日本内科学会雑誌
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65 巻 , 1 号
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  • 脇坂 行一
    1976 年 65 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 1976/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 清水 直容
    1976 年 65 巻 1 号 p. 15-29
    発行日: 1976/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    一定の条件下では最も信頼性が高く能率的である二重盲検法による薬効評価について,内科領域すなわち高脂血症,狭心症,不整脈,高血圧症,慢性関節リウマチ,肝疾患で用いられる薬を中心に本邦の治験を概括し,現況,問題点を述べた.すなわち,かかる臨床治験を行なう際の患者合意の問題をはじめ,一般的な問題として,目的,治験,対象,症例数,コントローラー,効果判定について基本的な考え方を述べた.各疾患に対し用いられる薬の薬効評価については,それぞれ代表的な論文を文献としてあげるとともに,今後本邦で,かかる治験を行なう際,参考となるように,対象の規定,対照薬,治験期間,効果判定規準について,現時点で妥当と思われる一つの指針を示した.更に,これによつて得られた成績を述べ,現在の薬物療法によつて得られる疾患の改善度および疾患の自然経過より,薬物療法によつて得られる限界にふれた.これらのことから,本邦では,更に長期の薬効評価の必要性があることを述べ,これを行なうことが学会の責務の一つであるとの問題を提起した.
  • 松浦 弘之
    1976 年 65 巻 1 号 p. 30-39
    発行日: 1976/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    実験的心筋硬塞ショック犬にnorepinephrine (NE), isoproterenol (ISO), dopamine (DA)の三種カテコールアミンを投与し,心原性ショック治療における効果を心機能,冠循環および心筋代謝面より比較検討した. NE, DAは平均大動脈圧を20mmHg上昇せしめる量, ISOは心拍数を20beats/min増加せしめる量を投与した. DAおよびISOの投与では,末梢血管抵抗は不変または軽減し,大動脈流量は増加したが, NEでは大動脈流量の増加はなく末梢血管抵抗のみ増加した.左室拡張終期圧はDA, ISOでは低下を, NEでは上昇した.冠血流増加作用はDA, ISOで認められたが, NEでは増加せず,冠血管抵抗が増加した. ISO投与時にのみ冠静脈洞血酸素分圧の増加と心筋redoxpotential (ΔEh)の増加がみられ,心筋の好気性代謝を思わせた. DA, NEではΔEhの低下傾向を示した.冠逆行血圧,冠逆行血圧/大動脈圧比は, ISOでは冠血流量の増加にもかかわらず低下した. NE, DAではともに上昇を示したが, DA投与時には冠血流量増加を伴う点に差異がある.これらのことより, ISOは正常冠血管,健常部心筋にのみ有効で,虚血心筋においては効果の発現はみられないと推測される. NEは臓器潅流圧の維持には有効であるが,同時に出現する虚血心に対する圧負荷の増大と心筋酸素供給の間のバランスを保ち難い. DAの有効性は,圧および容量負荷の増加に対応する心筋酸素供給を保ち,なおかつ病的冠血管,虚血心筋への作用もあわせ持つ点にある.
  • 三木 章三
    1976 年 65 巻 1 号 p. 40-51
    発行日: 1976/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症30例(非代償期13例,代償期17例)について,腎機能低下の推移に従つてみられる代謝変動にかんし,とくに糖,脂質代謝を中心に臨床的ならびに実験的な面より検索を試みた.非代償期では代償期に比し,空腹時血糖が低下し, IVGTTのK値は有意に改善していたが,インスリン反応は各時期とも低下し糖尿病パターンであつた,血清トリグリセリド, FFAも非代償期で低下し絶食後の血糖値の低下とFFAの上昇度はともに低下した.脂肪負荷試験時のトリグリセリドの変動は代償期では,上昇が著明で前値への回復は遅延,非代償期の上昇は軽度で4時間後前値に復帰したが,トリグリセリドはいずれも正常に比し高値を示した. LPLの活性および抑制作用は非代償期で低下した. LPL活性についての動物実験で,除膵糖尿病犬のケトージス状態でのデキストラン硫酸負荷試験でLPL活性の低下と前値への回復が遅延したがインスリン治療で回復傾向を認めた.正常人血漿から抽出したLPL抑制物質はα2-グロブリン分画に存在し,これによりラットデキストラン硫酸負荷による血中FFAの上昇ならびに脂肪組織中のLPL活性が抑制された.除膵糖尿病犬でのLPL抑制作用はケトージス状態で顕著であつた.以上のことから非代償期における糖尿病状態の見かけ上の軽症化は,生体の末期状態に相当する低反応性代謝位相と類似するものと考えられる.
  • 毛利 昌史, 森成 元, 武田 忠直, 村尾 覚
    1976 年 65 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 1976/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    病歴,理学的所見および大動脈撮影をふくむ諸検査により大動脈炎症候群と診断を確定し得た42例を対象とし, 131I-MAAによる肺血流スキャン(42例),一般呼吸機能検査(14例),およびツベルクリン試験(20例)を行ない,その結果を検討した.結核症の既往がなく,胸部X線に結核性と思われる異常陰影を認めなかつた症例は42例中22例あり,肺血流スキャンではその68%に局所的血流低下,欠損像を認めた.したがつて本症における肺動脈病変の合併頻度は約70%と推定された.血流欠損部位に一致する肺野のX線透過性が異常に亢進していた症例は少なかつたが,その理由は同肺野への血流が気管支動脈を介し,代償性に増加しているためと考えられた.呼吸機能検査は正常範囲内の症例が多かつたが,本症では肺動脈病変がきわめて高度か,肺結核症や心肥大などの合併がない限り,呼吸機能の低下は通常ともなわないと考えられる.ツ反は20例中15例(75%)が陽性であつたが,陰性もしくは疑陽性の5例中2例でステロイドの局注もしくは全身投与によるツ反の促進現象を認め,うち1例ではKveim試験も陽性であつた.また,陰性例中には発症後間もない活動期の症例が多かつた.このような知見は本症とサルコイドーシスとの関連性を示唆するものとして興味深い.
  • 中尾 純子, 折茂 肇, 白木 正孝, 亀山 正邦, 村上 元孝
    1976 年 65 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 1976/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍に高Ca血症が合併することは必ずしもまれではない。最近われわれは, 72才女性で昏睡,片麻痺,髄膜刺激症状を呈し,その原因が高Ca血クリーゼによると考えられる腎盂癌の1例を経験した.症例は入院時既に癌性悪液質に陥つていたが意識は清明であつた.経過中,急激な血圧の上昇,高熱に伴つて,昏睡,片麻痺等,脳硬塞様の症状が出現した.同時に高度の血清電解質異常,ことに血清Ca濃度の異常高値を認め,意識低下は血清Ca濃度の正常化と時期を同じくして改善した.患者は急性腎不全にて死亡した.剖検により脳には中枢神経症状を説明するに足る新鮮病巣が見い出されず,わずかに少数の小さな古い硬塞巣を認めるのみであつた.このため本例の多彩な臨床症状は高Ca血クリーゼによるmetabolic failureにともなつておこつたものであると結論された.高Ca血症の原因として,腫瘍の骨転移,あるいは副甲状腺に過形成・腺腫のないことなどから,偽性副甲状腺機能亢進症が疑われ, PTHをを測定したところ,血清PTHは異常高値を示した.しかし,腫瘍からのPTHは検出不能であつたため,異所性PTH産生腫瘍であるとの積極的証明は得られなかつた.また,血清カルチトニンは高値を示し,さらに血漿レニン活性が高く,かつ腫瘍中にもレニン活性が認められたため,腫瘍からのレニン産生の可能性も考えられた.
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