日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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63 巻, 12 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 渡辺 格
    1974 年 63 巻 12 号 p. 1379-1386
    発行日: 1974/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 高橋 忠雄, 海藤 勇, 市田 文弘, 上野 幸久, 高田 昭, 太田 康幸, 平山 千里, 長島 秀夫
    1974 年 63 巻 12 号 p. 1387-1414
    発行日: 1974/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 片山 文路
    1974 年 63 巻 12 号 p. 1415-1427
    発行日: 1974/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非冠動脈性心疾患21例と冠動脈性心疾患18例についてsubmaximalと思われる自転車ergometer運動を少なくとも8分から16分間行なわせ,運動終了時V3, V4, V5誘導で安静時レベルから有意のST偏位をみなかつた非冠疾患群21例をI群,冠疾患群11例をII群, 0.5mm以上のST低下をみた冠疾患群7例をIII群とした.弁膜性,先天性心疾患と心房細動例は除外した.〓O2,動脈圧およびexercise factorは安静時,運動4~6分と最終2分間に測定し,三つのtension time indexは動脈平均圧×心拍数×駆出時間(TTI1) ,動脈収縮期圧×心拍数×駆出時間(TTI2) ,動脈収縮期圧×心拍数(TTI3)として求めた.TTI1域はTTI2を用いると,運動6分から終了時への〓O2増加率/TTI増加率値はI群とIIおよびIII群との間にそれぞれP<0.005で有意差があり, I群とIII群は増加率比1.0を境にoverlapなく分離された.しかしTTI3を用いると,有意差はみられるがoverlap多く,分離不能であつた.また,運動4~6分および最終2分間に得られたexercise factorの平均値は, I群で有意の変動なく, II群では正常下限値への低下, III群では著明な低下(p<0.005)がみられた.以上は,運動中STが安静時レベルから0.5mm以上低下するときには冠循環のみならず体循環ともに調節破綻をきたすことを指示するものであり,また運動6分から終了時への〓O2増加率/TTI1或はTTI2増加率値は,ジギタリス投与例や種々の心室内伝導障害のある症例でさえも心筋虚血の有無を判定する有用な指標となることを示唆する.
  • 山口 康平, 加藤 允義
    1974 年 63 巻 12 号 p. 1428-1435
    発行日: 1974/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    典型的な自己免疫疾患である橋本甲状腺炎とびまん性間質性肺線維症の合併例について報告した.症例は68才の女性で, 20才頃よりびまん性甲状腺腫があり,死亡の約8年前より,咳嗽,呼吸困難などの呼吸器症状を呈し,胸部X線像上,びまん性の線状・網状影が認められ,副腎皮質ホルモンの投与で自覚症状は一亘軽快したが,肺の異常陰影は次第に増悪し,死亡した.剖検にて,両肺はいわゆるびまん性肺線維症の所見を呈し,急性間質性肺炎から定型的な蜂巣肺に至る新旧種々の病変が混在しており,甲状腺では実質の破壊が高度で,線維増殖の強い橋本甲状腺炎の所見を認めた.びまん性肺線維症は,原因の明らかなもの,全身系統疾患の表れと考えられるもの,原因不明のものの三つに大別されている.原因不明のものの成因については,従来から,感染説,リウマチ説,自己免疫説などが挙げられているが,最近,本症に高ガンマグロブリン血症を伴う例が多く,種々の自己抗体が証明されることや,いわゆる自己免疫疾患を合併する例があることなどから,本症の発生における免疫異常の重要性が強調されている.われわれの例では,代表的な自己免疫疾患である橋本病が合併していたこと,リウマチ因子やLE因子が出現したことなどは,本例の肺病変の発生進展に免疫異常が関与していることを示唆するものであり,びまん性肺線維症の成因を考える上で,極めて興味深い症例と思われる.
  • 花園 直人, 田中 亮太郎
    1974 年 63 巻 12 号 p. 1436-1443
    発行日: 1974/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Romano-Ward症候群はきわめて希な遺伝性疾患である.現在までに欧米において約50数例,本邦においては5家系の報告があるにすぎず,本報告は6家系目に相当する.症例は15才の少女で,聴力は正常であつた.精神緊張時に失神発作をきたし,心電図上に増大しかつ不安定なU波の出現とQT時間の延長を認め,さらに多源性期外収縮の頻発と心室細動が一過性に記録された.そのほか洞性徐脈も注目された.臨床検査では心電図異常を説明できる成績は全く得られなかつた.家系調査の結果,本症例は常染色体性優性遺伝形式を示し,父方からの異型接合体であることが推定された.本症候群にみられる不整脈発作はしばしば致命的であるため,強力な治療を必要とするが,一旦不整脈が頻発状態になると従来の不整脈治療は,電気的治療を含めてすべて無効ないし効果不充分と考えられる.したがつて不整脈の予防に努める以外に方法はない.本症例はpropranolol 30mgの内服で重篤な不整脈が抑制でき, 1年有余の間失神発作をみていない. propranololは本症候群の不整脈予防に第一に選択すべき薬剤と考える.
  • 森 昌朋, 福田 玲子, 青木 秀夫, 樋口 次男, 関口 利和, 小林 節雄
    1974 年 63 巻 12 号 p. 1444-1452
    発行日: 1974/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近Lynch, H. T.らは一家系のなかで種々の器官に癌を発生し,その癌に罹りやすい性質がMendelの優性遺伝の様式をとる「癌家系症候群」なる1独立疾患単位の存在を提示した.わたくしたちは胃集団検診により明らかにし得た25才の若年早期胃癌患者を発端者とする1家系を調査し, 4世代185名中に15例の癌を確認し,未確認例を加えると19名に癌発生を認めた.この家系資料を分析した結果,本家系の癌は常染色体性優性遺伝の仮説に合致し,浸透度は75~80%と推定された.しかし腺癌の確認し得た例が多くないこと,胃癌が多数を占め,大腸癌や子宮体癌が少ないこと,一個人に原発癌の重複したことを認め得たものは1例にすぎないことなどはLynchらのいう症候群の判定基準と完全に合致するとはいいがたいので,癌多発優性遺伝子が一種類でないことを意味するのかもしれない.なお,第4世代に若年者癌の多発が認められるが,この世代はまだ比較的若年者が多いので,老年に至り癌発症がみられ若年者発癌の傾向が打ち消されるか否かは今後の追跡調査によらねばならない.
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