日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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71 巻, 9 号
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  • 村上 元孝
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1211-1216
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 宇尾野 公義
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1217-1222
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 池本 秀雄
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1223-1228
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 奈須 一
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1229-1236
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE)の患者血清中に自然発現する, IgGのF (ab′)2フラグメントに対する抗体(抗・Fab抗体)について,これが抗・ss-DNA抗体に対する抗・インディオ・タイプ自己抗体としての活性を有することを見いだした. Double isotope liquid phase radioimmunoassayによつて測定した抗・Fab抗体価は健常人: 9.8±9.1 (n=19), SLE: 24.9±22.7 (n=42),慢性関節リウマチ(RA): 52.5±44.6 (n=41)で両疾患とも有意に高値を示した(p<0.01, Ridit法). SLE患者血清中では,抗・Fab抗体と抗・ss-DNA抗体の分子量分布はよく似ており, intermediate sizeの免疫複合体を形成していると思われた.この事は両抗体をそれぞれ精製した後にpepsinでF(ab′)2フラグメントとしても反応することから特異的な反応であることが確認できた.さらにSLE患者血清から精製した抗・Fab抗体は5人のSLE患者の抗・ss-DNA抗体価を60~70%も阻害し,およそ2.3μgの非標識ss-DNAと同程度の効果であつた.一方RA患者血清から精製した抗・Fab抗体は,多クローン性のF (ab′)2フラグメントとは強く反応しても, SLE血清の抗・ss-DNA抗体活性を阻害しなかつた.またSLEの抗・Fab抗体は, Down症候群患者の抗・HBs抗体活性を阻害しなかつた.従つてSLE血清中の抗・Fab抗体が,抗ss-DNA抗体に対する抗イディオ・タイプ抗体としての活性を有することが確認できた.
  • 坂根 剛, 小谷 宏行, 高田 伸介, 恒松 徳五郎
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1237-1244
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE)患者にみられる免疫異常の特徴は,自己抗体の出現とサプレッサーT細胞機能の減弱である.これらの異常を惹起する原因,ならびに両者の異常がいかなる関係に位置しているのかについては定かではないが,後者の欠陥はT細胞に対する自己抗体(抗T細胞抗体)の作用に基づく二次的な欠陥であるという考えが提唱されている.この仮説の妥当性を検討する目的で, SLE T細胞をT4細胞(インデューサー細胞)とT8細胞(サプレッサー・細胞障害性細胞)に細分画し,それぞれの調節T細胞機能を調べた.正常者の自己リンパ球混合培養反応では,自己非T細胞がまずT4ヘルパー細胞を活性化し,次いでT4サプレッサー細胞を活性化するが, SLE患者のT4細胞を自己非T細胞で刺激した場合には,ヘルパー活性のみが誘導され,サプレッサー活性については,これを全く誘導し得なかつた.このT4細胞によるサプレッサー活性の欠如は,病期の活動性および抗T細胞自己抗体の有無にかかわらず認められた.一方, SLE抗T細胞抗体は, T4細胞に対して作用することなく,サプレッサー活性をもつT8細胞に対して選択的障害活性を示した.以上の成績は, T4サプレッサーT細胞の欠陥は, Bリンパ球非依存性で, SLEリンパ球に固有の欠陥であり,これに対して, T8サプレッサーT細胞の欠陥は, B細胞依存性,すなわち,抗T細胞抗体の作用に関連する欠陥であることを示している.
  • 上松 治義, 横田 充弘, 山内 一信, 林 博史, 外畑 巌, 祖父江 逸郎
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1245-1256
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本研究の目的はDuchenne型進行性筋ジストロフィー症(PMD)患者の剖検心での心筋線維化の部位および程度と,標準12誘導心電図(ECG)およびFrank誘導ベクトル心電図(VCG)とを対比検討することにより,本症に特異的な心電図所見の発現機序を解明し,ひいてはECG, VCGで本症の心筋病変を評価しうるかどうかを知ることである.対象は33例のPMD男性患者で,死亡年令は平均17.2才(14~22才)であつた.肉眼的に観察した心筋線維化病巣の分布部位に従つて対象を下記の6群に分類した. I群:線維化病巣を全く有しないもの(4例). II群:左室前壁中隔に限局した線維化病巣を有するもの(2例). III群:左室後壁に限局した線維化病巣を有するもの(5例). IV群:左室後側壁に限局した線維化病巣を有するもの(6例). V群:心尖部を除く左室に全周性の線維化病巣を有するもの(7例). VI群:全左室壁に及ぶ線維化病巣を有するもの(9例). P波異常,右軸偏位,不完全右脚ブロック, RV1波高およびR/S (V1)の増大,左側胸部誘導の異常Q波, T波平低化あるいは陰転などの異常ECG所見は心筋線維化を広範に有するIV, V, VI群でその出現頻度が増加した.最大QRSベクトルはV群でもつとも大きく,その方向はV, VI群で他群に比し前方へ向かつた. QRS環はIII+IV, V群で前後方向に大きく張りだし,左方成分は減少した. VI群ではQRS環は全体に小さくなり初期QRSベクトルは右前方へ偏位した.最大TベクトルはIII+IV, V, VI群の順に減少し,これと同じ順序で同ベクトルの方向もより前方へ向かつた. PMD患者の特異的心電図所見は,主として左室心筋の線維化,退行性変化に原因すると結論された.生存時VCGの経年変化の検討から左室心筋の線維化は当初,左室後側壁より開始し,漸次左室壁全周へと進展することが示唆された. PMD患者の骨格筋変性と心筋変性は別個の経過で進行すると考えられた.
  • 俵 哲, 荒木 淑郎, 前田 共秀, 鶴岡 道雄
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1257-1263
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    家族性アミロイドポリニューロパチー患者7名に, dimethyl sulfoxide (DMSO)を平均11.8ヵ月間投与し,患者尿中のアミロイド関連蛋白の出現の有無と臨床症状の変動との関係を研究した. DMSO投与後, 2例にアミロイド関連蛋白が初めて尿中に出現したほか,分子量約24000~25000の蛋白, IgG/総蛋白比, IgA値が有意に増加した.スコア値として表わした臨床症状と罹患年数とはよく一致し,進行性疾患であることを示したが, DMSO投与によりスコア値の悪化を抑止したと考えられたのは, 1例のみであつた.患者血中のDMSOおよびその代謝物質の濃度を測定したところ低値であつた.その理由は不明であるが, DMSOの血中濃度が有効値に達しないために,臨床症状の明らかな改善が認められないものと考えた.
  • 副島 昭典, 斉藤 元章, 北本 清, 長沢 俊彦
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1271-1274
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    60才,女性.昭和51年精神分裂症の診断を受け,昭和55年3月より向精神薬の投与が開始された.同年4月筋強剛,振戦が出現したため向精神薬の投与を中止したが, 40°Cに達する発熱,血圧の著明な変動,意識障害が認められ,悪性症候群(syndorome ma1in)と診断された.同年4月22日乏尿,高窒素血症が出現し,急性腎不全の診断のもとに血液透析を行なつたが,同月28日不幸の転帰をとつた.経過中血清CPK,血中・尿中ミオグロビンが著明な高値を示し,剖検では全身の筋肉の著明なろう様変性と断裂を認め,腎の組織学的検索では糸球体病変は軽微であつたが,遠位尿細管から集合管にかけてエナジン好性の円柱を多数認めた.悪性症候群によるラブドミオリーシスの結果生じた急性腎不全の極めて希な症例と考えられたので,その臨床経過の詳細と共に,ミオグロビン血症と急性腎不全の関係について考察を加えた結果を報告した.
  • 早稲田 則雄, 加藤 譲, 池田 文武, 河野 剛, 井村 裕夫, 田村 忠雄, 川合 一良
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1283-1288
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は38才の女性.偏食が強く,体重は25才頃45kgだつたが徐々に減少して37才時37kgとなつた.月経は保たれていた.同年四肢の脱力発作が出現したが,発作前に炭水化物の大量摂取はなく,下痢・嘔吐・利尿薬・下剤の服用はなかつた.低K血症,血漿レニン活性(PRA)の上昇および血漿アルドステロンの高値を示し,またlgGの低下を認めた.血圧は106/74mmHgで,アンジオテンシンIIおよびノルアドレナリンに対する昇圧は不十分だつた.アンジオテンシンII拮抗薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害薬であるSQ14225投与により,軽度の降圧を認めた.動脈血ガス分析の結果は正常だつた.低Na血症は認められなかつたが尿中Na排泄は減少し,また循環血液量の軽度減少を認めた. Na l37mEq/日, K 50mEq/日の特別食摂取下で尿中および糞便中へのK排泄は増加していなかつた.また腎におけるClの再吸収障害を示唆する所見は得られなかつた.上記特別食の摂取により血清K値は正常範囲にまで上昇し,同時にPRAおよび血漿アルドステロンも正常化した.腎生検組織では傍糸球体装置の過形成を認めなかつた.以上より本症例では体外へのK排泄増加はなく,高度の偏食によるKならびにNaの摂取不足が原因で, Bartter症候群類似の症候を呈したものと考えられた.なお血中IgG低下の原因としてlgGの産生低下が考えられたが,低IgG血症とBartter症候群類似の病態とが密接な因果関係を有するとは考えられなかつた.
  • 石川 和弘, 相沢 義房, 和泉 徹, 柴田 昭
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1289-1293
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Silent型コリンエステラーゼ異常症と思われる症例を経験した.内科領域では比較的希と思われたので報告する.症例は37才,女性.偶然の機会に血清コリンエステラーゼ1001U/l (正常値: 4950~8900IU/l)を発見されたが, ICGを含めた各種肝機能,肝シンチでは異常を認めなかつた.血清コリンエステラーゼはorthotrioilcholine, acetylthiocholine, benzoilcholineと基質をかえて測定したがいずれにおいてもきわめて低い活性を示した.家族調査では他にコリンエステラーゼ異常症を見出すことができなかつた.ポリアクリルアミドゲル薄層電気泳動法によるアイソザイムでは, C2, C3, C4成分が欠如し, C1成分のみが認められた.コリンエステラーゼ異常症はこれまで,染色体のE1座位における四つの遺伝子,すなわち正常遺伝子,フッ化ソーダ耐性遺伝子,ジブカイン耐性遺伝子, Silent型遺伝子のおのおのの組合わせによつてその表現型が決定されることが知られている.本例はSilent型のホモ接含型であると思われる.また本例のようなアイソザイムパターンを示した報告は,筆者らが調べた範囲内ではみあたらないが,コリンエステラーゼアイソザイムには臓器特異性がなく,遺伝支配についても今日結論がえられているわけではない.本例では,活性低下とアイソザイムパターンの異常が直接の因果関係にあるものと考えられるが,孤発例であり詳細は不明である.
  • リンパ球の機能についての検討を中心に
    袖山 健, 宜保 行雄, 赤羽 賢浩, 清沢 研道, 長田 敦夫, 古田 精市, 川合 博
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1294-1300
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Late onset hypo-ϒ-globulinemiaで, WHO分類によればvarlable immunodeficiency (VID)に属する1症例を経験したので報告し,併せてその免疫不全の成因の機序について検討した成績を報告する.症例は22才,男性で,幼少時は頻回に上気道感染に罹患. 4才7ヵ月時ポリオ生ワクチン接種後に左上下肢の麻痺が出現.その後は著明な感染症なく経過. 22才時,整形外科手術前の血清蛋白電気泳動図上ϒ-globulin分画が欠損していることを指摘され,精査のため当科へ紹介された.血清総蛋白量は6.0g/dlとやや低値で, ϒ-globulinは0.09g/dlと著減,血清免疫globulinはIgG, IgA, IgM, IgEともに著減していた.骨髄,直腸粘膜の形質細胞数は著しく減少し,同種赤血球凝集素価も低値で, PDTワクチン刺激に対する抗体価の上昇も認めなかつた.遅延型皮内反応は陰性,血中リンパ球数は正常であるがB cell数は減少していた.さらに, PWM添加培養後のヒツジ赤血球に対する抗体産生能の低下を認めた.これらの検索の結果,本症例の発症機構としては, B ce11数の減少およびB cellの障害があり,かつT cellの異常も同時に存在しているものと考えられた.
  • 吉利 味江子, 菊地 一博, 柴田 晴通, 牧野 孝史, 瀬上 一誠, 野見山 哲, 原沢 茂, 三輪 剛
    1982 年 71 巻 9 号 p. 1301-1307
    発行日: 1982/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心窩部痛,心窩部不快感,下痢などを主訴として来院し,内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)にて短小膵管像を呈した4例を経験した.腹側膵管と背側膵管の癒合不全,すなわちpancreas divismの発生頻度はごく少なく,当院の集計でも,昭和50年5月から昭和56年5月までの6年間に施行したERP 550例中4例で, 0.7%の頻度であつた.男女比は1:3,年令は41才から63才までで平均年令は50.8才であつた.検査所見としては,尿および血清アミラーゼ活性,膵外分泌機能検査(pancreatic function diagnostant: PFD), 50g糖負荷試験(50g oral glucose torelance test: 50g 0GTT)についておのおの2例(50%)のみに異常が認められたが, 50g 0GTTにおけるimmune reactive insulin (IRI) 30分値は全例で低下していた.膵石を認めるものはなく, ERPにて腹側膵管は全例とも正常であつた.背側膵管はERPにて2例,腹部コンピューター断層撮影(CT scan)にて1例,合わせて4例中3例に軽度の膵管の拡張を認めた.本症の臨床症状は慢性背側膵炎によるものであり,膵液量と機能の悪い副乳頭との間に生じる相対的閉塞状態が背側膵炎の発生に関与しているものと思われる.よつて本症の発見には,副乳頭へのcannulationあるいはCT scan,超音波での膵体尾部の検索が重要である.
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