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水野 康, 松田 保
1987 年76 巻1 号 p.
1
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
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(1)血栓形成における組織トロンボプラストンの役割に関する研究
小林 紀夫
1987 年76 巻1 号 p.
2-7
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
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櫻川 信男
1987 年76 巻1 号 p.
8-13
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
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三室 淳, 青木 延雄
1987 年76 巻1 号 p.
14-17
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
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(1)血栓症に対する血液レオロジー的アプローチ 特に糖尿病性血管障害を中心にして
磯貝 行秀, 斎藤 宣彦
1987 年76 巻1 号 p.
18-22
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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山内 一信, 外畑 厳
1987 年76 巻1 号 p.
23-27
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
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井形 昭弘, 新名主 宏一
1987 年76 巻1 号 p.
28-31
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
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谷口 興一, 高元 俊彦
1987 年76 巻1 号 p.
32-37
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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フリー
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内田 立身, 油井 徳雄
1987 年76 巻1 号 p.
38-42
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
1) Indium-111-oxineまたはtropolone標識血小板法を血栓症の診断に応用した.
2) 本法は心腔内血栓,大動脈瘤,人工血管における血栓の診断に有用で,血栓形成により血小板寿命の短縮もみられた.
3)
111In標識血小板法は血栓描出の特異性が高く,また治療効果の判定にも有用であつた.
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(1)心筋梗塞発症における冠動脈内血栓,血小板機能およびプロスタグランディンの役割-血栓溶解療法と関連して-
河合 忠一, 由井 芳樹
1987 年76 巻1 号 p.
43-48
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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東儀 英夫, 村上 元孝
1987 年76 巻1 号 p.
49-52
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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無作為に割付けたチクロピジン200mg/日投与例およびアスピリン500mg/日投与例について, 1年間の二重盲検試験およびひきつずき2年間のopen継続調査を行ない,次の結果を得た.
1) 二重盲検調査においてevents発症例の頻度は, T群(22.1%)のほうがA群(29.0%)よりも低かつたが有意の差ではなかつた. Event-free例とevent軽減例を合わせた改善例の頻度はT群(91.2%)で, A群(81.4%)よりも有意に高かつた(p<0.03).
2) 二重盲検試験の層別解析によると60才以下の症例,高血圧,糖尿病例でevent-free例が有意に多く(p<0.05), TIA初回発作から調査開始までの期間が1カ月以内の例,調査開始前のTIA発作が2回以上の例,内頚動脈系TIAの例において, T群のほうがA群よりも改善率が有意に高かつた.
3) 24カ月オープン継続調査の期間中のevents発症率は, T群(12.1%)のほうがA群(22.0%)よりも低かつたが有意の差ではなかつた.
4) 全経過を通じて生命表法によりeventsの累積発生率の推移をみると,調査開始6カ月後からT群のほうがA群より低くなり, 36カ月後にはT群(30%), A群(50%)の差は有意となつた(p<0.05).ただし, Mantel-Haensze1検定では有意の差ではなかつた(p=0.087).
5) 全経過を通じた副作用では,消化管障害の頻度がT群(5%)ではA群(14%)よりも有意に低かつた(p<0.02).
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城下 裕
1987 年76 巻1 号 p.
59-66
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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Parkinson病(PA),脊髄小脳変性症(SCD)の視床下部下垂体系ドーパミン(DA)ニューロンの機能変化を推定しTRH,スルピライド負荷試験を実施し, PRL反応の対照例での加令変化と, PA, SCDでの変化を検討した.対照例のPRL基礎値,両負荷試験のPRL反応は加令の影響を受けない.男PA, SCDの基礎値は対照より有意に低い.両負荷試験の前値を100%としてPRL反応値を%換算すると,男女PA,男SCDのPRL反応高値とPRL過剰分泌(最高値の平均値+標準偏差値の2倍以上)例の比率が有意に高い.以上よりPRL分泌は加令の影響を受けず, PA, SCDに見られたPRL反応高値は病態を反映したもので,視床下部下垂体系DAニューロンの異常を示唆する所見と考えられる.
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簡易Bernoulli式の妥当性について
神谷 春雄, 花木 芳洋, 小嶋 真一郎, 大杉 茂樹, 大野 三良, 堀場 希次, 岩瀬 正嗣
1987 年76 巻1 号 p.
67-72
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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連続波ドップラー法で得られた三尖弁逆流速度を簡易Beronulli式に応用し,右室右房間の収縮期圧較差を算出した.さらに下大静脈横断像の前後径/横径より二分しそれぞれ右房圧を設定し,連続波ドップラー法で得られた圧較差に加え右室収縮期圧を求めた.連続波ドップラー法と心カテーテル検査で得られた圧較差はy=0.99x-3.6, r=0.98の相関を示した.連続波ドップラー法で求めた右室収縮期圧は心カテーテル検査で得られた右室収縮期圧とy=0.95x-1.6, r=0.97の相関を示し,三尖弁逆流の重症度,右心不全の有無および右室収縮期圧の程度によつては差を認めなかつた.連続波ドップラー法は簡易Bernoulli式を用い右室収縮期圧を算出可能と考えられた.
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宇都宮 俊徳, 森 秀樹, 厨 平, 奥 保彦, 青井 渉, 橋場 邦武, 持永 俊一
1987 年76 巻1 号 p.
73-78
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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先天性左側全心膜欠損症の胸部X線写真,心電図,心エコー図の体位による変化を定量的に検討した報告はみられない.我々は,本症7例を正常対照と比較した.左側臥位での胸部X線写真の心胸郭比と心横径の増加や,心電図のRV
5の変動幅は,本症で大であるが正常対照と重なりをみた.新しい指標の∑|
δR|/∑R(|
δR|は,胸部6誘導R波高の体位変動の絶対値, Rは仰臥位のR波高)は,本症と対照を鑑別できた.心エコー図の心室中隔奇異性運動は左側臥位で増強したが,正常対照や他の疾患では増強はなく,左側臥位での心室中隔の奇異性運動の増強は本症の診断に有用な所見と思われた.また,奇異性運動の程度(振幅)は,左室後壁の振幅と相関した.
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茂原 治, 上野 雄二, 西尾 秀樹, 中村 吉成, 増山 善明
1987 年76 巻1 号 p.
79-86
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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本態性高血圧症患者を対象に, captoprilを1回経口投与し,内因性アンジオテンシンII (AII)産生を阻害した時の交感神経活性の変動を,血漿ノルアドレナリン濃度(PNA)を指標に検討した. captopril投与により, PNAは有意に増加し,このPNA変化は血圧変化と有意な逆相関を示した.しかし, captopril投与時のPNA増加はnifedipine投与時のPNA増加より有意に少なかつた.脱塩下でのcaptopril投与では,血圧下降は普通食下に比較し有意に大きかつたが, PNA増加は普通食下に比較し有意に少なかつた. captopril投与時には,内因性AII低下により血圧下降時の反射性交感神経緊張が抑制され,とくに脱塩下ではその抑制が増すと考えられた.
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両角 敦郎, 佐野 主一, 相野田 隆雄, 宮崎 吉規, 山本 安幸, 小林 一久, 池田 昌弘, 赤羽 賢浩, 藤野 雅之, 鈴木 宏
1987 年76 巻1 号 p.
87-92
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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34才,女性.左上腹部痛を主訴に当科入院.腹膜炎所見の他に一般検査で強い炎症所見があり,腹部超音波検査,腹部CT等の画像診断で脾下極の〓胞様病変を認め,ダグラス窩穿刺では膿汁が吸引された.以上より単発性脾膿瘍の腹腔内破裂と診断,摘脾術等を施行した.膿瘍は石灰化を伴う厚さ約5mmの被膜を持ち,膿瘍内よりStaphylococcus epidermidisが同定されたことから,陳旧性脾損傷に感染が生じ,膿瘍を形成したと考えられた.脾膿瘍は本邦では1946年以降自験例を含め28例が報告されている.従来,本症の術前診断は困難であつたが,近年は画像診断の進歩により早期の術前診断と摘脾が可能になり,予後は著明に改善してきている.
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八幡 和明, 田辺 恭彦, 山本 至, 広沢 秀夫, 百都 健, 伊藤 正毅, 柴田 昭
1987 年76 巻1 号 p.
93-99
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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2家系とも発端者は無症状で偶然高Ca血症を発見された.原発性副甲状腺機能亢進症などを疑つて検索したが,副甲状腺機能正常で腺腫も認めなかつた.尿中Ca排泄低値(Cca/Ccr<0.01)と家族性に高Ca血症を認めたことより本症と診断した.家系1では症例の両親ともに高Ca血症を認め, homozygoteであることが判明した.本症例とその兄の血清Ca値が,報告例よりも著明高値であることの原因がこのためであると推測された.また一般には臨床症状を欠如し予後良好とされる本症であるが,家系1の症例では心電図上QTcの短縮を認めた.以上,我々は本邦では比較的まれとされてきた本症の2家系を相次いで経験した.このことは本症がそれ程まれでない可能性を示唆した.
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石橋 俊, 湯尾 明, 永井 良三, 大内 尉義, 今鷹 耕二, 矢崎 義雄, 高久 史麿, 岡 輝明
1987 年76 巻1 号 p.
100-105
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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フリー
51才,男性.昭和55年,頚部腫瘤などで初発し,生検にて,びまん性リンパ肉腫と診断され,放射線療法をうけていた.その後,放射線脊髄症による四肢麻痺を併発した.悪性リンパ腫は昭和57年10月より白血化し,高カルシウム血症をも伴い,昭和58年1月に死亡した.本例の経過中,昭和57年2月頃から心房細動が出現し,時に洞性徐脈や心房粗動を呈していた.同年11月には接合部調律,上室性期外収縮などの多彩な不整脈を伴い,さらに-過性の心房粗動後に洞停止によるStokes-Adams症候群をきたし, sick sinus syndromeと診断された.その後,不整脈は接合部調律で固定された.剖検上,洞房結節と房室結節を含む右心房に広範なリンパ腫細胞の浸潤が認められ,二次的にsick sinus sydromeをきたしたと考えられた.
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渡辺 静彦, 大井 洋之, 関 正人, 藤田 宜是, 波多野 道信, 名和 紀之
1987 年76 巻1 号 p.
106-111
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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持続性低補体を示し,腎生検にて診断された膜性増殖性糸球体腎炎3例について,長期経過を観察し得,補体活性化の面より検討し,興味ある事実を認めた. 3例の内1例は,尿所見異常は軽度のままで低補体は必ずしも疾患の活動性と一致しないことが考えられた.血清C3値は全例著明な低値を認めているが,他の成分の変動はそれぞれ異なる傾向を示していた. C3分解因子は3例すべてに認められ, C3NeFは1例のみに認められ,他の2例はC3NeFとは異なる補体活性化因子と考えられた. MPGNにおける低補体の原因は一元的にC3NeFによるとは考えられず,多様な機序の存在が示唆された.
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永山 雄二, 掛園 布美子, 桐山 健, 横山 直方, 森田 茂樹, 大財 茂, 森本 勲夫, 岡本 純明, 和泉 元衛, 長瀧 重信
1987 年76 巻1 号 p.
118-122
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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フリー
症例は51才,女性. 1981年から,甲状腺機能亢進症状が出現し,生検を含めた諸検査にてHashitoxicosisの診断を得た.抗甲状腺薬に過敏症を有したため,一時期リチウムを使用した時期もあつたが,血中甲状腺ホルモンは,自然に変動し,それに伴い,血中TSH binding inhibiting antibody (TBIAb)も同時に変動した.さらに本症例に対して,ステロイド療法を施行したところ,血中甲状腺ホルモンは,速やかに低下し, TBIAbも平行して低下した.本症例におけるTBIAbが,甲状腺刺激活性をもつのか,あるいは,別の甲状腺刺激物質と平行して変動しているのかは不明であるが,非常に示唆に富む症例と考え,報告した
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村野 俊一, 白井 厚治, 斎藤 康, 吉田 尚, 太田 義章, 山本 駿一, 土田 弘基
1987 年76 巻1 号 p.
123-127
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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フリー
本邦第5家系目の家族性レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症患者の血中には,中間リポ蛋白(IDL)が存在していた, IDLを放射性トリオレイン(
14C-triolein)でラベルし,これを基質として肝性リパーゼを作用させた時,正常人の食後血清から得たIDLを同様な方法で調製した基質に比較して,中性脂肪の水解の低下がみられた.この反応系に正常人血清を添加した時,水解の亢進がみられたが,同時に5, 5′-Dithiobis-(2-nitrobenzoic acid) (DTNB)を加えた時には水解の亢進はみられなかつた.以上のことより本症例におけるIDLの出現は, LCAT欠損によるIDL粒子の構成成分の変化,特にフリーコレステロールの増加がその-因となつていることが推測された.
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宮崎 真佐男, 田中 裕, 津田 光徳, 調 輝男
1987 年76 巻1 号 p.
128-132
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
肝生検で診断し得たLafora病を報告した.症例は12才,男子で,両親はいとこ結婚であり,いとこに同様の疾患が認められている. 9才時に痙攣発作, 11才時ミオクローヌス,人格変化,小脳症状を認め, 12才時の入院時には痴呆,全身間代性痙攣,ミオクローヌス,小脳症状を認め,全経過6年で死亡した.肝生検では肝細胞のground glass appearanceとperiPortal fibrosisを認めた.肝生検上,肝細胞内にground glass appearanceを認めるものに糖原病4型, α1-アンチトリプシン欠乏症, B型慢性肝炎,アルコール常用者, barbiturate, diphenyhydantoin, benzodiazepamの常用者などがあるがいずれも否定的でLafora病が考えられた.
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斉藤 裕之, 荻原 俊男, 田淵 義勝, 三上 洋, 森本 茂人, 真杉 文紀, 熊原 雄一
1987 年76 巻1 号 p.
133-137
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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フリー
症例は65才,女性.家族歴にアトピー性素因, Sipple症候群あり.既往歴にアトピー性素因あり.昭和55年(60才時) Sipple症候群に対し甲状腺全摘,右副腎摘除術施行.術後約1年頃より喘息発作出現.昭和60年4月頃よリプレドニゾロン減量中止後, 37°C台の発熱,体重減少とともに好酸球増加・血沈亢進・CRP陽性化.その後腹痛,下痢,四肢の筋肉痛,筋脱力,筋萎縮および知覚障害出現.入院時著明な好酸球増加(18000/mm
3)と血清IgE高値(2400mg/dl)を認めた.臨床経過,検査所見よリアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断.プルドニゾロン40mgにて神経学的所見以外の自他覚的所見の速やかな改善を認めた.本症例はSipple症候群にアレルギー性肉芽腫性血管炎と思われる疾患を合併した最初の報告例である.
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谷川 徹, 高木 秀一, 菅 啓祐, 盛川 温子, 堀田 忠弘, 春山 春枝, 草場 昭彦, 明石 勤之助, 西田 康一, 宮崎 忠芳
1987 年76 巻1 号 p.
138-141
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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症例は54才,男性で高熱を主訴に入院.画像検査等で原発性肝癌と診断し肝切除を施行.病理診断は肝内胆管癌であつた.術前carcinoembryonic antigen (CEA) 10400ng/ml, α-fetoprotein (AFP) 1173ng/ml, CA19-9 12000U/mlと3種の腫瘍マーカーが共に高値を示し,術後, CEAは642.9ng/ml, AFPは137.3ng/mlと著明に低下した.腫瘍内濃度はCEA 26000ng/g wet wight, AFP 8200ng/g wet weight, CA19-9 540000U/g wet wightといずれも血清値に比し高値であつたが,さらに局在を酵素抗体法で検討したところ, CEAとAFPは腫瘍細胞内に分布が見られた.以上より本例におけるCEA, AFP及びCA19-9の血清中の高値は腫瘍細胞の産生によると推定された.文献的にCEAおよびAFPが共に高値を示す肝内胆肝癌はまれであつた.
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大澤 春彦, 太枝 徹, 松村 竜太郎, 西川 哲男, 吉田 尚, 鈴木 豊, 鈴木 憲輔, 渡辺 誠介
1987 年76 巻1 号 p.
142-143
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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症例は32才,男性.主訴はめまい感,右手足のしびれ.神経学的所見および血清,髄液の梅毒反応強陽性より, Wallenberg症候群を来した髄膜血管神経梅毒と診断した.ペニシリンG大量療法を施行し,臨床症状と髄液所見の著しい改善を見た.現在,梅毒が原因となる脳血管障害の症例はきわめてまれであるが,早期の適切な治療により,著明に改善する可能性がある点で,今後,充分留意する必要があると考えられた.
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赤池 雅史, 竹田 勝則, 宮崎 修一, 井石 安比古, 小阪 昌明, 斎藤 史郎
1987 年76 巻1 号 p.
144-145
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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症例は徳島県出身, 61才男性.昭和59年3月上腹部痛あり.昭和60年6月,嘔吐,上腹部腫瘤, Virchowリンパ節腫脹もみられ入院.胃透視,胃内視鏡検査で前庭部の悪性潰瘍,壁硬化および狭窄を認めた.その生検とVirchowリンパ節組織所見よりnon-Hodgkin lymphoma diffuse Pleomorphic type (stage IVB)と診断.腫瘍細胞表面形質はOKT-4
+で, ATLA抗体価は160倍であった.
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完成前後の経過(続報)と形質細胞の3HTdR標識率の意義
加納 正, 大仲 正志, 大野 辰治, 内野 治人
1987 年76 巻1 号 p.
146-147
発行日: 1987/01/10
公開日: 2008/06/12
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25年以上の定期的観察によりsmoldering multiple myeloma (S-MM)から定型(overt)骨髄腫(MM)に移行する過程を捉えることが出来た. Bence Jones蛋白の出現(BJ escape),
3HTdR標識率(LI%)の上昇, M成分量と骨髄形質細胞数の増加,次いで骨破壊像の順に定型MM完成の過程が観察された.とくにLI%の低いS-MMにおいて,この値が上昇することは定型MMへの進展を考慮すべきである.また骨破壊像の出現はこの過程の最終像であるから,これに依存する診断の限界も承知すべきである.
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