日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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75 巻 , 12 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
  • 武内 重五郎
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1703-1705
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 藤岡 成徳
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1706-1710
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    真性多血症5例と正常対照129例について全血液粘度,血漿粘度を回転式粘度計にて37°Cで測定した.真性多血症の全血液粘度は男女,各ずり速度でおのおのの対照より有意に高値であつた.血漿粘度は差がなかつた.全血液粘度が特に高値な脳血栓既往例を含む3例について潟血療法を施行し,その前後で全血液粘度の変化を検討した. 500g潟血と500ml輸液後,全血液粘度は正常範囲まで低下した. 200g潟血と200ml輸液では正常値まで低下せず,また500g潟血のみでも直後の粘度はあまり変化しなかつた. 1例で経過を追って全血液粘度と潟血効果を観察したが,真性多血症の死因で最も重要な脳血栓の予防に全血液粘度測定は有用であると考えられた.
  • 御厨 美昭, 松本 悠輝, 矢野 庄司, 片岡 一, 那須 勝, 神崎 維康
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1711-1716
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患に対する亜硝酸剤の急性効果を冠動脈造影所見より検討した.冠動脈造影を施行した92例を正常群,軽度冠狭窄群,高度冠狭窄群の3群に分け, control撮影と亜硝酸剤投与後の冠動脈内径を測定した. 32例では亜硝酸剤投与前後で大動脈圧,左室拡張期圧を測定した.冠動脈内径は亜硝酸剤投与により, collateralによつて造影される血管,高度冠狭窄末梢部,軽度冠狭窄末梢部の順で拡張した.又,亜硝酸剤により左室拡張期圧は有意に低下し,結果として冠灌流圧は上昇する例が多く認められた.以上の結果から亜硝酸剤は虚血部冠血流量を増大させる事が示唆され,この事が狭心発作寛解に大きく寄与しているものと考えられた.
  • 小川 政史
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1717-1722
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    某企業健康男子従業員264名を対象とし,食事性因子と血圧との相互関係を検討した.ナトリウム(Na),カリウム(K),尿素窒素(UN),無機硫酸(SO4)の24時間尿中排泄量を夜間尿(起床時第一尿)を用いて推測する方法を応用し,検診時に全員の夜間尿を採取した. Na/クレアチニン(Cr), K/Cr, UN/Cr, SO4/Cr, Na/K, SO4/UNと血圧との関係を重回帰分析により検討したところ,年令,肥満度以外に尿のSO4/UN, K/Cr, SO4/Cr比の順に血圧の下降に関連していた. 264名という職域小集団においてさえ, Kと動物性蛋白質摂取量が血圧と負の関連を示した.
  • 河野 通史, 佐藤 幹弥, 松山 隆治, 宮田 亮
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1723-1729
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    鎮痛下熱薬喘息29例につき臨床的特徴を検討した.男性10例,女性19例で女性に多く,中年発症で遺伝的素因をもたない傾向があつた.合併症としては,鼻炎19例,鼻ポリープ9例と鼻疾患がめだつた.一般抗原による皮内反応は,約50%が陽性であり,大多数はカンジダなど真菌類で, RASTは陰性であった. 27例が通年性で, 26例が重症例, 24例がステロイド依存性であつた. 2年以上経過を追求した19例中5例の軽快例は,金療法あるいは抗アレルギー薬使用例であつた.誘発試験では,スルピリン吸入試験が最良と思われた.本症は,酸性非ステロイド性抗炎症薬以外にも各種添加物でも誘発されることがあり,留意すべきである.
  • 三羽 邦久, 松山 文男, 後藤 雅博, 原 晃, 中村 徹
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1730-1734
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は71才男性で安静時の胸痛発作にて緊急入院した.心電図上II, III, aVFでST上昇が見られたが-過性で,血中諸酵素値の上昇は認められず,異型狭心症と診断した.本症例に冠動脈造影を行ないJudkinsカテーテルより右冠動脈内にアセチルコリン20μgを注入した所,胸痛発作が出現し,徐脈となり,心電図上II, III, aVFでST上昇が認められた.この時冠動脈造影にて右冠動脈に強度の冠〓縮を認めた.ニトログリセリン投与後,右冠動脈は拡張し,有意な器質的狭窄が見られなかつた.アセチルコリンは冠動脈平滑筋内のムスカリン受容体に作用し,冠〓縮を起こしたものと考えられ,副交感神経系と冠〓縮との直接の関連が示唆された.
  • 佐竹 以久子, 前田 正人, 小山 恒, 青柳 愛孝, 坂本 龍, 金山 正明
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1735-1740
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ルポイド肝炎に先天性第XI因子欠乏症と橋本病を合併し,経過中に循環抗凝血素が出現したと考えられる症例を経験した.症例は69才,女性.鼻出血の止血困難を主訴とし,肝機能異常,全血凝固時間と活性化部分卜ロンボプラスチン時間(APTT)の延長,甲状腺機能低下,各種自己抗体陽性所見が認められた.第XI因子活性は4.8%と著明な低値を示した.入院後, LE細胞陽性化に続いて肝胆道系酵素の上昇,内因系凝固因子活性の低下が観察され,循環抗凝血素の存在が確認された.プレドニゾロン投与後循環抗凝血素は消失したが,第XI因子活性低値は持続した,娘に第XI因子活性の低値が観察されたことから,第XI因子欠乏症は先天性であると考えられた.
  • 斎藤 文雄, 吉見 宏樹, 下崎 芳里, 石井 達男, 阿部 仁, 出口 不二夫, 木村 玄次郎, 小嶋 俊一, 横内 正利, 倉持 衛夫, ...
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1741-1745
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    褐色細胞腫の1例において, 1日食塩摂取量を増減し,高塩期および低塩期において尿中ノルエピネフリン(U-NE),尿中エピネフリン(U-E)の1日排泄量を測定した.又各期で生食点滴静注(1l/2hours),フロセマイド40mg静注負荷を行ない,それぞれ血漿ノルエピネフリン(P-NE),血漿エピネフリン(P-E)および血圧を経時的に測定した. U-NEは高塩期787±94ug/日に比し,低塩期1520±336μg/日と高値を呈した.生食負荷により, P-NEは低下した(低塩期では負荷前4741pg/ml,後120分値1854pg/m1).フロセマイドにより血圧, P-NEは低塩期で著明に上昇した.以上より,褐色細胞腫患者においても, Naおよび体液量の変化に対し,尿中および血中カテコールアミンはよく反応することが示唆された.
  • 海渡 健, 藤巻 博, 松尾 敏一, 下条 貞友, 酒井 紀, 宮原 正
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1746-1750
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    著明なチアノーゼ,多血症を伴いながら, 23年間生存した完全大血管転位症(TGA)を経験した.症例は右不全片麻痺,失語を主訴とし,多血症(Ht 75%)による脳血栓が疑われ,入院時血小板減少や高度蛋白尿などを合併していた.潟血,脳圧降下薬投与を行なつていたが,脳ヘルニアを併発し死亡した.剖検ではASD, VSDを伴うTGA III型,肺動脈弁の疣ぜい状石灰化,直径約50mmの脳膿瘍,腎糸球体の結節状硬化病変などが認められた. TGAの予後は極めて不良で,非手術例では生後1年以内に約90%が死亡すると言われている.本例は長期生存し,臨床的に興味ある病像を合併していたので,これらの問題点を考察した.
  • 竹内 素志, 銕 寛之, 山田 重信, 藤野 基博, 南地 克美, 吉田 浩, 山本 信一郎, 小川 恭一, 猪股 工矣
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1751-1755
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    左冠動脈主幹部完全閉塞をきたした急性心筋梗塞に対し, PTCAに引き続き緊急CABGを施行し救命し得た1例を経験した.症例は56才,男性.発症10日前から労作時に前胸部痛が出現,昭和60年6月15日急性心筋梗塞にて入院した.直ちに冠動脈造影を施行し左冠動脈主幹部の完全閉塞を確認した.造影直後より心原性ショックに陥つたため, IABP下にPTCR, PTCAを施行し,一時的に再開通が得られたが再閉塞をきたした.その後repeat PTCAにもかかわらず閉塞を繰り返したため,引き続き緊急CABGを行ない,血行動態の改善が得られた.本例はIABP, PTCAおよび緊急CABGのいずれが欠けても救命できず,これらの積極的な治療法が奏効したものと考えられた.
  • 北 義人, 川東 正範, 中林 肇, 竹田 亮祐, 臼倉 教臣, 波佐谷 兼綱
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1756-1763
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は61才,女性. 59才より恥毛脱落と全身倦怠感,耐寒性低下あり, CT上下垂体小腫瘍を,脳血管写上トルコ鞍上巨大動脈瘤を認めた.内分泌学的に,血漿ACTHとコルチゾール(F)は低値で低血糖に無反応,リジン-8-バゾプレッシンとCRFに反応した. T3, T4, TSHは低値でTRHに反応し, LH, FSHはLH-RH連続投与に反応した. GHは低値でアルギニンと低血糖に無反応で, GRFに反応した.血漿PRLは>300~154ng/mlと高値であつた.トルコ鞍上動脈瘤クリッピング術後PRLは20ng/mlに著減し, F, LH, FSH, T3 T4等は上昇した.これより,本例の下垂体機能低下症と高PRL血症は,動脈瘤の視床下部下垂体茎の圧迫に起因したと考えられ,また下垂体小腫瘍も合併した点で興味深い.
  • 飯塚 孝, 金沢 紀雄, 竹内 秀夫, 北村 諭
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1764-1768
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症を合併した胸腺脂肪腫は極めて希な疾患であり1978年Reintgenらと1982年0ttoらによつて報告されているにすぎない.今回著者らは摘出術にて,大きさ25×30×3cm3,重量805gに及ぶ巨大な胸線脂肪腫を伴う重症筋無力症の1例を経験したので報告する.症例は48才,女性で,随意筋の易疲労生,嚥下障害,呼吸困難を主訴に当科入院した.術前に胸部X線像,胸部CTスキャン像などより前縦隔内の脂肪腫と診断したが,摘出術にて組織学的に胸腺脂肪腫と診断しえた.術後上記症状は軽快し,検査所見上も肺機能や抗Ach受容体抗体の著明な改善がみられた.本例のように重量805gに及ぶ巨大な胸腺脂肪腫を伴う重症筋無力症は非常にまれな症例と考えられる.
  • 森脇 優司, 山本 徹也, 高橋 澄夫, 中野 隆仁, 安室 芳樹, 波田 寿一, 東野 一彌
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1769-1773
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    低尿酸血症を呈した原発性肝癌の1例を報告する.患者は, 34才,男性.全身倦怠感,右季肋部痛を主訴に入院.入院後低尿酸血症が発見され,尿酸代謝動態における諸検査結果より,腎性低尿酸塩血症と診断した.腎における尿酸輸送の障害はbenzbromarone, pyrazinamide負荷試験の結果より,少なくともenhanced secretionの関与したtubulopathyと考えられ,さらに黄疸の存在が低尿酸血症を助長しているものと推測された.一方,低尿酸血症を肝癌のparaneoplastic syndromeの一つと考えうるか否かは,疑問の余地はあるが,本症例はこの点においても興味深いと考えられた.
  • 佐藤 清隆, 小口 寿夫, 遠藤 良平, 小池 清一, 佐々木 康之, 古田 精市
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1774-1780
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は59才の男性.昭和58年10月心タンポナーデにて第1回入院時に,網膜,腎に過誤腫を伴う結節性硬化症と診断され,心膜穿刺にて心症状軽快し11月退院. 59年5月より再び心陰影の拡大認め, 8月第2回入院.胸部CTにて腫瘍が上縦隔内より,大動脈にそつて連続的に右房,右室側の心腰腔内に認められた.腫瘍の急速な増殖より心膜の悪性腫瘍が疑われ,放射線療法を行なつたが,悪液質と肺炎合併にて60年1月永眠.剖検にて,大脳,皮膚,網模,腎に過誤腫を認め,上縦隔内および心膜内腫瘍は,心膜原発中皮腫と診断された.結節性硬化症に伴う,心膜原発中皮腫の合併例は,本邦では本例が初めてであると思われ報告する.
  • 五十棲 一男, 後藤 文男, 福内 靖男, 厚東 篤生, 田中 耕太郎
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1787-1793
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    周期性四肢麻痺を主訴とするSjögren症候群の1例を経験したので報告する.症例は48才,女性.四肢麻痺状態で入院. CPK正常,低K血症より周期性四肢麻痺が考えられ,高CI性代謝性アシドーシス,アルカリ尿より,遠位尿細管性アシドーシスが明らかとなつた.電解質補正により筋力は正常に復したが,その後の精査でSjögren症候群(sicca complex)が確診された.周期性四肢麻痺を前景にしたSjögren症候群は従来その存在が注目されていないが,文献的考察によりSjögren症候群における周期性四肢麻痺の出現率は2.6%,また,周期性四肢麻痺を呈するSjögren症候群の92%はsicca complexであると算定された.
  • 城市 貴史, 亀谷 雅洋, 本田 英比古, 友成 治夫, 野田 豊, 下条 貞友, 小椋 陽介, 宮原 正
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1794-1798
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    弁置換術を契機とし急速にakinesia, kinésie paradoxaleが出現し, L-DOPAが無効であつた症例を経験した.症例は47才,男性. 35才時僧帽弁置換術を施行.術後ショック状態となり,意識障害持続.意識清明化と共に著明なakinesiaが出現した.神経学的にはakinesia, kinésie paradoxaleの他に左手のdystonic postureと両側錐体路徴候を認めた. CTでは両側淡蒼球に石灰化を認めた.神経症候学的に本例はpure akinesiaに類似する一方, CO中毒後のakinesia, kinésie paradoxaleにも類似する面も有していた. akinesiaおよびkinésie paradoxaleの発症機構として,いくつかの責任病巣が考えられるが,本例はCO中毒後のそれに類似しており,病巣として淡蒼球が推定された.
  • 倉持 公博, 清水 完悦, 林 荘太郎, 遠山 博, 露崎 輝夫, 木川田 隆一
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1805-1810
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    蕁麻疹に伴い急性心膜炎を発症した44才の女性. 23才より約3年に1度の割で,皮疹,発熱,筋肉痛を繰り返していた.今回同様の症状が出現したため,精査入院した.皮疹,発熱は抗生物質,抗炎症薬に全く反応せず,入院第11日より胸背部痛,心拡大,血性心膜液貯留が出現し,急性心膜炎を併発した.皮膚生検で組織学的に蕁麻疹の診断をえたことから, allergic pericarditisと診断し,ステロイド治療を開始したところ,臨床症状と心膜炎の著明な改善を認めた.この疾患は, 1961年Rogenらが,蕁麻疹に胸痛,非特異的心電図変化を伴うものとして報告して以来,本例は世界で6例目にすぎず,貴重な1例と考えられた.
  • 寒川 昌信, 忠岡 信一郎, 藤原 武, 中村 節, 和田 佳文, 米田 元穂, 原田 頼続, 長谷川 浩一, 鼠尾 祥三, 沢山 俊民
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1811-1815
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    患者は64才,男性.健康診断で心室期外収縮を指摘されて来院.側壁領域に心室瘤類似のドーム状ST上昇を伴う異常Q波があり,精査目的で入院した. 201Tl心筋シンチグラムでは心尖部を中心に広範囲の欠損像を,左室造影では内腔の拡大, diffuse hypokinesis, apical dyskinesisを認め駆出率は16%と著明に低下していた.冠動脈造影では,有意狭窄はなく,持続性ST上昇を示す拡張型心筋症と診断した.本例のドーム状ST上昇の成因は,重症の貫壁性心筋障害とそれに基づく左窒asynergyによるものと推測された.以上より,心室瘤と類似する心電図の鑑別診断に拡張型心筋症も考慮する必要があると思われた.
  • 佐内 透, 力武 修, 酒見 隆信, 近藤 成美, 山口 雅也, 吉河 康二
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1816-1821
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    敗血症,ショック, DICおよび壊死性筋膜炎を呈し早期のdebridementにより軽快したVibrio vulnificus感染症例を報告する.患者は佐賀県在住の54才男性で基礎疾患として肝障害がある.盛夏左下腿の腫脹,疼痛が生じ高熱を伴つて増悪し,抗生物質投与にも拘らずショック状態となり当院に入院した.血液培養にてVibrio vu1nificusが検出された.強力な内科的治療にも拘らずDICは軽快せず,左下腿の腫脹および疼痛は増強し水疱も生じた為,壊死性筋膜炎の診断のもとにdebridementを施行したところ臨床所見の著明な改善をみた.本邦報告例の特徴は敗血症例が多い,中年以降発症,西日本の夏に多い,そして皮膚病変を呈するものは予後が悪い事である.
  • 高崎 泉, 塩之 入洋, 安田 元, 宮崎 直道, 広戸 誠治, 金子 好宏
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1822-1828
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腰痛・上腹部痛・食欲不振を訴え,高血圧・糖尿病・肥満を合併する50才女性の腹部CT scanにて,偶然両側副腎に腫瘤を認めた.内分泌学的検索にて副腎機能に異常を認めず,両側性内分泌非活性副腎皮質腺腫と診断した.合併する胆石症の手術時に腺腫を摘出し,組織学的にも上記診断を確認した.内分泌学的検索の施行された内分泌非活性副腎皮質腺腫の報告は少なく,本症例が本邦第20例目であり,両側性の報告としては第1例目である.本症例はCT scanの発達・普及により報告が増加しつつあるincidentaloma(偶然発見された腫瘤)の1例であり,主に副腎皮質癌との鑑別が重要であるが,小さいものでは原則として摘除せず,内科的に経過を観察する.
  • 立花 久大, 西岡 安弘, 鈴木 秀人, 杉田 實
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1829-1835
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    患者は43才,女性. 38才時左下腿部しびれ感と疼痛発作,明所での羞明が出現. 40才時しびれ感は両下肢,両手指に拡大し,左下肢の疼痛発作はさらに増強した.昭和60年3月(42才)しびれ感の増強,発熱を伴う激しい両下肢痛のため入院.筋力低下は下肢にごく軽度みられたのみで,手指および両下肢末梢優位に著明な知覚低下を認めた.検査上血沈の著明な亢進, γ-グロブリン, IgGの上昇,抗核抗体強陽性,抗DNA抗体疑陽性, RA-test陽性等の異常を認めた.ステロイド投与後免疫学的異常の改善を得たが知覚障害はむしろ進行性である.以上免疫学的異常を伴う知覚性ニューロパチーの1例を報告し,その疾患概念について文献的考察を加えた.
  • 加藤 光敏, 野間 健司, 竹内 康人, 永野 允
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1836-1840
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    55才,女.昭和54年に関節痛,指のこわばり出現.肝脾腫,汎血球減少,種々の免疫異常(LF細胞,抗核抗体,抗PNA抗体陽性)等が認められ, SLEと診断された.肝生検では門脈路末梢のつぶれ,類洞流床虚脱等,門脈圧亢進の初期像を示唆する所見が認められた. steroid投与による維持療法が行なわれていたが, 5年後突然吐血し,食道静脈瘤破裂と確認され,内視鏡的硬化療法にて止血す.腹部CTで巨脾を認め,また肝の再生検では前回見られなかつた異所性門脈路が明確に形成されBanti肝に一致する像を得た.本症例を通じ,特発性門脈圧亢進症の成因の一つに,自己免疫疾患が関与している可能性が示唆され,さらに本症の初期像と進展を把え得た貴重な症例と考え報告した.
  • 加納 正, 中川 潤, 梶田 芳弘
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1841-1842
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    母娘にみられた家族性plasma cell dyscrasia (PCD)について報告し, PCDの成因について考察した. [症例1]娘(1937年生),主婦IgA-κ型特発性単クローン性免疫グロブリン血症. [症例2]症例1の実母(1911年生),腎不全を合併した形質細胞性白血病, Bence Jones型と推定.両例の病歴上の共通点は虫垂摘出術のみ.両例の同居期間は約20年,症例1は別居後約20年を経て診断された.報告例数の少なさから予想される以上にPCDの家族集積性は高度かも知れない.
  • 羅 英杉, 土橋 卓也, 小林 和夫, 瀧下 修一, 藤島 正敏, 渋谷 恒文, 岡村 孝, 三笠 昭
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1843-1844
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は28才,男性. 22才頃より間欠性跛行あり,昭和59年10月高血圧を発症し当科に入院した.血管造影で,腎動脈分岐部から腸骨動脈分岐部直上までの大動脈の完全閉塞と両側腎動脈起始部の高度狭窄を認めた.検査所見では血小板増加および凝集能の著明亢進, PT, APTTの延長を認めた.本症例の腹部大動脈閉塞の成因に血小板増加,および機能亢進の関与が考えられ,若年発症であることも合わせてまれな症例と考えられた.
  • 井上 純一, 中西 信輔, 野村 正博, 赤木 笑入, 中川 昌壮
    1986 年 75 巻 12 号 p. 1845-1846
    発行日: 1986/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    骨髄腫に肝細胞癌を合併し,剖検にて胆道内出血を認めた稀有な例を経験したので報告する.症例は70才,男. 8年前より慢性肝炎,良性M蛋白血症(BMG)として加療.その後血沈の亢進, M蛋白(IgA-K)の増量を認め,高熱にて入退院をくり返した. 5年前より肝シンチにてspace occupying 1esion (SOL)を認め, 1年前骨髄穿刺にて骨髄腫を,さらに血管造影にて肝細胞癌の合併を確定診断した.しかし,腹痛,下血をきたし,貧血,黄疸にて死亡した.
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