日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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74 巻 , 12 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 後藤 由夫
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1635-1651
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 粕谷 志郎, 平野 明人, 岩田 敬和, 浜野 博次, 恒川 次郎, 重村 元嗣, 島田 永子, 泉 清弥, 日置 敦巳
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1652-1657
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1983年~1984年の2年間に岐阜県-地方で経験した恙虫病9症例について,その感染経路,臨床経過,抗体価の推移などを検討し,以下の結論を得た. 1) 2年間を通して感染を受けた日付は, 10月20日~11月20日までの1カ月間に集中していた.また感染に至つた行為は山いも掘り,庭の手入れ等,土壌に接する行為であつた. 2)発熱,発疹,リンパ節腫脹に加え,刺しロが全例で確認できた.潜伏期間は4~12日であつた. 3)全例において肝機能検査および尿検査の異常値が認められた. 4)抗体価(蛍光抗体法)は初診時に陰性例もあつたが最高1: 320以上を示し, 1年を経過しても陽性であつた. 5)ミノサイクリン,リファンピシンにて全例完治した.
  • 勝又 伴栄, 岡部 治弥, 中 英男
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1658-1671
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性の虚血性小腸狭窄は極めて稀な疾患概念であり,我国では最近20年間で筆者らの症例を含めて3例の報告をみるに過ぎない.北里大学病院で経験した虚血性小腸狭窄の3手術例を臨床的および病理組織学的に検討した.臨床経過では発症から,慢性狭窄期への進展が速やかな点が特徴であつた. X線学的および病理組織学的特徴は,虚血性大腸炎の狭窄型と近似していたが,小腸病変では, (1)全周性潰瘍で線状潰瘍は少ない. (2)潰瘍辺縁の再生上皮に乏しく,瘢痕形成が稀である,などの相異点を認めた.この相異は循環障害の程度や組織反応の差によると思われ,本病変も虚血性大腸炎と同様に腸循環障害に基づく組織変化と考えられた.
  • 青木 泰子, 中澤 正樹, 阿部 帥, 小宮 正文
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1672-1681
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    形質細胞に鉄の蓄積する病態は1938年に記載されて以来,最近まであまり注目されていない.筆者らは過去4年間に骨髄を採取した800例中43例の陽性例を発見した.陽性例は再生不良性貧血, sideroblastic anemia等鉄利用の制約された骨髄障害例,および急性白血病等の寛解導入療法後の経過に証明された.陽性例は骨髄のsideroblastosisを伴うものが多く,血清鉄飽和指数,血清ferritinの著明な高値を示すものが過半を占め,骨髄のマクロファージの高度なhemosiderosisは約半数にみられたに過ぎなかつた.正常骨髄の形質細胞にtransferrin receptorをモノクローナル抗体OKT9を用いて証明しえたので,これらを総合して,形質細胞の鉄蓄積像は実質性鉄過剰病態と考察した.
  • 中西 信輔, 井上 純一, 野村 正博, 網岡 逸男, 石田 明, 柴田 醇, 前田 種雄, 赤木 笑入, 中川 昌壮
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1682-1686
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    チアノーゼを主訴とした精神発達遅延の患者を発端者とし,遺伝性メトヘモグロビン血症(以下遺伝性Met-Hb血症)の1家系を発見したので報告する.症例は22才,女.両親血族結婚.生下時よりチアノーゼあるも心肺異常なし. IQ 32.血色素吸光度曲線で630nmにMet-Hbのピークを認め20.9%と定量された.家族の検索でチアノーゼのない同胞1名は正常,両親はMet-Hb正常でNADH-ジアホラーゼ活性50%,患者とチアノーゼのある同胞2名はMet-Hb高値でNADH-ジアホラーゼ活性20%, GSSG-リダクターゼ活性50%であつた.遺伝性Met-Hb血症の報告は250例あるが精神発達遅延合併は12~16%にすぎず, NADH-ジアホラーゼとGSSGリダクターゼの活性低下はBianchi-Scarráの報告があるのみである.
  • 山下 昇史, 赤保内 良和, 平根 敏光, 千葉 進, 谷内 昭, 岩木 宏之
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1687-1691
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の心転移により右心室腔に腫瘤を形成し,その肺動脈弁口塞栓により急死した1例を経験した.症例は73才の女性で,左顎下リンパ節腫脹を主訴として入院した.リンパ節の吸引細胞診にて悪性リンパ腫が疑われ,また心エコーにより右心室流出路に心室中隔から連続した腫瘍の存在が明らかとなつたが,入院第8日目に急死した.剖検にて右心室には三尖弁下の心室中隔から肺動脈弁口に向かつて乳頭状に腫瘤が突出しているのが認められ,病理診断はB細胞型悪性リンパ腫であつた.本例は心エコーにより悪性リンパ腫の心転移が生前に診断可能であつたまれな症例である.
  • 村田 嘉彦, 平松 まき, 川尻 克彦, 小泉 博史, 佐藤 信英, 綱川 省三
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1692-1698
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は36才,男性.昭和50年6月に扁桃炎,関節痛と著明なASK高値を呈し, 53年3月には血痰,胸痛と胸部浸潤影を認めた.その後Behçet病の主症状が出現し胸部異常影の出没をくり返し, 58年2月には左肺動脈下幹の動脈瘤が合併し大量喀血を伴つた.この他血栓性静脈炎,脳幹部萎縮,回腸終末部の多発性潰瘍なども出現し, 58年10月敗血症で死亡した.病理解剖にて橋を中心とする神経Behçet病,血管Behçet病としての下大静脈閉塞と肺動脈病変を認めた.溶連菌感染後にBehçet病が発症した点はその病因を考える上で興味深く,また肺病変がBehçet病の主症状に先行した例はまれであり,貴重な1例と思われた.
  • 井上 実, 木村 時久, 松井 邦昭, 太田 耕造, 飯竹 一広, 庄司 優, 吉永 馨
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1699-1703
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性高Na血症の1例について,その血中ADHの動態を検討したので報告する.症例は68才,女性.昭和48年当科にて不完全型尿崩症の診断を受けcarbamazepineの投与を受けていた.昭和57年12月10日,軽度の意識障害のため当科外来を受診.著明な高Na血症を指摘され入院となつた.入院時渇感は低下し,血中および尿中ADHは,血漿浸透圧に比して低値であつた. Carter-Robbins testでは, ADH分泌の浸透圧閾値の高値へのresettingが認められた.以上の結果より,本症例は,渇感の低下, osmoreceptorの高値へのresettingおよびADHの産生低下により生じた本態性高Na血症と考えられた.
  • 中野 赳, 二神 康夫, 小西 得司, 竹沢 英郎
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1704-1708
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    66才,糖尿病,狭心症の男性で,四肢動脈および冠動脈にリング状の著明なCa沈着が認められたMönckeberg硬化症の1例を経験した. X線写真では上肢は肘関筋より末梢,下肢は股関節より末梢の動脈にリング状の著明なCa沈着が認められ,冠動脈では左前下行枝近位部と左回旋枝に一致してリング状のCa沈着が認められた. Mönckeberg硬化症において, Ca沈着部位は四肢末梢動脈特に下肢の動脈がほとんどであり,他の重要臓器への沈着はまれである.特に冠動脈に石灰化の認められた例は我々の調べた範囲では世界で1例の報告があるのみで,本例はきわめてまれな症例と思われ報告した.
  • 内田 三千彦, 津谷 寛, 加川 大三郎, 上田 孝典, 堂前 尚親, 中村 徹
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1709-1713
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Auer小体陽性低形成性白血病患者に新Ara-C誘導体, N4-palmitoyl-1-β-D-arabinofuranosyl-cytosine (PL-AC)を用いて完全寛解を得た.治療前骨髄生検標本では殆ど脂肪織におきかわり,正常細胞成分の著しい減少を示していたが, 113mg/m2のPL-ACを2コース投与したところ,骨髄液中芽球数が59%から1%に減少し,末梢血球数の完全な回復,骨髄組織の正常化を認め完全寛解と判定した.以後,同量のPL-ACによる強化療法を繰り返し完全寛解を維持している.本症例でPL-AC投与時のAra-C血中濃度を検討すると, Ara-C半減期は45.6分であり,有効なAra-C徐放剤であることが確認された.
  • 大西 祥平, 半田 俊之介, 秋山 英明, 谷正 人, 山崎 元, 中村 芳郎
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1714-1719
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    二重指示薬希釈法により肺血管外水分量を心疾患32例,すなわち冠動脈疾患20例,僧帽弁疾患11例,拡張型心筋症1例において測定した.さらに肺血管外水分量に対する硝酸薬の影響も検討した.肺血管外水分量は熱とICG平均循環時間の差と,心拍出量の積により求めた.肺うつ血群の肺血管外水分量は12.6±3.3ml/kgと正常肺血行動態群6.6±2.2ml/kgに比し大であつた(p<0.001).肺血管外水分量は肺動脈楔入圧および肺動脈平均圧と良い相関を示した(p<0.001).硝酸薬舌下後,肺うつ血群では肺動脈平均圧の約10mmHgの低下とともに肺血管外水分量も11.1±2.3から9.1±2.5ml/kgへ減少したが(p<0.01),正常肺血行動態群では変わらなかつた.
  • 隠岐 尚吾, 久野 昭太郎, 中尾 一和, 井村 裕夫, 遠藤 啓吾, 鳥塚 莞爾
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1720-1725
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    29才の女性.約10年前から悪心,嘔吐,冷感,頭痛等の発作が出現. 5年前尿糖陽性, 50gGTTで血糖前133, 60分111, 120分76mg/dlと前値から次第に低下する奇異な反応を呈した.今回,発作増悪のため来院. GTT前205, 30分200, 60分165, 120分142と再び奇異な反応を呈した.患者は検査時に気分が悪く,入院後,発作時には著明な高血圧を認めた.非発作時は正常であつた.血尿中catecholamine特にadrenalineが著増しており,この大量分泌発作によりGTT前に高血糖が出現し奇異な反応を呈したと思われた.腹部超音波, CT, MIBGシンチで右副腎腫瘍と診断,外科的に550gの腫瘍を摘出,自他覚症状は消失した.経過および診断の端緒が興味ある発作型褐色細胞腫と考え報告した.
  • 重本 憲一郎, 和田 浩治, 浜口 直樹, 平林 晃, 東井 俊二, 碓井 公治, 有田 美智子, 頼岡 徳在, 山木戸 道郎, 幡城 太郎
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1726-1731
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高IgM血症を伴う免疫不全症に膜性増殖性糸球体腎炎を合併した1症例を報告する.症例は41才,女性で,ネフローゼ症候群の精査目的にて昭和58年7月5日当科に入院.既往歴として幼少時より重篤な感染症あり.入院時,血清IgG 30mg/dl, IgA 10mg/dlと著減,一方IgMは2052mg/dlと著増していた.免疫電気泳動でpolyclonalな高IgM血症,骨髓像で形質細胞増加がみられない,末梢リンパ球のIgG, IgA産生能低下,細胞性免疫能は正常である事より,高IgM血症を伴う免疫不全症と診断した.さらに,腎生検にて膜性増殖性糸球体腎炎type Iの診断をえた.本症例の腎障害の発症には,血中IgM型immune complex高値である事より, IgM抗体によねimmune complex腎炎が推測された.
  • 高野 照夫, 清野 精彦, 藤井 裕之, 洪 基哲, 新田 隆, 遠藤 孝雄, 田中 啓治, 加藤 貴雄, 富田 勝, 秋元 成太, 早川 ...
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1732-1738
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    難治性心不全7例に対するextracorporeal ultrafiltration method (ECUM)の効果を検討した. ECUMによる除水量は1416.4±662.2mlで,平均肺動脈圧,肺毛細管圧,中心静脈圧はECUM施行前に比べ. ECUM後有意に低下した.また動脈血酸素分圧,血清creatinine, BUN, Na, K値はECUM前に比し, ECUM後有意に上昇したが,血清総蛋白量とalbuminは増加傾向を示すにとどまつた.さらに除水量とECUM前後の動脈血酸素分の差との間に有意の正の相関が認められた.なお対象の7例のうち3例が救命された.以上の結果, ECUMは種々の治療に抵抗する難治性心不全に対して有用な治療法であることが示された.
  • 土岡 由紀子, 土井 正男, 藤井 秀昭, 佐倉 英一郎, 橋本 正樹, 末田 隆, 湯浅 明, 松浦 秀夫, 梶山 梧朗, 梶原 博毅
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1739-1744
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Pseudoxanthoma elasticum (PXE)および眼底の網膜色素線条に冠動脈異常を合併したGrönblad-Strandberg症候群の1例を報告した.症例は19才,女性. 16才より難治性の前頚部皮疹が出現し,皮膚生検にて弾性線維の変性,膨化,断裂, Ca沈着を認め, PXEと診断した.心電図ではV1~3にQS patternを示し,左室造影にて前側壁および心尖部の壁運動低下を認めた.冠動脈造影にて左冠動脈のび漫性狭窄,壁不整,蛇行および後側壁枝の完全閉塞を示し,右冠動脈遠位部の壁不整,蛇行を認めた.右室心筋生検所見では心筋細胞内にグリコーゲン顆粒の沈着が目立つたが,著明な変化は認められず,冠動脈病変は比較的大型の冠動脈の器質的変化によると考えられた.
  • 藤咲 淳, 佐川 昭, 渡部 一郎, 谷村 一秀, 向井 正也, 清水 昌人, 沖 一郎, 大西 勝憲, 鈴木 邦治, 中川 昌一
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1745-1751
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    広範な解離性胸腹部大動脈瘤の発症をみたMarfan症候群の1例を発端者とし,常染色体優性遺伝により伝播したMarfan症候群の多発家系を発見した.発端者は35才,女性で,解離性大動脈瘤,水晶体脱臼, arachnodactylyをはじめとする様々な骨格異常を有していた.さらに家系調査により一卵性双生児例や,幼児のMarfan症候群例をも発見しえた.本症候群患者の家系調査は症状の顕性化していない患者を発見する可能性があり,合併症に対する早期の対策の上からも重要と思われる.また,本症候群の一卵性双生児例は本邦第1例目と思われ,文献的考察を加え報告する.
  • 足達 教, 田中 裕幸, 山下 良直, 緒方 雅彦, 寺澤 正壽, 古賀 義則, 戸嶋 裕徳
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1752-1758
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心房中隔欠損症に心尖部肥大型心筋症を合併した症例の右心内膜生検組織と,心尖肥厚部の術中採取組織を比較検討した.症例は55才,女性.主訴は心雑音と動悸.家族歴なし. 20才頃より動悸を自覚. 2音の固定性分裂, 3 LSBに駆出性収縮期雑音,不完全右脚ブロック,心カテにてO2 step upが認められ, ASDと診断された.加えて,心電図でV4~6のR波高電位とT陰性化,心エコー,左室造影にて心尖部の肥厚も認められ,心尖部肥大型心筋症を合併した症例と考えた.心生検組織は,肥大,錯綜配列ともに軽度であつたが,術中採取組織は,中等度の肥大,著明な錐綜配列を示し,心尖肥厚部には錯綜配列が限局している可能性が示唆された.
  • 木村 修, 今野 孝彦
    1985 年 74 巻 12 号 p. 1759-1762
    発行日: 1985/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    木村病は皮下に限局した好酸球性肉芽腫,掻痒性皮疹,末梢血好酸球増加,高IgE血症を臨床的特徴とする疾患と考えられているが,今回著者らは多臓器病変を呈した木村病を経験したので報告する.症例は57才,男性.全身倦怠感,両下腿皮疹,右耳介後部腫瘤を主訴として入院.尿蛋白陽性,末梢血で著明な好酸球増加, GOT, GPTの上昇,アルブミン減少, γ-グロブリン増加, IgE著増を認めた.右耳介後部腫瘤生検で,リンパ〓胞の増生,リンパ〓胞の中心には著明な好酸球浸潤を認め木村病と診断した.本邦において,木村病は200例を超えているが文献上,木村病と腎疾患合併は本症例を念めて7例のみであり, 5例は本症経過中に発生しており,木村病と腎疾患の関連を強く示唆する貴重な症例と思われた.
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