Kininのbioassay法として,イヌ後肢血流量変化を利用する系について検討し,正常者および本態性高血圧症患者で24時間尿kinin排泄量を測定した. 1)この方法は,測定上,満足すべき感度と安定性を有していた.測定系全体を通しての回収率は, 66.0±9.0% (M±SD),測定内変異係数は, 10.3%, 13.2%, 10.2%, 15.1%であつた.全体の変異係数は, 13.8%であつた. 2)この測定法での, 3種のkinin (bradykinin: BK, lysyl-bradykinin=kallidin: LBK, methionyl-lysy1-bradykinin: MLBK)の生物活性は, BK:LBK:MLBK=100:143:23であつた. 3)上記方法を用いて測定した尿kinin排泄量は,正常者44.8±5.8μg/日(M±SEM, n=24),本態性高血圧症患者22.0±5.0μg/日(n=18)であり,本態性高血圧患者では,有意に低い値を示した(P<0.01).
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