日本内科学会雑誌
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65 巻 , 9 号
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  • 山村 雄一
    1976 年 65 巻 9 号 p. 875-887
    発行日: 1976/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 綾 正二郎
    1976 年 65 巻 9 号 p. 888-896
    発行日: 1976/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    冠状動脈疾患(CAD)患者の冠血管予備能評価を目的に動物実験を行ない,その成績を冠状動脈造影の際に臨床例に応用した. 17頭の開胸犬を対象に, 10秒間の左廻旋枝一時閉塞による反応性充血と,造影剤3ml冠内注入時の充血性反応を比較,両者のpeak flowはほぼ等しかつた(r=0.92).これら二つの反応の前および30秒, 1, 2, 3分後に冠状静脈洞(CS)より採血を行ない,酸素分圧(Pcso2)を測定した. Pcso2増加は冠血流量(CBF)の増加に伴つておこり,全例で30秒後の値が最高であつた. dipyridamoleの冠内投与および左廻旋枝の段階的狭窄等により作製した冠血管の種々の条件下で, CBFの増加と30秒後のPcso2の変化率が平行した.冠血管内へ造影剤注入後のCBFの増加は,冠状動脈一時閉塞時にみられるものと類似し,冠血管予備に関係している.臨床例では17例(正常7例, CAD7例, PMD3例)を対象とし,冠状動脈造影を施行した.左冠状動脈に造影剤7ml注入後に,動物実験の際と同様にCSより採血を行ない,酸素含量(Ccso2)を測定した. 30秒後のCcso2の変化率で比較すると, CAD群20±23%,対照群62±25%とCAD群で有意(p<0.05)に低かつた.左冠状動脈の基部に高度の狭窄のある例ではCcso2の増加はとくに乏しい傾向がみられた.側副血行路その他に残された問題はあるにせよ,冠状動脈造影時にCSの酸素を測定することは,冠血管予備評価を行なう際の有用な一法と考える.
  • 奥平 博一, 松多 邦雄, 西沢 常男, 村田 克己, 赤岡 家雄
    1976 年 65 巻 9 号 p. 897-905
    発行日: 1976/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    比較的若年に発症し,全身骨関節の高度の破壊性変化を伴う珍しい仮性痛風の1例を報告する.症例は70才の男性. 38~39才頃右母趾の疼痛発作をもつて発症し,その後手指,足趾の炎症発作さらにとくに誘因のない脱臼,椎間板ヘルニア等をくりかえした.経過中手足の温痛触圧覚の低下を自覚した. X線写真で膝関節半月板に石灰沈着像をみ,膝関節半月板生検および関節液検査にて,弱い正の複屈折性を示し尿酸塩とは異なる結晶の存在を確認した.当結晶はX線回折によりピロリン酸カルシウムであることが同定された. McCartyの診断基準によつて本症例はdefiniteの仮性痛風と診断された.入院時のX線写真では脊椎,手,足,肩等に高度の破壊性変化がみられた.発症および破壊性変化の出現は38才頃と推定されたが, 58才時のX線写真では脊椎の破壊はすでに高度であつた.この頃行なつた手関節生検にて軟骨表層の石灰化所見が認められ,慢性滑膜炎の存在は明らかであつた.本症例においては高尿酸血症がみられたが,糖尿病,高血圧,腎障害,副甲状腺機能亢進症,ヘモクロマトーシスは否定された.神経原性疾患は,知覚異常のため,関節軟骨の障害を来たしやすく,仮性痛風の出現した例が報告されている.しかし本例においては神経原性疾患の存在も認められなかつた.若年に発症する仮性痛風は遺伝性が濃厚であると考えられているが,本例においては明らかな遺伝的負荷は存在しなかつた.
  • 小原 孝雄, 中川 光二, 慶松 元興, 伊藤 宜人, 国田 晴彦, 嘉手納 成之, 畑 俊一, 大滝 幸哉, 鈴木 邦治, 中川 昌一, ...
    1976 年 65 巻 9 号 p. 906-912
    発行日: 1976/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    “Periodic hormonogenesis”を示し,ヒステリー発作を契機に寛解したGushing病,およびreserpine投与下でのmetyrapone試験直後より,急性副腎不全症状を呈し,寛解に到つたCushing病の2症例を報告する.症例1. 16才,女性.軽度の肥満・頬部紅潮・〓瘡・皮膚線条を認めた.尿中17-OHCSは, 4~46mg/日の間を約10日間の周期で変動し,血中corticosteroidsもこれに並行. ACTHには明らかな過剩反応を示したが,他の負荷試験は変動のため判定困難.副腎シンチグラムでは両側過形成像,頭部X線検査でトルコ鞍正常,他臓器に異常なく, periodic hormonogenesisを示すCushing病と診断した.この周期性変動はdexamethasone 8mg/日18日間投与で抑制された.経過中ヒステリー発作を生じ,その直後から尿中17-OHCSは3~8mg/日となり,周期性も消失.その後はACTHには過剰反応を示したが,抑制試験・metyrapone試験は正常となつた.症例2. 21才,女性.無月経で,中心性肥満・満月様顔貌・〓瘡・皮膚線条・高血圧を認めた.尿中17-OHCSは20~40mg/日で血中corticosteridsも高値.抑制試験は少量では非抑制, 8mg/日4日間投与で抑制された. metyraponeには過剩反応,副腎シンチグラムでは両側過形成像. reserpine投与下でのmetyrapone試験直後より副腎不全症状を呈し,尿中17-OHCSは1~5mg/日となり, Cushing病の諸症状改善.寛解後は, ACTHに過剩反応, metyraponeには無反応であつたが,他のホルモン系には障害はなかつた.
  • 杉本 英克, 酒井 照夫, 金谷 久司, 土居 寿孝, 滝井 昌英, 荒川 規矩男, 徳永 皓一
    1976 年 65 巻 9 号 p. 913-919
    発行日: 1976/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心臓腫瘍は希な疾患であるが,われわれは最近半年間に臨床所見の互に異なつた2例の左房粘液腫を経験した.何れも超音波診断法により診断し,短期間に外科的に治癒させ得たので報告する.症例1は62才の男性.粘液腫にしばしば見られる血沈亢進,高γ-グロブリン血症を認め,心電図は正常洞調律で,聴診上では僧帽弁狭窄症同然であり,塞栓症の既往を有していた.摘出標本は柔わらかく表面不整の不定形ゼラチン様腫瘍であつた.これに対し,症例2は21才の男性で,血沈, γ-グロブリンともに正常.心電図は心房細動で,聴診上では僧帽弁閉鎖不全症同然であり,塞栓症の合併はなかつた.摘出標本は硬く,球状であり,表面は非常に平滑であつた. 2例共,外来初診時の超音波診断法によつて,拡張期に僧帽弁前尖後方に,異常塊状エコーを認め,収縮期には左房内に帰納する状態が認められた.依つて左房粘液腫と診断した.心音図上特徴的なtumor ejection soundとearly diastolic sound,を認め,それぞれ心尖拍動図のsystolic upstrokeの切痕およびsystolic down strokeの隆起に一致していた.これらの音の発生源を超音波高速度連続撮影法との対比によつて検討した.
  • 松本 俊夫, 照喜名 重治, 山口 徹, 長瀬 光昌, 鈴木 秀郎, 織田 敏次
    1976 年 65 巻 9 号 p. 920-926
    発行日: 1976/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    20才の男性.家族歴に筋疾患はなく,筋痙〓,脱力などの既往も無い.マラソン中6~7km走つた後,大腿部の脱力をきたし譫妄状態となり入院.入院時,発熱,頻脈,脱水を認め大腿伸筋の筋痛を訴えた.尿は暗褐色,混濁し顆粒円柱が多数存在. GOT, GPT, LDH, CPK等諸酵素値の上昇,低K血症を認めた.褐色尿は3日,筋痛は1週間で消失し,諸酵素値も第7病日GOT 683 K-Unit, GPT 179K-Unit, LDH 3,904UV. Unitに達し以後正常化した.一方,急性腎不全が急速に進行し, BUNを上まわるcreatinineの上昇が認められた.第9病日BUN 136mg/dl, creatinine 19.3mg/dlに達し腹膜潅流を開始.第20病日より利尿期となり約40日の経過で改善をみた.発症初期の尿および血清より免疫沈降反応によりmyoglobinを検出.第49病日の筋組織像では,筋線維の再生過程と思われる変化を認めただけであつた.以上よりexertional myoglobinuriaと診断したが, idiopathic paroxysmal myoglobinuria, heat stroke等, entityの明確でない類縁疾患との鑑別は現在のところ必ずしも明瞭でない.本症の発症機転として入院時みられた低K血症と脱水が,筋血流の相対的欠乏を来たし,それにより筋破壊をもたらした可能性が考えられた.本症,とりわけ腎不全を合併した例の報告は本邦では極めて少ない.しかし,潜血反応陽性で顆粒円柱を含む褐色尿,筋由来の血清諸酵素値の上昇と共に, BUNを上廻るcreatinineと, K等の上昇を示す原因不明の急性腎不全に対して, myoglobinuriaの可能性を疑つてみる必要を示唆する症例である.
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