正常群,糖尿病群に強度を異にする運動を負荷し,各種強度の運動負荷時における内分泌反応の変化を追求し,その後さらに4週間の肉体training (VO
2 max 60%)を施行し, training前,後の成績の比較により,その影響を明らかにし,運動強度と内分泌反応並びにtrainingとの関係を追求した.又精神的な影響にこれらのホルモンが鋭敏であるので,その影響を最も少なくするため特別な努力が払われた.運動中の代謝性,内分泌性の変化は,よく訓練された被検者と,非訓練者との間において,有意の差があつた.その差はVO
2 maxのそれぞれ40, 60, 80%の同じlevelで運動する時にも存在し,有意の差を示した.以上の所見は被検者が健康者の場合でも,軽症糖尿病者の場合でも認められた.健康者群の所見として,よく訓練された被検者の同じlevelの運動負荷による値は,非訓練被検者よりも,循環catecholamine, glucagonとHGHにおいて,より低値を示し又insulinとcortisolにおいてより高値を示した.しかし糖尿病者のinsulinについて,訓練群と非訓練群との運動負荷に対する反応は,正常群と全く反対のpattern示した.この所見は,糖尿病者においてはcontrolされた状態にあつても,血中insulinの動態は正常者と異なるものであることを示した.
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