日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
74 巻, 6 号
選択された号の論文の30件中1~30を表示しています
  • 祖父江 逸郎
    1985 年 74 巻 6 号 p. 671-672
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 加藤 暎一
    1985 年 74 巻 6 号 p. 673-674
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 尿濃縮機構とバソプレシンの作用を中心として
    今井 正
    1985 年 74 巻 6 号 p. 675-680
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 清水 倉一
    1985 年 74 巻 6 号 p. 681-685
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 折田 義正
    1985 年 74 巻 6 号 p. 686-690
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 斉藤 寿一
    1985 年 74 巻 6 号 p. 691-695
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 小林 快三
    1985 年 74 巻 6 号 p. 696-697
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 杉野 信博
    1985 年 74 巻 6 号 p. 698-701
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 竹田 亮祐
    1985 年 74 巻 6 号 p. 702-707
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 猿田 享男
    1985 年 74 巻 6 号 p. 708-712
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 大野 丞二
    1985 年 74 巻 6 号 p. 713-714
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 深瀬 正晃, 藤田 拓男
    1985 年 74 巻 6 号 p. 715-719
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 富田 明夫
    1985 年 74 巻 6 号 p. 720-725
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 小椋 陽介
    1985 年 74 巻 6 号 p. 726-730
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 越川 昭三
    1985 年 74 巻 6 号 p. 731-732
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 越川 昭三
    1985 年 74 巻 6 号 p. 733-736
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 黒川 清
    1985 年 74 巻 6 号 p. 737-741
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 山林 一
    1985 年 74 巻 6 号 p. 742-746
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 本田 西男
    1985 年 74 巻 6 号 p. 747
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 吉田 雅治, 斉藤 元章, 辻 正人, 有村 義宏, 副島 昭典, 井上 明夫, 中林 公正, 北本 清, 長沢 俊彦
    1985 年 74 巻 6 号 p. 748-757
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近我々が経験した,母疾患であるSLEの発症と同時に,あるいは腎症が発現してから数年以上経過してから,急速に腎不全が進行して末期腎不全に陥つたループス腎炎(RPLN) 11例の臨床所見と検査所見の特徴について検討した.その結果,発症時から腎機能の低下が著しく, 1ヵ月以内に死亡した3例(Group I, hyperacute RPLN)と,約1ヵ月間のネフローゼ症候を経過してRPLNへ進行し,約1ヵ月後に腎外症状により死亡した3例(Group II, acute RPLN),および持続性蛋白尿ないし血尿の時期を1~3年経過した後に,短期間のネフローゼ症候を経てRPLNに進行した5例(Group III, accelerated RPLN)の3群に分類された.組織学的には,全例管内性増殖性病変と同時に,半月体形成腎炎の像を呈し,さらにGroup Iの3例は細動脈のフィブリノイド型血管炎を伴つていた.検査所見上,血清補体の著明な低下,血中免疫複合体(CIC)レベルの上昇および中~大分子量サイズのIC活性の存在,凝固線溶亢進状態との共通した特徴を示した.このような急激な経過をとらないようにするためには,検査所見の特徴から早期に本病型を診断し, SLEの免疫学的活動性を充分に抑制することが最も重要である.不幸にしてこのような状態を生じた場合には免疫抑制療法に抗凝固線溶療法を併用し,かつ適切な時期に透析治療を導入することが臨床上極めて重要と思われた.
  • 野村 周三
    1985 年 74 巻 6 号 p. 758-764
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    冠〓縮に果たすプロスタノイドの役割を研究するため, 21名の日本人異型狭心症患者および20名の労作性狭心症患者において冠静脈洞・上行大動脈で採血し血漿TX B2および6-keto PGFをradioimmumoassay法にて測定,対照群(冠動脈疾患を持たない群)13名の値と比較検討した.冠静脈洞血中TX B2値は対照群に比し労作性狭心症群で有意の高値(p<0.01)であつた.一方異型狭心症群のTX B2値は対照群に比し高値であつたが,有意の差を示すには至つていなかつた.しかし冠動脈造影上50%以上の狭窄病変を有する8例の異型狭心症群では, TX B2値は対照群より有意の高値(p<0.01)を示し,正常冠動脈もしくは50%未満の狭窄病変を有する異型狭心症群13例においてはTX B2値は対照群とほぼ同じ結果を示した.冠静脈洞および大動脈血中6-keto PGF値は異型狭心症群では対照群より低く,ことに正常冠動脈もしくは50%未満の器質的狭窄病変を有する異型狭心症群において,統計学的に有意(p<0.05)であつた.異型狭心症群では,エルゴノビン負荷により誘発された冠〓縮発作時および自然発作時のプロスタノイド値は特徴的変化を示さなかつた.以上の結果から,冠〓縮に際してみられるTX B2上昇は〓縮の結果によるものであり,むしろPGI2産生の低下が冠〓縮の原因としてより重要な要素であると考えられた.
  • 松島 英夫, 河合 直樹, 山本 秀平, 岡田 充弘, 林 博史, 外畑 巌
    1985 年 74 巻 6 号 p. 765-773
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    左室造影(LVG)を施行した陳旧性心筋梗塞患者52名を対象として,安静時における二次元201Tl心筋像(二次元心筋像)および201Tl心筋emission computed tomography (ECT)像のcircumferential profile解析を行ない,梗塞の部位および大きさの診断におけるECT定量解析の有用性を検討した.健常者の長軸および短軸ECT像より求めた正常下限profile curveをもとに判定した梗塞領域は, LVGにおける壁運動異常領域とよく一致し,二次元心筋像の定量解析よりも有意に診断感度および精度が向上した.短軸ECT像から求めた全左室心筋容積に対する梗塞領域容積の百分率(%infarct size)は, %ACS (percent abnormally contracting segment: LVGの拡張期左室全周長に対する無または奇異性収縮領域周囲長の比)との間に, r=0.74(p<0.0001)の有意な正相関を,またLVGより求めた左室駆出率との間にr=-0.53(p<0.0001)の有意な負相関を示した. 201Tl心筋ECT像のcircumferential profile解析は,陳旧性心筋梗塞の部位および大きさの診断において,客観的かつ信頼性の高い非観血的方法と結論された.
  • 川嶋 彰, 本郷 実, 松岡 健, 曽我 直子, 山田 博美, 大久保 信一, 平山 二郎, 藤井 忠重, 草間 昌三
    1985 年 74 巻 6 号 p. 774-779
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は59才の男性.長野県上水内郡出身で,兄弟2人がfamilial amyloid polyneuropathy (FAP)と診断されている.四肢遠位部のしびれ感,下腿の疼痛,インポテンツ,排尿困難などの症状を有し,心電図異常を指摘されて当科へ入院した.入院時現症は血圧96/60mmHg,脈拍66/分,整. IV音を聴取.肝,脾,腎は触知せず,浮腫はない.四肢遠位部に筋萎縮,筋力低下, paraesthesiaおよび解離性感覚障害を認める.胸部X線像上CTRは51%で,心電図は第1度房室ブロック,左軸偏位, V1-3でQS型を示す.心エコー図では心室中隔,左室後壁は著明に肥厚し,前者はgranular sparklingの像を呈した. Tc-99m-PYPシンチでは心筋,肝,甲状腺にびまん性かつ高度の集積が認められた.冠動脈造影上異常なく,心筋生検でアミロイド沈着を確認し, FAPと診断した. FAPにおける心筋シンチグラフィーの陽性所見は,これまでにKulaらの1例がみられるにすぎないまた,他のFAP自験例では集積は軽度であり,本例はきわめてまれな症例と思われる.
  • 河合 盛光, 津川 喜憲, 吉村 陽, 東福 要平, 黒田 満彦, 竹田 亮祐, 森 孝夫
    1985 年 74 巻 6 号 p. 780-785
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    緊急手術時の輸血後に,溶血性貧血,播種性血管内凝固症候群(DIC),急性腎不全(ARF)などを合併した症例を報告する.このような合併症のtriggerとなつた溶血の成因には, Diego b抗原(Dibと略)を欠くまれな血液型が関係し,高力価に各種の不規則抗体の出現を認めた.患者は26才,女性. 1976年初回(長女)分娩時に, 1単位の輸血をうけたが特に異常は無かつた.今回は2度目の妊娠で, 1983年6月22日,某病院で,卵管妊娠破裂の緊急手術をうけO型洗浄赤血球8単位の輸血をうけた.輸血直後よりチアノーゼ,発熱を認め, 23日には黄疸出現,貧血増強, 24日にはDIC, ARFの症状が出現した.このためヘパリンの投与や,透析を必要とし,回復には約20日間を要した. ABO血液型0型の患者は,まれなDiego(a+b-), Kidd(a-b+)などの血液型を有していた.第5病日の検査では,抗Dib抗体価×l024,抗Jka抗体価×512,抗(E+c)抗体価×4096であつたが, 133日後の検査ではこれらの力価の低下が認められた.前回の供血者に問題となる赤血球抗原の総てが認められたので,問題抗原の一部しか有しない長女妊娠時の母児感作よりも,前回輸血による潜在性感作状態の上に,今回の輸血が加わつたために,迅速型の強い合併症と,高力価の不規則抗体の出現に至つたものと理解した.今後輸血が必要な場合に備えて,回復後に患者の自家面液を1000ml採取し,凍結保存した.
  • 藤江 正雄, 古谷 雅子, 柳沢 英雄, 北條 義道, 江原 弘, 菅野 仁平, 石橋 浩明
    1985 年 74 巻 6 号 p. 786-789
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は42才,大酒家の男性である.アルコール多飲後,両下肢の腫脹・疼痛および無尿を主訴に発症し,翌日当院に入院した.入院時,両下肢に強い腫脹を認め,圧痕はなかつた.下肢の動脈は左右差なくよく触知でき,静脈の怒張圧痛もなかつた.神経学的には,下肢の筋力低下および腱反射低下を認めた.尿は赤褐色で,潜血3(+)にもかかわらず,沈渣に赤血球を認めなかつた.生化学的検査ではGOT 606IU/l, GPT 289IU/l, LDH1279IU/l, CPK 2269mU/ml, aldolase 120.5mU/mlと上昇し,尿中・血中のミオグロビンはともに500ng/m1以上と著増していた.また,高窒素血症,高カリウム血症もみられた.著しく上昇していたCPKは入院後比較的速やかに減少したが,無尿は各種利尿薬に反応せず,高窒素血症が続くため,血液透析を施行し,急性腎不全を脱した.第6病日に大腿四頭筋生検を施行したが,光顕・電顕ともに軽度の非特異的変化をみるのみであつた.ミオグロビン尿症は急激な骨格筋壊死により招来される病態であり,その原因は種々あげられるが, 1955年Hedらは,アルコールでも急性のミオグロビン尿症がおきることを報告した.以来,欧米での報告は多いが,本邦においては少なく,我々の知る限り重症な腎不全に至つた例はない.本症でしばしば問題にされる低カリウム血症は,本症例では認めず,むしろ腎不全による高カリウム血症がみられた.
  • 飯塚 利夫, 古谷 雅子, 山本 裕久, 河合 恭広, 金沢 紀雄, 神田 洋, 鈴木 忠, 村田 和彦
    1985 年 74 巻 6 号 p. 790-794
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心房細動,脳塞栓を合併した,本邦における最高令の三心房心の1例を報告する.症例は54才の男性で, 34才頃より労作時呼吸困難を自覚, 43才時心拡大と心房細動より僧帽弁狭窄症を疑われ精査を受けたが,原因は不明であつた. 51才時突然の意識消失,左半身不完全麻痺にて脳塞栓と診断された.昭和56年2月,労作時呼吸困難増悪のため入院.心尖部に拡張期雑音が聴取され,胸部X線像では心胸郭比59%で,左第3弓の直線化および右第2弓の突出を認めた.心電図は心房細動で,平均電気軸は-20°, V1誘導でrSR′パターンを認めた.断層心エコーにて左房内に異常隔壁エコーを認め,僧帽弁には異常は見られなかつた.左房造影像でも同様に左房内隔壁を認め,肺静脈はすべて隔壁上部のaccessory chamberに流入していた.又,心内短絡の合併は認めなかつた.以上よりclassic cor triatriatumと診断し,左房内隔壁切除が行なわれた.隔壁には大きさ約1cm2の交通孔が左心耳直上に認められた.これまでの本邦報告37例のうち,本症例は最高令であり,又脳塞栓合併の報告は他に見られていない.
  • 大島 充一, 塩原 保彦, 浅野 真, 青木 功, 外山 圭助
    1985 年 74 巻 6 号 p. 795-798
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多形核好中球にAuer小体を認めた急性骨髄性白血病(FAB分類M2)の1例を報告する.患者は, 37才,男性.建築業で, 3週間続いた発熱を主訴に荻窪病院に入院した.入院時,白血球6300/cmmで,芽球5.5%,前骨髄球1.5%,好中球28%を認めた.骨髄は芽球,前骨髄球にて占められていた.白血病細胞の細胞化学所見よりM2と診断した.末梢血や骨髄の芽球および多形核好中球にAuer小体を有する細胞を認めた.電子顕微鏡的検索では, Auer小体を有する好中球では,二次顆粒が全く欠如している事が明らかになつた.これらの所見より,この細胞が白血病クローン由来である事を示すものと考えられる.
  • 名村 正伸, 布田 伸一, 多賀 邦章, 元田 憲, 竹田 亮祐, 岡田 仁克
    1985 年 74 巻 6 号 p. 799-807
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は65才,女性.慢性気管支炎・気管支拡張症・低ガンマグロブリン血症の診断にて, 64才より某院にて治療を受けていたが,両下肢,顔面の浮腫が出現したため,当科に入院した.入院時,著明な心拡大が認められ,心膜穿刺により約700mlの血性心膜液が得られた. CTスキャンでは,心膜腔内への侵入を伴う直径10cm以上の腫瘍を前縦隔に認め,生検組織像および浸潤性より悪性胸腺腫と診断した.悪性胸腺腫に伴つて大量の心膜液貯留が認められた例は,これまで数例しか報告されておらず,まれなものと考えられた.免疫学的検索では,膜表面に免疫グロブリンを有するB cellの著減と同時に, suppressor T cellの増加およびリンパ球幼若化試験における細胞性免疫能の低下が認められた.また,患者血清内のthymopoietin 5活性の上昇が認められ,このような体液性因子により誘発された免疫異常の可能性も示唆された. 60Co照射により,腫瘍は著明に縮小したが,低ガンマグロブリン血症は改善されず,全身性巨細胞封入体ウイルス感染症を併発して死亡した.このように,低ガンマグロブリン血症を伴つた胸腺腫例で巨細胞封入体ウイルス感染症が明らかになつた症例は,これまで5例の報告しかなく,極めてまれである.低ガンマグロブリン血症を伴つた胸腺腫例において,本例でも認められたごとく細胞性免疫能の異常が指摘されており,今後,注意を要すると考えられた.
  • 朴 英薫, 加納 正, 西田 修, 吉田 弥太郎, 大熊 稔, 内野 治人, 三宅 健夫, 光野 重根, 小林 展章
    1985 年 74 巻 6 号 p. 808-812
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Creatinine phosphokinase (CPK)の異常,すなわち著明なMB isoenzymeとmacro CPKを認めた多発性筋炎(PM)に腸閉塞様症状ならびに腸管〓腫様気腫(PCI)を合併し,高圧酸素療法により改善した1症例を経験したので報告する.症例: 76才,女性,多発性筋炎と1981年5月に診断.ステロイド投与により改善,経過観察中1982年3月,腹部膨満感,嘔吐が出現.腸閉塞の診断で本院第二外科へ入院.諸検査にて機械的閉塞部位は証明されず, PMとの関係精査のため第一内科入院.四肢筋萎縮以外理学的に異常所見なし.検査では, CPK, LDHが軽度上昇していたが, GOT, GPT,尿中creatine量, creatine indexは正常値であつた.腸閉塞様症状時の腹部単純X線写真では小腸壁に著明なガス像がみられ,小腸造影でも空腸壁に明らかな壁内ガス像を確認した.以上より腸管〓腫様気腫(PCI)と診断した.腹部CT scanによつても腸壁のガス像が描出された.高圧酵素療法により,小腸ガス像は減少し,諸症状も改善した. PMに消化管病変を合併することはまれで,膠原病では強皮症(PSS)によるものが多いまたPCIの合併もPSSでは報告されているがPMでは殆ど報告されていない.このようなまれな症例に,高圧酸素療法を施行し,症状に改善を認め,さらにその小腸壁ガス像の変化をCT scanにより比較検討できた報告は,他にはなく,同様症例の累積,検討が期待されるところである.
  • 厨 直美, 木下 直子, 横山 直方, 福田 孝昭, 江口 勝美, 辻畑 光宏, 三宅 清兵衛, 長瀧 重信
    1985 年 74 巻 6 号 p. 813-818
    発行日: 1985/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    皮膚筋炎に横紋筋肉腫を合併した本邦第1例と思われる症例を報告する.症例は51才,男性.昭和52年から顔面に蝶形様紅斑が出没,昭和54年7月右殿部皮下硬結および40°C発熱が一過性に出現.昭和55年6月再び同部に皮下硬結, 8月37°C台の発熱,四肢筋力低下および筋肉痛,嚥下障害等が出現し9月当科に入院した.現症:顔面に蝶形様紅斑,右殿部に皮下硬結あり.近位筋優位の筋肉痛・筋力低下を認めた.検査成績は,血沈の亢進,筋逸脱酵素(GOT, LDH, CPK)の上昇,筋電図で混合性,上腕二頭筋の生検でmyopathy,皮下硬結生検像にて皮下脂肪織炎の所見を得た.以上より皮下脂肪織炎を伴つた皮膚筋炎と診断した.悪性腫瘍の検索では皮下脂肪織炎の部位に一致して,骨盤部CT像にて肥厚を, 201Tl腫瘍シンチにてRI集積像を認めたが,他に異常はなかつた.入院後prednisoloneにて筋力低下,皮下硬結ともに改善して12月中旬退院した.しかし翌年1月には右殿部皮下硬結は再び増大, 3月には右下腿に浮腫が出現し増強したため4月再入院した.血管系の閉塞は99mTc-HSA RIアンギオグラムでは認めなかつた. 67Ga腫瘍シンチでは右殿部のRI集積像は今回は皮下脂肪織炎の範囲より大きかつた.皮下脂肪織炎は背部および腹部へ拡大,浮腫も両下肢,背部へと広がり, 6月死亡した.剖検の結果は,骨盤内右側に後腹膜より発生した多形性横紋筋肉腫があり,左右の総腸骨静脈および下大静脈を圧迫し狭窄していた.一方,皮下脂肪織炎はWeber-Christian病の亜型と考えた.
feedback
Top