日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
70 巻, 9 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 阿部 裕
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1215-1228
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 田坂 晧
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1229-1235
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 丹羽 靱負, 石本 浩市, 三宅 晋, 筒井 功, 筒井 大八, 横山 三男
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1236-1248
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    SLE患者17例, RA18例,その他の自己免疫病9例, Behcet病17例(以上大部分の患者はステロイド・コルヒチン内服中)の末梢血好中球について, in vitroのopsonized zymosan刺激のもとで活性酸素(O-2, H2O2, OH・1, 1O2) (OIと略記)およびライソゾーム酵素(LEと略記)の産生分泌能を測定し,さらに,癌患者20例,細菌感染患者15例,および健康対照群12例と,ステロイド・コルヒチン内服中の痛風患者や皮膚疾患患者計13例を薬物内服疾患対照群として同様の検査を行ない,上述のSLEなどの疾患群と比較した.結果は,薬物内服の疾患対照群では,健康人に比し, OI, LEの高度な低下を示したが, active stageのcomplete type Behçet病やactive stageのSLEなど自己免疫病患者では,薬物の内服に拘わらず,健康対照群よりOIおよびLEの有意の増加が認められ特にOIの産生能の上昇が著しかつた. inactive stageのこれら疾患でも薬物内服の疾患対照群と比較すると, OI, LEとも有意の増加がみられた.細菌感染群では, OIの上昇よりLEの増加が顕著にみられ,一方癌患者ではzymosan刺激によるOI上昇能の欠如がみられた. immune complex originの疾患群では好中球の被刺激性が亢進し, OI産生能が上昇し,炎症がbacterial originの場合はLE分泌能が上昇していることは興味深く, Behçet病やSLEにみられる組織障害やリンパ球障害は,増加したOIにより惹起されたauto-oxidative damageの可能性も示唆される.また癌患者にみられたOIの異物刺激に反応上昇する能力の低下は,癌発症と何らかの関連性があるのではないかと推測される.
  • 山田 信博, 村勢 敏郎, 赤沼 安夫, 小坂 樹徳
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1249-1253
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    リポ蛋白を構成するアポリポ蛋白の一つであるアポリポ蛋白Eの血中濃度を測定するradioimmunoassay法を確立した.アポリポ蛋白Eの精製にはheparin-Sepharose 4B affinity chromatographyおよびpreparative sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresisを用いた.精製したアポリポ蛋白Eにより作製した抗体は, low density lipoproteinアポリポ蛋白CII, CIII, AI, AIIと交叉反応を示さなかつた.この測定系により29人の正常者と28人の高脂血症患者のアポリポ蛋白Eを測定し,血漿アポリポ蛋白E濃度とトリグリセライド値との関連を明らかにしようとした.血漿アポリポ蛋白E濃度の正常値は, 9.5±1.8mg/dl (mean±SD)であつた.血漿トリグリセライド値が169mg/dlから, 1,190mg/dlの問にあつた高トリグリセライド血症患者群において,血漿アポリポ蛋白E濃度と血漿トリグリセライド値との間に正の相関関係があつた(r=0.84, P<0.001).さらに高トリグリセライド血症患者群において,アポリポ蛋白Eノトリグリセライド比は血漿トリグリセライド髄と負の相関があった(r=-0.49, P<0.02).血漿アポリポ蛋白E濃度と血漿コレステロール値との間には相関は認められなかつた.これらの結果は,血中アポリポ蛋白Eがトリグリセライド代謝と密接に関係していることを強く示唆している.
  • 松村 直幸, 吉川 敏一, 古川 泰正, 渡辺 幸市, 竹村 周平, 福本 圭志, 近藤 元治, 吉川 正哉, 川上 広育, 岸田 綱太郎
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1254-1262
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    B型ウイルス肝炎におけるヒト白血球インターフェロン(HLIF)の治療効果を,今回は少量投与法を用いて検討した. 1) HBsAg抗原陽性肝疾患患者12例およびHBウイルス健康保有者1例に, HLIF5×104単位の1回筋注投与を行ない,経時的にHBsAg抗原量の変動を観察した結果, 13例中3例に投与後6~12時間においてHBsAg抗原量の低下が認められ, 48時間後には投与前値にもどつた. 2)上記患者のうち10例のHBsAg抗原持続陽性患者に, 100×104, 50×104, 20×104および10×104単位HLIFを1週に1回,計4週の総量180×104単位を筋注投与した. HBsAg抗原は10例中5例に持続性あるいは一過性に低下した.うち1例では完全なHBsAg抗原の陰性化と同時に, HBs抗体の出現を認め,肝組織像においても改善を認めた.また, 3例のHBe抗原陽性例中2例が陰性化した. DNApolymerase活性値は,測定しえた4例中3例に低下を認めた.肝機能検査成績では,血清トランスァミナーゼ値は高値を呈した5例全例に, γ-GTP値は5例中4例に低下を認めた.以上の成績より, HLIFはHBs抗原陽性肝疾患患者に治療効果を有し,少量のHLIFでも症例により有効であることが示唆された.
  • 勝木 俊文, 清水 多恵子, 仁科 甫啓, 藤平 貴美子, 西岡 久寿樹, 大沢 猛彦
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1263-1266
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    50才に至るまで結石症を伴わず,健康診断の際に低尿酸血症を指摘されることにより発見されたxanthine oxidase欠損症の1女性例を報告する.本例の血清尿酸値は0.2mg/dl,尿中尿酸値は9mg/dと著しく低値であつた. oxypurineは血清中0.23mg/dl,尿中266mg/dと高値を示した.確定診断のため,内視鏡による十二指腸粘膜生検を行ない,粘膜内xanthine oxdase活性を測定した.本症は,常染色体劣性遺伝形式をとると言われているため,家系調査を行なつたところ,血清や尿中の尿酸値は正常である2人の子供のうち, 1人の尿中にoxypurineを認め, heterozygoteであることが示唆された.現在まで内外とも43例の報告があるが,そのうち本邦では結石症を伴つた2例のみであり,無症状で経過し,組織内xanthine oxdase活性を測定して確定診断を行なつたのは本例がはじめてである.
  • 野内 俊彦, 小山 恒, 宮川 八平, 戸塚 慎一, 青沼 和隆, 伊東 春樹, 三浦 溥太郎, 笹岡 拓雄, 金山 正明
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1267-1272
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1975年, Watkinsらの報告以来,自律神経障害を伴う糖尿病患者の心呼吸停止発作が注目されているが,本邦では1例の報告例をみるにすぎない.われわれは心呼吸停止発作を反復した31才女性の若年型糖尿病症例を報告する.患者は網膜症で失明し,糖尿病性腎症による腎不全で血液透析を行なつていたが,著しい末梢神経障害と自律神経障害を示すようになつた.最初の心呼吸停止は糖尿病性神経障害による疼痛を緩和するため,ペンタゾシン15mgを筋注した直後に生じた.蘇生後も正常心房調律時に無呼吸発作が頻発し,数分に及ぶ無呼吸に続いて心停止発作が反復した,心肺に器質的異常はなく,頭蓋内出血も否定された.神経症状の改善に伴つて無呼吸発作は消失した.自律神経機能検査で,心血管支配の自律神経調節の破綻と除神経過敏状態が証明され,これらは心停止の一要因と考えられた.しかし従来の報告例で心呼吸停止はいずれも全身麻酔,鎮静薬投与や肺炎による呼吸抑制状態で発生しており,とくに本例では呼吸停止がん停止に先行していたことが明らかであつた.そこで呼吸停止の原因検索のため,低酸素,高二酸化炭素,アシドーシスに対する呼吸反応を調べたが正常範囲内であり,心呼吸停止の原因は,脳幹部を含む自律神経反射の異常を考える必要があると思われた.本症例は自律神経障害を伴う糖尿病患君の心呼吸停止発作で,呼吸停止が心停止に先行することを示した最初の報告である.
  • 中尾 誠, 山本 英夫, 東野 一彌, 山村 雄一, 辻 求, 畑中 薫
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1273-1276
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は67才の男性で,胆管癌による閉塞性黄疸のため開腹術をおこなつたが,広範囲の腫瘍浸潤を認め,切除不能であつた.臨床経過は11ヵ月であつたが,末期に急性左心不全を合併して死亡した.剖検を行なつたところ,癌組織は粘液産生に富む腺癌で占められていた.両心房内に僧帽弁と三尖弁に付着した6×3cm, 7×3cm大の疣贅を認め,組織学的に非細菌性血栓性心内膜炎であることが確認された.左心室と左腎に小硬塞巣を認めたが,これらは非細菌性血栓性心内膜炎より発生した塞栓によるものと推定された.過去に報告された非細菌性血栓性心内膜炎の大きさは2cm以下であり,本症例のように大きな血栓が房室口に嵌頓して死亡したと考えられる例は見られない.近年,非細菌性血栓性心内膜炎の発生機序とdisseminated intravascular coagulationとの関連性が注目されているが,悪性腫瘍をはじめとする慢性消耗性疾患において, hypercoagulable stateの存在が疑われる場合には,心エコーによる心腔内血栓の検索が望まれる.
  • 斎藤 公司, 真鍋 重夫, 山本 邦宏, 増野 道子, 高井 孝二, 斉藤 寿一, 葛谷 健, 吉田 尚
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1277-1282
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヨードの濃縮機構の障害による甲状腺機能低下症の1例を経験し,その甲状腺組織を用いて生化学的検索を行なつたので報告する.症例は32才の男性で甲状腺腫を主訴に来院した.入院時, T3 39ng/dl, T4 0.1μg/dl, TSH 217μU/ml, 24時間131I摂取率0.05%と原発性甲状腺機能低下症の成績が得られた.ヨード14mg/d 10日間投与によりT3 228ng/dl, T4 6.8μg/d1, TSH 24μU/mlと著明な改善が認められた.また唾液,胃液中へのヨードの濃縮障害も認められた.以上により先天性のヨード濃縮障害による甲状腺機能低下症と診断した.手術により得られた甲状腺組織を用いて生化学的検討を行なつた.本例での甲状腺スライスには特異的なヨードの濃縮能は認められなかつた.甲状腺ホルモン合成に関与するperoxidase活性の低下はなく,ヨードに対する見かけのKm値はむしろ低値であつた.本例において初めて検討されたNa+-K+-ATPase活性はouabain-sensitive, ouabain-insensitive両者ともむしろ増加していた.本例ではヨード濃縮障害が存在したが,それ以降のホルモン合成過程には全く障害がなく, peroxidaseはむしろ低濃度のヨードにてのホルモン合成に好都合と言える変化を示した.さらにNa+-K+-ATPase活性は上昇していた.この所見から,本症ではヨードの能動輸送に関与する特異的なcarrierの欠損が根本に存在することが示唆された.
  • 野元 正弘, 中村 尚人, 納 光弘, 井形 昭弘, 蓮井 和久, 佐藤 栄一
    1981 年 70 巻 9 号 p. 1283-1287
    発行日: 1981/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    54才で脳血管障害を起こすまで普通の生活を営み,腎不全で死亡したvon Gierke病の1例を報告した.同胞は9人でうち3人は1才前後で死亡している.患者は男性で, 1才頃より腹部膨満に気づかれ処女歩行は2才であつた. 20才頃,大量の鼻出血があり,またこの頃より左母趾の関節痛が起こりはじめている.しかし患者は洋装店を営み,摘子は2人でいずれも健康であつた. 54才の時急に片麻痺を起こした.入院時,腹部膨満があり,空腹時血糖は低く,血中の尿酸および乳酸値は高かつた.肝のglucose-6-phosphatase活性は低くvon Gierke病と診断した.退院後,右片麻痺のリハビリテーションを行なつていたが, 56才で腎不全により死亡した.剖検では肝は腫大し,肝細胞に多数の滴状の脂肪化がみられた.腎は著明に萎縮し,糸球体の数の減少,著明な動脈硬化を認めた.中枢神経系では左被殻部の硬塞巣と動脈硬化がみられた. von Gierke病は感染症や低血糖のため小児期に死亡するものが多く,思春期以後には痛風の起こることが知られているが,その長期予後については不明である.本例は54才で右片麻痺を起こすまでは普通に生活し,本症としては極めて高令の56才で腎不全により死亡したが,死困はグリコーゲンの蓄積によるものでなく,腎および中枢神経系の著明な動脈硬化症であり,これが本症の長期予後に関与する大きな要因と考えられた.
feedback
Top