日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
69 巻, 9 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 亀山 正邦
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1045-1052
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 仁村 泰治
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1053-1062
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 洞不全症候群および房室ブロックを中心に
    橋場 邦武
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1063-1067
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 加藤 政司, 高木 健三, 佐竹 辰夫
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1068-1076
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息患者にsubmaximumの運動を負荷して喘息発作を誘発させ,発作の程度により3群に分類した.そして安静時,運動後5分, 15分に採血し,血漿cyclic-nucleotides, prostaglandins, norepinephrine, dopamine-β-hydroxylaseを測定し,健常群と比較検討した.その結果,健常群はprostaglandin Eが軽度低下し, cyclic-GMPはcyclic-AMPと同様に中等度増加するのに対し,重症発作誘発群はprostaglandin Eはほとんど増加せず, cyclic-GMPは著増を示した.一方喘息患者であつても発作を誘発しなかつた群はまずprostaglandin Eが著増し,その後のcyclic-GMPは微増したにとどまつた.以上の結果より,気管支喘息患者がsubmaximumの運動をした場合,何らかのnegative feedbackが作動しない限り喘息発作を誘発する可能性があるが, prostaglandin Eが著増した患者ではcyclic-GMPの産生が抑制されて,喘息発作の誘発を阻止するものと推測された.一方,健常群では運動後のcyclic-GMP/cyclic-AMP比が安静時とかわらず, prostaglandin Eも増加しなかつた.すなわち,健常人では運動がnegative feedback機構を作動させるだけのtriggerとなり得ないためと思われた.
  • 小野 忠弘
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1077-1089
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    上室性刺激に伴う心室内変行伝導の結果生じる脚ブロックは,一般には生理的なものであり機能的脚ブロック(FBBB)1)~3)といわれる.今回このFBBBの極形である完全脚ブロック(BBB)出現につき50例の正常PQ,正常QRS波形例を対象とし,心房早期刺激法とヒス束心電図4)を使用し検討した. BBB出現は50例中31例(62%)にみられた.内訳は右脚ブロック(RBBB) 21例,異常左軸偏位を伴つた右脚ブロック(RBBB+LAH)3例,異常右軸偏位を伴つた右脚ブロック(RBBB+LPH) 2例,左脚ブロック(LBBB) 3例, RBBB, LBBBの両型出現が2例にみられた, BBB出現の基本条件としてはより長い心周期の存在,上室性期外収縮(PAC) (A2)が存在し,適当な連結期を有している事,適当なfast AV conductionの存在,さらに脚自体については右脚と左脚の不応期または伝導性にある程度以上の差を有する事が必要であつた. BBB出現を不応期よりみれば,房室結節の機能的不応期が脚の不応期よりより短い事が基本には必要である.これら両不応期は基本心周期,自律神経系の影響をうけて変化し, BBB出現もまた同様であつた.実際PACの連結期(A1A2)短縮にてBBB出現例の71%にもQRS波形の正常化がみられ,またBBB出現後PACの連結期短縮にてもそのR-R間隔はほぼ不変の症例もあり,特にFBBBとしてLBBB出現例ではFBBBと心室性期外収縮の鑑別が時に困難となつてくる.さらに同一症例でFBBBとしてRBBB, LBBBの両型を呈する事もあり,両者の鑑別にはより慎重を要する.
  • 宮本 泰昌, 上野 雄二, 玉置 俊明, 大谷 英世, 口井 正人, 西尾 一郎, 増山 善明
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1090-1095
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    20例の本態性高血圧患者を対象として5種類のレニン遊出刺激を同一人について行ない,負荷法による血漿レニン活性(PRA),血漿アルドステロン濃度(PAC)の反応の相異について比較した.負荷法として,無塩食3日,さらに立位2時間, furosemide 0.4mg/kg静注10分後, furosemide 40mg静注後立位30分, treadmillによる運動の5種類を行なつた.いずれの負荷でもPRAは有意に増加したが,刺激の強さは無塩食3日後立位2時間が最も強く,次いで無塩食3日, furosemide 40mg静注後立位30分, furosemide 0.4mg/kg静注, treadmillによる運動の順であつた. PACに関しても刺激の強さの順位は同様であるが, furosemide 0.4mg/kg静注, treadmillによる運動の弱い短時間負荷では有意な増加はみられなかつた. furosemide 40mg静注後立位30分でのPRAの増加量は無塩食3日間後立位2時間,およびfurosemide 0.4mg/kg静注でのPRAの増加量と有意な相関を示した. furosemide 40mg静注後立位30分は無塩食3日に比し平均0.61倍,無塩食3日後立位2時間に比し平均0.26倍の強さで,比較的弱い刺激と考えられた. furosemide 40mg静注後立位30分でPRAの反応のみられない例でも,より強い負荷で反応する例がみられ,この負荷法は低レニン性高面圧を選択する際には不十分な刺激であり,反応のない例ではより強い刺激が必要である. furosemideを用いた刺激は腎機能が低下している場合,反応は有意に少なく,判定に際し注意が必要である.
  • 小林 高義, 田幸 健司, 馬目 太三, 柳沢 信夫, 塚越 廣, 高月 清, 樋端 敏生
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1096-1101
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    27才,男.幼少時よりよく風邪に罹患しやすく, 18才以降2~3カ月に1回発熱を繰り返した.昭和53年3月24日寒け,発熱,頭痛, 4日後,悪心,嘔吐が出現し,信州大学医学部第三内科へ入院.体温39°C.軽度の咳,喀痰,咽頭の発赤,下痢があり,神経学的には,意識は清明,髄膜刺激症状として,頭痛,嘔吐,軽度項部硬直, Kernig徴候を認めた.髄液は圧正常,細胞710 (多核球優位),蛋白103mg/dl,糖44mg/dl.多核球優位の細胞増加,髄液糖低下より,細菌は検出されなかつたが細菌性髄膜炎が最も疑われた.発症1週間後臨床症状は消失. herpes simplex virus血清抗体価(CF)は,発症時32倍, 5週後128倍, 12週後32倍となり抗体価の推移よりHSV感染も合併していたと考えた.本例は,血清IgA 5mg/dl以下と選択的IgA欠損症があり, pokeweed mitogenを加えたT・B細胞の混合培養試験では,本例の選択的IgA欠損症は, R細胞自身の分化障害によると考えられた.選択的IgA欠損症にHSV感染と細菌感染の合併の報告はまれで,免疫不全と複合感染との関連で興味ある症例と思われた.
  • 望月 茂, 仁木 偉瑳夫
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1102-1107
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    診断学の進歩,病理解剖の普及などの結果,解離性動脈瘤は決して希な疾患でないことが判明してきた.そしてDeBakeyらを始めとする多くの優れた手術成績が発表され,又, Wheatらを中心とする積極的降圧療法も注目されている.最近我々は75才,男子の急性解離性大動脈瘤の症例に積極的な降圧療法を施行して,良好な経過をとつたので報告する.積極的な降圧療法の対象となるような高血圧を伴う解離性大動脈瘤は主としてDeBakeyの3型,すなわち解離が左鎖骨下動脈より末梢から始まつたものであり,これに対しDeBakeyの1型,すなわち解離が上行大動脈から始まつたものは降圧療法を禁忌とするような合併症(低血圧,大動脈主要分枝の閉塞症状,神経症状など)を有していることが多いとされる.我々の症例はDeBakey 3型と考えられた.解離性大動脈瘤の薬物療法の適応をまとめると, 1)大動脈造影又は開胸術でも解離の発生場所が不明のとき. 2)高令者. 3)外科的リスクを悪くするような心肺疾患又は全身疾患のあるとき. 4)安定した亜急性期又は慢性期. 5)手術の前および後療法. 6)発生場所が大動脈弓の時.そして薬物療法では綿密なfollow upの必要性が強調されている.
  • 池田 修一, 綿引 定清, 藤田 勉, 羽生 憲直, 柳沢 信夫, 塚越 廣
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1108-1113
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    遺伝性出血性末梢血管拡張症(Osler病)は,従来から先天性血管障害性出血性疾患と考えられて来た.しかし近年血小板粘着能,血小板凝集能低下を伴つた本症例が報告され,本症の血小板機能が注目されている.我々は幼少時から頻回の鼻出血を繰り返し,ロ腔内,手指に毛細血管拡張を認め,常染色体優性遺伝が考えられるOsler病の母・娘例で血小板機能検査を行なつた.両者ともDuke法による出血時間,血小板粘着能,血餅収縮能,血漿第VIII因子活性は正常であつた.しかし両者ともIvy法による出血時間の延長,娘例ではADP凝集の軽度低下,母親例はADP,アドレナリン,コラーゲン凝集の低下を認めた.また従来報告のないリストセチン凝集は共に異常なかつた.これらの事実は, Osler病の易出血性に血小板凝集能低下が関与している可能性を示唆している.一方従来からOsler病とvon Willebrand病は,先天性血管障害性出血疾患の中で異同が問題とされて来た.しかし我々の症例でDuke法による出血時間,血小板粘着能,血漿第VIII因子活性,リストセチン凝集が正常であつたことは,両者の病態の差異を明らかにする上で意義が大きい所見と考えられる.
  • 太田 慎一, 橋本 康男, 長滝 重信, 小坂 樹徳
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1114-1118
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    32才の女性で,寒冷時紫斑および寒冷じんま疹を主症状として発症した本態性クリオグロブリン血症の1例である.原疾患は不明であるが,クリオグロブリン量はクリオクリットで5%,クリオグロブリンの性状はIgG-IgG複合体が疑われ,パイログロブリンの性質をもち, C3を含む.さらに偽白血球増加現象を伴い,この原因は37°C以下で析出したクリオグロブリンが自動血球計算機によつて算定されたためと判明した.さらに末梢血塗抹標本で顆粒球に空胞形成がみられたが,空胞中の物質がIgGであることが蛍光抗体法で証明された.顆粒球に対する自己抗体も見出され,末梢血中での顆粒球の破壊亢進も示唆された.以上,特異な現象を伴つた本態性クリオグロブリン血症について若干の検討を行ない,さらに文献的考察を行なつた.
  • Hyperviscosity syndrome
    山田 茂, 渡部 透, 柴田 昭, 湯浅 龍彦
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1119-1125
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本例は, IgG (Κ type) multiple myelomaにhyperviscosity syndromeを合併し,その神経症状として,意識障害とasterixisが出現した症例である. IgG multiple myelomaに,この様な意識障害の合併は極めて希であり,又, asterixisを呈した例は報告されていない.症例は64才の男性で,主訴が霧視と羞明である.現病歴は昭和50年に鼻出血があり,高血圧として治療を受けていた.昭和51年4月頃から,霧視,羞明に気付き,同年8月には眼科で角膜症の診断を受けた.同じ頃,高γ-globulin血症および尿蛋白を指摘され,同年9月当科に入院した.入院時現症は,軽度の眼瞼結膜貧血,角膜混濁,期外収縮を認め,神経学的には,手指振戦と,右Babinski反射陽性を認める以外特別な所見はなかつた。検査所見で,血沈の著明な亢進,中等度の正色素性貧血,血清蛋白の上昇およびγ-globulin分画の異常高値, IgG(Κ type) monoclonal gammopathy,骨髄像では約50%に骨髄腫細胞を認め,骨X線像でもpunched out lesionを認めた. IgG (Κ type) multiple myelomaと診断し, melphalan治療施行したが,出血傾向が出現したために様子観察していた所,次第に意識障害およびasterixisが出現し始めた.種々の検査でも意識障害の原因がつかめず, plasmaviscosityの上昇を認めたため, hyperviscosity syndromeによる神経症状と診断し, plasmapheresisを施行した所,上記神経症状の劇的な改善をみた.その後,肺炎等の合併で同患者は他界されたが,剖検はなされていない.
  • 平岡 諦, 近江 伸和, 首藤 弘史, 谷口 信博, 金山 良男, 河野 典夫, 倉田 義之, 米沢 毅, 木谷 照夫, 垂井 清一郎
    1980 年 69 巻 9 号 p. 1126-1131
    発行日: 1980/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    無効造血と赤芽球形態異常を特徴とする先天性貧血はcongenital dyserythropoietic anemia (CDA)と呼ばれ,形態的特徴より通常type I, II, IIIに区別されているが,世界的にも極めてまれな疾患である. CDA type Iの1例を経験したので報告する.症例は27才,女性で薬剤師.両親は6親等にあたる血族結婚であるが,他に家族歴に異常を認めない.たまたま急性肝炎を発症し当科に入院した.肝炎治癒後も貧血(赤血球246万/cmm),軽度の間接ビリルビン高値(2.7mg/dl)が続いた.肝炎治癒後の現症では肝1横指,脾わずかに触知,両第4趾短趾症の他著変なし.末梢血液像では奇型赤血球,大小不同が顕著で網状赤血球の軽度増加をみたが,白血球,血小板には異常なかつた.骨髄では著明な赤芽球過形成がみられ, CDA type Iに特徴的なinternclear chromatin bridgeを赤芽球の2.5%に認めた.電顕にても赤芽球核の“spongy appearance”等の特徴的形態を示した.赤血球寿命の短縮は軽度で,鉄動態では著明な無効造血を示した. Ham test陰性,赤血球解糖系酵素,ヘモグロビンに異常はみられなかつた.本症の遺伝形式は常染色体劣性とされているが,本例もこれに矛盾しない.本例で短趾症がみられたが,検索し得たCDA type I, 27例中4例に合指症, 1例に短指症がみられ, Fanconi貧血やDiamond Blackfan症候群と同様に,この様な骨格異常の合併は本症の特徴の一つと考えられる.
  • 1980 年 69 巻 9 号 p. 1230
    発行日: 1980年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top