日本内科学会雑誌
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65 巻 , 4 号
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  • 望月 茂, 桐山 利昭, 角水 圭一, 和田 勝, 和多田 光朗, 礒田 次雄, 川西 康夫, 水谷 孝昭
    1976 年 65 巻 4 号 p. 311-317
    発行日: 1976/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    His束心電図記録に際して重要なことは, His東電位(H)のvalidationである.とくにHis-Purkinje系の伝導時間(HV)の定量的測定にはHのvalidationが必須である. Hのvalidationの方法としてHis束ペーシングが有用である. HとRB (右脚電位)の鑑別, His束内プロック時のH′(distal H)とRBの鑑別にはHis束ペーシングが有力である.われわれは左軸偏位を伴う右脚ブロック(RBBB+LAD)4例,房室ブロック6例, His束内ブロック1例, Wolff-Parkinson-White (WPW)症候群8例を含む30例でHis束心電図記録と同時にHis束ペーシングを行ない,その有用性を確認した.正常者群ではHis束ペーシング中,刺激波から体表面心電図のQRSの始まり迄(St-R)は正常洞調律時または心房ペーシング時のHV時間に等しかつた.同時記録した体表面心電図のすべての誘導でQRSの形,大きさ,持続時間は洞調律時と全く同じで変化しなかつた. His-Purkinje間の伝導時間(St-R)はHis束ペーシングのレートをかえても変化しなかつた. RBBB+LAD4例の内,洞調律時にHVの延長を認めた2例では, His束ペーシングのレート増加によりSt-Rは延長した.これは両脚ブロックを示唆する所見である. WPW症候群8例の内,いわゆるKent束の7例ではHis束ペーシング時のQRSはデルタ波を伴わず正常伝導型のQRSを示した.又,他の1例ではHis束ペーシング時のQRSはWPWパターンを示しいわゆるMahaim束の存在が示唆された.
  • 高木 健三
    1976 年 65 巻 4 号 p. 318-324
    発行日: 1976/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    合併症を持たない慢性気管支炎患者では,スパイログラムの1秒率が正常範囲にあることが多いため,今まで肺機能障害はないか,あつても軽いものとして取り扱われてきた.しかし,今回のわたくしの成績によると, 40才以上のfield surveyにおける慢性気管支炎有症者では,健常例に比し, 1秒率(T)でこそ有意差を認めなかつたが, %MMFでは, 50才台で52.9±28.6%(健常65.9±19.2), 60才台で43.5±21.4%(健常57.7±19.7)と著しく低下し,それぞれ5%および1%の危険率で有意差があつた.しかし,病変の部位,重症度に対する弁別性は認められなかつた.次に,換気不良肺胞群(slow space)では,太い気管支に病変があれば,それがたとえ軽度で1秒率(T)は正常か正常に近くても,同年令の健常者(40%以下)に比して54±9%と増加し,さらに病変が高度になれば74±9%となり,慢性肺気腫と同程度にまで悪化していることが確認された.一方,末梢気管支に病変をもつ患者ではたとえ病変が高度でも,その増加は比較的軽度に止まつていた.また,近時注目を集めつつあるclosing volameの増加は,少なくとも慢性閉塞性肺疾患の範囲では,年令, 1秒率(T)に相関なく認められ,しかも,細気管支炎のみならず,気管支喘息,慢性肺気腫にも40%前後の症例に認められた.従つて,細気管支炎の診断には,ここ当分, 1秒率が正常な症例に対してのみ有意義と考えるか,あるいは拡大気管支造影など,他の検査法を併用して診断した方がよいと推定された.
  • 森 淑子
    1976 年 65 巻 4 号 p. 325-333
    発行日: 1976/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血漿レニン活性(PRA)をGouldらの変法により測定した.その結果,健常者のPRAには日内変動が認められ,正午に最高値を,深夜に最低値を示した.正午に測定したPRAの正常範囲は31±2.8ng/mlであつた.又,食塩のRAに及ぼす影響について検討するために健常者および浮腫のある患者に3日間の食塩制限後, 10%の食塩水100mlを60分かけて点滴静注を行なつた.健常者においては, PRAは食塩制限時,増加し,食塩負荷時,減少した.浮腫のある患者においては,食塩制限時, PRAは減少し,食塩負荷により増加した.この浮腫患者における「PRAの奇異反応」にかんし,現在まで殆ど説明がなされていない.そこでこの浮腫患者の食塩負荷時におけるPRAの奇異反応の機序を解明するため,体重10kgの成犬10匹と下大静脈狭窄による腹水犬10匹を用い, 10%の食塩水50ml投与前後の22Naおよび3Hの血中濃度の変動について検討した. 22Naの変動のうち,両群における明らかな差異は次のごとくであつた.即ち,腹水犬では食塩無負荷時,血中22Naは単調減少曲線を示したが,食塩負荷時は,負荷30分後,血中22Naが一時増加した.これは血管内液量が減少する過程を示していると思われる.腹水犬において,食塩水負荷時に血管内液量が一時減少する過程のあることが, PRAの奇異反応の一因として関与している可能性が推論された.
  • 新海 哲, 山根 治, 石澤 慶春, 村田 和彦
    1976 年 65 巻 4 号 p. 334-339
    発行日: 1976/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    健康診断により心陰影拡大を発見され,入院精査の結果primary chylopericardiumと診断された42才,男性の症例を経験した. primary chylopericardiumは非常にまれであり, 1954年GrovesとEfferの報告以来現在まで世界に24例,そのうち本邦2例の報告があるが,その病因は明らかでない.本例においては,リンパ管造影で心膜内に造影剤をみとめ,またSudanIII懸濁ミルク摂取後の心膜液中に色素を検出し,胸管と心膜との交通が推定された.治療としては胸管結紮および心膜部分切除を行なうのが最も有効のようであるが,本例は自覚症状がほとんどなく,手術に対し患者の同意が得られず,現在経過観察中である.
  • 坪山 明寛, 佐々木 龍平, 高久 史麿, 溝口 秀昭, 三浦 恭定
    1976 年 65 巻 4 号 p. 340-346
    発行日: 1976/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性ヘモクロマトージス(以下Hchr.と略す)の発生病理は,現在なお不明であるが,遺伝的要因が関与すると言われている.われわれは,家族発生ヘモクロマトージスの1家系を経験したので報告する.発端者は,症例1の40才男子.全身の色素沈着著明で,血清鉄334μg/dl, UIBC5μg/dl,肝,骨髄,皮膚,胃粘膜などで鉄沈着が著明で, desferrioxamineの投与により尿中鉄排泄量が著増し,鉄過剰状態の存在が明白であつた.軽度貧血,肝機能障害,インスリン分泌不良,尿中17-KS,血中テストステロン値の低下がみとめられた.症例2は,症例1の実妹で,血清鉄著増,鉄飽和率高値,組織への鉄沈着,肝障害,性腺機能障害,成長ホルモン分泌障害,強度の糖尿病がありHchr.の診断がなされた.症例1は,ヒューマンカウンターによる鉄吸収試験で,著明な鉄吸収の亢進がみとめられた.この2例の家族検索の結果9人同胞中5人が発症し,そのうち3人が若年女性であつた.患者の両親が近親婚があり,かつ両親は表現型としては健康であつたこと,いずれも比較的若年に発症している事から劣性遣伝が推定された.
  • 森 昌朋, 片貝 重之, 吉羽 宣男, 松下 正也, 遠藤 恒, 田中 瑞江, 金井 君江, 田中 昌輝, 大野 忠良, 今井 貴子, 飯塚 ...
    1976 年 65 巻 4 号 p. 347-353
    発行日: 1976/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高グロブリン血性紫斑病の原因,成因は現在のところ不明であり,何らかのautoimmune conditionsが存在するようであるが,また一方本疾患は全て症候性であると論している者もあり,その発症,成因は他の免疫疾患を考えるうえでも興味あるものと思われる.わたくし達は60才の女性で,咳嗽,喀痰,鼻出血,下肢の出血斑を主訴に来院し,高度の血沈促進,血清蛋白量の増加, γ-globulinのpolyclonalな増加および胸部X線像上空洞異常陰影を認め,超遠心像ではmacroglobulin, intermediate complexは証明されず,骨髄の形質細胞も正常であり, pyroglobulin, cryoglobulin,も認められず,出血凝固能検査ではRumpel-Leede現象を除いて正常であつたので, purpura hyperglobulinemicaと診断した1例を経験した.本症例は開胸生検により著しい形質細胞浸潤を伴う慢性気管支炎および肺膿瘍,と判明したので,この病態が長年月にわたる遷延感作の状態を形成し,高ガンマグロブリン血症および遅延型アレルギー反応の欠如をひきおこし,さらには紫斑の形成を招来したと考えられた.
  • 1976 年 65 巻 4 号 p. 400
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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