日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
68 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 横山 哲朗
    1979 年 68 巻 4 号 p. 363-378
    発行日: 1979/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,いわゆる細気管支炎の病理形態学,臨床,あるいは病因論に関心が寄せられるようになつた.ことに経気管支肺生検,選択的肺胞気管支造影,末梢肺損傷の肺生理学的評価,生化学的・免疫学的検討の手段が開発されるに伴い,少なからざる臨床家・研究者が本疾患をそれぞれの立場からとりあげるようになつた.しかし,本症の概念あるいは診断の基準など重要な問題について相当の見解の相違が現存していることも事実である.著者はLangeの閉塞性細気管支炎を中心にその周辺疾患を含めて,これまでの研究をまとめた.著者の集め得た論文のみでも400余編に及んだが,本稿ではその主要なもののみについて触れ得たにすぎない.論述にあたつて,便宜上, (1)概念および診断基準, (2)病理形態学および病態生理学, (3)発煙硝酸事故, (4)火災事故, (5)職業性肺疾患, (6) silo事故, (7)毒ガス暴露, (8)肺感染症, (9)大気汚染, (10)その他に整理してみた.これら多数の研究は,本疾患の病変の主座としての呼吸細気管支と肺胞道との接合部を中心とした末梢肺領域の有する役割の重要性を浮彫りにしており,併せて将来の研究の進むベき方向を明示しているように思われる.とくに強調しておきたいことは,本症が慢性肺気腫・肺線維症の成立,肺の老化など,現在の呼吸器病学の重大関心事と密接な関連を有することであり,それ故に一そう本症の解明が期待される点である.
  • 香取 瞭, 石川 欽司, 林 健郎, 小橋 泰之, 大谷 昌平, 金政 健, 山門 徹, 田仕 雅洋, 大里 修一郎
    1979 年 68 巻 4 号 p. 379-388
    発行日: 1979/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心拍出量の年令別正常値表を作製するとともに,体格の大きさによる心拍出量のnormalizationについて検討した.正常人151名,年令4才より78才,男性109名,女性42名を対象とし,二色法虚血式色素濃度較正法を用いたイヤーピース色素希釈法により空腹時安静背臥位の心拍出量を測定した.心拍出量は10才台半ばまでは身体の成長につれて増大するが,以後はほぼ直線的に減少した.体表面積で除して心係数(l/min/m2)として表わすと,心係数と年令との関係は10才前後で心係数が高値を示す者があるが,それを除くと心係数は直線的に加令につれて減少し, 15才以後の者124例についての相関関係は, r=-0.447, p<0.001, y=4.703-0.020x (y:心係数, x:年令)であつた.男女間には差をみなかつた.心拍出量と身長,体重,体表面積の関係をみると, 14才以下と15才以上では回帰式が著しく異り,成長期にある者では非常に高心拍出量であることが知られた,また心係数の表示法は身長,体重のみによるnormalizationよりやや勝ると考えられた. 1回心拍出係数は全年令を通して加令とともに直線的に減少した(r=-0.426, p<0.001, y=71.0-0.29x, y:1回心拍出係数, x:年令).以上の結果から,年令別心係数,一回心拍出係数の正常値を算出表示するとともに,加令による心拍出量の減少のメカニズムと意義を考察した.
  • 高木 達治
    1979 年 68 巻 4 号 p. 389-396
    発行日: 1979/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧症における心病変を心電図所見から推測することは日常臨床において重要であるが,これまでそのような研究はあまりみられない.そこで140例の高血圧症剖検心の形態学的変化と心電図所見を比較検討し,次のような結果が得られた.すなわち,高血圧症においては,心電図上QRSの高電位差, ST, T異常が高頻度に出現し,これらの変化は左室の肥厚,拡張の強いものにより高頻度に出現する傾向を示したが,正常に近いと思われる高血圧心においても対照より明らかに高頻度であり,高血圧症心電図の特徴的所見と考えられた.また高血圧症では電気軸が左軸寄りになる傾向を示したが, -30°を越える左軸偏位は少なく,左室の肥厚,拡張とは相関が認められなかつた.今回新しい試みとして,胸部誘導V1-6のRとSの平均値を高血圧の病型ごとに,また左室の大きさの各群ごとに求めてプロットし,曲線のパターンを調べた.これによると,左室の肥厚,拡張が高度になるとV2-4のS波が著明に深くなり,移行帯の左方移動および急変の頻度が高くなることが認められた.以上の結果から,心電図所見によつて高血圧心の形態学的変化や心病変をある程度推測が可能であり,とくにV1-6のR, S曲線の臨床的有用性が期待される.
  • 森田 昂, 岡田 隆道, 大賀 辰次郎, 加納 正, 岡田 弘
    1979 年 68 巻 4 号 p. 397-403
    発行日: 1979/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    系統的アミロイド症を伴つた骨髄腫に2種の癌を併発した希な症例を経験した.またこの例は6年前の喉頭癌の手術時にすでに単クローン性γ血症をみとめ,その後次第にM成分量の増量と共に骨髄腫の病像を完成した点でも興味がもたれた.症例: 70才,男性. 64才時に喉頭の扁平上皮癌で摘除をうけ,癌周囲組織に形質細胞浸潤が目立つた.血清総蛋白7.8g/dl中fast γ域に1.8g%のM成分を認めたが放置. 5年後心不全症状で緊急入院.血清総蛋白10.4g/dl中IgG-λ型のM成分が3.7g%を占めたが,この時期では尿BJ蛋白は陰性.骨髄中の形質細胞は未熟型のものも含めて4.8%で,骨髄腫の診断を確定しえなかつた.その後右足にBowen病を発症し,その切除標本の癌周囲組織には形質細胞浸潤はなかつた.入院7カ月後に至つてBJが出現,すなわちBJ escapeがみられ,さらに血清蛋白M成分の漸増と正常γ-glの著減,骨髄中異型形質細胞の著増をみとめて骨髄腫と診断した. prednisolone, cyclophosphamideの併用治療を開始し著効を見たが,心不全が増強し死亡した.剖検により全身諸臓器の骨髄腫細胞浸潤と,心,肝,脾,腎,副腎などにアミロイド沈着が認められた.本例の検討を通じて単クローン性γグロブリン血症と癌の関係,骨髄腫・アミロイド症・癌の複雑な合併にみられる免疫学的背景,骨髄腫の自然史などについて考察した.なお, Bowen病は種々の悪性腫瘍を合併するが骨髄腫を合併した報告例はない.本例が最初である.
  • 水野 兼志, 阪上 通明, 松井 遵一郎, 春山 和見, 中嶋 凱夫, 福地 総逸
    1979 年 68 巻 4 号 p. 404-409
    発行日: 1979/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性甲状腺炎に副腎皮質酵素欠乏症による選択的低aldosterone症を合併し,さらにACTH,成長hormone (GH)およびinsulin (IRI)分泌不全を伴つた,きわめて希な1例を報告する.症例は43才の女性.昭和52年9月,易疲労感を主訴として入院した.入院時検査成績では血清K 6.0mEq/l,血清Na 136mEq/l. BMR-29%, triosorb 21%, TRH負荷試験にてTSHは過大反応を示した.甲状腺生検所見では,間質の増加と小円形細胞の惨潤が認められた.安静時血漿renin活性(PRA)および血漿aldosterone含量(PAC)はそれぞれ1.4ng/ml/h, 2.9ng/dl.血漿cortisol含量(F)は正常であつたが,血漿corticosterone含量(B)および血漿18-OH-B含量はそれぞれ1.33μg/dl, 50.0ng/dlと共に著明な高値を示した. renin放出刺激試験によりPRAは過大反応を呈したが, PACは上昇しなかつた. angiotensin IIおよびACTH投与により, PACは殆ど上昇しなかつた. methyrapone投与により,尿中17-OHCS, 17-KS排泄量および血漿ACTHは上昇しなかつた.ブドウ糖ならびにarginine投与により, GHおよびIRIも上昇しなかつた.間接蛍光抗体法により,本患者血清中に抗副腎抗体が証明された.以上の結果より,本症例は自己免疫機序により甲状腺,副腎皮質,下垂体および膵臓に障害を来たしたものと結論した
  • 木嶋 祥麿, 白木 正紀, 笹岡 拓雄, 金山 正明
    1979 年 68 巻 4 号 p. 410-417
    発行日: 1979/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    7年前,慢性骨髄性白血病と診断された患者がblast crisisをおこした. vincristine, cytosine arabinoside, 6-mercaptopurine, prednisoloneを投与したところ, 3日目には白血病細胞は著明に減少した.それと同時に血清カルシウムは2.7mEq/l,無機リンは13.1mg/dlとなつており,また血清クロールは著明な高値で動脈血ガスは高度の代謝性acidosisの所見を呈していた.その後高窒素血症が進行し,尿酸も上昇してきた.この間ずつと低カルシウム血症・高リン血症がつづいていたが,白血球数が3000/cummにまで減少し骨髄芽球が消失したのちは,血清電解質・動脈血ガスの異常も改善した.この患者の入院時血清creatinine値は軽度ながら上昇しており, creatinine clearanceは著しく低下していたが,今回の入院前後の血清カルシウム・無機リン値は正常であつた.本例にみられた治療前後のカルシウム・無機リンの異常および代謝性acidosisの成因は,抗白血病薬の投与によつて無数の白血病細胞が破壊され,それから放出された多量のたんぱくや有機酸が腎障害のために尿中へ充分量排泄できなかつたことによるものと考えられる.したがつて腎機能低下のある患者において抗腫瘍薬を用いる場合には,血清カルシウム・無機リン値ばかりでなく,血液ガスについても留意しなければならない.
  • 1979 年 68 巻 4 号 p. 466
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top