日本内科学会雑誌
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70 巻, 3 号
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  • 笹本 浩
    1981 年 70 巻 3 号 p. 349-359
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 木村 禧代二
    1981 年 70 巻 3 号 p. 360-366
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 高山 弘平, 皆川 彰, 矢野 侃, 島袋 全哲, 酒井 茂利, 渋谷 昌彦
    1981 年 70 巻 3 号 p. 367-375
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    正常群,糖尿病群に強度を異にする運動を負荷し,各種強度の運動負荷時における内分泌反応の変化を追求し,その後さらに4週間の肉体training (VO2 max 60%)を施行し, training前,後の成績の比較により,その影響を明らかにし,運動強度と内分泌反応並びにtrainingとの関係を追求した.又精神的な影響にこれらのホルモンが鋭敏であるので,その影響を最も少なくするため特別な努力が払われた.運動中の代謝性,内分泌性の変化は,よく訓練された被検者と,非訓練者との間において,有意の差があつた.その差はVO2 maxのそれぞれ40, 60, 80%の同じlevelで運動する時にも存在し,有意の差を示した.以上の所見は被検者が健康者の場合でも,軽症糖尿病者の場合でも認められた.健康者群の所見として,よく訓練された被検者の同じlevelの運動負荷による値は,非訓練被検者よりも,循環catecholamine, glucagonとHGHにおいて,より低値を示し又insulinとcortisolにおいてより高値を示した.しかし糖尿病者のinsulinについて,訓練群と非訓練群との運動負荷に対する反応は,正常群と全く反対のpattern示した.この所見は,糖尿病者においてはcontrolされた状態にあつても,血中insulinの動態は正常者と異なるものであることを示した.
  • 岡本 光師, 宮武 邦夫, 木下 直和, 榊原 博, 仁村 泰治
    1981 年 70 巻 3 号 p. 376-384
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    健常者10名,各種心疾患38例において,超音波パルス・ドプラ血流計と断層心エコー図装置の複合的応用により,右室流出路より肺動脈基部にかけての血流計測を行なつた.断層心エユー法によりサンプル部位を確認しつつ血流ドプラ記録を行ない,次の結論を得た. 1)健常老の肺動脈弁口ないし肺動脈基部での駆出血流パターンは,収縮中期で最も速い,ドーム型のパターソを示す.各瞬間においては殆ど均一に近い速度成分で流れる. 2)肺高血圧例では,弁口付近の駆出血流速度は収縮早期にすでに減速し始める。そのため,血流パターンのピーク速度は収縮早期にある.この異常は,肺動脈血圧,特に全肺血管抵抗に密接に関係している. 3)肺高血圧例では,肺動脈基部の後半分の領域で紋縮後期に逆方向の流れが記録される.これは,この領域における渦などの血流の乱れによるものであろう, 4)肺高血圧例における肺動脈弁後尖の特徴あるエコー・パターンは,血流状況とよく対応している, 5)肺動脈弁領域の収縮期血流パターンの上記の所見は,肺高血圧の非観血的分析に有用である. 6)特発性肺動脈拡張症の1例についても検討を行なつた,血流パターンは,一見肺高血圧例のそれに似ていた. 7)肺動脈弁領域の収縮期血流パターンは,一般に肺動脈圧だけでなく,局所の形態的変化にも基づく.
  • 藤山 増昭, 高橋 啓美, 板家 守夫, 古田 陽一郎, 緒方 康博, 戸嶋 裕徳, 宇津 典彦
    1981 年 70 巻 3 号 p. 385-392
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,左室収縮期末の圧-容量関係は心収縮能の新しい評価法として注目されている.本研究では圧変化に伴う本関係を左室収縮末期圧-内径関係ないし大動脈最大圧-収縮末期径関係でとらえ,これら圧-内径関係でのlinearityの問題,心拍数との関連性を麻酔開胸犬を用いた動物実験および臨床例について検討した.なお内径測定は動物実験において超音波パルス法,臨床例では心エコー法によつた.動物実験での本関係はcurvilinearであり,一方臨床例では内径ないし圧の測定条件等のため完全にlinearな関係になく,一次式への相関係数はいずれの場合も高いものの,二点灘定からの傾斜誤差は大きかつた.臨床上は圧変動点を二点以上作製し, basalとの三点以上の測定により一次式を統計的に求めてその傾斜を評価すべきと考えられた.心拍数の増大により動物実験で軽度の左方移動をみたが,臨床例での移動は必ずしも明らかでなく,またその傾斜変化は存在するとしてもわずかと考えられた.しかし圧上昇による徐脈時には,この圧-内径比が低下し右方へ移動する可能性があり注意を要した.なお左室収縮末期圧-内径比は大動脈最大圧-収縮末期径比と高度の相関があり,非観血的にはこの圧-内径比は収縮期血圧-収縮末期径比で代用し得ると考えた.以上の結果は収縮期血圧-収縮末期径関係が,左室収縮末期圧-容積関係の代わりに,簡易なまた非観血的な方法として臨床応用し得る事を示唆している.
  • 橋本 博史, 塩川 優一
    1981 年 70 巻 3 号 p. 393-399
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ARA(American Rheumatism Association)の診断基準を満足するSLF 307例を用いて,診断時年度により1955~1969年までをA群(78例), 1970~1979年までをB群(229例)の2群に区分し,両群の臨床的,免疫血清学的,病理組織学的所見について比較した.これによりSLEの病像の変遷とその要因について検討し, SLEの治療・管理上,今後提起される問題点に対処していくことをこころみた.その結果, B群では, SLEの軽症ないし慢性に経過する臨床病態の増加が認められ,これは診断技術の進歩,特に免疫血清学的診断技術に負うところが多いと考えられた.ステロイド初回投与量は,近年SLEの病態に応じて決定されると考えられた. B群の予後はA群に比べ有意に改善を認め,これは,尿毒症とGNSループスによる死亡が有意に減少していることによると考えられた.他方,近年尿毒症に対するCNSループスや感染症,心不全,消化管穿孔などの死因の比率が増大する傾向にあつた.長期経過観察されている症例では,有意に死亡率の減少を認めたが,死因における尿毒症の比率はむしろ増加傾向にあり,免疫抑制薬の使用例が有意に多く認められた.さらに,長期治療管理されている症例では,感染症,悪性腫瘍,動脈硬化性病変に伴う心筋硬塞などの併発が危惧され,無菌性骨壊死や妊娠を伴う症例も増加する傾向にあつた.今後,病型別治療方式の設定,進行性を予測する指標,長期治療に伴う合併症の対策などの配慮が必要と考えられた.
  • 鈴木 健二
    1981 年 70 巻 3 号 p. 400-409
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    著者は,呼気水素試験(EHT)が本邦でまだ臨床検査として基礎的に検討されていない事実に鑑み,従来の糖吸収試験と対比しながら,その臨床的有用性について追求した.対象は健常成人30例,吸収不良症候群6例を含む各種臨床例30例計60例とした.呼気採取法は,著者が施行したopen system法は簡便で被検者に与える苦痛もほとんどなく,また呼気採取時に場所を選ばないなど臨床検査法として適するものと考えられた.基礎呼気水素量は0.03±0.003ml/minであり,健常例,臨床例ともに差がなかつた. lactulose-EHTにて水素非産生型が6例(10.7%)にみられ,男性が女性に比し呼気水素量が低く,まだ同群でも個々に呼気水素量に差がみられ,水素産生能には個人差が大きいことが判明した. lactose-EHTとLTTとの間には相関はないが,水素産生能の個人差を除外する目的で, lactulose-EHTによる補正を行なうと, 3時間値で相関があつた(P<0.05). D-xylose吸収試験の成績とD-xylose-EHT値は2時間半で相関があるが(P<0.05), lactulose-EHT値で補正するとより強い相関があつた(P<0.001).補正による吸収不良症候群の診断率は80%であつた. EHTは臨床検査法として有用ではあるが,水素産生能の個人差が大きく無視することができず, lactulose-EHT値による補正が必要と考えられた.また抗生物質投与,浣腸など腸内細菌叢が変化する状態では配慮を要する.
  • 横川 俊博, 重富 秀一, 高橋 重雄, 小川 さつき, 福地 総逸, 三浦 正
    1981 年 70 巻 3 号 p. 410-416
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    52才,男性.主訴は弛張熱,咽頭痛および低ナトリウム血症.無欲様顔貌でうつ状.軟口蓋の潰瘍と上咽頭の腫瘤を認めた.右側頚部リンパ節を数個触知.脱水症状および浮腫はなかつた.血清ナトリウム118mEq/1,血漿浸透圧246mOsm/l,尿中ナトリウム排泄量150~250mEq/日(ナトリウム摂取量約260mEq/日),血漿レニン活性0.4ng/ml/h,血漿アルドステロン含量7.2ng/d1,尿中17-OHCS排泄量11.5mg/日,尿中17-KS排泄量4.8mg/日, Ccr 123m1/分,血漿ADH含量13.6pg/ml,血漿オキシトシン含量22.2pg/ml,水負荷試験(1000ml)によつて血漿ADH含量は11.8pg/mlより4時間後に26.9pg/mlに上昇し, 4時間尿量は360mlであつた.上咽頭とリンパ節生検により上咽頭肉腫と診断した. 14病日より水分摂取量を1500ml/日(ナトリウム含量190mEq/日)としたところ,血清ナトリウムは126~130mEq/l・血漿浸透圧は260~280mOsm/lに上昇した.放射線療法によつて腫瘤陰影は縮小したが,出血を繰り返したため照射を中止したところ, 59病日に死亡した.剖検では,腫瘍は上咽頭から軟口蓋にかけて浸潤し,口蓋扁桃リンパ節および右側頚部リンパ節に転移を認めた.電顕所見上,分泌顆粒様構造を認めた.原発巣のADH含量5.7pg/mg・オキシトシン含量2.19pg/mg,口蓋扁桃リンパ節転移巣のADH含量24.8pg/mg・オキシトシン含量4.0pg/mg.本症例では上咽頭肉腫によりADHとオキシトシンが産生され, ADH過剰症状を来したものと結論した.
  • 副島 昭典, 井上 明夫, 吉田 雅治, 中林 公正, 北本 清, 長沢 俊彦
    1981 年 70 巻 3 号 p. 429-434
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    17才,高校3年男子. 10Kmマラソンに参加.走行中,腰背部および両下肢の疼痛が出現したが完走.翌日になつても上記疼痛は持続し,赤褐色尿の排泄をみた.以降,ほぼ無尿の状態となり,悪心,嘔吐を伴う様になつたため, 4日後当院に救急入院した.入院時,発熱,血圧上昇,腰肢帯筋痛を認めた.検査にてBUN 115.1mg/dl, creatinine 10.5mg/dl, K+ 6.21mEq/l.またCPK (16040mlU, MM型)を初めとする筋逸脱酵素の著明な高値を認め,血中ミオグロビン値は281ng/m1と上昇を示した.マラソンによつてラブドミオリーシスによるミオグロビン血症を生じ,それに続発した急性腎不全と考えられた.血液透析溶療12回ののち,透析離脱となり,軽快退院した.ラブドミオリーシスの病因について文献的考察を加え,さらに代謝性ミオパチー鑑別の目的で,阻血下運動負荷試験を施行した.また本症は予後良好であるとする報告例が多く,早期診断,治療の必要性が認識された.
  • 菱谷 好高, 吉矢 尚子, 茂在 敏司, 加納 正
    1981 年 70 巻 3 号 p. 435-439
    発行日: 1981/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性免疫不全症の患者に悪性腫瘍が高率に発生することが注目されている.著者らは, IgA単独欠損症に肺癌(未分化型腺癌)を合併した例を経験したので報告する.症例は50才,女性で,呼吸困難,咳嗽で来院,胸部X線像にて右胸水貯留を認め,気管支造影像および気管支生検により肺癌(未分化型腺癌)と診断された.また血清中のIgAの選択的欠損,分泌液中の分泌型lgAの著減がみられ, IgA単独欠損症と診断された,本例におけるように,一般にIgA単独欠損症では分泌型IgAも欠損していることが多く,また消化管,気道など正常では分泌型1gAが存在する部位からの癌の発生が多い.このことよりIgA単独欠損症における癌の発生の機序として,発癌ウイルスなどに対する免疫学的防御の欠陥,効果的な抗原処理能の欠陥による抗原の慢性刺激などが考えられた.現在までにIgA単独欠損症に合併した悪性腫瘍の報告は12例みられるが,本邦においてはHodgkin病,子宮癌の合併例があるのみで,肺癌を合併した報告はない.
  • 1981 年 70 巻 3 号 p. 496
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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