日本内科学会雑誌
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67 巻 , 6 号
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  • 渥美 和彦
    1978 年 67 巻 6 号 p. 575-579
    発行日: 1978/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 森本 勳夫
    1978 年 67 巻 6 号 p. 580-590
    発行日: 1978/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    著者は肝疾患の性ホルモン異常について急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変症で検索した.急性肝炎3例は症状の極期に一過性に血漿testosterone,あるいはestradiolが上昇した.慢性肝炎23名は血漿testosterone: 1296±458ng/dl(正常: 696±192ng/dl P<0.05), estradiol: 59.5±23.4pg/ml(正常: 37.5±12.5pg/ml, P<0.01)と有意に上昇した. TeBGは正常の約2倍に上昇し,性ホルモンとの間に良好な正の相関が得られた. LH, FSHの基礎値およびLH-RHの反応は正常で,慢性肝炎の性ステロイドの上昇はTeBGの増加による影饗が大きく,性腺機能は本質的に正常と考えられる.肝硬変症34名の血漿testosteroneは1/3の症例で低下, LH, FSHは約半数で上昇がみられ一次性性腺機能障害が示唆された.一方,血漿estradiolは48.4±2.4pg/ml(P<0.01)と有意に上昇し, estradiol負荷でも肝硬変症で明らかにestradiolの血中停滞が認められた.さらにTeBGと性ホルモンの間に相関は得られず血中estradio1の上昇はホルモン産生および代謝障害に基づくものと考えられる.腹水の貯留した肝硬変症5例は全例血漿testosteroneは低値であつたが腹水消失後3例は正常レベルに上昇し,性腺機能に及ぼす全身状態の影響が示唆された.肝機能と性ホルモンの相関は慢性肝炎でestradiolとBSP,肝硬変症でtestosteroneとcholinesteraseの間で認められた.女性乳房,くも状血管腫,手掌紅斑は特に肝硬変症で多くみられ, 3徴候に共通するものとしてestradiol/testosterone ratioの異常が認められた.
  • 千田 彰一
    1978 年 67 巻 6 号 p. 591-600
    発行日: 1978/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心臓は収縮・拡張なる一連の動作を通じて臓器としての機能を遂行するため,拡張期力学特性についての評価は心機能を評価する際に重要である.本研究では,心エコー法とカテ先端型圧トランスデューサーとの併用により, 25例の臨床例で左室圧-容積および応力-歪み関係を求めた.左室拡張特性を表す指標として,前者の関係から心室弾性特性指数Kvを,また後者の関係から心筋弾性特性指数Kmを提唱した.これらの指標の算出には,コンピュータベースの超音波画像情報処理システムを開発し,そのプログラムにより行なつた.ヒト拍動心における拡張期左室圧-容積関係および応力-歪み関係は,動物摘出心実験で示されたような拡張期全期を通じての単一なexponentialな関係にはなく,大きく五相に区分された.これらの時相のうち第4相において,両者の関係はそれそれ比較的exponentialに近い関係を示し,本時相では準静的な力学的取り扱いの可能性が示唆された.第4相で求めたKvおよびKmは,おのおの左室拡張特性を心室レベルおよび心筋レベルで定量的に評価すると考えられ, Kv, Km両値の相互関係を知つてかかる二面から解析を行なうことより,各種病態心における左室拡張動態を把握しうる.
  • 遠藤 安行, 酒井 力, 山口 昭彦, 新藤 徹郎, 吉田 広作, 間宮 繁夫, 三浦 亮, 柴田 昭
    1978 年 67 巻 6 号 p. 601-609
    発行日: 1978/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Myelomonocytic leukemia (MMOL)とはこれまで骨髄球系および単球系双方の増殖する白血病に対して用いられ,どちらか一方のleukemiaに対して,他はreactiveに増加したものとされてきた.しかし,双方とも白血性変化を示す例の存在が知られるようになり, common committed stem cellの発見はこの存在を裏付けるものとなつた.本邦におけるChronic MMOLは未だ極めて希であり,その1例を報告する.症例は74才の男. 1971年倦怠感を主訴として来院,強度の貧血を呈すが,肝脾腫,リンパ節腫なく, ph′染色体陰性, NAP 60と低値を示した.末梢血の白血球は2100,うち11~36%を単球様細胞が占めたが,骨髄では骨髄芽球様細胞が17.4%を占めたため急性骨髄性白血病(smouldering type?)と診断された.単球様細胞はPeroxidase,貧食能,非特異的エステラーゼ染色,電顕等より,単球と同様の態度を示し,骨髄芽球様細胞とは異なるものであつた.初回, 6MPの効果あつたが,次第に末梢の単球様細胞は増加を示し, 3年後に絶対数800を超えた時点でCMMOLと診断された.血中lysozymeは単球様細胞増加に伴つて増加を示した. 6年の経過中,気管支肺炎,下顎濃瘍等の感染症と多発性環状肉芽腫を併発したが,血小板数正常で出血傾向は認められなかつた.本例のCFU-Cは高値でstem cellの成熟障害が示唆されたが,正常な細胞生活を営む各血球成分も充分産生されて,いわゆる自己適応の状態にあることが本症の本態と考えられる.
  • 加納 正, 田中 壮一
    1978 年 67 巻 6 号 p. 610-615
    発行日: 1978/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    皮膚アミロイド症を伴う多発性骨髄腫にepidermolysis bullosa acquisita (EBA)を合併した,きわめて希有な症例を経験した.本邦では同様症例の詳細な報告はないので,本例について概説するとともに,内科学的立場からこれらの合併の意義を考察した.症例. 1902年生,男性. 1977年2月,全身倦怠感,動悸,躯幹・四肢に水疱をきたした.正常にみえる皮膚に僅かな外力が加わると水疱が容易に形成される.同年5月,某病院で多発性骨髄腫と診断された.骨髄腫に対するcyclophosphamide療法は皮膚病変に無効であつた.同年8月本院に入院.巨大舌の傾向があるが,口腔粘膜,爪に異常はない.皮膚は前胸部,腹部,殿部,四肢に帽針頭大より小指頭大の不整形でやや弛緩した水疱を多数認め,一部に出血やびらん面が認められる. Nikolsky現象陽性,骨X線像, IgG (λ)型M成分, Bence Jones蛋白陽性,骨髄中に多数の骨髄腫細胞が存在などより多発性骨髄腫を確認した.また慢性腎不全も認める.水疱部の皮膚生検像(PAS染色, thioflavin-T染色)では,基底細胞層と真皮の間に解離を認めるとともに真皮上層にアミロイド沈着が証明された.蛍光抗体法その他により,他の水疱性疾患を除外し, EBAと診断. EBAは全身性疾患の合併が高率で,内科学的にも注目される皮膚病変である.本例については, EBAの発生との関係で, (1)多発性骨髄腫, (2)アミロイド症, (3)腎不全, (4)薬物などが問題となつた. EBAは多発性骨髄腫あるいはその合併症を告知する重要な徴候の一つとして理解すべきことを強調した.
  • 岩崎 泰彦, 岡 芳知, 北村 達也, 金子 二郎, 荻原 一晃, 小坂 樹徳, 深沢 正樹, 三條 健昌, 杉浦 光雄
    1978 年 67 巻 6 号 p. 616-622
    発行日: 1978/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病の急速な悪化と肝性脳症の消長との間に興味ある関係が認められた, 47才,男性の肝硬変例を経験した.患者は昭和44年に尿糖を,昭和46年に糖尿病と肝機能障害を発見され,経口糖尿病用剤による治療を受けていた.昭和50年7月当科に第1回の入院をし,腹腔鏡検査等により肝硬変と診断され,糖尿病は経口剤でよくコントロールされた.昭和51年6月頃から糖尿病が急速に悪化し1~2ヵ月遅れて精神神経症状が出現してきたため,第2回入院となつた.特徴的な症状,脳波所見,血中アンモニアの高値と,同時に認められた腹壁静脈の怒張および静脈性雑音等からCruveilhier-Baumgarten症候群を伴つた門脈体循環側副路脳症,肝硬変ならびに糖尿病と診断した.側副路としては各種検査により〓静脈,肝内門脈肝静脈短絡路,左腎静脈の三つを介する経路が明らかになり,上部消化管の静脈瘤は極く軽度であつた.高感度に調整された心音計により静脈性雑音が良く記録され,高低2種の全く異なる雑音から成ることが明らかになつた.またインスリン治療と同時に肝性脳症のコントロールが容易になり,一方〓静脈結紮後インスリンの心要量も減少した.肝疾患時の糖代謝異常,および糖代謝と肝性脳症の関係を解明する上で示唆に富む症例と考えられた.
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