日本内科学会雑誌
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62 巻 , 1 号
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  • 鈴木 紘一, 藤野 忠彦, 相馬 紀夫, 内藤 金三郎, 横田 曄
    1973 年 62 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 1973/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    過表2年間に経験した胆道疾患127例につき,点滴静注胆道造影(DIC)および低緊張性十二指腸造影(HD)の所見より臨床的考察を試みた.DICは胆嚢の造影率では経口法と大差はないが,総胆管の描出にはすぐれていて,73~100%に可能である.胆管に結石をもつ21例(切除後症候群を含む)中,11例(52%)に結石像を指摘できた.総胆管最大径の計測では,胆嚢結石では42%に,総胆管結石で93%に,胆嚢切除後症候群では100%に,胆管炎で80%に10mm以上の拡張を認めた.DICで胆嚢結石だけ認め,胆管には結石のみられない症例で,総胆管の拡張を示す例が42%あり,これらには,同時に十二指腸憩室(主に傍乳頭)を併有する頻度が高かつた.HD所見では,胆管に病変のある症例に,乳頭部の変化,例えば腫大像や変形像が多く認められた.また,膵炎の併発を示唆していると考えられている所見,すなわち棘状突起像や下膝部の円形化も胆管結石例で高頻度にみられた,傍乳頭憩室は,HDを施行した103例中22例(21%)にみとめ,そのうち20例は胆道疾患であつた.また,この胆道疾患では,乳頭腫大像を示したものが9例(45%),総胆管拡張を示したものが17例中12例(71%)で,この成績は,乳頭部変化のうち傍乳頭憩室の存在が腫大像と並んで,胆道疾患の診断に,また病因論的にも意義があるものと考える.
  • 大野 嘉章
    1973 年 62 巻 1 号 p. 16-27
    発行日: 1973/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋硬塞時の不整脈, shock,心破裂などは,致命的急性期合併症として警戒を要する.この不整脈, shockなどの治療にglucose-insulin-kalium溶液の点滴静注が有効であるといわれる.そこでglueose-insulin-kalium溶液が如何なる機序により,効果をもたらすかを解明する目的で,実験的急性心筋硬塞犬を作成し, glucose-insulin-ka1ium溶液を点滴静注し,その際の心電図,脈拍数,心拍出量,心収縮力,左室筋張力,左心内圧および血圧,冠動静脈血電解質およびcatecholamine較差などを結紮前および結紮後60分まで10分毎に観察し,さらにglucose-insulin, glucose-kalium, glucoseの各点滴群および無処置群のそれらと比較検討した.不整脈はglucose-insulin-kalium群で13.3%にみられたのに対し,無処置群では58.3%にみられた.脈拍数は全群で増加した.心拍出量は無処置群以外の4群で回復傾向を示した.左心内圧および血圧はinsulinを含んだ群で早期に回復した.心収縮力および冠動静脈血電解質,すなわちkalium, calcium, magnesium較差は, kaliumを含んだ群で早期に回復した.左室筋張力はglucoseおよび無処置群以外の3群でやや高値を示した.冠動静脈血catecholamine較差は無処置群以外の4群でnoradrenalin,adrenalin較差ともに上昇したが,無処置群ではnoradrenalin較差は下降し, adrenalin較差は下降しなかつた.
  • 岡田 年弘, 高木 康行, 斉藤 佳雄, 山岡 三郎
    1973 年 62 巻 1 号 p. 28-39
    発行日: 1973/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    381例の高血圧症,脳血管障害につきN2O法による脳循環測定をseria1に行ない,その経過,予後と脳循環動態との関連を求めた.高血圧症を種々の因子により検討すると,高血圧患者の脳血流量(CBF)に最も大きな影響を与えるものは血圧管理の良否であつた.肥満そのものの影響は少ないが,肥満者にみられる脂質異常はCBFを減少させる方向に働く.高血圧症のCBFと,後に脳血管発作をきたしたものの発症前のCBFとの間には有意差を認めなかつた.高血圧から脳血管発作をおこすと,頭蓋内出血や重症,中等症の閉塞性脳血管障害ではCBFは有意差をもつて減少する.発作2~3カ月後のCBFは閉塞性脳血管障害重症例で改善がみられず,中等症では発作直後のCBFは低値でも有意に上昇する.軽症例では発作後のCBFはほぼ正常範囲にあり,その後も変化しない.発作後1カ月以上たつてもCBFが低値にとどまるものから死亡,再発作例の生ずることが多く認められた。
  • 平野 順造, 永野 英世, 長井 久仁雄, 勝田 京一, 福田 肇, 吉田 春彦
    1973 年 62 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1973/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病としての治療経過中に,いわゆる脊髄横断症状を呈した症例を経験したので報告する.患者は67才の男性.主訴は排尿痛,出血斑・発熱・倦怠感である.入院時の検査所見で,中等度の貧血と栓球減少があり,末梢血および骨髄像で骨髄芽細胞を認めたため,急性骨髄性白血病と診断して治療を始めた.血液所見および自覚症は順調に改善したが,入院後2カ月頃より食欲不振を訴え,前胸部皮下に腫瘤が出現,X線像でも胸骨後部に腫瘤陰影を認めた。さらに背部から胸部にかけて神経痛様疼痛が起り,ついで下半身の全知覚脱失・下肢の弛緩性対麻痺・膀胱直腸障害のいわゆる脊髄横断症状を呈し,次第に衰弱して全経過約6カ月,脊髄横断症状発現後約1カ月の経過で死亡した。剖検の結果,前縦隔・後腹膜・膵臓等に緑色腫の腫瘤形成と上部胸髄(IIないしIV)の軟化壊死を認めた.
  • 赤木 公博, 飯田 英紀, 中島 敏郎, 藤島 正敏, 尾前 照雄
    1973 年 62 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 1973/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性副甲状腺機能亢進症は本邦では1970年末までに202例を数えるが,その家族性発症は志村らの姉妹2例の報告をみるにすぎない.われわれはその後,その姉妹例の兄に典型的な本症を経験した.家族性副甲状腺機能亢進症はhereditary endocrine adenomatosisの一部とする考えもあり,その遺伝形式はautosomal dominant modeと考えられている.この家系においては,発症してない5名のうち3名に高Ca血症およびparathormoneの上昇傾向が,また副甲状腺摘出術をうけた姉妹例は高Ca,低P血症の傾向とparathormoneの異常高値が認められた.文献上では再発例もみられており,その原因として遺伝性の生化学的因子の存在が考えられている.家族性副甲状腺機能亢進症では,家族全員に副甲状腺機能検査をおこない早期発見につとめること,また術後には再発の可能性があるため長期間の経過観察が必要であると思われる.
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