日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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73 巻, 9 号
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  • 三輪 史朗
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1269-1284
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 柳瀬 敏幸
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1285-1297
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 前川 正
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1298-1303
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 特に血漿レニン基質濃度,血漿レニン活性,血漿活性型および不活性型レニン濃度,活性型レニン比,血漿アルドステロン濃度に及ぼす加令の影響について
    角田 一男, 阿部 圭志, 後藤 敏和, 清野 正英, 保嶋 実, 千葉 知, 春山 敏明, 尾股 健, 佐藤 公, 田島 治郎, 吉永 馨
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1304-1309
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    正常血圧者(18~84才) 60人を対象として年代別5群に分類し,常食下早朝安静臥床空腹時における血漿レニン基質濃度,血漿レニン活性,血漿アルドステロン濃度,総レニン濃度,不活性型レニン濃度,活性型レニン濃度および活性型レニン比を測定し,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に及ぼす加令の影響を検討した.血漿レニン基質濃度測定では精製ヒトレニンを,不活性型レニンの活性化ではトリプシンを,レニン濃度の測定では羊レニン基質を用いて血漿レニン活性と同様に産生アンジオテンシンI量を放射免疫法で測定した.その結果血漿レニン活性,血漿アルドステロン濃度,活性型レニン濃度,活性型レニン比は加令との間に有意の負相関を認め,若年者に比して有意に老年者で低値を示した.また血漿レニン活性および活牲型レニン濃度と血漿アルドステロン濃度の間,血漿レニン活性と活性型レニン濃度の間において有意の正相関を認めた.しかし血漿レニン基質濃度,総レニン濃度,不活性型レニン濃度は加令変化を呈さなかつた.よつて加令に伴う血漿レニン活性の低下は血漿レニン基質濃度の減少によるのではなく活性型レニン濃度の低下による事,血漿アルドステロン濃度の低下は血漿レニン活性の減少による事,また全体としてのレエン産生は加令変化を示さないが,活性型レニンの分泌あるいは不活性型レニンの活性化において加令が何らかの影響を及ぼす可能性がある事,などが考えられた.
  • 斎藤 文子, 丸浜 喜亮
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1310-1316
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    検診で高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)が180mg/100ml以上を示した2名の男性の家系調査を行ない,発端者,配偶者,血縁者の血漿脂質,リポ蛋白,アポ蛋白を分析し,家系内での動脈硬化性疾患の発生状況,発端者の父母,祖父母世代の寿命,死因を検討した.これらの2家系は家族性高HDL血症のホモ接合体家系と考えられ,第1家系では2名のhomozygote carrier (homo)と8名のheterozygote carrier (hetero)が,第2家系では1名のhomoと4名のheteroの存在が認められ,その遺伝形式は,常染色体優性遺伝が示唆された. 3名のhomoは, HDL-Cが著明な高値を示す一方,低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)は低値であつた.超遠心法によるHDLの分析では, homoでは, HDL脂質が,総コレステロ一ル,トリグリセライド,リン脂質三者とも,ほぼ正常の比率で全体に増加しており,同様の傾向はheteroでも認められた. homoでは, HDL2-Cのみが正常の約5倍増加していたが, HDL3-Cは増加がみられなかつた.血漿アポ蛋白測定では,第1家系のhomo 2名ではアポA-I, A-IIの上昇は軽度であつたが,第2家系のhomoではアポA-I, A-IIとも著明に増加していた.またアポC-II, Eは両家系のhomo全員で著明に増加していた.両家系とも,両親,祖父母の世代に長寿の者が多数存在し,その死因も,聴取した限りにおいて,動脈硬化性疾患は少ないと推定され,高HDL血症と長寿の関係を支持する結果が得られた.
  • 橋本 浩三, 村上 和春, 服部 輝彦, 太田 善介
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1317-1324
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    合成CRF (1μg/kg)を正常人および視床下部,下垂体,副腎系疾患患者に静注し, CRF試験の有用性を検討した.健常者においては平均でACTHが30分, cortisolが60分にピークを示す反応が認められた.血中CRFの減衰曲線は2相性を示し第1相の半減期が10.3±1.0 (Mean±SEM)分,第2相のそれが55.5±6.1分であつた.活動性のCushing病患者ではACTH, cortiso1は過剰反応を示した.微小線腫摘出後も活動性を示した例ではやはり過剰反応を示したが,寛解例は正常反応を示した. Empty sella症候群やSheehan症候群ではACTHが遅延反応を示した.下垂体腺腫摘出後の下垂体機能低下症では無反応例,遅延反応例が認められた. ACTH単独欠損症3例中2例はACTH, cortisolが無反応であつたが, 1例ではACTHに軽度の反応が認められた. Addison病患者ではcortisoneによる補充療法中でも,血中ACTHの前値が尚高値を示す症例は過剰反応を示したが,前値が正常近く抑制されている例ではACTHは正常反応を示した.神経性食欲不振症の重症例ではACTH, cortisolの反応性は不良であつた.血漿prolactinは正常者,各種疾患で有意の上昇は認められなかつた.血漿GHは神経性食欲不振症で反応が認められたがその他は無反応を示した.全例において特記すべき副作用は認められなかつた.以上より合成CRF試験は視床下部,下垂体,副腎系疾患の診断や病態,治療効果の判定に有用な手段であることが示された.
  • 佐々木 悠, 筒 信隆, 浅野 喬, 山本 登士, 奥村 恂, 野口 志郎, 西谷 博一
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1325-1333
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦第1例目と考えられるAlbright's hereditary osteodystrophy (AHOと略)を合併した原発性副甲状腺機能亢進症(腺腫) (PHと略)の1例を経験したので,その概要を報告する.症例は22才,女性.断続的な上腹部痛,悪心を主訴に受診,消化管透視には異常なく, Albright微候に加え,血清Ca高値,血清P正常下限,血清alk-P-aseの増加を指摘され,精査のため入院した.理学的所見にて短躯・短頸,円形顔貌,知能障害,第IV中手,中足骨の短縮を認め,家系内にも類似の身体所見を有するものが2例存在し家族内発症が推定された.血中N, C末端iPTHの高値, Ellsworth-Howarn試験にて偽性副甲状腺機能低下症II型(Drezner)に相当する反応を認めたが,骨性alk-P-ase増加,副腎皮質ホルモン負荷に抵抗性の高Ca血症の持続,急速Ca負荷試験の成績に加えて,他に高Ca血症をきたす疾患を認め得ないことよりPHと診断,手術により単発性腺腫を確認した.赤血球膜N蛋白活性,染色体核型,血中1, 25 (OH)2ビタミンD3には異常を認めなかつた.術後,血清Caおよびalk-P-ase活性の低下,血清Pの上昇とともに, Ellsworth-Howard試験,急速Ca負荷試験の正常化, dbc-AMP負荷にてP再吸収率(%TRP)の低下が認められ,標的器管のPTH receptorには異常のないことが確認された.本例はBronskyの言う“pseudo-pseudohypohyperparathyroidism”に該当するきわめてまれな症例と考えられ, AHOと副甲状腺疾患の関連性を検討する上で,示唆に富む症例と考えられた.
  • 大森 みどり, 大澤 美貴雄, 三浦 明子, 北村 英子, 山根 清美, 竹内 恵, 小林 逸郎, 竹宮 敏子, 丸山 勝一, 磯崎 収, ...
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1334-1341
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    身体半側萎縮症と部分てんかんを合併したpachygyriaの1例を報告する.症例は34才,女.小児期より軽い跛行が出現し,左上下肢が右側に比し細く短いのを自覚していた.昭和50年より時々左身体抑制発作が出現.昭和58年2月妊娠中に同発作が頻回となり,突然左姿勢発作が出現し,てんかん重積状態となつたため入院.臨床所見として左身体半側萎縮を認めた.頭部CT,および脳血管撮影において,右Sylvius裂・弁蓋部の形成不全とともに,右prefrontalよりprecentral regionにかけて皮質・脳回の肥厚を認め,頭部dynamic CTにて肥厚部が皮質と同様の時間-吸収値曲線を示すことから他の健常な皮質と同質と推測し,同部位に限局したpachygyriaと診断した.また,身体の萎縮側で皮膚温低下.発汗低下.指尖容積脈波上中枢性の細動脈反応の低下があり,筋生検ではtype II atrophyを認めた.従来, pachygyriaの生前診断は困難とされていたが,近年CT技法の発達に伴い数例の報告がみられるようになり,本症例の如く頭部dynamic CTをも用いることで診断は可能となつた.合併症については,部分てんかんの責任病巣はpachygyriaの部位と一致した.本症例のtype II atrophyはpachygyriaによる錐体路起始部の障害と関連があると考えられ,一方,自律神経障害を介しpachygyriaが半側萎縮症の成因となつた可能性が示唆された.本症は,形態的な奇形であるpachygyriaに対応する機能障害を呈した貴重な症例と考えられる.
  • 磯久 一郎, 沼野 藤夫, 中條 やえ子, 松野 淳美, 矢島 途好, 前沢 秀憲
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1342-1346
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高安病の一卵性双生児例,家族内発症例などを契機にして,本症の遺伝要因が注目されるようになつてきた.今回我々は家族内発症姉妹例で姉妹が一緒に生活したのは妹が1才半になるまでのわずかの期間にすぎず,その後は全く異なつた環境に育ちながらも高安病が発症した症例を経験し, HLA抗原検索を行なつたが本姉妹共にBw52を認めなかつた.これらのことから本症例は,環境要因よりも遺伝要因が発症に強く作用していると推定され,しかもHLAsystem以外の遺伝要因が存在するという考え1)を支持するものと思われる.
  • 安田 正樹, 武内 操, 近藤 正士, 藤井 昌麻呂, 小西 得司, 須川 正宏, 浜田 正行, 中野 赳, 竹沢 英郎
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1347-1352
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    我々は,亜急性甲状腺炎に心内膜下梗塞を併発した2例を経験した.症状は, 57才女性および50才男性で,共に感冒様症状にて発症し,頻脈,頚部痛,強い炎症所見を呈し, T3・T4高値, 131Iおよび123I甲状腺シンチによる24時間摂取率低値等の甲状腺機能検査と併せて亜急性甲状腺炎と診断され,同時に胸痛発作を来し,血中酵素上昇,心電図変化等から,心内膜下梗塞と診断された.左室造影では, 2例共に下壁のakinesisを,又,冠動脈造影では,重症な硬化性病変を示した.我々の症例では,これら冠動脈硬化性病変の存在に加えて,亜急性甲状腺炎による急激な血行動態の変化も,心筋梗塞発症の最も大きな要因の一つとなつたと考えられた.甲状腺ホルモンは,心筋に対し,直接的なinotropic, chronotropic effectと二次的な交感神経系の機能亢進作用をもつが,その機序は明らかでない.しかし,これらの作用には, β受容体庶断薬は,実験的にも臨床的にも効果が認められる所であり,我々の症例においても著効を示した.
  • 甘 慶華, 里和 スミエ, 竹内 一郎, 加野 象次郎
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1353-1357
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近イオン選択電極法(ISE法)にて血清C1が251, 257, 169mEq/lと異常高値を呈した3症例を経験した.イオンクロマトアナライザーで陰イオン分析を行なうと高濃度のBrが検出されたことよりBrがCl測定系に干渉したものと思われた.さらにこの点についてプール血清にNaBrを加えて検討したところ, BrのClに対する応答選択比はISE法で15.03であり電量滴定法1.0に比してBrの干渉を非常に強く受けることが分かつた.ところでこの3症例はいずれもブロムワレリル尿素を含む大衆向け市販薬のSedes A錠を乱用しており,これがBr中毒の原因と考えられた.そこで健常人(男4,女3, 23~51才)にSedes A錠1日4錠, 8日間服用させたところ,前, 5日目, 9日目で血清Cl値106.8±2.5, 110.5±1.0, 112.8±2.5mEq/lと次第に上昇し,この際Brも0.1mEq/l以下, 0.38±0.19, 0.60±0.16mEq/lと増加した.以上の結果から次の如き結論を得た.すなわちISE法はCl測定に際しBrの干渉を最も強く受け測定法の弱点とされるが,この弱点がかえつてBr中毒発見の手がかりとなる利点もある.この際イオンクロマトアナライザーが診断確定に大きく役立つた. Sedes A錠は大衆向け鎮痛薬であり,乱用の結果潜在性のBr中毒患者はかなり多いと考えられ,臨床家はこの点に注意をもつと向けるべきであろう.
  • 今井 康陽, 姫野 誠一, 篠村 恭久, 黒島 俊夫, 南 雄三, 垂井 清一郎, 磯部 敬, 冨田 誠人
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1358-1363
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    著明な吸収障害,腸管運動の異常,無酸症を伴つた続発性アミロイド症の1例に高カロリー輸液を施行し,プレドニゾロンとdimethylsulfoxideを併用投与し,約1年後に症状の改善をみたので報告する.症例は50才の女性で7年以上にわたる慢性関節リウマチがあり,約2カ月間におよぶ下痢と腹部膨満感を主訴として当科へ入院した.入院時,著明な吸収試験の異常と無酸症を認めた.直腸生検を施行し, Congo red染色と抗アミロイド蛋白A血清を用いた組織化学染色によりAA型アミロイド症と診断した.入院後も下痢が持続し,鼓腸が著明で,経口摂取が不能となり,高カロリー輸液を開始した,以後下痢は軽快するも鼓腸は持続した.次に慢性関節リウマチに対しプレドニゾロンの投与を開始し,さらにアミロイドの沈着の軽減を目的としてdimethylsulfoxideをプレドニゾロンと併用投与した.その後,鼓腸も徐々に軽快し,経口摂取が可能となり,高カロリー輸液を中止し得た.経過を追つて施行した直腸生検で,アミロイド沈着の明らかな改善は認められなかつたが,入院時みられた吸収障害,腸管運動の異常,無酸症は著明に改善した.また, serum amyloid protein Aを経過を追つて測定したが,血沈CRPと相関した動きを示した.
  • 谷口 茂夫, 何 健邦, 東原 正明, 永田 直一, 牛尾 耕一, 米山 孝, 松原 修
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1364-1368
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    成人の溶血性尿毒症症候群で,剖検により典型的な両側腎皮質壊死を示した症例を経験したので報告する.症例は50才,女性.高血圧性脳内出血による意識障害を主訴に入院.血腫除去術により一時的な回復をみたが,その後痙〓重積状態より昏睡となつた.同時に細血管障害性溶血性貧血を伴つた急性腎不全がみられ,溶血性尿毒症症候群と診断された.計3回の人工透析を施行するも,呼吸状態悪化し,死亡した.剖検により,脳には大脳基底核および側頭葉を中心とした著明な出血巣と,テント切痕および小脳扁桃ヘルニアがみられた.腎は両側ともやや腫大し,広範な皮質壊死がみられた.成人の溶血性尿毒症症候群はまれな疾患で,本邦では数十例の報告をみるのみである.その腎病理学的所見は多彩であるが,典型例では両側腎皮質壊死をみるとされている.両側腎皮質壊死もまれな病態であり,特に成人溶血性尿毒症症候群に伴つた症例の報告は本邦では1例に過ぎない.我々の経験した症例の臨床経過および剖検所見は,溶血性尿毒症症候群並びに両側腎皮質壊死の一典型例として,それらの病因および病態生理を明らかにする上で貴重な症例と考えた.
  • 種市 幸二, 今野 孝彦, 芝木 秀俊
    1984 年 73 巻 9 号 p. 1369-1374
    発行日: 1984/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    橋本病を伴い,経過中腸閉塞を併発した多発性神経炎,内分泌症状を伴うplasma cell dyscrasia(高月病)を経験したので,リンパ節の免疫組織学的検索を含めて報告する.症例は38才,主婦.皮膚色素沈着,多発性神経炎,肝脾腫,腹水,浮腫,うつ血乳頭,リンパ節腫脹,低血圧,尿失禁,無月経,耐糖能障害,髄液蛋白細胞解離,免疫電気泳動でIgA, λにM-bowを示し,橋本病を伴つた高月病と診断した.副腎皮質ホルモン投与後,皮膚色素沈着をはじめとして臨床症状が快方に向かつていたが,突然腸閉塞を生じ,手術施行したが麻痺性であり,自律神経系検査,低血圧,尿失禁より高月病における自律神経障害と判断した.又,副腎皮質ホルモン投与によつては甲状腺機能は改善されず,甲状腺剤が有効であつた.リンパ節組織所見はCastlemanリンパ腫hyaline vascular typeでLeuシリーズのモノクローナル抗体による検索ではほぼ正常の細胞分布で反応性増殖を示した.
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