日本内科学会雑誌
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67 巻, 11 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 関 清, 戸嶋 裕徳
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1317-1318
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • i)全身性因子
    長坂 昌人, 木野内 喬
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1319-1322
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • ii)局所因子について
    矢吹 壮, 関 清
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1323-1328
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • i)心不全の浮腫発生因子-特に低蛋白血症の意義について-
    戸嶋 裕徳, 横田 泰司
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1329-1333
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • ii)ネフローゼ症候群
    小椋 陽介, 石本 二見男
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1334-1341
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • iii)肝硬変の浮腫
    猿田 享男, 斉藤 郁夫
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1342-1346
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎患者18名,肝硬変患者56名,剖検された肝硬変患者70名,癌性腹膜炎患者36名を対象とし,肝硬変の浮腫発症機序を,腎性因子,内分泌因子を中心に検討した.さらに四塩化炭素の注射あるいはTIVC狭窄により肝硬変状態をラット,家兎およびイヌに作製し,浮腫の発症機序を検討し次の結果を得た.
    1) 剖検例の観察で肝硬変における腹水貯留量は2175±560mlであり,血清クレアチニンは2.6±0.9mg/dlに上昇していた.血清総蛋白は6.5g/dl未満のものが52.6%を占め,アルブミンはさらに低値のものが多く, 3.5g/dl未満のものが79.4%を占め,低アルブミン血症の浮腫発症に対する重要性を示唆したが,それとともに約20%の肝硬変では他の因子が引き金となつている可能性が考えられた.
    2) 肝硬変の進行とともに腎機能が低下するがこの際GFRの低下に比しRPFが一層著明に低下しているものが多かつた.このような腎機能の低下は,腎の形態学的変化が比較的に軽度であることから,腎血行動態の変化に基づく機能的な因子による面がつよいと考えられた.
    3) 四塩化炭素による肝障害ラットにおいて腹水の貯留がなくとも,腎皮質血流量の低下を認め,その部位でレニンが著増して,その場でA IIも測定出来ることから,腎血行動態の変化から生じたレニンの増加が,その場でA IIをつくり,それが逆に腎血行動態に影響を及ぼしてくる可能性が示唆され,浮腫の増悪に関係すると考えられた.
    4) R-A系は他の浮腫疾患と異なり, PRSの低下が著明であり,そのためレニン-レニン基質反応がPRSの影響を受ける結果となり,産生されるレニンに比し生じるA IIが少なめであり,その上副腎皮質,血管壁のリセプターは反応性が低下しているため, A IIの全身効果をうるために一層レニン産生が増加しなければならず,一方出来たレニンは腎内で腎血行動態に悪影響をおよぼすこととなり,このようなR-A系の“からまわり現象”が浮腫の増悪因子となると考えられた.
    5) 塩〓ADHおよびPAは高いもの低いものとがあり,全例で増加しているとは限らず,肝硬変の浮腫のpermissive roleを果しているにすぎないと考えられた。
    以上の成績より,肝硬変の浮腫は,低アルブミン血症と門脈圧亢進とが引き金となり,それに続いて腎血行動態の変化を生じ,腎機能の低下とともにレニンの産生が刺激され,さらにアルドステロンおよびADHの分泌が促進されて浮腫の増悪がおこると考えられる.このような変化の過程において,肝硬変ではレニン基質の低下のためにA II産生に異常を来たし,さらにその影響を受ける副腎および血管側にも変化があるためR-A系のからまわり現象を生じ,諸ホルモンの肝における代謝障害も加わり一層複雑な状態となつていると考えられる.
  • iv)遺伝性血管神経浮腫の浮腫発生機序
    児玉 順三, 船橋 修之
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1347-1351
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • v)原因不明の浮腫における内分泌因子の役割について-特発性浮腫を中心に-
    島本 和明, 宮原 光夫
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1352-1358
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • vi)治療利尿薬・難治性浮腫
    杉野 信博
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1359-1362
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 松永 藤雄
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1373-1377
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 平田 幸正
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1378-1383
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 大野 竜三, 江崎 幸治, 加藤 幸男, 渡辺 英二, 森島 泰雄, 小林 政英, 竹山 英夫, 川島 康平, 神谷 忠, 山田 一正, 南 ...
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1384-1390
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1969年より1977年までの9年間に名古屋大学第一内科および愛知県職員病院内科に入院した成人急性白血病患者179例に合併した48症例延54例の敗血症を対象とし,起炎菌の種類ならびに抗生物質療法の効果を中心に検討した.起炎菌はE. coli15例, Pseudomonas aeruginosa 12例, Pseudomonas sp. 2例, Klebsiella pneumoniae 6例, Serratia marcescens 5例, Aeromonas hydrophila 4例, Acinetobacter anitratus 3例等グラム陰性桿菌が計51例で全体の89.5%を占めた.グラム陽性菌はStaph. aureusの1例のみであり,嫌気性菌が2例,真菌が3例みられた.発症時の末梢血成熟好中球数は0であつたもの19例を含み,中央値で40/cmmであつた.これらの高度の顆粒球減少状態にある敗血症に対しcarbenicillin, sulbenicillin, cephalothin, cefazolin, gentamicin, dibekacin, amikacinを中心とする抗生物質の大量併用療法を試みた所,白血病治療開始前に発症した4例中全例,初回寛解導入期に発症した22例中18例,再発寛解導入期の5例中4例,強化療法期の1例中1例,計32例中27例(84.4%)が治療可能であつたのに比し,終末増悪期に発生した22例中治癒したのは6例のみで, 16例は死亡した. 54例中27例はショック状態におちいつたが,内15例は治癒可能であり,このような重篤な敗血症でも,抗生物質大量併用投与,白血球輸血等の積極的な治療により充分治癒可能であると考えられる.
  • 阿部 正秀
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1391-1405
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳スキャンを施行した60才以上の1202例のうち剖検,手術で最終診断が得られた総計284例を中心に脳スキャンのretrospective studies行なつた.スキャン診断をうらづける病理診断が得られた例は68%,得られなかつた例は32%であつた.脳シンチグラム法の感度は67.3%,特異性69.7%であり,とくに,脳血管障害はそれぞれ60.9%, 63.5%,脳腫瘍は82.3%, 65.6%と高く,脳スキャンは有効であつた.脳血管障害のシンチグラムはその経時的変化に特徴が見られ,陽性像の陽性度が高いほど予後は不良であつた.脳出血は脳硬塞に比べ初期から陽性像を呈し,早期に死亡する例が多く,脳硬塞は長期陽性像を呈す例が認められた.老人の脳腫瘍は典型的な脳腫瘍症状を示さず,スキャン前に脳血管障害などの診断がなされていた例が1202例中10例(0.8%)に認められ,これらの診断にはスキャンが有効であつた.老人の硬膜下血種も脳腫瘍と同様その発症が非典型的であり,診断にスキャンは有効であつた. RI脳血管造影法を通常脳スキャンに併用すると診断率は50%以上上昇し,とくに,陳旧性の脳血管障害例に有効であつた.核医学診断法である脳シンチグラム法は実施にあたり副作用もなく,簡単に施行でき, dynamicな脳機能の診断が可能であるなど利点をもち,老年者の脳疾患診断検査に有効と思われた.
  • 主として副甲状腺ホルモン投与による変化
    中川 ひふみ, 富田 明夫, 小長谷 陽子, 内川 厚司, 満間 照典, 今川 卓一郎
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1406-1411
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    正常者および種々の副甲状腺機能低下症および原発性副甲状腺機能亢進症の尿中および血中cyclicnucleotidesの基礎値の検討と,前二者において副甲状腺ホルモン(PTH) 200単位負荷前後のc-nucleotidesの変動につき検討し,以下の所見を得た. 1)朝空腹時, 2時間尿で, c-AMP排泄量は正常者より副甲状腺機能低下症で低く,原発性機能亢進症で高く,部分尿におけるc-AMP排泄でも副甲状腺の機能をよく反映することが認められた.クレアチニン補正値では三者の間に有意の差が認められ,又腎性c-AMPはさらに良い指標となり得ると考えられた. 2)血中c-AMPの基礎値は三者の間に有意差は認めなかつたが,尿中と同様の傾向にあり副甲状腺機能をある程度反映することが認められた. 3)血清カルシウム値と尿中c-AMP排泄量および血中c-AMPとにはそれぞれ正の相関が認められた. 4)PTH負荷に対しては尿中排泄量は正常者より,機能低下症においてやや大きい反応がみられ,血中レベルではこの傾向はさらに明らかであつた. 5) PTH負荷後30分値の検討で尿中排泄量の増加は,大部分が完了していることが認められた.又血中レベルの変動をみるには30分値は不可欠であつた. 6)c-GMPは基礎値で三者の間に有意の差は認められなかつた. PTHに対する反応も一定の傾向はなかつたが,尿中排泄量は増加し,血中レベルは30分値で減少するものがやや多く認められた.以上,尿中および血中c-AMPの基礎値およびPTH負荷による反応は副甲状腺機能を反映する事が示唆された.
  • 高 昌星, 加賀谷 肇, 藤森 直春, 塚越 広, 清水 広三, 田中 嘉親, 増村 道雄
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1412-1419
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳出血後に両側視神経萎縮を伴い両眼失明を来した2例を報告する.脳卒中後に皮質盲を来すことがあることは知られていたが,両側視神経萎縮を伴つた両眼失明合併の報告はこれまでにみられない.症例1. 35才,男と症例2. 44才,女.いずれも高血圧症があり,症例1は突然の意識障害,右片麻痺で発症し,乳頭浮腫,昏睡状態が約1カ月持続.以後意識が回復するとともに視力喪失を訴え,約4カ月後の眼底検査で著明な両側視神経萎縮が認められた.発症11カ月後の頚動脈写で左線状体動脈の内方偏位を,またCTスキャンで左被殻部にlow density lesionを認め,左被殻出血と診断した.症例2は突然の頭蓋内圧亢進症状,左不全麻痺で発症し,以後急速に意識障害,左片麻痺が進行.翌日,腰椎穿刺で初圧320mmH2O,血性髄液が得られ,乳頭浮腫出現. 16日後から意識が回復しはじめるとともに視力喪失を訴えはじめ, 53日後に両側乳頭蒼白となつた.頚動脈写で右線状体動脈は内方に偏位し,発症様式,髄液所見からも右被殻出血と診断した.症例1, 2とも頚動脈写で,眼動脈,中大脳動脈等,いずれの頭蓋内動脈にも閉塞を認めず,外側型脳出血の頭蓋内圧亢進が数週間以上続いたための“乳頭浮腫後視神経萎縮”と考えられた.脳出血後の失明予防には,早期にCTスキャン等で診断を確定し,手術やステロイド投与等で減圧をはかることが肝要と思われる.
  • 佐久間 久一, 三浦 幸雄, 小林 清, 富岡 洋, 安達 真樹, 吉永 馨
    1978 年 67 巻 11 号 p. 1420-1425
    発行日: 1978/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    結核による脊椎破壊のため,頚髄以下の脊髄横断症状および特異な血圧異常を併発した症例を呈示し,併せて本症における交感神経機能について検討を加えた.症例は53才の女子で,肺および脊椎結核のため, 20年来療養を続けてきたが, 1~2年前から著明に動揺する高血圧を認め,また,上半身を起こすと急峻な血圧低下を来たし,時にショック症状を呈した.昇圧発作は,膀胱内圧の上昇や麻痺部に対する寒冷・触刺激により容易に誘発され,ノルエピネフリン(NE)静注に対して過大な昇圧反応を示した. 24時間尿中カテコラミンおよびVMA排泄量は正常下界値を示した.血中NE濃度は血圧の変化と有意の相関を示したが,いずれも低値ないし正常範囲内の値であつた.血中エピネフリン濃度および血清dopamine-β-水酸化酵素活性はともに低値を示し,血圧との間に有意の相関は認められなかつた.本例に認められた高血圧発作および体位性低血圧はともに少量のフェノキシベンザミンの投与により著明に抑制された.本症は,交感神経系が中枢性および末梢性機序により,循環機能の維持に重要な役割を担つていることを明示するが,これらの交感神経機能の異常を検索する上で,血中カテコラミン濃度は最も信頼性の高い指標と考えられた.
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