日本内科学会雑誌
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73 巻, 8 号
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  • 高木 健太郎
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1111-1127
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 臨床への応用と展望
    高木 良三郎
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1128-1133
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 森 博愛
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1134-1139
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 副島 昭典, 長沢 俊彦
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1140-1148
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Sodio-m-cresol sulfonphtaleinyl-N-acetyl-β-D-glucosaminideを反応基質とする電気泳動による,尿中N-acetyl-β-D-glucosaminidase (NAG) isoenzymeの分画定量法を開発し,本法の基礎的検討を行なつた.その結果,満足すべきNAG isoenzymeの定量性と同時再現性が得られ,また方法が比較的簡便であるところから,同法は多数の検体を取り扱う日常検査への導入が充分可能なNAG isoenzymeの分画測定法であると考えられた.本法を用いた血清,尿,腎homogeneteのNAG isoenzyme測定成績の比較から,尿中NAGは腎組織由来で,病変のある糸球体においても血中よりNAGが尿中にleakする可能性はほとんどないものと推察された。一次性・二次性糸球体腎炎例および間質・尿細管病変例について尿中NAGをisoenzymeの面から検討し,尿中NAGの由来が尿細管上皮細胞のみならず,病変糸球体そのものにも由来する可能性を明らかにした.また糸球体病変群と間質・尿細管病変群との比較から尿中NAG isoenzyme Aは糸球体病変に, NAG isoenzyme Bは間質尿細管病変にそれぞれより高い相関を有するものと考えられた.
  • 猪狩 友行
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1149-1157
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,軽度の食塩摂取制限下にある軽症本態性高血圧症患者(EH)ならびに正常血圧対照者(NT)につき, 24時間尿中カリクレィン排泄量(UkalV)を比較し,さらに日常生活で経験しうる程度の食塩負荷に対するUkalVの変化を調べた.対象は金例入院患者であり, EH群21例, NT群12例の計33例である.入院後,食塩摂取量を6g/日とし,この条件下でUkalVを含む諸検査を行なつた.次いで5日間食塩摂取量を16g/日に増量し,この期間中のUkalVならびに24時間尿中電解質排泄量を測定した.カリクレインは合成基質を用いたエステラーゼ法および一部の症例では直接的放射免疫測定法によつても測定した.食塩6g/日下ではUkalVはNT, EH両群間に有意差を認めなかつた.食塩負荷3~5日目においてNT群では, UkalVはいずれの方法で測定した場合にも有意に増加し,尿中ナトリウム排泄量と正の相関関係を示した.一方, EH群では食塩負荷によりUka1Vは負荷前値が低下していた例では増加し,負荷前が高い例では減少する傾向があり,全体としては有意な変化を示さなかつた.この結果,負荷3~5日目のUkalV平均値はNT群に比してEH群で有意に低値であつた.本研究により本態性高血圧症患者の尿中カリクレイン排泄量の評価に際しては食塩摂取状態を考慮すべきであることが示唆された.
  • 外村 洋一
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1158-1169
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    WPW症候群36例のうち,心房心室回帰性頻拍(CMT)の合併13例(I群)と非合併23例(II群)において,心臓電気生理学的比較検討を行なつた.その結果, I群は次の3条件を全てみたした. (1) cycle length (CL) 400msec以下の右心室頻回刺激で副伝導路の1:1逆伝導は可能で,しかも逆行性副伝導路有効不応期(ERP-APR)は310msec以下である. (2)順行性副伝導路有効不応期(ERP-APA)より順行性房室結節有効不応期(ERP-AVNA)が短い. (3) CL 375msec以下の心房頻回刺激で房室結節の1:1伝導は可能で,しかもERP-AVNAは310msec以下である.これに対しII群では次の条件が一つ以上観察された. (1)副伝導路を介しての逆伝導は存在しない(3例)かまたは, ERP-APRが延長(≧350msec)している(4例). (2) ERP-AVNAよりERP-APAが短い(13例). (3) ERP-AVNAが延長(≧315msec)している(3例). II群の8例に硫酸アトロピン0.5mgを負荷すると4例に,同じくII群のl3例にプロカインアミド400mgと硫酸アトロピン0.5mgを負荷すると, 2例にCMTが誘発された.これらの6例は薬剤投与によりERP-AVNAの短縮,あるいはERP-APAの延長がおこり, I群の諸条件をみたすようになつていた.以上の結果より, WPW症候群におけるCMTの発生にはERP-APR, ERP-AVNA,そしてERP-APAとERP-AVNAの相対的関係が重要な役割を演じていると思われる.
  • 日下 大隆, 板橋 孝一, 鈴木 潤一, 竹内 守, 渡辺 尚吉, 黒田 練介, 若松 時夫, 山城 勝重, 三国 主税
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1170-1176
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Granulocytlc sarcomaは,顆粒球系幼若細胞から成る腫瘤形成を特徴とする疾患である.本疾患は骨髄性白血病患者剖検例の3~8%に認められると言われているが4)6),本症例のごとく腫瘤形成で初発し,初診時末梢血・骨髄において白血病の所見が認められず,約10カ月後に白血化した症例の報告は本邦ではまれである.このような症例では,診断に当つては, HE染色では“histiocytic” lymphomaに類似した像を示すので,鑑別のためには, (1) naphthol-ASD-chloroacetate esterase染色(2)細胞内リゾチームに対するimmunoperoxldase染色, (3)電顕などの検査が有効である1).また本症例は染色体核型分析において, 90, XXXX, del (1) (q32 q42), del (1) (q32 q42), t (9; ?) (p24; ?), -5, -14, -21, +marと低4倍体性を示したが, granulocytlc sarcomaにおいて4倍体域の染色体異常を示した最初の1例である.
  • 山田 宏治, 土肥 和紘, 高井 正秀, 藤井 謙裕, 花谷 正和, 石川 兵衞, 高瀬 俊夫, 福井 弘
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1177-1182
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    第IX因子活性の一過性低下を呈し,凝固抑制物質を検出しえた17才,女性の全身性エリテマトーデス(SLE)症例を経験した.患者は16才頃からレイノー現象と光線過敏症に気づいており,その後蝶形紅斑・発熱・鼻出血が出現し,奈良県立医科大学第一内科へ入院した.入院時検査成績では中等度の貧血と白血球減少が認められ,抗DNA抗体・抗核抗体・抗血小板抗体などがいずれも陽性ないし高値を示し,さらに血清補体価と細胞性免疫は減少ないし低下していた.加えてカオリン添加部分トロンボプラスチン時間(K-PTT)は中等度に延長し,血液凝固因子中第IX因子活性のみが40%に低下していた.血漿寒天内凝固法による凝固抑制物質の力価は血友病A inhlbitor血漿に換算すると20 Bethesda単位に相当した.現在のところ血友病以外に第IX因子に対する抑制物質の存在が推定された症例はきわめてまれで,われわれの調べた範囲でわずか26例にしかすぎない.その基礎疾患はおおむね自己免疫疾患で,そのうちSLEに合併した症例はわずか5例のみである.抑制因子の大部分はIgGに属する抗体とされているが,本例ではその免疫学的性状を明らかにしえなかつた.
  • 岡田 靖, 渡辺 乾, 梶原 英二, 辻 博, 村井 宏一郎, 赤木 公博, 小野山 薫, 尾前 照雄
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1189-1194
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    2症例とも38才の女性である.症例1は眼痛,症例2はてんかん治療のためcarbamazepine (CBZ)の投与を受けたところ,発熱,消化器症状とともにトランスアミナーゼ値の上昇がみられた.症例1ではCBZ少量再投与後,トランスアミナーゼ値の多峰性の上昇を認め,その正常化に約2ヵ月を要した.症例2は進行性の黄疸と意識障害を認め,劇症肝不全にて63病日目に死亡した.自験例に本邦および欧米の報告例17症例を加え,本症の臨床像を検討した.薬物投与開始3~4週後に発熱,黄疸,消化器症状を伴つて発症する症例が多い.発症機序としては, CBZまたはその代謝産物の直接作用および遅廷型アレルギー反応による機序が示唆される.組織学的には,最近, granulomatous hepatitisの報告がなされている.薬物中止後,多くは1週以内に臨床症状の消失を認めるが,遷延化例や死亡4例の報告がある. CBZ投与時には,十分な経過観察が必要と考えられた.
  • 佐々木 春喜, 田代 邦雄, 宮崎 保
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1195-1200
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Myotonic dystrophyは横紋筋の萎縮と強直を主徴とする遺伝性疾患である.近年横紋筋のみならず平滑筋における病変も注目されてきているが,巨大結腸症を合併した症例において切除結腸の組織学的所見を得ることができたので報告する.症例は腹痛を主訴とした30才の女性で,筋萎縮と筋力低下. percussion myotonia, grip myotonia,筋電図,筋生検よりmyotonic dystrophyと診断し,さらに注腸造影ではS状結腸から横行結腸までの巨大結腸症の所見を認めた.経過中,イレウスが出現しS状結腸捻転症の診断で手術を施行し,組織学的には肛門側断端部に近い部分の筋層,とくに内輪筋の一部に筋原線維の変性.空胞化,軽度のfibrosisが認められたが神経叢は正常だつた.巨大結腸症を合併したmyotonic dystrophyは本邦では報告がなく,若干の文献的考察を加え報告する.
  • 久保 進, 今村 俊之, 木下 真吾, 田川 秀樹, 福井 純, 古賀 秀隆, 原 耕平, 平湯 秀司, 和泉 元衛, 長瀧 重信
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1201-1208
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    褐色細胞腫の診断法として最近注目されている131I-metaiodobenzylguanidine (131I-MIBG)シンチを用いて診断しえた,異所性褐色細胞腫の1例を経験した.症例は54才,女性で,約12年前より高血圧を指摘されており,精査のため入院した. 32才と43才の時に甲状腺切除術をうけており, 43才の時の診断は乳頭腺癌であつた.入院時,血圧150/100mmHg.眼底scheie H2S2.腹部触診にて,臍のやや右下方に圧痛のある鶏卵大の腫瘤を触知した.入院中,著明な動揺性の高血圧を示し,頭痛,発汗,動悸を伴つていた.血中,尿中noradrenalineと尿中VMAの高値を認めた. 131I-アドステロールを用いた副腎シンチやCTスキャンでは,両側副腎には異常を認めなかつた. 131I-MIBGシンチでは,腹部腫瘤と同じ部位に131I-MIBGの集積を認め血管造影やCTスキャンでも腫瘤が確認された.当大学第一外科で摘出された腫瘍は, 46.5gで,組織診断はparagangliomaであつた. MIBGはnoradrenalineと同じpathwayを通つてカテコラミン貯蔵顆粒内に取込まれ,副腎原発例はいうまでもなく,異所性例,多発例,転移例などの局在診断の困難な褐色細胞腫の診断にも極めて有用であるとされている.本例は,甲状腺乳頭腺癌を合併していたが,このような例は本邦では3例の報告があるのみで極めてまれで,一般には偶然の合併と考えられている.
  • 青木 泰子, 中村 治雄, 榊原 謙
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1209-1216
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血液成分輸血が広く利用されるようになつてきた事実に関連して,血液ないし血液成分の輸血後に発生する移植片対宿主反応graft-versus-host reaction: GVHRが注目されてきた.これまでの症例は先天性ないし後天性の免疫不全症が背景にあり,免疫能が正常と思われる個体に輸血後GVHRが発症した報告はない本症例は66才の男性.腹部大動脈瘤,高血圧,痛風などがみられたが,免疫不全症を併発しやすい合併症はなく,経過中, lymphocytotoxic drugsは使用していない.腹部大動脈瘤の手術後,出血症状が出現, 7日間に13,000mlの輸血を施行された.最後の輸血日から6日後に高熱,引き続いて発疹,下痢,肝機能障害,骨髄低形成に基づく造血障害が出現し.発熱後6日目に死亡した.大量の輸血開始後12日目に臨床症状の出現, GVHRに高頻度にみられる一連の臨床像がみられたこと,骨髄生検組織像がGVHRの皮膚生検像に類似していることからGVHRと判断した.本症例では血液ならびに骨髄にlarge granular lymphocyteの増殖像がみられ,また,骨髄ではこの細胞群のcytotoxityを示唆する所見がえられた.輸血後GVHRでは低形成性骨髄像がみられると記載されているが, large granular lymphocyteが造血細胞を障害する像を詳細に観察できたのは本症例が第1例であると判断された.近年, immunosenescenceに関連した研究がされ,高令者リンパ球は同種リンパ球に対する反応力が低下すると言われ,本症例でもその病態が推測された.
  • 橋本 憲一, 赤川 志のぶ, 高清水 一善, 田村 厚久, 窪田 哲朗, 室田 直樹, 田ノ上 雅彦, 桃井 宏直, 光永 慶吉
    1984 年 73 巻 8 号 p. 1217-1221
    発行日: 1984/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Vincristineによる副作用として,末梢神経障害はしばしばみられる.しかし,中枢神経である視神経障害は極めて希れで,本邦では末だ報告をみない.今回,我々は, non-Hodgkinリンパ腫の多薬併用療法中, vincristineによると思われる視神経障害を来した1例を経験したので報告する.症例は43才,男性.昭和56年2月ブドウ膜炎にて発症,次いで,発熱,表在リンパ節腫大を来し,当初,サルコイドーシスとしてprednisoloneを投与され,一時下熱した.昭和57年7月より,再び38~39°Cの発熱,表在リンパ節腫大が出現,肝機能障害,胸水,腹水も加わり重症化した.頚部リンパ節生検の再検討によりlymphoepitheloid cellular lymphoma (Lennert's lymphoma)と診断, COPP療法にて下熱し,諸症状の改善をみた.しかし, 2クール目施行中に視力障害および末梢神経障害が出現.頭部CT,脳脊髄液,眼底,眼圧,いずれも正常で,視野の暗点拡大と後天性色覚異常あり. vincristineによる球後視神経障害を疑い,投与を中止したところ,次第に眼の自他覚症状は改善した.これらの経過から,悪性リンパ腫によるものとは考えられず, vincristineによる視神経障害と診断した. vincrlstineは主に胆汁より排泄されるとされ,本例においては,肝機能障害により本剤の神経毒性が増強されたものと思われる.
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