日本内科学会雑誌
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61 巻 , 11 号
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  • 八谷 孝
    1972 年 61 巻 11 号 p. 1384-1391
    発行日: 1972/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清T3値をT3RIAで測定した.抗T3抗体はT3とBSAを結合させたもので,ウサギを感作してつくつた.このT3抗体はL-T4との交叉反応は0.17%であつた.血清T3測定法には, (a)血清からエタノールでT3を抽出して測定する間接法と, (b)血清にサリチル酸10-2Mを添加してT3とTBGとの結合を離して測定する直接法とで,血清0.1mlのT3値を二重抗体法で測定した.直接法では,甲状腺機能低下症血清か,この血清をDCC処理によつて内因性T3を除去したものを用いて標準曲線を作成した.比放射能の高い125I-T3(454mc/mg)を用いると32から1,000pgのT3値が測定された.間接法での血清T3値は,甲状線機能正常者(51例)で0.96±0.52ng/ml,甲状腺機能亢進症(17例)で4.15±2.73ng/ml,甲状腺機能低下症(21例)で0.49±0.24ng/mlであり,間接法に比べて直接法では,平均値が正常者で0.36ng/ml,機能亢進症で3.42ng/ml,機能低下症で0.45ng/ml,機能低下症で0.45ng/ml高値を示した.
  • 松本 美富士
    1972 年 61 巻 11 号 p. 1392-1399
    発行日: 1972/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗原-抗体複合物の遷延感作によつてマウスにアミロイドーシスを発生せしめ,その成因について検索を行なつた.各種免疫抑制薬による免疫反応の抑制の程度が強い群ほどアミロイドーシスの発生が高頻度に認められた.アミロイドーシス発生群は用いた感作抗原である抗原-抗体複合物に対する免疫反応は認められないにもかかわらず,免疫反応の強く認められた群と同様に高γ-グロブリン血症の状態にあつた.またアミロイドーシス発生は脾,肝,腎およびリンパ節に認められ,これらの免疫反応臓器である脾,リンパ節および肺組織における形質細胞反応は免疫反応の認められた群と同様の強いクローン形成を伴つていることが明らかとなつた.以上の結果よりアミロイドーシス発生は獲得性の免疫学的寛容状態の下で直接的に形質細胞の関与によるものと推測される.
  • 佐々 英一
    1972 年 61 巻 11 号 p. 1400-1407
    発行日: 1972/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    動脈硬化進展におけるβリポ蛋白(超低比重+低比重リポ蛋白)およびαリポ蛋白(高比重リポ蛋白)のatherogenesityについて,疫学的な面およびin vitroにおける動脈壁へのリポ蛋白の取込み,動脈壁からの放出の面より検索した.疫学的研究においては, 40才以上の男子健常例,高血圧症例,脳血栓例,虚血性心疾患例に分け超遠心法により超低比重リポ蛋白,低比重リポ蛋白を測定した.脳血栓例,虚血性心疾患例においては健常例に比べ超低比重リポ蛋白,低比重リポ蛋白の両者共に高い値がみとめられた.健常例と動脈硬化症例に分けて高比重リポ蛋白を測定したところ,高脂血症の有無にかかわらず動脈硬化症例においては高比重リポ蛋白が低い値を示した. in vitroにおける研究では,動脈壁に対して,αリポ蛋白は,βリポ蛋白に比べて6倍も放出が多い.αリポ蛋白はβリポ蛋白の動脈壁に対する取込みを抑制し,放出を促進する成績を得た.その結果,βリポ蛋白にはatherogenesityが存在するが,αリポ蛋白には,むしろ動脈壁に対するβリポ蛋白の取込みの抑制,放出の促進というanti-atherogenicな作用が存在する.
  • 庭山 昌俊, 伊東 義一, 木下 康民, 小網 悦子, 屋形 稔
    1972 年 61 巻 11 号 p. 1408-1413
    発行日: 1972/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    大酒豪家で糖尿病とアルコール性肝障害を有する45才の男子にmacroamylasemiaを認めたので報告する.膵臓検査,および腎臓検査はともに正常.唾液腺疾患は認められず,尿amylase値は正常であつたが,血清amylase活性のみ異常高値を示した.ゲル濾過法,および超遠心分析法により,この高amylase血症は9S高分子amylaseであることが証明された.この高分子amylaseはpH 3.4での酸性化により解離された.さらにこの高分子amylaseは免疫学的方法により, amylaseとIgAとの結合物であることが分かつた.一方,患者血清のamylaseを除いた蛋白部分の濃縮液にヒト膵液を加えると,高分子amylaseが生成された.従来, macroamylasemiaは7S, 11S, 19Sの3型があることされているが,本例はこれらとは異なる9S macroamylasemiaであつた.
  • 林 弘, 長谷川 栄一, 沢 宏紀, 金丸 正泰, 竹沢 英郎, 高崎 浩
    1972 年 61 巻 11 号 p. 1414-1420
    発行日: 1972/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    身長141.5cm, 71.5kgの女性で,網膜色素変性,肥満,知能障害,多指趾症,血族結婚を兼ねたLaurence-Moon-Biedl症候群に糖尿病および尿崩症を合併した症例を経験したが,この症例で,狂暴性,嗜眠発作,脳波のalpha波消失, IQ=27をも認めた.また, metyrapone, ACTHに対し,下垂体,副腎は正常に反応,トルコ鞍も正常であつた.糖尿病がinsulinでコントロールされ,耐糖能も正常化されると,同時に,低張尿,多尿(6~8l),口渇がみられ, Pitressinテスト, Carter-Robbinsテスト,口渇テスト,口渇-Pitressinテスト等により,下垂体性尿崩症と診断した. P607 250mgにより,尿量は減少したが, thiazide利尿薬は無効であつた. Laurence-Moon-Biedl症候群の原因は不明であるが,糖尿病,尿崩症,狂暴性や嗜眠発作等のKleine-Levin症候群を合併し,これらの合併症があつたところから,一連の広範な間脳障害または,発育異常により生じたものと考えた.
  • 長谷部 碩, 辻 照雄, 井形 昭弘, 高山 昇二郎
    1972 年 61 巻 11 号 p. 1421-1429
    発行日: 1972/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1970年4月~5月に三楽病院入院中の2名のSMON患者(73才と47才の女子)が緑色舌,緑色便のほかに緑色尿を呈した.この緑色尿の沈渣中に緑色の針状結晶が多量に発見された.この結晶は吉岡,田村により非抱合のキノホルムと,キノホルムと鉄の錯化合物からなることが明らかにされた.このことが端緒となりキノホルム中毒が注目されるに至つたことを考えるとSMON究明の上で重要な症例であるといえる.患者はその後不幸にして死亡した.その剖検所見で脊髄,視神経,末梢神経の軸索の変性.脱落と索状脱髄を中心とした炎症所見を欠く系統的な変性がみられて典型的なSMONと診断された.
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