日本内科学会雑誌
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68 巻 , 7 号
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  • 村尾 誠
    1979 年 68 巻 7 号 p. 697-711
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 塩津 初壽, 小川 宏一
    1979 年 68 巻 7 号 p. 712-723
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高感度radioimmunoassayを用して,血漿中のc-AMP, c-GMP値を測定し,正常者および心不全患者における自律神経系の機能状態,各種ホルモンの活動状態を検討した. 70才末満の正常成人では加令と血漿c-AMP値とは緩やかな相関関係を,加令と血漿c-GMP値とは有意の正相関を認めた.心不全患者において,血漿c-AMP値はNYHAII°, III°, IV°群で,血漿c-GMP値はNYHA I°, II°, III°, IV°群で正常者群に比して有意の高値を認めた.心不全の原因疾患別分類では血漿c-AMP, c-GMP値とも各心疾患群間に有意差を認めなかつた. NYHA II°群において,僧帽弁狭窄症群が他の心疾患群より血漿c-GMP値の有意の高値を認めた.肺動脈中間圧と血漿c-AMP, c-GMP値とも有意の正相関を認めた.正常者におけるtreadmill運動負荷では血漿c-AMP値はBruce I°ですでに,血漿c-GMP値はsubmaximal pointではじめて有意の高値を認めた.また,正常者におけるtreadmill運動負荷で血漿c-AMP値と心拍数および最大血圧とは有意の正相関を認めた.僧帽弁狭窄症で主にNYHAII°の心不全患者におけるtreadmill運動負荷では,負荷前,正常者群に比して血漿c-AMP値の有意の高値を認めたが, submaximal pointでは有意差を認めなかつた.以上より血漿c-AMP, c-GMP値は自律神経機能,各種ホルモン活動の一つはよい指標となり,心不全の存在,重症度,予後,運動能力の推定に有用であると考える.
  • 斉藤 慎太郎, 桜田 俊郎, 山本 蒔子, 吉田 克巳, 海瀬 和郎, 海瀬 信子, 吉永 馨
    1979 年 68 巻 7 号 p. 724-732
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Basedow病の131I治療後, 5~17年を経た331例を追跡調査し,このうちすでに甲状腺薬の投与を受けていた甲状腺機能低下症25例を除く, 306例については甲状腺機能検査を行なつた. 306例中,甲状腺刺激ホルモン(TSH)が10μU/ml以下と正常であつたものは188例(61.4%)で,うち151例では完全寛解にあつた. TSHが10μU/ml以上の高値であつたものは118例(38.6%)で,このうちthyroxine (T4)とtriiodothyronine (T3)がともに低値で機能低下症であつたものは22例であり,さらにT3は正常であつたがT4が低値の38例中の14例でも,理学的に機能低下状態にあつた.このことより, TSHの上昇は直ちに治療を必要とするような機能低下症を意味するものではないにしても,これにT4の低値が加われば機能低下発生の危険度は増強するものと思われた.追跡し得た331例中の機能低下症は,全体として61例(18.4%)であり,治療後10年の例では20.7%, 15~17年では40%であつた.またTSH高値例の頻度は, 10年後で50%, 15~17年後で60%に達した.機能低下症と, TSH高値例との,それぞれの群における全例数に対する,各年ごとの例数の頻度の和を累積していつたところ,両群とも明らかに直線的に増加していつた.このことは,各年ごとの例におけるT4とT3の平均値が,年数の経過につれて明らかに直線的に低下し,またTSHが直線的に上昇していく傾向と符合していた.
  • 原沢 茂, 谷 礼夫, 野見山 哲, 崎田 隆一, 三輪 正彦, 鈴木 荘太郎, 三輪 剛
    1979 年 68 巻 7 号 p. 733-741
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    試験食として自然食を主とした流動食を用いたacetaminophen(以下APAPと略す)法で胃排出機能検査をおこない,服用後45分の血中APAP濃度(mcg/ml)をもつて胃排出能とした.消化性潰瘍の胃排出能,酸分泌能と胃排出能に検討を加え胃潰瘍と十二指腸潰瘍の相違を胃排出能の面から考察した.又消化性潰瘍の再発とそれぞれの潰瘍の胃排出能との関係についても検討した.活動期の胃潰瘍,十二指腸潰瘍の胃排出能はそれぞれ, 7.7±3.3mcg/ml, 11.3±3.4mcg/mlであり,健康正常者のそれは9.4±2.6mcg/mlであつた.胃潰瘍では明らかに胃排出能の遅延(p<0.05)が認められ,十二指腸潰瘍では明らかに胃排出能の亢進が認められた(p<0.05).酸分泌能との関係では胃潰瘍では低酸,正酸,過酸をとわず胃排出能の遅延が認められたのに反し,十二指腸潰瘍では過酸ほど胃排出能の亢進が認められた(p<0.025).再発のあきらかな胃潰瘍患者の胃排出能は6.8±3.0mcg/mlであり,再発未確認例(10.4±4.3mcg/ml)に比し有意に胃排出能の遅延が認められた(p<0.005),一方,十二指腸潰瘍においては再発のあきらかな例の胃排出能は11.9±4.0mcg/mlと,再発未確認例の9.3±3.5mcg/mlに比し明らかに胃排出能の亢進が認められた(p<0.025).
  • 山尾 久義, 石田 尚志, 岡崎 亘裕, 畠中 宏治, 大浜 永俊, 星 恵子, 中嶋 弘道, 草刈 幸次, 戸栗 栄三
    1979 年 68 巻 7 号 p. 742-749
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    患者は67才,男性.老人健診の目的で来院.全身リンパ節の腫脹, X線像上,左肺上葉の円形陰影, M-蛋白を伴う高蛋白血症が発見され入院.肺異常陰影は気管支造影上B3基部の圧迫像と喀痰の細胞診でclass Vの所見から肺腫瘍と診断された.さらに,リンパ節の生検所見はリンパ球様細胞の浸潤が主体であり,また骨格ならびに他臓器の検索により原発性と考え,左肺上葉切除を行ない,組織学的に腺癌であることが判明した.その後X線像上再発を認め,骨転移による症状が出現し,放射線治療と抗腫瘍剤による治療を行なつたが間質性肺炎を合併し死亡.血清蛋白の検索から単クローンIgMの著増とλタイプのBence Jones蛋白が証明され, macroglobulin血症と診断した.さらにcroglobulinyとpyroglobulinが証明され, 1N HCl, 1N HNO3による酸-ゲル化試験でも陽性を呈した.精製したcryoglobulinはIgMとβ-lipoproteinから構成されていた.文献上肺癌とmacroglobulin血症の合併は外国では報告されているが,本邦では見当らない. macroglobulin血症とcryoglobulinならびにpyroglobulinの併存は本邦では本症例が2例目であり,本症例に該当する肺癌合併例は最初の記載と思われる.肺癌, macroglobulin血症, cryoglobulin, pyroglobulinの併存は極めて希なものであり,異常蛋白血症の病態を解明する上で貴重な症例と思われるので,臨床所見,臨床経過ならびに検査成績に剖検所見を加えて報告する.
  • 野本 修平, 吉田 治義, 金津 和郎, 桑原 隆, 宮本 義勝, 伊東 信, 飯島 敏, 姜 一龍, 淡河 秀光
    1979 年 68 巻 7 号 p. 750-757
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    感染病巣が自己免疫現象を惹起することは,実験病理学的にも臨床的にも認められている.今回, 42才の男で,抗核抗体, LEテスト,抗血小板抗体,サイロイドテスト,マイクロゾームテスト, RAテスト,寒冷凝集反応が陽性で低補体血症を示し,高γグロブリン血症,汎血球減少,肝脾腫, Basedow病を伴い,無尿を来し短期間で死亡した症例を提示した.免疫グロブリンについては, IgE, IgMの著高を認めたが, IgA, IgGはあまり高値を示さない.剖検にて,亜急性細菌性心内膜炎,急速進行性糸球体腎炎,肺動脈硬化症, Basedow病性甲状腺腫,感染脾,非活動性慢性肝炎,骨髄低形成などの所見が示された.腎病変は蛍光抗体法で糸球体係蹄壁にIgA, IgMと補体の沈着を認め,糸球体半月体にIgA, IgGの沈着のみを認めた.電顕的検索では,糸球体基底膜にelectron dense depositを認めた.これらの所見より,先ず亜急性細菌性心内膜炎が発症し,これが感染病巣となり各種血中自己抗体の産生や,急速進行性糸球体腎炎ならびにBasedow病の発症に強く関与したものと考えた.
  • 宇野 英明, 角田 博美, 小川 章夫, 川野 恵造, 近藤 一美, 上嶋 一芳, 玉田 一夫, 湯川 進, 野本 拓
    1979 年 68 巻 7 号 p. 768-775
    発行日: 1979/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高creatine phosphokinase (CPK)血症を呈したMcArdle病の1例を経験したので報告する.症例は58才,女性.生来運動時に筋易疲労感,筋力低下をきたし,運動をそのまま持続すると筋力の回復をよく経験した.その他身体的には異常をきたしことはなかつた. 1975年8月頃に咳嗽発作,呼吸困難が出現,当院受診し気管支喘息の診断のもとに某病院入院.その加療中に血清のCPK, GOT, LDH値に異常を認め,筋疾患の疑いをもたれ当科に紹介され,同年11月11日に入院した.入院時検査では,血清CPKの高値, GOT, LDHの軽度上昇がみられ,それらの値は経過中平行して変動した.阻血下運動試験では,血清乳酸値の上昇がみられず,筋の嫌気的解糖系の障害を想定し筋生検を施行した.筋組織学的検査では,グリコーゲン蓄積と思われるPAS濃染部を筋鞘下に認め,ホスホリラーゼ活性を有する筋線維はみられなかつた.筋生化学的検査では,筋グリコーゲン含量が増加し,ホスホリラーゼ活性は極めて低値を示し,嫌気的解糖においてもグリコーゲン添加ではほとんど乳酸産生がなく,グルコース-1-リン酸(G-1-P),グルコース-6-リン酸(G-6-P)添加ではほぼ正常の乳酸産生量を示した.以上の結果より本症例をMcArdle病と診断した.なお運動負荷試験時の血清のK値並びにCa値の特異な変動と同時に血清CPKの高値は,筋細胞膜機能特に膜透過性異常が想像され, McArdle病の病態の一側面を表わしているものと考えられる.
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