日本内科学会雑誌
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71 巻 , 11 号
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  • Edward W. HOLMES, James B. WYNGAARDEN
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1521-1527
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 後藤 英司
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1528-1533
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    入院未治療本態性高血圧患者34例(男20例,女14例,年令32~58才,入院時血圧平均170/107mmHg, WHOI~II期)を対象とし,食塩制限(3g/日)と負荷(25g/日)を施行し,食塩負荷に伴う平均血圧の上昇が10%以上の食塩依存群(18例)と10%未満の食塩非依存群(16例)にわけ,脳脊髄液Na濃度と1血圧,尿1日Na排泄量,血漿レニン活性などとの関係を比較した.食塩依存群の髄液Na濃度は,食塩制限時の144.0±0.6(SE)mEq/lに比べ負荷時には151.5±0.8と有意(p<0.001)に高い値を示したのに対し,非依存群の髄液Na濃度は,食塩制限時と負荷時とで有意差を認めなかつた.食塩依存群の髄液Na濃度は,平均血圧値とr=0.66(p<0.005),尿Na排泄量とr=0.82(P<0.001)と有意の正の相関を示し,血漿レニン活性とはr=-0.72(P<0.005)の有意の負の相関を示した.しかし,非依存群ではかかる関係を認めなかつた.以上の成績から,食塩依存群における食塩負荷に伴う血圧の上昇には,中枢でのNaの貯留が関与している可能性が示唆される.
  • 白鳥 康史
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1534-1545
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の成立に関与している免疫系の異常を検討するため,潰瘍性大腸炎患者血中に出現する抗リンパ球抗体,および,その抗体と反応するリンパ球の性状について検討を行なつた.潰瘍性大腸炎患者血清中の抗リンパ球抗体出現率を, fluorescescence activated cellsorterを用いた蛍光抗体法および補体依存性細胞障害試験で検討したところ,約70%であつた.この抗リンパ球抗体はFc receptor陰性T細胞と反応し, natural killer細胞とは反応しなかつた.またこのT細胞はconcanavalin A誘導試験などから抑制機能を有すると考えられた.さらに潰瘍性大腸炎患者末梢血リンパ球中には, T細胞特異抗体である抗脳関連抗体および抗胸腺抗体と強い親和性を示す亜群の増加が認められた.以上の成績から,潰瘍性大腸炎の病因には抗リンパ球抗体およびこの抗体と反応するT細胞亜群の関与することが推察された.
  • 橋本 博史, 塩川 優一
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1546-1552
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,診断技術の進歩と治療法の発達により軽症SLEが早期に診断され治療されるようになり, SLEの予後が著明に改善された.そこで,今回は1970年以降に診断されたSLE症例を用いて,経過年数による臨床病態の相違を比較検討するとともに,経過年数による臨床像の累積法の検討によりSLEの進行性の有無について考察した. 1970年以降診断されたSLE298例を検討の対象とし,診断後の観察期間により, 0~24カ月(123例), 25~60カ月(82例), 61カ月以上(93例)の3群に区分した. 1969年以前に診断された77例についても同様に区分し比較検討した. 1970年以降に診断され長期経過観察された症例は,尿異常所見,精神症状,急性腹症,血清学的異常所見などを有意に多く認め,累積法の検討からSLEの進行性が示唆された.他方,これらの症例は,短期観察例にくらべ有意に死亡率低く,免疫抑制薬使用例が有意に多いことから,この薬物による延命効果が示唆された. 1970年以降の長期観察例では,感染症と無菌性骨壊死の合併を有意に多く認め,前者は腎病変と同等に主たる死因であつた.一方, 1969年以前に診断され長期観察された症例は,レイノー現象が有意に多く,多量蛋白尿と精神症状が有意に少なく,比較的軽症例が多いと考えられた.今後,軽症のみならず重篤な臨床病態をもつ長期生存SLE例が増加すると考えられる.
  • 水野 美邦
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1553-1559
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Lebodopa治療を5年以上継続した自験パーキンソン病患者30例に基づき長期治療の問題点を考察した. levodopaの効果減弱は17例に見られたが,振戦,固縮に対する効果減弱は軽微で,無動,姿勢保持反射障害に顕著であつた.症状の日内変動として, end of dose deterioration13例,すくみ足現象6例, start hesitation7例が見られたが,典型的on-off現象は見られなかつた.欧米の成績に比し,効果減弱の程度は軽く, on-off現象の頻度は低いが,その一因として1evodopa維持量が比較的低く保たれた事があると考えられた.最近効果減弱に関連して, 1evodopa開始時期をできるだけ遅らせよとの主張があるが,軽症例を除くと,これを支持する所見は得られなかつた.
  • 加納 正, 橋本 恵, 須沢 俊, 谷口 善男, 内野 治人, 岡田 隆道, 森田 昂, 堀井 章市
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1560-1565
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    唯一回の不充分な化学療法後, 7年間無症状に経過し,その後も骨髄腫の病像の進展は余りみられず,次第に全身性アミロイド症の病像が支配的となつたBence Jones型骨髄腫の興味ある長期観察例を経験した.その経過と背景について考察した.症例概略: 1934年生,男性. 1968年骨髄腫と診断,約1年の治療後7年間放置したが無症状に経過, 1976年痛風,結節性皮疹, carpal tunnel syndrome (CTS), 1980年巨舌,皮疹拡大, CTS増悪など全身性アミロイド症の症状が進展し,同年末に急性心不全で死亡した.化学療法前の骨髄中骨髄腫細胞は50%,その後15%前後で経過,腎機能は末期まで維持されていた.本例の長期生存の背景は, (1) Bence Jones蛋白が腎毒性を欠いたこと, (2)治療後の治療抵抗性腫瘍細胞のdoubling timeが極端に長くなつたことが考えられる,本例は単に希な病像の故にではなく,骨髄腫の諸問題の理解に資する内容をもつ故に報告された.
  • 岡田 光男, 今村 健三郎, 渕上 忠彦, 尾前 照雄, 飯田 三雄, 名西 史夫, 村上 学, 大串 秀明, 八尾 恒良, 藤田 晃一, ...
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1566-1572
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非特異性多発性小腸潰瘍症の2名の女性患者が持続性の腸管出血による重篤な慢性の貧血のため, saccharated ferric oxide (SFOと略) (商品名Fesin)の経静脈投与をうけた.症例1ではSFO 80mg/日の連日静注をうけて約3カ月後から骨痛が出現し,症例2ではSFO 40mgの間歇的静注をうけて約9年後に骨痛が出現した.いずれも著明な低リン血症と肋骨の偽骨折が認められ,骨軟化症と診断された.症例1ではSFOの投与を週1回40mgに減量後,症例2ではSFOの投与を中止後,血清リン値の増加とともに骨痛は消失した.以上より, SFOが骨軟化症を惹起したと考えられた.
  • 久保 光正, 中川 光二, 小原 孝雄, 堀川 博通, 松原 三八夫, 中川 昌一, 村島 義男
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1573-1580
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清カルシウム(Ca)が,正常域から16mg/dlをこえる広い範囲で周期的と思われる著明な変動を示した機能性副甲状腺癌の1症例を経験した.症例は58才,女性で,昭和54年7月札幌厚生病院における胆嚢摘除術後1週間頃から全身倦怠感・悪心・口渇・食欲不振が出現,同年9月高Ca血症を発見された.その後,約1年の間に,血清Caには3~4カ月の間隔で4回の波動が観察された.頂期の血清Ca濃度は15.4~17.6mg/dl,尿中Ca排泄量は438~677mg/日で,血中副甲状腺ホルモン(iPTH)濃度も3.24~5.5ng/mlに達した.各頂期には,それぞれcalcitonin+prednisolone, prednisolone, indomethacin, calcitoninが用いられ,その投与中に血清Caの低下が始まり約10日間で正常化し,尿中Ca排泄量は40~100mg/日,血中iPTHも1.55~1.60ng/mlに低下した.寛解期の前半には,血清Caはきわめて緩徐な上昇傾向を示すが,後半には, 12mg/dlまでやや速やかに上昇し,その後1週間で急速に上昇して頂期に達した.尿中Ca排泄量,血中iPTHもこれにほぼ並行した.昭和55年10月2日右下副甲状腺腫瘍摘除術が行なわれ,組織学的に癌腫と診断された.摘除術後,血中iPTHは正常化した.本症例は,薬物により修飾された可能性はあるが,基本的には,癌腫のPTH産生の自律的な周期性変動により,血清Ca濃度とこれに伴う諸症状の著明な変動を示したものと考えられる.
  • 大草 敏史, 山岡 昌之, 中野 冬彦, 坂本 保己, 光永 慶吉, 宮崎 龍之輔, 桃井 宏直
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1581-1585
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近,我々は,過酸症を伴つたMenétrier病の1例という極めて希な症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例. 59才,男.主訴:全身浮腫.家族歴:母,兄,弟,高血圧.既往歴: 39才高血圧.現病歴:昭和53年胃透視にて胃巨大雛襞を指摘され,昭和54年12月顔面浮腫さらに2カ月後全身浮腫出現し当院入院.入院時現症:全身浮腫あり.入院時検査成績:総蛋白4.6g/dlと減少,蛋白分画正常.胃透視および内視鏡にて,びらん,潰瘍を伴う脳回状の胃巨大雛襞を認め,生検組織診は慢性胃炎.小腸,大腸異常なし.胃液検査では過酸を呈し, 131I-PVP試験では糞中排泄量3.4%と増加, RISA試験では血中半減期1日と短縮し胃液中への蛋白喪失が考えられた.抗プラスミン薬投与を行なつたが無効.昭和55年12月胃全摘施行.摘除胃組織所見は固有胃腺と腺窩上皮の過形成が見られMenétrier病と一致.胃全摘後血清蛋白改善.本症は一般に低酸の症例が多く,本例の如く過酸を呈することは極めて希である.過去10年内外報告70例中過酸例は7例のみであり,組織像は本例と同様,すべて固有胃腺の増生を示しており,固有胃腺の増生と過酸の間には何らかの因果関係のあることが推察された.
  • 和泉 孝志, 金沢 康徳, 石橋 みゆき, 山路 徹, 小坂 樹徳
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1586-1590
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    われわれは一卵性双生児の一方に下垂体性巨人症を,他方に先端巨大症を発症した症例を経験した.弟例が下垂体性巨人症で, 7才の時から過剰な身長増加が出現し, 11才の時に下垂体腺腫摘出術をうけたが身長の増加は停止せず, 18才の受診時には,身長205cm,体重105kgに達した.兄例が先端巨大症で, 17才の時に頭痛,視障害,四肢末端の巨大が出現し,半年後に下垂体卒中と考えられる発作をおこし,視障害の悪化と右半身麻痺をきたした.両者の血中成長ホルモン濃度はいずれも高値を示し,またTRH, LH-RH, bromocriptine (CB-154)などに対するその反応は一致した.従来,単一の下垂体腺腫の遺伝性は低いとされてきたが,一卵性双生児の両者に成長ホルモン産生下垂体腺腫が発生し,成長ホルモン分泌動態の類似性を認めたことは,本腺腫め発生上,遺伝的な負荷をも考慮する必要性を示しているものと考え報告した.
  • 伊東 俊夫, 後藤 文礼, 寺田 忠之, 大田 研治, 小西 信哉, 山取 要, 垣田 照雄, 磯部 敬, 藤田 拓男
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1591-1596
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    姉・弟に蛋白尿を伴つた原発性肝癌の発生をみた1家族を経験した.症例1(姉)は15才,女性で,昭和51年11月全身倦怠感を訴え,近医で蛋白尿・糖尿を指摘された.その後2年間肝機能検査は正常であつたが,倦怠感・右肩関節痛を時々訴えていた.昭和53年1月入院.肝臓はγ-MCLで2cm触知. GOT48, GPT10, ChE0.74, LDH350, γ-GTP124, α1-fetoprotein 15μg/ml, HBs抗原・抗体(-), HBc抗体(-), HBe抗原・抗体(-),補体C3, C4正常. BUN,クレアチニン, PSP試験正常, Fishberg濃縮試験, RPF, RBFは低下. 50gOGTTは糖尿病パターン.皮内試験陰性.肝シンチは多発性欠損像を示し,腹腔鏡下肝生検で,肝硬変を伴つた原発性肝癌であつた.症例2 (弟)は10才の男性で,昭和51年全身倦怠感・発熱を認め10月入院.入院時顔面・下肢浮腫,蛋白尿,低補体血症を認めたが,肝腫大はない.急性糸球体腎炎として治療したところ,徐々に肝腫大が現われ, α1-fetoproteinが100ng/ml以上と高値を示した. HBs抗原・抗体は陰性であつた.昭和52年1月肝動脈結紮術施行し,その際の肝生検では肝硬変を伴つた原発性肝癌であつた。両例とも死亡したが,剖検は許されなかつた. HBs抗原陽性家系に肝癌が多発することはよく知られているが, HBs抗原陰性家族の姉・弟に蛋白尿を伴つた肝癌が発生したことは極めてめずらしい.原発性肝癌の発生を考える上で,大変興味ある症例と考え報告した.
  • 永田 ゆみ子, 三輪 哲義, 村井 善郎, 森 真由美, 村上 元孝
    1982 年 71 巻 11 号 p. 1597-1601
    発行日: 1982/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    髄膜刺激症状と精神症状を初発とし,生前に髄液所見より,胃原発の髄膜癌腫症と診断され,治療に反応したと考えられる症例を経験したので報告し,合わせて若干の文献的考察を試みる.症例は82才,女.主訴は頭痛. 1979年9月,頭重感出現. 1980年3月,前頭部拍動痛,食欲不振出現,増悪. 5月,悪心,嘔吐,幻覚,詭妄状態を呈し,当科入院となる.入院時,血圧192/92,神経学的に髄膜刺激症状(+),強制把握(+),向反発作(+)の他,異常を認めない.腰椎穿刺にて,圧20OmmH20以上,腺癌細胞を認め,内視鏡的に,胃体から前庭部にかけて, Borrmann IV型の胃癌を発見した.胃癌の髄膜転移と診断し, FT207全身投与, cytosine arabinoside (Ara C),ステロイド髄注を試み,神経症状の劇的改善と,髄液中の癌細胞の消失をみたが,入院中54日目に,突然,後頭部痛を訴え,ショック状態を呈し,急死した.剖検では,胃癌,軟脳膜へのび漫性転移,傍胃,大動脈,膵臓,肺門リンパ節転移あり,血行性転移は認めず,新鮮脳出血巣をみた.脳軟膜癌腫症は,本邦で百数十例の報告があるが, 50%以上が胃原発であり,生前診断は32.2%である.しかも脳軟膜癌腫症に対する治療は3例におこなわれているにすぎず,著効例は我々の1例を除いて報告されていない.その特徴的な臨床像に関する議論に加え,抗癌薬による治療の観点から考察を加えた.
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