日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
63 巻 , 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 太田 耕治
    1974 年 63 巻 5 号 p. 435-448
    発行日: 1974/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    生体では脂質代謝は糖質代謝と不可分の関連を保ちながら営まれている.動脈硬化症の両代謝の異常を知る目的で動脈硬化症,糠尿病,健者に50%ブドウ糖40m1の静脈内負荷を行ない耐糖能をK値で示し,併せて血漿FFAの変動パターンを観察した. K<1.00の出現頻度は若年健者で全くみられないのに比べ高年健者では13%に認めた.動脈硬化症では健者と比較してK値は糖尿病ほどではないが低下する傾向を認めた.若年健者では,ブドウ糖静注後FFAが一度下降2時間後にほぼ負荷前値へ復するパターンの出現頻度は75%の高率である.高年健者では47.4%と減少する代りに負荷前値への回復遅延するパターンが28.9%に認められ,動脈硬化症では高年健者と差がないのに比べ若年健者で2.3%と低率であるのが注目される.この様に加令現象と動脈硬化症とを明確に区別することは困難で動脈硬化の発症に加令の影響が重視される.また動脈硬化症ならびに糖尿病では,ブドウ糖静注後FFAは殆ど変動を示さないパターンが増加した.健者と疾患群を一括すると空腹時FFA値とK値の間に負の相関を認めた.ブドウ糖静注によるFFAの下降度はK値と相関を示さず,空腹時FFA値と相関を認めるため,解糖には無関係と考えられる少量のインスリン分泌が直接FFAの低下に関与する可能性,脂肪組織内FFA濃度によつて,ホルモン感受性リパーゼに基づく水解が自己調節され,血漿FFAが変動する可能性等が示唆される.
  • 山内 良紘
    1974 年 63 巻 5 号 p. 449-458
    発行日: 1974/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害例における脳循環異常を多角的に把握することを目的として, gamma scintillation cameraを用いて局所脳血流量,平均通過時間,局所脳血管床容積,脳血管抵抗などの循環変量を同時に,同一局所について測定した.そしてこれらの変量の態度を生理的状態,病的状態にわけて検討した,非病巣部位78ヵ所については平均通過時間と局所脳血流量とは負の相関を認めた(P<0.001).生理的状態(頭蓋内非疾患群)においては,脳血流量は平均血圧の高低にかかわらずほぼ一定で,平均通過時間は平均血圧とは負の相関を示した(P<0.01).また脳血管抵抗は血管床容積と負の相関を示し(P<0.001),生理的状態においては血管内腔の変化が脳血管抵抗を規定しているものと考えた.病的状態(脳硬塞例群)においては局所脳血流量と平均血圧,および平均通過時間と平均血圧とはそれぞれ負の相関を示した(P<0.01), (P<0.01).脳血管抵抗と血管床容積との関係は生理的状態とはことなり,血管床容積の増加している例についても,脳血管抵抗は高値を示した.病巣部位における血管内血流と組織潅流血流との解離の程度,その性質をあらわすものとして“shunt index”なる指標を設定し,脳循環異常を客観的に表示しうる指標とした.
  • 水上 陽真, 島田 馨, 鈴木 秀郎
    1974 年 63 巻 5 号 p. 459-465
    発行日: 1974/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性クリオグロブリン血症は極めて希な疾患であるがその病態生理にかんしてはいまだ詳細な知見が殆ど得られていない現状にある.本例は67才の女子で,レイノー症状,下腿発疹,関節痛をもつて発症しCRPが寒冷中で異常高値を示したことからクリオグロブリン血症を指摘されプレドニゾロン投与にて血清クリオグロブリンの減少を認めたが末期に急性腎不全を呈して死亡した.臨床的および剖検所見から慢性関節リウマチ, Sjögren症候群,肝硬変症などは否定され,本態性クリオグロブリン血症と診断された.クリオグロブリンの組成はIgGとIgMであり,これらはimmune complexであつた. L鎖型はκ型であつた.腎糸球体でメサンジウム基質の増加,基底膜の肥厚,メサンジウム細胞の萎縮を認め,電顕所見では墓底膜およびメサンジウム基質の肥厚増加を認め,これらにimmune complexと思われる沈着物を認めた.われわれは本例も含め既報の本症腎病変についてまとめ考察を加えた.
  • 佐々木 淳, 岡山 昌弘, 矢川 克郎, 永江 和久, 小野山 薫, 尾前 照雄
    1974 年 63 巻 5 号 p. 466-471
    発行日: 1974/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Male Turner症候群はpseudo Turmer syndrome, testicular germinal dysgenesis, Turner phenotype in the maleとも呼称されている.しかし近年Turner症候群とは全く異なつた疾患単位と考えられ, Noonan症候群なる概念が提唱されてきている.われわれは本症の2例を経験したので報告した.症例1は28才の男で,両眼隔離,眼瞼下垂,反蒙古症様眼裂,エピカントス,鞍鼻,耳介低位付着,被髪部低位,翼状頚,胸郭の変形,内反肘,弯指などに加え特記すべき所見として強度の近視,骨粗鬆症,皮膚の過弾力性,関節の過伸展性,胸・腰権椎体の変形,扁平足,自然気胸,鼡径ヘルニアなど中胚葉系の系統的異常をみとめた.症例2は24才の男で短躯,軽度知能低下,眼瞼下垂,反蒙古症様眼裂,エピカントス,眼球突出,強度の近視,翼状頚の他全身皮膚の黒褐色色素沈着,てんかん発作を認めた.本疾患は欧米で114例以上,本邦では37例以上報告されているが系統的中胚葉異常を伴つた例の報告は見当らない,これら2例の共通の特徴として,強度の近視がみられた.
feedback
Top