日本内科学会雑誌
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69 巻 , 8 号
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  • 岡部 治弥
    1980 年 69 巻 8 号 p. 921-936
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 荒木 淑郎, 栗原 照幸, 栗林 忠信, 俵 哲
    1980 年 69 巻 8 号 p. 943-950
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,熊本県の家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP) 39名を対象として,臨床像,末梢神経のM波,内分泌機能,アミロイド線維蛋白および治療について検討を加えた.臨床像は,ポルトガル人のFAPに類似し,常染色体優性の遺伝様式を示し,中年に発症し,下肢から上行する感覚優位のポリニューロパチー,自律神経障害および全身のやせを特徴とする. FAP患者のM波の振幅は,病初期より著しい低下を示し, MCVがまだborderline程度の時期から著明な低下がみられた. FAPでは, MCVよりM波の振幅の低下が早期診断に有用である. FAPでは,甲状腺腫は, 39例中17例(43.6%)にみられ,また血中T3の低下,およびTRHに対するTSH反応の遅延がみられた. FAPでは,潜在性に甲状腺機能低下状態にあることが明らかにされた. FAPの発病早期の陰萎は,性腺機能の正常より,自律神経障害に起因するものと考える. FAP患者の剖検腎より抽出したアミロイド線維の蛋白は,分子量14,000で,アミノ酸分析から, AL蛋白およびAA蛋白と異る特異な蛋白であることを明らかにした. FAP患者8名に対してのdimethyl sulfoxide (DMSO)の下腿塗擦療法では,臨床症状の改善(2例)と末梢神経伝導速度の改善(3例)がみられた.
  • 松本 和則, 岡野 健一, 石井 当男, 村尾 覚, 中沢 正樹
    1980 年 69 巻 8 号 p. 951-953
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    大網原発の平滑筋肉腫は極めて希とされている.われわれは波動を呈する巨大な大網原発と思われる1剖検例を経験したので,これまで内外で報告された6例とあわせて若干の考察を加えて報告する.症例は53才の主婦で,家族歴・既往歴に特記すべきものはない.昭郡51年4月中旬頃より下腹部痛,腹部膨満, 38°C前後の発熱が出現した. 4月24日某病院に入院し,諸検査を受けるも原因が不明のため紹介されて, 5月14日当科入院.入院時眼瞼結膜は貧血性で,腹部は全体的に膨隆し波動を認めた.入院時の主な検査成績は中等度貧血,総蛋白およびアルブミンの低値, LDHの上昇等で,腹水は血性で細胞診はclass IVであつた.腹部エコーで左上腹部に嚢腫様所見が得られた,入院後腹部はさらに膨隆し,貧血も進行して赤白血病様反応がみられた. 6月7日体動後突然呼吸困難が出現し死亡した.剖検にて腹腔はほぼ軟い白色の腫瘍で占められ,腹水は少量であつた.腫瘍の一部と大網との剥離は困難で,他に原発巣を思わせる所見はなく,大網原発と考えられた.組織学的には中等度の多型性と分裂像を示す不定型の紡錘型細胞の束状の配列がみられ,血管周囲での核のpalisadingまたはpseudopalisading像がみられ平滑筋肉腫と診断された.本症例は臨床上多量の腹水を伴う原発不明の悪性腫瘍が疑われ,比較的短い経過にて死亡した.腹腔内腫瘤の鑑別診断に際し,考慮さるべき疾患と考え報告した.
  • 川井 紘一, 久貝 信夫, 木村 哲, 花田 尚, 中沢 正樹, 山下 亀次郎, 尾形 悦郎, 上野 賢一
    1980 年 69 巻 8 号 p. 954-959
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    老人のWeber-Christian病は希である.我々は1年以上にわたり周期的に生ずる高熱,発疹,全身倦怠感,意識障害等の症状を呈した67才の男性を皮膚生検像,試験開腹を含む各種の検索の結果, Weber-Christian病と診断した.本患者は加えて,発熱時に120mEq/l程度の低Na血症を呈した.この原因は間脳-下垂体の機能異常によるglucocorticoid分泌不全により, SIADH様状態を呈したためと診断した.その他の下垂体機能異常として,低血糖刺激に対するGH分泌低下, TRHによるPRLの過剰分泌, TSHの遅延分泌反応を認めた. ACTH分泌は低血糖刺激および発熱には反応しないが,メトピロンには反応した.これらの結果に併せ, CTスキャン等の検討では脳の萎縮しか見い出せなかつたことより,視床下部における機能的異常が最も考えられた.この視床下部異常や意識障害という脳の機能異常とWeber-Christian病との直接的因果関係は証明できなかつた.しかしながら文献的考察から,原因の一つとして脳の退行変性により生じた脂肪に脂肪織炎が生じた可能性が示唆された.
  • 板津 武晴, 内藤 敬子, 松田 成器, 松井 信夫
    1980 年 69 巻 8 号 p. 960-966
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1966年Biglieriにより,原発性無月経・高血圧・低K血性アルカローシスを主徴とする17α-hydroxylase欠損症が初めて報告された.その後の報告の中で,男性例は仮性半陰陽を示すことが記載された.一般にDOC,コルチコステロンの異常分泌亢進,コーチゾル,性ステロイドの分泌低下と共にアルドステロソ分泌低下が認められる. Biglieri-Goldsmith型の男性仮性半陰陽4例と女性性腺機能低下症5例が,本邦でも報告されたが,希な疾患とされる.我々は, 17α-hydroxylase欠損に該当すると思われる女性例で種々の骨畸型(外反肘,右第4趾中足骨の短縮,胸腰椎側湾)を示した症例を経験した.従来の報告の中で高身長やosteoporosisについての記載はみちれるが,本症の如き骨畸型の合併についての記載はない.本症における染色体分析は, 46XXのKaryo typeであり,検出されるHLAは, A9・B31・B35・B52であつた.エストロジェンとプロゲステロンおよびデキサメサゾン(0.5~1.0mg/日)による2年間の治療経過中,身長の伸び(2cm)と体重の増加(10kg)と同時に両側大腿前面に横走する赤い皮膚伸展線を認めた.デキサメサゾンにより低K血症の速やかな改善がみられたのに比し,高血圧の十分な改善が得られなかつた.スピロノラクトンの併用により,血圧の改善がさらに認められ,その後になつて初めてアルドステロン分泌が正常化するのが観察された.
  • 中村 東樹, 小川 皓, 久野 修資, 福間 道雄, 橋 宣祥, 津田 和矩
    1980 年 69 巻 8 号 p. 967-974
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    α1-antitrypsinの血中濃度と生物学的活性値が,正常人のほぼ1/10で,異なつた条件下の電気泳動で正常型Pi MMと鑑別が出来ない,欠損型の新しい変異型を発見し,その電気泳動学的性状,家系調査と臨床所見,とくに肺および肝生検所見などについて報告した.発端者は42才,主婦.昭和53年5月,気管支炎で日南市某病院を受診し,血清α1-globulin分画の低値を指摘され,精査のため当科に入院した.血清のα1-globulin分画0.7% (49mg/dl), α1-antitrypsin 17.9mg/dl, trypsin inhibitorycapacity 0.104 trypsin mg/mlと著減し, α1-antitrypsin欠損症と診断した.理学的所見では異常なく,肝機能検査成績はほぼ正常で,胸部X線像,肺機能検査,動脈血ガス分析,肺血流シンチグラムなどで,肺気腫を示唆する所見は得られなかつた.肝生検標本で,小葉辺縁部肝細胞内に, diastase抵抗性PAS反応陽性で,蛍光抗体間接法によりα1-antitrypsinの特異蛍光を示す,径1~4μのglobulesを認めた.発端者のα1-antitrypsinは,酸性殿粉ゲル,交叉免疫,等電点などの各電気泳動条件下で,易動度がPi MMと区別が困難で,量的にも著しく少ない成分からなることから,この遺伝子を国際命名法に従いPi Mnichinanと命名した.家系調査では,両親は「またいとこ」結婚で,発端者とその妹がhomozygoteで,母親や同胞など3代にわたり, 10名のheterozygoteが,確認されたが肺疾患や肝患のものは見出せなかつた.遺伝形式は従来の報告と同じく,相互優性と考えられた.
  • 山本 誠, 藤田 博明, 小竹 要, 山崎 義亀興, 得田 与夫, 竹田 亮祐
    1980 年 69 巻 8 号 p. 975-981
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(colony stimulating factor, CSF)産生腫瘍と考えられる肺癌の症例を報告する.この腫瘍は過去に数例のみ報告されている.症例は68才,男性.昭和53年2月より胸痛があり,近医にて原因不明の白血球増加症を指摘される.同年5月より血痰が出現したため, 6月当科へ入院した.軽度の肝・脾腫,胸部X線像上左上肺野に腫瘤陰影を認めた. 59700/mm3 (Met 1%, St 51%, Seg 43%, Mo 2%, Lym 3%)の白血球増加があり,好中球ALP活性は高値を示し,骨髄では穎粒球系の増殖が顕著であつた.入院後は腫瘤陰影の増大と共に上大静脈症候群, Pancoast症候群を呈する一方,白血球数も漸増し, 117000/mm3に達した.抗癌療法開始後,暫らく間をおいて白血球数は減少傾向となり,死亡当日は26500/mm3を示した.同療法により,胸部腫瘤陰影は軽度に縮小した.全経過を通じ末梢血中にはほとんど幼若顆粒球が出現することなく,成熟顆粒球は94~98%を占めた.また肝,脾は白血球数の増減と並行して腫大,縮小する傾向にあつた.針剖検により未分化型巨細胞癌と確診された.正常ヒト骨髄細胞を標的としてCSF測定を行なつた結果,患者血清にはCSF活性が検出され,形成コロニーはほとんどすべて成熟顆粒球からなることが判明した.以上のような臨床経過,並びに血清CSF測定の成績より,本例はCSF産生肺癌と考えられた.
  • 安井 昌之, 喜多 鈴江, 吉益 文夫, 東 雄司, 八瀬 善郎, 上林 雄史郎, 宮本 一雄, 長崎 靖彦, 三好 功峰, 林 三郎, 小 ...
    1980 年 69 巻 8 号 p. 982-991
    発行日: 1980/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    一般臓器のみならず中枢神経組織(CNS)にアミロイド沈着を認めた全身性アミロイドーシスの1例を報告すると共に,その発現機序を探るために本症例と, Alzheimer原線維変化と老人斑のみられたParkinson病2例について,放射化分析法によりCNSを中心に各臓器組織中のAl, Cu, Mn, Ca量を測定した.本症例は49才の男子.意識消失発作とParkinson症状で始まり,発熱を伴う意識障害や幻覚,反響言語,感情失禁等が出没し,痴呆,さらに失外套症候群の状態を経て,全経過6年6カ月で死亡. CNS26カ所における本症例のAlの平均含有量は89.5±28.9μg/g: dry weightの異常高値を示し, Cu 34.7±12.1, Mn 1.35±0.19, Ca 479±84μg/gであつた.一般臓器についてもAlが高値を示す部位(膵,肺など)があつた. Parkinsoa病についても, Al 31.8±10.2, Cu 28.3±10.1, Mn 1.22±0.26, Ca 526±80μg/gで, 3例の対照例のAl 17.7±3.4, Cu 23.5±2.1, Md 1.52±0.22, Ca 254±69μg/gに比べて,アミロイドーシスとParkinso籍病は微量金属において特異性を示した.近年Alzheimer病や老人性痴呆における老人斑の成因について,アミロイド物質との関係が注目されているが,本症例で脳実質に高Al含有量を認めたことは両者の密接な関係が示唆され, CNS変性過程におけるAlの役割が注目される.
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