日本内科学会雑誌
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68 巻, 1 号
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  • 村尾 覚, 河合 忠一, 井上 通敏, 上田 慶二, 大林 完二, 神原 啓文, 関口 守衛, 新谷 博一, 延吉 正清, 真島 三郎
    1979 年 68 巻 1 号 p. 1-31
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 塩川 優一
    1979 年 68 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 笹井 陽一郎
    1979 年 68 巻 1 号 p. 38-42
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 中井 利昭, 山田 律爾
    1979 年 68 巻 1 号 p. 43-53
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    今日では褐色細胞腫の治療薬としてα-blockerやβ-blockerが広く用いられている.しかしこの治療薬の褐色細胞腫組織自体に対する直接作用についての報告は今までほとんどみられないので,この作用について検討を行なつた.摘出褐色細胞腫組織が材料として用いられたが,まずこの4症例について臨床データをまとめて示した.ついで今回の実験では経時的潅流システム(周辺潅流システム)が考案され,用いられた.褐色細胞腫組織より潅流液中へのカテコラミンの放出は1時間30分で一定の低い基礎値となつたが,このときアセチルコリンを作用させるとカテコラミン放出ピークがおこつた. α-blockerとしてphento1amineおよびphenoxybenzamine効果を,またβ-blockerとしてpropranolo1の効果をみるため,アセチルコリン刺激直前にこれらblockerを投与することによつてカテコラミン放出ピークがどのように変わるかを検討した. phentolamineはアセチルコリンによるカテコラミン放出を抑制したが, phenoxybenzamineはアセチルコリンによるカテコラミン放出を抑制できなかつた.一方propranololはそれ自体カテコラミン放出を促進した.以上褐色細胞腫組織に対するα-blockerやβ-blockerの直接作用に差異のみられることを初めて明らかにした.
  • 西山 敬介, 石井 当男, 武田 忠直, 池田 寿雄, 松岡 博昭, 中村 雄二, 後藤 淳郎, 村尾 覚
    1979 年 68 巻 1 号 p. 54-61
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    各種高血圧症患者(本態性高血圧症22例,腎血管性高血圧症9例,腎実質性高血圧症12例,原発性アルドステロン症3例,悪性高血圧3例)において,食塩摂取量8~10g/日, 2週以上降圧薬中止下にangiotensin II拮抗薬のひとつである1-Sar-8-Ile angiotensin II (ATA)を280ng/kg/min静注し,循環動態,腎機能,電解質排泄および血漿レニン活性(PRA)に及ぼす影響を検索した. ATAにより血圧は悪性高血圧患者のみで低下し,他の患者では上昇した.血圧上昇は総末梢抵抗増加に基づき,昇圧度は基礎PRAと有意な負の相関(γ=-0.78, p<0.001)を有した.腎血管抵抗は悪性高血圧を含む全例で増加し,その増加の程度は総末梢抵抗のそれよりも有意に大であつた(p<0.001).尿中ナトリウム排泄量および排泄率は原発性アルドステロン症を除き,全高血圧症群で減少した.これに対し原発性アルドステロン症ではいずれも増加がみられた.本態性および腎血管性高血圧症群では, ATAによる腎血流量,腎血管抵抗および血漿レニン活性の変化はいずれも基礎PRAとの間に有意な相関を有したが,腎実質性高血圧症では,これら測定値の変化は基礎PRAと有意な相関を示さなかつた.以上の成績はATAはかなり強いagonist作用を有し,その作用は臓器間で差異がみられること,および腎実質性高血圧症ではレニン分泌も含む諸腎機能になんらかの調節障害が存在する可能性があることを示した.
  • 中本 安, 木田 寛, 安部 俊男, 藤岡 正彦, 飯田 博行, 服部 信, 岡田 保典, 土肥 和紘, 木部 佳紀, 杉本 立甫, 武内 ...
    1979 年 68 巻 1 号 p. 62-73
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
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    微少変化型ネフローゼ症候群との関連が問われている巣状糸球体硬化症は本邦例の検討がまだ少ないようである.ここでは昭和36年来経験した本症9症例とその21生検および2剖検腎について臨床病理学的所見を報告する.膜性腎症および腎炎性変化型以外の原発性ネフローゼ症候群(74例)中の出現頻度は12.2%であつた.多くの症例が高度の浮腫ないし腹水を伴い,顕著なネフローゼ状態を呈し,顕微鏡的血尿および高血圧はおのおの77.8%, 55.6%にみられた.治療により1例が完全寛解に, 3例が不完全寛解I型に改善したが,後者の1例は再燃後腎不全に進行し,死亡した,のこり5例は治療にほとんど反応せず,ネフローゼ状態を持続し, 2例が死亡, 3例が急速に腎機能低下をしめしている.形態学的な悪化要因として, 1)分節状病変の種類, 2)びまん性メサンギウム細胞増生, 3)尿細管・間質障害があげられる.分節状病変のうち,硬化性変化を主体とする症例は泡沫細胞および上皮細胞増生,ことに後者をしめす症例より改善しやすい傾向をしめした. 2例で発症より22, 23日目の早期に皮質内のかなり広い範囲に分節状病変をみとめたが,病変は従来考えられていた以上に発症よりすみやかに皮質内に分布するものと考えられた.結局,本症には微少変化群から移行するものと,当初より本症として発現するものとの2型があるように思われる.本症の診断には分節状病変の確認が重要と考えられる.
  • 奥野 哲二, 森 皎祐, 相沢 豊三, 竹岡 常行, 古見 耕一
    1979 年 68 巻 1 号 p. 74-80
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症とmyotonic dystrophyの合併は極めて希である,最近我々はその1例を経験し,甲状腺機能亢進症と神経・筋疾患との関係を考察する上で,興味ある症例と考え,報告する.症例は53才,女で,昭和50年12月頃初めて立ち上がり困難に気づいたが放置.昭和51年3月頃やせ,発汗,動悸と共に筋力低下は悪化し,立ち上がり不能となり歩行障害や嚥下障害も認めたため,同年7月入院した.入院時び漫性甲状腺腫を触知し,胸鎖乳突筋,僧帽筋をはじめ,下肢では中殿筋や大腿四頭筋にも著明な筋萎縮,筋力低下を認めた.また白内障とmyotonia現象を認め,筋電図でも典型的なmyotonic dischargeを認めた.甲状腺機能は血清サイロキシン20μg/dl以上, BMR+77.8%, 131I甲状腺摂取率81%と明らかな亢進を示した.その他の内分泌異常として,尿中17KSの軽度低下, GTT時のIRIの過剰反応, ITT時のHGHの低反応,血清LH, FSHの高値およびLH-RH試験におけるLHの高反応などがみられた.入院後, methimazole15mg/日投与により甲状腺機能が正常化すると共に嚥下障害は消失し,徐々に歩行障害は改善し,独力で立ち上がりも可能となつた.以上の経験に加え,文献的にも両者の合併は筋力低下の急速な悪化をもたらすとされており,甲状腺機能亢進症の早期発見,早期治療が肝要である.
  • 鹿毛 政義, 金戸 昭, 桑木 敏光, 井上 庄二, 金丸 英一, 松崎 雅, 谷川 久一
    1979 年 68 巻 1 号 p. 81-88
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    36才,女性で,昭和52年4月頃より,腹痛と体重減少を主症状に発症し,白血球増加および好酸球増加にて入院.入院後,微熱,顔面,四肢の-過性浮腫,四肢の知覚異常,筋萎縮,筋力低下,肝腫大など多彩な症状が出現した.検査所見では,血沈促進,高ガンマグロブリン血症, RA, CRP陽性で,末梢血では,常に30%以上の好酸球増加を認め,極期には,白血球64.000/mm3うち好酸球94%,骨髄像で好酸球55.2%と著増し,末梢血,骨髄ともに,成熟型が主体をなしていた.皮膚,肝生検にて,好酸球の組織への浸潤を認めたが血管炎像は明らかではなかつた.なお,寄生虫疾患は,形態学的および免疫学的検索から否定された.プレドニゾロン投与の結果,短期間に白血球数および好酸球数ともに正常化し現在経過観察中である.本症例は,組織所見で血管炎像に乏しいが,多彩な症状,血清免疫学的反応異常,副腎皮質ホルモンが著効を示した点などから,これまで報告されている播種性好酸性膠原病の範ちゆうに入る疾患と考えられ,類似の疾患群との異同についても若干の検討を加えた.
  • 井坂 勝利, 近森 一正, 森 博愛, 斎藤 史郎, 古谷 敬三, 玉橋 信影
    1979 年 68 巻 1 号 p. 89-94
    発行日: 1979/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦で最初の, Kallmann症候群の1剖検例(26才,男)を報告する. 23才の時,回盲部癌で手術をうけた. 26才の時,某整形外科医に骨端線未閉鎖と類宦官体型を指摘され,内分泌的検査の目的で入院した.血縁者に類似疾患患者はいない.二次性徴は認められず,嗅覚検査でanosmiaを確認したが,先天性奇型はなかつた.胸部X線写真で腫瘍状陰影を認め,細胞診で悪性細胞を検出した.内分泌機能検査では,血漿LHおよびFSHの基礎値は測定感度以下で,クロミフェン試験では血漿LH-RH, LHおよびFSHの分泌反応はみられぬが, LH-RH負荷に対して血漿LHおよびFSHは遅延型の増加反応を示した. HCG負荷後の血漿テストステロンおよび尿17-KSの反応はみられなかつた.下垂体-甲状腺系,下垂体-副腎系機能およびTRH負荷後のPRLの分泌反応はほぼ正常であつた.インスリン負荷に対するGHの分泌反応はやや低値であり, 50g GTTでは軽度の耐糖能異常を認めたが,血漿IRIは正常反応を示した.患者は転移性肺癌の放射線療法中に心外膜炎を併発し,死亡した.剖検所見では,睾丸は低形成を示し,精子形成像とLeydig細胞は認められなかつた.脳重量は1400gで両側嗅球および嗅索は欠損していたが,光顕的には視束前核をはじめ,視床下部の諸核および脳梁,脳弓,前交連に著しい変化は認められなかつた.下垂体前葉にはゴナドトロピン分泌細胞が認められた.本例はLH-RHの分泌不全による視床下部性性機能低下症を強く示唆するが,その形態学的異常は,視床下部ホルモンの免疫組織化学的検索などによりさらに検討の必要がある.
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