関連するものとして,本疾患の網内系機能にかんする研究もきわめて少ない現状である.したがつてわれわれは諸種自己免疫疾患における網内系機能をコンゴー赤法によつて測定し,同時にその成績と臨床検査成績および臨床経過などと比較検討した.その結果はリウマチ様関節炎,全身性エリテマトーデス,特発性栓球減少性紫斑病, Behcet病では,多くは軽度または中等度の網内系機能障害を認めた.また白血球減少例,リンパ球実数減少例, RA陽性例, ASLO正常例において網内系機能が障害されている例が多い.リウマチ様関節炎ではCRP陰性例,経過の長い例において網内系機能が障害されている例が多い.血沈, γ-グロブリン, A/G比,血清免疫グロブリン,ステロイド療法および金療法の有無と網内系機能の間に相関はない.また網内系機能と自己免疫疾患の発病年令および疾患の経過との間に相関はなく,網内系機能の悪化と種々の臨床検査成績との間の相関がないことより,疾患の発症以前に網内系機能が障害されていることが推定された.
  • 橋本 康男, 森 真由美, 金沢 一郎, 石川 正, 田中 敏行, 堂福 隆一, 衣笠 恵士, 菅野 晴夫, 詫摩 武英
    1972 年 61 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    遺伝性家族性腎炎で難聴,眼症状を伴わず,腎障害の遺伝形式が完全伴性優性遣伝を示す家系を報告する.腎症状を持つ家系構成員7名の腎組織を生検法にて採取し光学顕微鏡および電子顕微鏡にて検討した結果,慢性腎盂腎炎の色合いの強い分類不可能な腎硬化症と推定され,年令に比して強い血管変化が特微とされた. Alport症候群ではない遺伝性家族性腎炎の報告は極めて少なく,その腎組織は現在まで報告されていないので,新しい型の遺伝性腎炎の一家系として報告する.
  • 佐竹 辰夫, 原 通広, 石川 裕, 龍華 一男, 石川 能正, 笠間 清士, 飯田 威夫
    1972 年 61 巻 1 号 p. 32-41
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    大気汚染に対する集団検診では,一率にせきとたんなどにかんする問診表とスパイロメトリーが採用されている.わたくしらは,さきに問診が中核を占める慢性気管支炎の診断基準(Fletcher)に対して形態学的変化を重視する立場から検討を加え,その実態を明らかにして注意を喚起した2)が,今回はスパイロメトリーと一酸化炭素肺拡散能力の意義について究明した.その結果,従来の肺機能検査諸量によつては慢性気管支炎の存在を指摘でき難いこと,このような僅かな閉塞性換気障害を簡単に検出するには流速流量比を用いた方がよいことが確認された.一方,慢性肺気腫の存在はスパイログラムの1秒率によつて簡単に指摘でき,しかも一酸化炭素肺拡散能力の測定をしなくても凡その形態学的重症度さえ弁別できることが分かつた.しかし,診断が不明の集団に対する検診に際しては, 1秒率55%以下をとつてもfalse positiveになる疾患が25%もあつたこと,また,たとえ肺気腫があつても1秒率の減少度と気腫化の重症度とは必ずしも一致しない症例があつたこと,などに注意して判断すべきであろう.
  • 伊藤 慶夫, 室橋 健, 江部 達夫, 野沢 幸男, 和田 十次, 荒川 正昭, 荻間 勇, 木下 康民, 真木山 麓
    1972 年 61 巻 1 号 p. 42-48
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    23才の女性で,血痰を主訴に来院し,諸検査を行なつたが,胸部X線像で両肺びまん性陰影を示す以外に何らの異常を証明する事が出来なかつたので,開胸肺生検を施行した所, IPHと診断された. IPHとG症の関連については議論も少なくなく,この点から両疾患についての本邦例を検討してみたが, IPHと報告されている中には,腎障害のみられている症例が約1/3を占めており,しかも偶然の合併と考えられているが,それにしては頻度も高くG症との関連についても言及されておらない.報告例からは両疾患についての考え方はうかがい知る事はできないので,両疾患についての考えを述べ, IPHに腎障害を伴つた際の取扱いについて試案を示した.なお,本症例の今後の推移を追求する事は両者の相互関係についても解明の手懸りを与えるのではないだろうか.
  • 日野 昌徳, 原 桃介, 増田 武弘, 稲葉 午朗, 日野 和徳
    1972 年 61 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は39才,女.乳児期よりしばしば四肢テタニーと全身痙攣発作をくりかえしていた.また躁鬱症,異常行動などの精神症状も伴つていた.てんかんと診断されていたが,血清カルシウムの著減,無機燐の著増があり,爪の変形,多数の歯牙欠落・う蝕,腋毛の欠如などの異常が認められ,また頭蓋X線写真上,両側基底核部に対称に明瞭な石灰沈着を認めるなどの所見から,稀な疾患である特発性副甲状腺機能低下症と考えられるに至つた.本症は外胚葉系器官に諸種の異常をみるとされているが,それらを同時にそなえるものは報告が少ない.本症例は四肢テタニーに加え精神神経症状,形態の異常などを伴うきわめて珍しい1例である.
  • 戸塚 忠政, 草間 昌三, 三原 宏俊, 神谷 晴美, 百瀬 邦夫, 金井 正光, 野本 昭三
    1972 年 61 巻 1 号 p. 56-60
    発行日: 1972/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    先天性ないし遺伝性溶血性貧血のうち赤血球解糖系の酵素欠乏による一連の疾患は,赤血球酵素異常症と呼ぼれている.このうちpyruvate kinase欠乏症は1961年Valentineらの報告以来,その病態が注目されている.最近われわれは本症の1例を経験した.症例は18才の女子高校生であり, 14才の時より黄疸を指摘されていた.軽度の貧血,網状赤血球増多,骨髄での赤芽球系の増生,赤血球寿命の軽度短縮,高間接bilirubin血症を認めるが免疫血液学的検査に異常を認めず,赤血球酵素活性の測定でpyruvate kinase活性の低下を認めた.また患者親族について血液学的ならびに酵素学的検索を行なつた結果,従来の報告の如く常染色体性劣性遺伝であると推測された.本報告例と共に本邦報告例5例について,若干の考察を行なつた.
feedback
Top