日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
68 巻 , 9 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 鎮目 和夫
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1075-1088
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 吉田 雅治
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1089-1098
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ループス腎炎がimmune complex型腎炎であることは周知の事実である.そこで,血中免疫複合体(血中IC)のレベルと,ループス腎炎の発症,進行,組織像などとの関連についての検討が必要となる.しかし,この点についての詳細な検討はまだなされていない.我々は,第1に新しい血中IC定量法としてRaji細胞免疫蛍光法を開発し,変性ヒトIgG 4μg/ml以上の濃度に相当する血中ICの定量に成功した.この方法はルーチンの血中IC定量法として用いることができる.第2に,本法を用いてループス腎炎を中心として211例の血中ICの測定を行なつた.一次性糸球体腎炎が59例中12例(21%)の陽性率にとどまつたのに対して,ループス腎炎が37例中33例(89%)と最も高率に陽性を示した.この事実は,本法がループス腎炎の血中ICの検出法としてすぐれていることを意味する.本法を用いてループス腎炎5例において,血中ICレベルを経時的に測定し,臨床経過,組織像,他の免疫学的検査との関係を調べたところ, 1)血中ICレベルは抗DNA抗体価と有意の相関を示すが,血清補体価とは相関がない. 2)抗DNA抗体価が高いのに血中IC値が低い例がある. 3)血中ICレベルはステロイド投与量と平行して変動する. 4)血中ICレベルの高い例ほど組織障害性が強い,などの事実を認めた.ループス腎炎における血中IC定量は,組織障害性の推定,ステロイド薬の適正な投与量の決定に重要な臨床的意義を有するものと思われる.
  • 岡田 良三
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1099-1109
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性ベリリウム症は細胞性免疫の関与した予後不良の肺疾患である.その発症予知の指標を検討するため,自験の1例を含む患者5例の検討,ベリリウム曝露健康作業者98名のfollow up study,および細胞性免疫に関する指標の裏付けとなる,基礎的なモルモットに対するベリリウム感作実験を行なつた.その結果,慢性ベリリウム症の臨床病態の特徴として,胸部X線像上の小結節性,線状もしくは索状影の混在,両側肺門リンパ節腫大,肺機能面で肺拡散能力の障害および拘束性障害,組織学的所見としてベリリウム検出を伴う肉芽腫性病変の存在の他に, Na2BeF4によるパッチテスト陽性化,ツ反応陰性化,マクロファージ遊走阻止試験(MIT)陽性, IgG, IgAの上昇などがあげられた.ベリリウム曝露健康作業者のfollow up studyでは,パッチテスト陽性群は陰性群に比し,ツ反応陽性率, %MMF, 1秒率(T), %CO肺拡散能力が低く, MIT陽性率は高い結果となつた.以上の結果から,ベリリウムによるパッチテストの陽性化とツ反応陰性化, MIT陽性,肺拡散能力の低下が,胸部X線像異常出現前に注目すべき項目であり,胸部X線所見とあわせ総括することにより要注意者をチェックできることがわかつた.あわせて施行したリンパ球刺激試験(LST)については,予知に対する感度は悪く,むしろ発症の確証を示す一つの指標に過ぎないと判断された.
  • 田中 直史, 山田 彬, 荒木 淑彦, 安達 勇, 阿部 薫, 亀谷 徹
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1110-1118
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    14年間糖尿病でインスリン治療を受けていた58才の患者が,特別な前駆症状もなく麻痺性腸閉塞,高血糖ケトーシスで緊急入院し,間もなくショック症状となり盲腸〓造成術を行なつたが,術後急性腎不全を併発し死亡した.死亡直前に褐色細胞腫の合併が診断されたが,種々の治療に奏効せず不幸な転帰をとつた.剖検の結果,両側副腎に巨大な褐色細胞腫が存在したほかに,甲状腺髄様癌(MCT)が認められ,典型的なSipple症候群であつたことが確認された.内分泌検査で血中カルチトニン(CT) 12ng/m1, ACTH 305pg/m1, β-MSH 600pg/mlといずれも高値を示し,さらに腫瘍組織中の各種ホルモンを測定した結果, MCT組織中にCT 1.8mg/wet g, ACTH 9.9ng/wet g, β-MSH 57.1ng/wet gまた,褐色細胞腫からもCT 215.8ng/wet g, ACTH 617ng/wet g, β-MSH 500ng/wet gの存在が証明された.一方蛍光抗体法でMCT組織中にCT抗体とACTH抗体に,褐色細胞腫組織中にもCT抗体に反応する陽性細胞が認められた.従つて,本症は異所性ACTH, β-MSH産生甲状腺髄様癌に異所性CT, ACTR, β-MSH産生褐色細胞腫を合併した非常に興味深い症例であつた.なお,生存中の家族についてCa負荷試験等で検索したところ,患者の次女にCTの異常反応が認められ甲状腺全摘術で両側葉に2~3mm大の微小MCTが発見され,術後3年を経過した現在まで再発,転移の所見は認められず健在である.
  • 色川 伸夫, 阿部 圭志, 保嶋 実, 桜井 豊, 伊藤 徹, 千葉 知, 斉藤 敬太郎, 大塚 庸一, 吉永 馨
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1119-1125
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は17才の女で, 3年前に高血圧を指摘され,その後,手足にしびれ感や脱力発作を繰返すようになり,精査のために入院した.入院時血圧はl90/120mmHgでCushing病様症状を認めず,外性器に異常なく,二次性徴の発現も正常で,月経は順調(初潮12才)であつた. cortisolは正常, renin分泌は抑制され,血漿aldosterone濃度は高値を示し,又,低K血漿が認められた. dexamethasone投与にも血圧の降下は認められずglucocorticoid responsive aldosteronism,あるいは既知の酵素欠損症は否定された.右副腎腺腫を疑い右副腎を全摘出したが,腺腫は認められなかつた.術後,血圧は正常化せず,血漿aìdosterone濃度も高値であつた.摘出副腎のaldosterone含量が高値であつたことより,反対側副腎の腺腫の存在は否定され,又,組織学的にも副腎皮質の過形成を認めた.これらの結果より,本症は特発性aldosterone症と診断された.本例の家族歴をみると,母方を介した,いとこ,同胞11人中,本例を含めて副腎摘出を行ない,組織学的にも特発性aldosterone症と診断されたもの2例, renin分泌の抑制,高aldosterone血症,低K血症等を認め特発性aldosterone症の疑いが濃厚であるもの2例,計4例に本症を認め,本症が家族的に発生していると考えられた.
  • 笠原 経子, 小沢 武文, 田村 康二, 柴田 昭, 武藤 紀男
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1126-1132
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    マラソン中に発症した21才の健康なるスポーツマンの日射病の1症例である.発症は昭和52年9月18日,午後1時20分,晴天.気温25°C,湿度59~63%.約12km走つた地点で意識消失した.発汗多量,腋窩体温39.4°C,血圧90/52mmHg.半昏睡1時間,せん妄,間代性痙〓,嘔吐が約数時間続いた.発症直後,洞頻脈. 2日目の検査成績:赤血球660×104,白血球13500,尿糖(〓),尿蛋白(〓),尿沈渣顆粒円柱(+).血清GOT, GPT, LDH, CPKの上昇あり.心電図V2~6にST上昇出現.経過:心電図所見および血清酵素,ビリルビン値は, 4日目をピークに約2週間にてほぼ正常化した.酵素最高値LDH 4960U, GOT 1870U, GPT 1500U以上, CPK l038U. LDHアイソザイム分画では, V型, I型, II型の順に増加していた.腎濃縮力の低下は,約1カ月続いた.発症後6週間目より運動負荷を開始したが変化を認めなかつた.日射病は,全身臓器障害である.高温下のマラソンは,熱蓄積と放散障害により,容易に過剰体温となり極めて危険である.
  • 萬木 信人, 倉持 衛夫, 鈴木 伸, 青井 渉, 松尾 修三, 橋場 邦武
    1979 年 68 巻 9 号 p. 1133-1140
    発行日: 1979/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    壊疽性膿皮症に合併した高安動脈炎の2症例を報告する.第1例は43才の主婦で,既に20年前に左上肢血圧測定困難を指摘されている.昭和46年(39才)何ら誘因なく,丘疹が出現し潰蕩化したため種々の抗生物質が試みられたが無効で,ステロイドにて急速な改善をみた.昭和50年脈拍の左右差を発見され高安動脈炎と診断.大動脈造影にて上行大動脈の拡張,内壁の不整,両側鎖骨下動脈閉塞,腎動脈狭窄を,肺動脈造影で右肺動脈完全閉塞を認めた.第2例は18才の男子で,壊疽性膿皮症をステロイドで治療中に急速に進展した高血圧症のため高安動脈炎を疑われ,血管造影で大動脈内壁の不整,肥厚,両側腎動脈狭窄を認めた.血漿レニン活性は普通食安静時4.4ng/ml/h,無塩食安静時43.5ng/m1/hと高値を示し,現在Propranolo1により血圧は良くコントロールされている.両疾患ともその発生機序として免疫学的関与が示唆されているが,両者が合併した場合高安動脈炎の男性への発生率が増加すると思われた.
feedback
Top