日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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73 巻, 6 号
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  • 柳瀬 敏幸
    1984 年 73 巻 6 号 p. 725-726
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 司会のまとめ
    亀田 治男
    1984 年 73 巻 6 号 p. 727-728
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 武内 俊彦
    1984 年 73 巻 6 号 p. 729-732
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 梶山 梧朗
    1984 年 73 巻 6 号 p. 733-737
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 司会のまとめ
    春日井 達造
    1984 年 73 巻 6 号 p. 738-739
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 安部 宗顕
    1984 年 73 巻 6 号 p. 740-744
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 竹内 正
    1984 年 73 巻 6 号 p. 745-748
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 司会のまとめ
    奥田 邦雄
    1984 年 73 巻 6 号 p. 749-750
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 平山 千里
    1984 年 73 巻 6 号 p. 751-754
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • a.ウイルス肝炎
    長島 秀夫
    1984 年 73 巻 6 号 p. 755-759
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
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  • b.自己免疫性肝疾患
    大久保 英雄
    1984 年 73 巻 6 号 p. 760-763
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
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  • D1, 2.司会のまとめ
    橋本 修治
    1984 年 73 巻 6 号 p. 764-765
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 谷川 久一
    1984 年 73 巻 6 号 p. 766-769
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 奥村 恂
    1984 年 73 巻 6 号 p. 770-773
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
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  • D3, 4, 5.司会のまとめ
    市田 文弘
    1984 年 73 巻 6 号 p. 774-775
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 宏
    1984 年 73 巻 6 号 p. 776-780
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 山本 祐夫
    1984 年 73 巻 6 号 p. 781-784
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 岡 博
    1984 年 73 巻 6 号 p. 785-788
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 津田 和矩
    1984 年 73 巻 6 号 p. 789-790
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 斉藤 元章
    1984 年 73 巻 6 号 p. 791-800
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Alspaughらにより見出された抗rheumatoid arthritis nuclear antigen (RANA)抗体は, RAの発症機序にEB virus (EBV)が関与している可能性のあることを示唆した.著者は, RAと抗RANA抗体の関連性およびRAの発症機序におけるEBVの関与を検討する目的で, Raji細胞しょ糖抽出抗原を用いたオクタロニー法でRA患者血清中の抗RANA抗体をSLE患者および健康人血清を対照として検索した.抗RANA抗体はRA40例中24例(60%), SLE20例中4例(20%),健康人30例中2例(7%)に検出され, RAではSLEおよび健康人に比べ高率に認められた.抗RANA抗体は, EBV genomeを有さぬ培養株細胞を抗原として用いると検出されなかつた. Raji細胞を37°C 30分間乾熱固定して核材とした螢光抗体法では,抗RANA抗体はfine speckled patternを呈し抗ヒトIgGで強く染色された.また, EBVを感染させたヒト末梢血Bリンパ球培養株細胞を核材とした螢光抗体法により,抗原RANAの表現がEBV感染細胞のcell cycleに関連することを認めた. RAでは健康人に比べて抗EB nuclear antlgen (EBNA)抗体価および抗VCA (lgG)抗体価が高い傾向を示したが,抗RANA抗体と抗EBNA抗体および抗VCA (IgG)抗体の間に有意な正の相関性は認められなかつた.また,抗RANA抗体と密接に関連する臨床所見も認められなかつた.以上の成績から,抗RANA抗体は, (1)従来のEBV関連抗体と有意な正の相関性は示さず, (2) EBV genome陽性培養Bリンパ球株細胞とのみ反応し, (3) RAに比較的高率に出現する可溶性核抗原に対する抗体であることを明らかにしえた.
  • 後藤 英司, 宮島 栄治, 小田 寿, 佐々木 治, 小林 公也, 梅村 敏, 明間 勤子, 金子 好宏
    1984 年 73 巻 6 号 p. 801-806
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    入院未治療本態性高血圧患者19例(男14例,女5例,年令32~58才,入院時血圧平均169/105mmHg, WHOI~II期)を対象とし,食塩摂取量を3g/日(低Na群, 10例)あるいは25g/日(高Na群, 9例)とし,平均血圧,血漿レニン活性, 24時間尿ノルエピネフリン(NE)排泄量,髄液NaおよびNE濃度を測定して比較検討した.平均血圧は低Na群での107.8±2.7 (SE) mmHgに対し高Na群では116.0±2.6と有意(p<0.05)に高く,髄液Na濃度も低Na群の144.7±0.5mEq/lにくらべ高Na群で150.6±0.9と有意(p<0.001)に高かつた.一方,髄液NE濃度は低Na群の122.1±10.7pg/mlに対し高Na群では71.8±8.4と有意(p<0.01)に低く,尿NE排泄量も低Na群の84.5±9.7μg/日に比べ,高Na群では52.3±4.4と有意(p<0.0l)に低い値を示した.また髄液NE濃度と髄液Na濃度の間にはr=0.66 (p<0.01)の有意の負の相関がみられ,また髄液NE濃度は平均血圧とr=0.70 (p<0.01)の有意の負の相関, PRAとr=0.64 (p<0.01),尿NE排泄量とr=0.64 (p<0.0l)の有意の正相関を示した.髄液NE濃度は中枢神経系のNE作動性ニューロンの活動を反映すると考えられ,以上の成績から,本態性高血圧患者において中枢NE性ニューロンの活動が食塩摂取量の影響を受ける可能性が示唆された.
  • 林 博史, 石川 富久, 高見 和秀, 上松 治儀, 小島 春紀, 矢部 誠太郎, 大杉 茂樹, 宮地 恭一, 外畑 巌
    1984 年 73 巻 6 号 p. 807-816
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    明らかな基礎心疾患を有しない患者の心室性期外収縮(VPB) 100例の体表面電位図(MAP)を記録し,その発生源の推定を行なつた.またおのおののVPB発生源毎に,標準12誘導心電図の特微的所見を明らかにした.発生源の推定は,先に我々が行なつた左右心室の心内外膜の種々の心室部位のペースメーカー刺激時のMAP所見との対比によつた.対象は,男52例,女48例で,年令は3才から76才(37.0±19.5才, mean±SD)であつた. QRS MAPのパターンを9型に分類し, VPB発生源の推定を行なつた(()内:発現頻度).すなわち, I型:右室流出路(56%), II型:右脚(5%), III型:右室流入路(7%), VIIR型:右室心尖部(1%), IV型:左室後基部(2%), V型:左室前側壁基部(4%), VIa型:左脚後枝(10%), VIb型:左脚前枝(11%), VIIIa型:心室中隔前上部(4%)であつた.これらのうち,右室源性は69%,左室源性は27%,中隔源性は4%であつた.年令分布では, II型, VIa型, VIb型等の特殊伝導系附近に起源を有すると考えられたVPBは,若年者に多く, IV型, V型, VIIIa型等の左室基部あるいは中隔上部起源のものは高年令者に頻度が高かつた.標準12誘導心電図において,右室源性VPBは左脚ブロック.左室源性VPBは右脚ブロック.中隔源性VPBは両脚ブロックに近いパターンを示した.また,それぞれVPB発生源に特有の電気軸を認め, QRS持続時間にもいくつかの発生源については,特徴がみられた.
  • 井上 敦, 池田 修一, 高 昌星, 柳沢 信夫, 長沼 邦明, 中畑 龍俊
    1984 年 73 巻 6 号 p. 817-824
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    重症筋無力疲および赤芽球癆はともに胸腺腫を高率に伴い,その発症機序として胸腺の機能異常に伴う自己免疫の関与が疑われている.今回われわれは,胸腺腫と種々の自己抗体陽性を伴った重症筋無力症の経過観察中約1カ月の経過で比較的急速に貧血が進行し,赤芽球癆と診断した1剖検例を報告する.症例は77才,男.昭和50年頃より眼瞼下垂,複視,易疲労性,嚥下障害が徐々に出現,昭和56年8月当科第1回入院, edrophonium chloride薬(Tensilon)静注により眼球運動障害および眼瞼下垂は著明に改善, Harvey-Masland試験にてwaning,抗Ach受容体抗体高値および胸部CTで胸腺腫陰影があり,胸腺腫を伴つた重症筋無力症と診断.またこの時抗核抗体,抗サイログロブリン抗体,抗マイクロゾーム抗体の高値も認めた.以後pyridostigmin bromide薬(Mestinon) 180mg/dにて外来で経過観察.昭和57年2月より約1カ月の経過でRBC 98万, Hb 2.7g/dlと著しい貧血が出現,末梢血および骨髄像より赤芽球癆と診断,ステロイド剤と免疫抑制剤の使用により貧血は改善したが全身の感染症を併発し死亡した.剖検では前縦隔に萎縮,縮小した胸腺腫がみられた.また本症例ではin vitro colony形成法を用いた検索により患者骨髄,末梢血中に赤芽球系前駆細胞であるBFU-Eはほぼ正常に存在するが,その増殖,分化過程に特異的に働く補体依存性抗体が患者血清中に存在することが示唆された.重症筋無力症,赤芽球癆,胸腺腫の合併は非常に希であり,種々の免疫異常を伴つており,興味ある症例と考えられた.
  • 小野 哲也, 下原 康彰, 山本 矩朗, 岡田 啓成
    1984 年 73 巻 6 号 p. 825-830
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    61才の男性で, 19年間にわたり夏期にのみ認められる周期熱の症例を報告する.発熱は1回の周期が発熱(39~40°C)6~7日,平熱が6~7日で,平均13日の周期でくりかえされた.また外気の温度が下る9月中頃には発熱を認めなくなり秋から次の春までは全く発熱をみないし,クーラー使用により室温を低下させても発熱を防止することができる.臨床検査では軽度の高脂血症と梅毒反応のうちTPHAが1: 160であること,血中のcyclic AMP, GMPが低値である以外には異常を認めない. phosphodiesteraseの抑制を目的にtheophillineを使用するとcyclic AMP, GMPは上昇するが熱型に変化はなかつた.体温調節中枢の機能異常の有無をみるために右手を40°Cの温水に5分間浸漬して左第2指指尖脈波およびサーモグラフィーによる温度を測定すると,正常人では指尖脈波の波高は増加し,温度が上昇するのに比べて,本症例では波高は低下し,温度が低下しており,加熱によつておこるべき放熱機序に異常があることがわかつた.また下熱日に測定すると反応は正常化していた.右手を10°Cの冷水で1分間冷却した時の反応は,正常人と同じであつた.以上.体温調節中枢の機能異常により,放熱機序が正常に作働しないためおこると思われる症例を報告したが,著者の調べた範囲ではこの様な症例の報告はこれまでみられない
  • 青島 恵子, 寺西 秀豊, 加須屋 実, 萩野 昇
    1984 年 73 巻 6 号 p. 838-848
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    運動痛,歩行困難を主訴としたイタイイタイ病の2症例について,発症機転ならびに病態について検討した.症例1は66才,女性. 1978年頃より右股関節痛,歩行困難,肋骨痛などが出現するも放置, 1980年8月萩野病院を初診.症例2は63才,女性. 1980年1月左股関節痛のため歩行困難となり,同年8月某病院整形外科で骨軟化症と診断される.歩行がより困難となり, 1981年5月萩野病院を初診.症例1は肋骨,大腿骨に多発性の偽骨折を認め,血清Ca7.8, P2.3mg/dl, Alk-P-ase 28.5KAU,症例2は左大腿骨頚部に偽骨折を認め,血清Ca 8.9, P2.1mg/dl, Alk-P-ase 64.2KAUであつた.以上の所見から骨軟化症と診断した.また2症例は,腎性糖尿,低分子蛋白尿,アミノ酸尿, %TRPの低下,代謝生アシドーシスを示し,多発性の尿細管障害も認めた. 2症例はカドミウム濃厚汚染地に40年以上居住し,尿中血中カドミウム値は高値を示した.このことから尿細管障害の原因は,環境中カドミウム暴露によるものと考えられ,骨軟化症は尿細管障害によるもの(イタイイタイ病)と診断した. 2症例は1967年の住民健診で,尿糖・尿蛋白陽性を指摘されていたことから,尿細管障害の発症は1967年以前と考えられ,尿細管障害による低リン酸血症,代謝性アシドーシスの病態の長期持続が骨軟化症の主要な原因と考えられた.血中1α, 25-dihydroxy vitamin Dは症例1で低下.症例2は正常であった.症例1は糸球体機能の低下があり,腎障害の進展した例では腎でのビタミンD代謝障害を認めた.
  • 京ケ島 守, 渡辺 洋伸, 畠山 牧男, 溝口 義明, 隅谷 護人, 狩野 庄吾, 田中 昌宏, 木村 健
    1984 年 73 巻 6 号 p. 849-855
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    不明熱で発症し, 3年後,アミロイド腎によるネフロ一ゼ症候群を合併した潰瘍性大腸炎と診断された1例を報告する.症例は29才,女,主婦.昭和54年7月, 39°Cに及ぶ発熱で第1回入院.腹部所見にて,肝を1横指触知.尿所見に異常を認めず,各種細菌学的検査もすべて陰性であつたが,炎症反応の強陽性ならびに軽度の肝機能障害が認められた.発熱は各種一般抗生物質および抗結核剤に対して全く不応性でプレドニゾロンの投与にて下熱,外来で経過観察された.昭和56年8月,昭和57年1月と37°C台の発熱,疝痛発作様の腹痛を主訴に入院.安静,プレドニゾロンの増量で症状の改善がみられたが,便潜血は持続的に陽性.注腸X線造影は正常であつた.昭和57年7月,再度37°C台の発熱,腹痛と大量の蛋白尿,円柱尿を認め入院.注腸X線造影,大腸内視鏡検査ならびに直腸粘膜生検で,潰瘍性大腸炎と診断された.腎生検では,糸球体ならびに血管壁に塊状,不定形物質を認め,コンゴーレッド染色,偏光顕微鏡所見にてアミロイドが陽性で,電子顕徹鏡でもアミロイド線維が確認された.プレドニゾロン,サラゾピリンの投与にて潰瘍性大腸炎の軽快がみられるのに並行し,尿所見の改善もみられ,潰瘍性大腸炎に合併した続発性アミロイドーシスと考えられた.両者の合併例は文献的にみても非常にまれであり,本例は貴重な1例と考えられた.
  • 大沼 俊和, 山瀬 裕彦, 嶋崎 重一, 伊藤 順二, 加藤 禎彦, 沼田 正樹, 佐藤 祐造, 各務 伸一, 坂本 信夫, 野村 隆英, ...
    1984 年 73 巻 6 号 p. 856-863
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗インスリン受容体抗体によるインスリン抵抗性糖尿病はまれな疾患であり,本邦ではいまだ10数例の報告をみるに過ぎない.我々は抗インスリン受容体抗体陽性であり,多彩な臨床経過を呈したインスリン抵抗性糖尿病を経験したので報告する.症例は74才,女性.低血糖発作にて発症.その後,次第に強いインスリン抵抗性を有する高血糖状態へ移行し,末期の約2ヵ月間は高血糖と低血糖をくり返した.経過中の血中immunoreactive insulin (IRI)は高値を呈し,免疫学的異常所見として高ϒ-globulin血症,抗核抗体陽性.血清補体価低値などが認められた.また,さらに本症例では血中ACTHは原因不明の高値を示した.経過中,血尿,蛋白尿, -過性皮膚病変などを認め,膠原病の合併が強く示唆された.患者血清より精製したIgGは, in vitroでインスリン結合阻害作用と同時にインスリン様活性を示し,抗インスリン受容体抗体の存在が確認された.患者は発症後約10ヵ月で肺炎を併発し死亡した.剖検では両側卵巣に多房性嚢胞性変化を認め,組織学的には漿液性嚢胞腺腫であつた.腎の組織学的検索では糸球体に免疫複合体の沈着が証明された.
  • 部分尿崩症の合併と陽性Gaシンチグラフィーについて
    小熊 豊, 西村 正治, 阿部 庄作, 長谷川 淳, 川上 義和, 井出 肇
    1984 年 73 巻 6 号 p. 864-870
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Dihydroergotamine (DHE), aspirin, phenacetinを服用中に縦隔病変から発症し, 67Ga-citrateの異常集積と特発性部分尿崩症, hypergonadotropinismを合併した後腹膜線維症(RF)の1例を経験したので報告する,症例は72才,男性,胸水を主訴に当科受診. DHEを2年間,鎮痛剤を10数年間服用していた.胸部X線像, CT検査にて縦隔,心陰影の拡大,大動脈弓から心周囲にかけての異常軟部組織の出現を認め, 67Ga-citrateの同部への集積, CRP陽性,血沈亢進, IgG増加,肝機能異常などを伴つた. DHE服用以前は全く正常であつたことからDHEを中止して経過観察したが, 1年後に左下肢の腫脹,陰のう水腫,睾丸の硬化性圧痛病変を併発した.腎RI, IP検査で左尿管の狭窄と腎障害を, RI静脈造影で左総腸骨静脈の閉塞を認め, CTでは縦隔部病変と共に,第2腰椎近傍から分岐部を越えた大血管周囲に腫瘤様陰影がみられた. Gaシンチグラフィーでは同部に一致して新たな集積像が出現した.開腹時組織学的検索より急性期RFと診断し,尿管の剥離・固定術を施行した後にステロイド療法を開始したところ,線維性病変の完全消失,各種検査成績の改善を認めた.一方本症例では,当初より低張多尿が続き,内分泌学的検索からは部分尿崩症,睾丸機能不全型hypergonadotropinismに合致する成績が得られた.下垂体に器質的病変を認めないことより,薬剤誘発性RFに特発性部分尿崩症を合併した極めてまれな症例と診断した.
  • 秋山 哲雄, 中本 安, 三浦 亮
    1984 年 73 巻 6 号 p. 871-875
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    子宮頚癌により広範性子宮全摘術後,両側性水腎症,腎性尿崩症を呈し,間歇的自己導尿法により改善をみた1症例を経験したので報告する.症例は48才,女性. 43才の時,子宮頚癌(病期I)にて広範性子宮全摘術を受けた. 1982年6月頃から口渇,多飲および1日4~6lにおよぶ多尿が出現し,精査のため1982年8月2日当科入院.身体的には皮膚はやや乾燥し,軽度の脱水傾向がみられる以外には異常所見なし.検査では尿糖陰性,尿比重1.004,血清Na 150mEq/l, K 3.4mEq/l, Cl 124mEq/l.耐糖能異常なし.眼底,視野異常なし.水制限試験では尿浸透圧の上昇はみられず高張食塩水負荷(Carter-Robins試験)でも尿量,自由水クリアランスの減少なし.ピトレシン5Uの投与でも尿量,尿浸透圧に変化はみられなかつた.血漿ADH 2.9pg/ml.トルコ鞍X線像異常なし.排泄性腎盂造影では両側性水腎症の所見を呈す. urodynamic studyでは多量の残尿がみられ, areflexic neurogenic bladderで両側IV度のvesicoureteral reflux (VUR)を認めた.以上よりneurogenic bladder, VUR,水腎症,腎性尿崩症と進展したものと診断した.治療は,サイアザイド剤の投与および間歇的自己導尿法を指導し, 1日6~7回の自己導尿を行ない残尿量は減少し,尿量は1日約2lと改善をみている.類似症例は国内外にみられず,その成因と病態についても言及した.
  • 浜重 直久, 土居 義典, 米沢 嘉啓, 江渕 喜徳, 小沢 利男, 明神 和弘, 園部 宏
    1984 年 73 巻 6 号 p. 876-881
    発行日: 1984/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は42才,女性. 15年前より徐々に進行する筋力低下のため当院神経科に入院した.甲状腺機能低下症とそれに基づくmyopathyと診断され,甲状腺薬の投与により筋力は徐々に改善したが, 1カ月半後呼吸困難をぎたし当科に転科した.入院時CTR 62%と拡大し肺うつ血像を呈し, Pao2 50mmHgと低下していたが,心電図では非特異的T波変化を示すのみであつた.心エコー検査では,心膜液貯留とともに,左室拡大, diffuse hypokinesisを示し,拡張型心筋症に類似していた.甲状腺薬とともに心不全の一般的治療を行ない,症状,検査所見などは1カ月後にはほぼ正常化した.甲状腺機能低下症においては,高頻度に心電図異常や心膜液貯留をきたすことが知られているが,拡張型心筋症様の高度の心筋障害はまれであり,心エコーによる可逆的変化の観察はRezaらの1例をみるにすぎない.治療上の問題点も含め考察を加え報告する.
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