日本内科学会雑誌
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61 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山田 邦子, 堀越 公子, 伊藤 洋子, 中沢 次夫, 小林 節雄
    1972 年 61 巻 3 号 p. 245-250
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清α1-antitrypsin (α1-AT) が, 閉塞性肺疾患, とくに肺気腫に関与している事が最近注目されている. 先にわれわれは, 野見山らと共に, ゲラチン消化法を用いて本値の測定を行ない, 日本人におけるα1-AT欠乏症の存在は非常に低率である事, 閉塞性肺疾患患者と正常人との間に, 本値の有意の差はみられなかつた事を報告した. その際, 気管支喘息症の11%に比較的高値を示すもののある事をみ出し, この問題を再検討するとともに, 他の二, 三の肺疾患を主とした内科的疾患について, 本値の変動を免疫拡散板を用い定量的測定を試みた. その結果, 気管支喘息では本値のバラツキが多く, 採血時有症状者は低値を示す傾向がみられ, これは慢性気管支炎と対照的であつた. 肺気腫では, 若年者に低値の傾向がみられた. 肺の非特異的炎症では一般に高値をみたが, 肺結核症では一定の傾向はみられにかつた. 全例中, hetero-deficiencyと思われる例は1%にみられた.
  • 小川 勝人
    1972 年 61 巻 3 号 p. 251-261
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺はその主機能であるガス交換以外に, いわゆる非呼吸性肺機能を有することが知られている. この非呼吸性肺機能の重要な部分をしめる代謝機能のうち, 肺の代謝に関与する酵素の合成, 抗体産生, 分泌, 吸収などにかんする生化学的解明の基礎となる蛋白合成系についての検討は, ほとんど行なわれていない. 著者はこの点を正常ならびに肝障害ラットを用い, in vivoとin vitroでの放射性アミノ酸の蛋白へのとりこみを中心として, 肺と他臓器, とくに肝の蛋白合成系との差異を実験的に比較検討した. in vivoでの14C-leucineの肺組織蛋白へのとりこみは, 肝のそれより低値ではあるが, 肺でも短時間でラベルされる蛋白の存在を確認しえた. 蛋白の比放射活性は, 14C-leucine注射後経時的に肺と肝とでは明らかに異なるpatternを示した. CCl4による急性障害肝では, 蛋白合成能は明らかに低下するが, このさい, 肺の蛋白合成系に及ぼす影響はみとめられなかつた. さらに, in vitroでの肺と肝との蛋白合成系を比較した結果, 両者の差異の一部は, microsomeの機能に由来することおよび蛋白合成に関与する酵素系に著明な差異があることを知りえた. また, 肺のmicrosomeはかなり大きい蛋白合成の予備能を有する事実をも明らかにしえたと考える.
  • 俵 穆子
    1972 年 61 巻 3 号 p. 262-273
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    狭心症の中で心筋硬塞を発症, あるいは突然死を招来するような重症型を内容的に整理する目的で, 以下の検討を行なつた. まず労作狭心症をNYHAの分類にしたがつて4群に分け, これと情動狭心症, 安静狭心症について, 血圧, 心拍数, 心筋酸素消費, 心電図の面から検討した. また, 特にこの中の重症型につき発症の様式, 予後につき検討した. 1) 労作狭心症は発症に際して, 心拍数増加, 血圧も増加傾向, 心筋酸素消費を代表する指数はいずれも増加を示すが, 重症になるに従い, これ等の増加率は少なくなる. 2) 情動狭心症も同様であるが, 血圧が特に著明に増加する. 3) 安静狭心症は前二者と異なり, これらの因子が狭心症発症に関与しているとは考えにくい. 4) 心電図変化は重症型になるに従いST, Tの上昇を示すものが多い. 5) 重症型については発症の様式, 合併症などにより予後に若干の違いはあるが, 4カ月以内に不幸な転機をとることが多く, この期間の適切かつ充分な治療が重要である.
  • 赤松 興一, 西崎 哲一, 遠藤 浩, 武田 和久
    1972 年 61 巻 3 号 p. 274-281
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    8年以上の長期間にわたり, 関節痛, 微熱を訴え, 膠原病あるいは関節リウマチとして治療されたが, 次第にやせが著明となり, 著しい全身衰弱に陥つた神経性食欲不振症の1例を経験した. 症例は, 32才, 女, 体重26kg, 諸種の検査成績からは膠原病, 感染症, 内分泌機能不全を思わせる所見は認められず, 著明なやせを来たす器質的疾患の存在は考えられなかつた. 治療にあたつては, まず飢餓栄養障害による身体的異常, 精神的反応を除去する目的で諸種の人工栄養薬の投与を行なつた. 患者に常食を摂取させた時期では, 経静脈に栄養薬を投与しても, 体重を増加させるだけの熱量を投与することはできなかつたが, 経口食物の投与を一切中止し, 経管栄養食と経静脈栄養薬のみの投与によつて2,250Calを投与することができて, 治療開始後約1.5カ月で患者の体重は40kgまで急速に増加した. さらに, 退院後現在に至るまで9カ月間の家庭生活でも, 体重は次第に増加し, 食欲不振症自体治癒したものと考えられた. また, この患者には, 前後2回に分け, 合計34週間, 連日10% Intralipid 500ccを投与しており, このような長期にわたる脂肪乳薬投与の臨床経験については, 本邦では未だその報告がみられないので, われわれが得た若干の知見をも併せ報告した.
  • 木村 哲, 藤原 研司, 三田村 圭二, 苅家 利承, 本田 西男
    1972 年 61 巻 3 号 p. 282-287
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Hemolytic uremic syndromeは, 上気道炎様症状および消化器症状の後, 急激な溶血性貧血, 急性腎不全, 赤血球形態異常, 血小板減少を来たす稀れな疾患で, その本態は, microangiopathic hemolytic anemiaと腎小動脈の血栓であるといわれているが, 現在迄の報告はほとんど小児に限られ, 成人例は極めて少ない. われわれは最近本症と思われる成人例を経験した. 患者は59才, 女. 上気道炎様症状, 消化器症状を呈した後, 貧血および乏尿をきたした. 血清GOT, LDH, bilirubinの一過性上昇, 赤血球寿命の短縮, burr cellの出現, reticulocytosis, 血小板減少, 骨髄のerythroid hyperplasiaなど全てmicroangiopathic hemolytic anemiaに一致した. BUNは187.5mg/dlまで上昇し, 急性腎不全の状態であつたが, 漸次回復し, 患者は3カ月後退院した. 以上の経過および検査成績から, 本症例は, 成人には稀れなhemolytic uremic syndromeであると考え報告した.
  • 佐々木 英夫, 山田 幸男, 金子 兼三, 尾崎 信紘, 田中 直史, 田山 満男
    1972 年 61 巻 3 号 p. 288-294
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近, 間脳下垂体腫瘍の内分泌症候が注目されているが, われわれは第3脳室底部の過誤腫的性格をもつgnagliogliomaと思われるまれな腫瘍で, 多彩な内分泌症候を呈した1例を経験したので報告する. 症例は33才, 女. 4年前にSimmonds症候, 糖尿病発見. 視力障害, 頭痛で入院. Panhypopituitarismと乳汁分泌発見, 50g OGTTで糖尿病型でIRIは無反応. PVG施行後4日目にhyperosmolar nonketotic diabetic comaに陥り死亡した. 剖検により第3脳室底に過誤腫的性格をもつgangliogliomaを認め, 下垂体柄部と後葉に腫瘍細胞を認めた. 前葉には組織学的に著変はなかつたが, 副腎, 卵巣, 甲状腺, 膵臓ラ島に萎縮が認められた. 以上, 若年型糖尿病と尿崩症, Simmonds症候と乳漏症ときわめてまれな合併を揃え, 最後にhyperosmolar nonketotic diabetic comaで死亡した症例であるが, その多彩な症候の成立機序に若干の考察を加えた.
  • 1972 年 61 巻 3 号 p. 295-338
    発行日: 1972/03/10
    公開日: 2011/02/22
    ジャーナル フリー
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