日本内科学会雑誌
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68 巻 , 12 号
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  • 上田 泰
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1535-1542
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 小林 正樹, 橋本 敏夫, 五十嵐 寛, 斉藤 功, 塩原 保彦, 新谷 博一
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1543-1553
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋硬塞の予後を入院当初に的確に判定するため,発作後72時間以内に当内科に入院した154例について,多変量解析のうち数量化理論第II類・判別分析を用いて予後判定法を作成し, external sample35例について本法の妥当性を検討した.入院直後から約1時間の間にデーターが得られる21要因を選び,さらに54カテゴリーに分類し,電算機により標準化スコアを算出した.標準化スコアの大きいもの(死亡側への傾きの大きなもの)は年令70才以上,既往に心筋硬塞あり,既往に狭心症なし,既往に他の心血管系疾患あり,心不全(中等・重症),心拍数60/分未満・110/分以上,広範前壁硬塞,後壁側壁硬塞,上室性期外収縮, 2度以上の房室ブロック,発作性上室性・心室性頻拍,房室接合部性調律,時間尿20ml以下であつた.要因偏相関係数による急性期予後判別に寄与する因子のウエイトは尿量,心不全,既往の心筋硬塞,硬塞部位,既往の狭心症なし,既往の他の心血管系疾患(主に高血圧)の順に1%水準で,有意であつた.累計判別グラフによる判別スコア38.0567以上は急性期予後不良で,この判別スコアにおける予後判定の適中率は計算上80.9%であつた.またexternal sample35例について本法の妥当性を検討してみると,急性期予後判定の適中率は85.7%で両者とも高率であり,入院時に急性期予後を的確に判定する方法として臨床的に有用である.
  • 林 紀夫
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1554-1561
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    生体の分光特性を明らかにしうる臓器反射スペクトル解析装置を開発し基礎的検討を行なうと共に,腹腔鏡施行時に慢性肝疾患患者に応用し,肝の散乱反射スペクトル分析よりin vivo, in situの肝局所血流動態および酸素代謝動態の解析を行なつた. 1)慢性肝疾患では肝病変の進展に伴い,スペクトル強度ΔEr (569-650),みかけのHb酸素飽和率fは低下した. 2)ΔEr (569-650)と血清アルブミン,プロトロンビン時間, ICG15分停滞率の間に有意の相関関係が認められた. 3)ΔEr (569-650)とf×ΔEr (569-650)の間に有意の正の相関関係が認められた. 4) in vivo肝酸素消費量は,慢性肝炎に比し肝硬変で有意に低下していた.以上,ΔEr (569-650)は局所肝血流量,みかけのHb酸素飽和率fは肝における酸素消費の指標になると考えられた.慢性肝疾患では肝病変の進展に伴つて局所肝血流量は減少し,その結果としての酸素供給の低下に対して動脈-肝静脈酸素含量較差を増大することにより,肝酸素消費を維持しようとしているが,肝硬変では完全には代償できず, in vivo肝酸素消費の低下を来すものと考えられた.
  • 竹内 二士夫, 藤森 新, 荻田 忠厚, 西田 〓太郎, 橋本 明, 赤岡 家雄, 堀内 淑彦, 矢野 栄二
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1562-1569
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    痛風の尿酸過生産の機序は未だ不明であるが, hypoxanthine guanine phosphoribosyl transferase (HGPRT)活性低下を示す症例の越に, phosphoribosyl pyrophosphate synthetase (PRPPsyn)活性亢進を示す症例が,今までに3家系報告れている.今回報告する家糸においても, 2名の男性が尿酸過生産型の痛風症で,赤血球中PRPPsyn活性は正常の約3倍であつた.さらに,そのうち1名には抗インスリン自己抗体が証明された.本家系の3世代にわたる家系調査により,新たに5名の活性亢進者がみつかつた.男性の亢進者では正常人の3倍,女性では2.5倍程度の亢進を示し, HGPRT活性は正常域であつた.この結果,本家系における活性亢進は優性遺伝形式と考えられた.なお,抗インスリン抗体を証明する者は他にはみつからなかつた. heterozygtoteと思われる男女の活性の差より, X染色体優性遺伝が強く示唆される.現在施行中のオートラジオグラフィーや, Xg血液型との相関もこれを支持している.この異常PRPPsynは, 2mM~32mM無機燐酸濃度における活性が常に2~3倍正常酵素より高く,またR-5P. ATPに対するaffinity constantや, ADP, GDPによるinhibitionは正常と同じであつたが, 55°Cにおいてthermolabilであつた.本例は遺伝形式,酵素特性の上で,既報家系と比べ特徴があつた.活性亢進が酵素のアミノ酸組成の異常によるのか,酵素合成調節機構の異常によるのか,他の酵素の異常による結果なのかは不明である.
  • 三輪 梅夫, 森 清男, 坂戸 俊一, 長谷田 祐一, 吉野 公明, 佐藤 隆, 山本 英樹, 小野江 為久, 河村 洋一, 大家 他喜雄, ...
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1570-1577
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋硬塞発作後,低Na血症,高血糖,高浸透圧血症による意識障害の発現とともに,視床下部-下垂体-甲状腺系機能異常を一過性に示した69才の糖尿病患者を報告した. Ht53%,血糖500mg/d1,血清浸透圧325mOxsm/kg・H20,尿素窒素130mg/dl,血清Na 114mEq/l, P 1.2mg/dlなどの異常値に加え,甲状腺系ではT4 1.5μg/dl, T3 37ng/dl, TSH測定感度以下であり,プロラクチンは240ng/mlと高値を示した.また理学的にも軽度の粘液水腫状態を認めた. T3補充,ハイドロコーチゾン,補液とともにインスリン治療を施したところ,水・電解質異常は速やかに是正され,意識の回復が得られた.ショック状態で入院したが,その際の血中コーチゾールは42.5μg/dl, IRI 21μU/m1と高値を示した.本例にみられた一過性ショックの原因として,循環血漿量の減少,心拍出量の低下などによる心原性要素が考えられたが,膵炎, DIC潜在の関与も否定できなかつた. TRHに対しTSHは正常に反応し, TSH,プロラクチンの基礎値は経過とともに正常化した. 2年前,体調異常を訴えた際のTSH基礎値は低く, TRHに対しては今回同様良好なTSH反応が認められていた.以後の検索でLH, FSH, HGHはほぼ正常であることが確かめられ, X線像, CTスキャンの上で,視床下部-下垂体領域の器質的病変は否定された.本例では,心筋硬塞後の嘔吐反復による脱水や心原性ショックに基づく脳内殊に視床下部領域の循環障害が,一連の可逆性機能異常を発生させた要因と推測された.
  • 中園 誠, 松永 宗雄, 馬場 正之, 小沼 富男, 武部 和夫
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1578-1584
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    27才,女.昭和50年流産後糖尿病を発症し治療を受けた.翌年眼瞼下垂・複視に気付いたが放置. 52年2月急に嚥下障害・鼻声を来し,重症筋無力症の診断でambenonium chlorideを投与されたが改善せず5月に当科入院.入院中,甲状腺腫・眼球突出を認めサイロキシン16.5μg/d1であつたので,甲状腺機能亢進症として抗甲状腺薬が投与された.糖尿病はインスリンで治療したがコントロールは不良であつた. 52年7月胸腺摘出術を施行.胸腺の重量は43gで過形成像を示した.術後6ヵ月間は筋無力症状が強かつたが,現在は軽快し通院加療中である.本症例では,血糖を150mg/dl以下にコントロールすると筋無力症状が悪化し,逆に血糖のやや高い時に筋無力症状が改善するという,いわゆるsee-saw現象に類似した様相が観察された.本例の母親は57才で糖尿病と診断されてインスリン治療中である. 29才の姉は, 10才時に眼瞼下垂に続いて筋力低下と易疲労性が出現. 19才の時重症筋無力症と診断されて治療を開始. 28才で胸腺の放射線照射を行ない眼症状・筋力低下ともに現在はやや改善している.家族のHLA抗原検査では,糖尿病に多いBW 22を本例と母親に認め, B 40をもつ本例がHashitoxicosisである可能性も推測された.また家族性重症筋無力症に他の自己免疫性疾患を合併した11家系25例について文献上の考察を行なつた.性差・発病年令および自己免疫性疾患の種類ともに成人型の本症とほぼ一致した結果であつた.
  • 大嶋 憲三, 羽山 恒人, 中江 遵義, 天野 雅敏
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1585-1591
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスにBasedow病や,又それより頻度は少ないが橋本甲状腺炎の伴うことが知られているが希であり,その際甲状腺内にサルコイド肉芽腫を認めぬ例も知られている.本報告は肉芽腫を甲状腺内に有しない橋本甲状腺炎を来した1症例であるが,この様な例は本邦報告中に見出し難い.近年はサルコイドーシスの病因に免疫が関与するとの見解が一般であるが,自己免疫疾患である橋本病との病因的関係に興味のある症例であつた.患者は29才の家婦で,経過観察中のサルコイドーシスのリンパ節腫脹の消失してゆく時期にmicrosome抗体の陽性であることを発見され, 2ヵ月後その値がさらに高くなる頃急速に甲状腺腫脹を来し,いわゆるリンパ球性甲状腺炎の組織所見を呈したが,その後甲状腺機能低下症状を続け, 1年後典型的な橋本甲状腺炎の生検所見を呈した.経過中,サルコイドーシスと甲状腺炎の病勢に関係をもちつつ,しかし病因的にはこの両疾患に直接的関係のないと思われる多発性の関節痛と皮疹の出没する事実があつた.
  • 高山 重光, 木嶋 祥麿, 笹岡 拓雄, 金山 正明
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1592-1598
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ともにIgG (κ)である二つの異なつたMたんぱくを認めるまれな多発性骨髄腫の1例を経験した. Mたんぱくの生化学的検索について述べるとともに,若干の文献的考察を行なつた.症例は77才.食欲不振,腎機能障害にて当科を受診.セルロース・アセテート膜電気泳動上2峰性のM peakを認め,精査のため入院.入院時,血圧166/99mmHg,表在リンパ節は触知されない.二つのM peakはslow γ位とfast γ位にみられた.免疫電気泳動上IgG (κ)に2本のM bow,さらにκ鎖のβ位に1本のM bowとα位に1本沈降線を認めた. IgG 2940mg/dl, IgA, IgMは低値.骨髄像にて骨髄腫細胞31.4%,尿中Bence Jonesたんぱく陽性.骨X線像で,骨打ち抜き像は認められなかつた.以上より多発性骨髄腫と診断した.血清寒天ゲル電気泳動で, fast γ位のMたんぱくは2本のM bandに分離したが,メルカプトエタノール処理で1本となり,同処理でκ鎖α位の沈降線は消失した.ゲル炉過7 S分画の免疫電気泳動にても, IgG (κ)に明瞭な2本のM bowを認め,これらのM bowはspurを形成していた.熱処理後血清の電気泳動で, fast γ位のM peakはα位に移動した.以上より, MたんぱくはIgG (κ)に二つ(slow γ, fast γ),およびκ型Bence Jonesたんぱくと判明し, IgG (κ)のslow γ, fast γのMたんぱくは,互いに異なるものと考えた.さらに, fast γのMたんぱくおよびBence Jonesたんぱくのそれぞれに重合体も存在すると考えた.
  • 本多 利雄, 丸山 裕, 竹内 秀一, 小野寺 義光, 石谷 邦彦, 中沢 修, 福田 守道, 漆崎 一朗
    1979 年 68 巻 12 号 p. 1599-1605
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非定型的組織像を呈した原発性肝癌に胃脂肪腫,肝海綿状血管腫,胆嚢線維腫のおのおの希な良性腫瘍を伴い,さらに血中および肝癌組織内に特殊なvitamin B12結合蛋白を証明しえた極めて希な1例を報告する.症例は50才男性で16年前に輸血の既往がある.腹水および屏脾腫大にて入院. HB抗体陽性でα-fetoproteinが異常高値を示し,血管造影法, scintigram,超音波断層法にてそれぞれ所見を認め,原発性肝癌と診断した.胃X線検査で腫瘤様陰影を認め,また腹部単純X線写真で肝に一致して大小2個の石灰化豫を認めた.さらに血中unsaturated B12 binding capacity (UB12BC)およびvitamin B12値の著増を認めたため, B12-Sepharoseを使用したaffinity chromatographyを含む生化学的分析を行なつた結果,これがいわゆるhepatoma B12-binderの出現によるものと同定しえた.剖検により肝原発性腫瘍の組織像は多様性を示し,腺管状肝癌の像を呈した部も認められたが定型的肝癌像を示す部もみられ,とくに胃の転移巣は定型的肝細胞癌の像を呈した.肝腫瘍組織より抽出したvitamin B12結合蛋白は血清のそれと同一の性状を示し,肝産生起源が実証された.胃には転移巣とは別に1×5cmの脂肪腫を認めた.肝内の石灰化は肝海綿状血管腫の石灰化と判明した.胆嚢には10数個のpolypoid lesionが見出されたが,組織学的には粕液腫様の線維腫で炎症性起源と考えられた.本症例は他の遺伝性の腫瘍多発疾患と同様に腫瘍形成素因の存在を疑わせたが,検索した範囲では明らかな遺伝的負荷は証明しえなかつた.
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