日本内科学会雑誌
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61 巻, 5 号
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  • 高崎 浩
    1972 年 61 巻 5 号 p. 461-474
    発行日: 1972/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 竹下 吉樹, 吉松 礼三, 井出 雅之, 浜中 信孝, 上田 淑行, 福山 一郎, 阿部 秀康, 吉田 秀雄
    1972 年 61 巻 5 号 p. 475-478
    発行日: 1972/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Plasma Inorganic Iodine (PII):値は食餌によつて大きく影響されることは良く知られている.以前にわれわれはヨード制限食下で甲状腺機能亢進症および単純性甲状腺腫ではPII値は低く,機能低下症では高いことを報告した.この論文では食餌性因子を考慮せぬ目的で一切の食餌制限を加えず,しかも検査日の朝食後3~4時間目のPII値を測定した.その結果絶対値は全群可成りの高値を示し,甲状腺機能正常者では4.33±3.67μg/ 100mlであつた.甲状腺疾患別のPII値の傾向性はヨード制限を行なつた場合と全く同様で,機能亢進症が一番低く,単純性甲状腺腫,機能正常者,機能低下症の順になつた.以上のことからびまん性甲状腺腫では機能の如何を問わずヨード代謝の促進があると推測される.
  • 生検材料によるacetylcholinesteraseおよびmonoamine oxidase活性と鍍銀所見について
    小林 俊夫
    1972 年 61 巻 5 号 p. 479-492
    発行日: 1972/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    各種呼吸器疾患患者47名について主気管支粘膜生検を行ない,神経線維について特異的cholinesterase, monoamine oxidase活性の組織化学的検索,鍍銀像の観察を行ない,各種疾患の病態生理の解明を試みた.気道症状(-)例,慢性気管支炎,その他の疾患例に比べ,気管支喘息では特異的cholinesterase活性の増強している例が多く,粘膜固有層と粘膜下組織の比較では,粘膜固有層の特異的cholinesterase活性線維は後者のそれより活性の増強しているものがみられた.気管支喘息ではcholinergicの機能が亢進しており,気道壁の粘膜固有層側にその変化が強いことが推定された.鍍銀像では,気管支喘息全例に,増生,肥厚,鍍銀性亢進,走行不整などの所見がみられた.気道症状の継続期間と鍍銀像との関連については,気道症状の遷延したものに,神経線維の各種異常所見のみられるものが多く,両者の間に密接な関連を認めた.
  • 小島 峯雄, 宮川 武彦, 福田 信臣, 安藤 喬, 若原 達男, 小林 寛治, 亀谷 正明, 高橋 善弥太
    1972 年 61 巻 5 号 p. 493-500
    発行日: 1972/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Au抗原陽性慢性肝炎または肝硬変症を発端者とする家系を調査し,その結果9家系に家族的にAu抗原陽性者が高頻度に発見され,うち5家系には発端者以外にもAu陽性肝疾患患者または肝機能異常者が発見された.これらの家系内の感染様式は母から子へと考えられるものが最も多く,母親がAu抗原陽性であるとその子供は49% Au陽性であつた.また父から子,同胞内,同居における感染,夫婦共に陽性者なども認められた.これらの感染はAu陽性者との接触の機会が多く,かつ若年者であるほど高頻度のように思われた.これらの家系のうちAu陽性者とその両親,同胞,子供計66名を集計してみると, Au陽性者は40名(60%)で陰性者は26名であり, Au陽性の男性は18名中7名(39%),女性22名中11名(50%)に肝機能異常が認められたが, Au陰性男性14名はすべて,女性は12名のうち11名に肝機能は正常であつた.
  • 藤森 直春, 安食 僖三, 水野 美淳, 田坂 仁正, 小坂 樹徳, 平山 章
    1972 年 61 巻 5 号 p. 501-509
    発行日: 1972/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は52才,女.入院時関節痛,甲状腺腫,浮腫,涙腺唾液腺機能低下など多彩な症状を呈し,当初Sjögren's syndromeと考えられたが,その後顎下腺,甲状腺,腎などの生検の結果, amyloidosisの確定診断を得た.そして, amyloid沈着と甲状腺腫,腎不全はもちろん, sicca syndromeや関節症状との間にもその因果関係を認めた. amyloidosisがsicca syndromeや関節症状の直接原因であるという報告は少なく,この点で本症例は貴重と思われる.一方, amyloid fibrilは従来抗原性が弱いと考えられてきたが,本症例では,腎生検材料の電顕像でfibrilのみがみられたにもかかわらず,同じ材料を使つた抗ヒトグロブリンの蛍光抗体直接法でamyloid沈着部位に一致して,蛍光像を認めた.これは,今後amyloidのpathogenesisを追求していく上でも,重要な所見となるだろう.
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