日本内科学会雑誌
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76 巻, 4 号
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  • 山本 徹也, 森脇 優司, 広石 恵才, 高橋 澄夫, 安室 芳樹, 波田 寿一, 東野 一彌
    1987 年 76 巻 4 号 p. 497-500
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Adenosine deaminase (以下ADAと略す)およびpurine nucleoside phosphorylase (以下PNPと略す)はpurine分解に関与する酵素で特に免疫不全症候群の面から興味がもたれている.筆者らは肝硬変において,末梢血単核細胞(以下PBMCと略す)内ADAおよびPNP活性を測定したところ,コントロールと比較してPBMC-ADA活性は非アルコール性肝硬変で有意に低く,アルコール性肝硬変では有意に高かった.しかしPBMC-PNP活性に差は認めなかった. ADAはT cell機能と特に関連があるといわれており,このPBMC-ADA活性の差は非アルコール性肝硬変とアルコール性肝硬変におけるリンパ球機能の相違を示唆するものと思われた.
  • 簗田 葉子, 片桐 敬, 梅沢 裕美子, 佐藤 龍次, 後藤 英道, 新谷 博一
    1987 年 76 巻 4 号 p. 501-509
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞40例について血漿N-acetyl-β-D-glucosaminidase (NAG)活性およびアイソザイムを測定し,臨床的意義について検討した.血漿NAG活性は胸痛発作後15.1時間, 78.2時間にピークをもつ二峰性の経過を示した.第1ピークは壊死心筋に,第2ピークは壊死心筋に浸潤した炎症細胞に由来することが推定された.血漿NAGアイソザイムではA, Bの2 formが得られ,第1ピークのアイソザイムでは健常者に比較してB formの増加がみられた.急性心筋梗塞犬の虚血部心筋のアイソザイムでも非虚血部心筋に比較してB formの増加がみられ,急性心筋梗塞の血漿NAGの第1ピークのB formは壊死心筋に特異的であると考えられた.
  • 遠藤 安行, 朝倉 健一, 保田 正, 三浦 亮, 鳥畑 鴻次, 船場 泰文, 石田 勉, 鈴木 明, 大島 信一
    1987 年 76 巻 4 号 p. 510-513
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    感染症42例に抗生物質投与時に不顕性のビタミンB2 (VB2)欠乏症が惹起されるかどうか, VB2非投与時と投与時に,赤血球グルタチオン還元酵素(EGR)活性ならびにEGR活性に対するin vitroでのflavin adenine dinucleotide添加効果(AC)を指標として検討した. EGR活性は非投与時に低下し, VB2注により改善した. ACは非投与時に高値を示すが, VB2投与により改善した.すなわち,抗生物質投与により血中VB2は低下し,続発性VB2欠乏症を惹起するが, VB2注により改善する.
  • 佐倉 英一郎, 岡本 光師, 横手 祐司, 山形 東吾, 網岡 英世, 島本 博幸, 土岡 由紀子, 松浦 秀夫, 梶山 梧朗
    1987 年 76 巻 4 号 p. 514-521
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    左心不全患者14例においてdibutyryl cyclic AMP (DBcAMP)の左室流入動態に及ぼす影響を超音波パルス・ドプラ法を用いて検討した.心拍数は平均77から84拍/分へ増加,平均血圧は83から76mmHgへ下降,修正等容拡張時間は101から73msecへ短縮,急速流入時間は221から259msecへ延長,急速流入期の最高流速は63から77cm/secに増大したが,心房収縮期の流速の増大は軽度にとどまった.急速流入期の平均加速度の反応は不全の程度により異なり,異常高値,異常低値はDBcAMP投与後正常化する傾向を示した. DBcAMPは心筋への直接作用及び後負荷軽減によって左室の弛緩を改善し,その影響は主に急速流入期の血流変化に反映されると考えられた.
  • 辻 博, 野見山 賢介, 渡辺 英則, 梶原 英二, 横溝 由史, 緒方 正博, 村井 宏一郎, 赤木 公博, 藤島 正敏, 菰田 哲夫
    1987 年 76 巻 4 号 p. 522-527
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変の姉妹発症例を経験したので報告する.発端者は37才,女性で黄疸,〓痒感,全身倦怠感を主訴として, 3年後には44才の発端者の姉が黄疸,腹部膨満感,〓痒感を主訴として入院した.ともに血清アルカリフォスファターゼ, IgM値は上昇し,抗ミトコンドリア抗体が陽性で,肝生検にて原発性胆汁性肝硬変に矛盾しない組織像を示した.発端者は発黄後2年7カ月に肝不全に気管支肺炎を併発し,姉は2年6カ月後に食道静脈瘤破裂による消化管出血を繰り返し死亡した.剖検で姉にリンパ性甲状腺炎と甲状腺〓胞癌の合併を認めた.家族調査により本姉妹例は共通のHLA haplotype Aw24, Bw59, Cw1, DR4を有していたと推測された.
  • 鷲尾 昌一, 辻 博, 村井 宏一郎, 岡村 建, 梶原 英二, 赤木 公博, 阿部 功, 名西 史夫, 藤島 正敏, 勝野 誠
    1987 年 76 巻 4 号 p. 528-532
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)にmonoclonal gammopathyや多発性骨髄腫の合併はまれであるが,無症候性PBCに多発性骨髄腫を合併し,その後原発性甲状腺機能低下症を発症した70才女性を経験した.三者のほぼ平行した増悪と治療による改善がみられ,ステロイド薬とcyclophosphamideによる化学療法で骨髄像,血中γ-グロブリン値の改善に伴って抗ミトコンドリア抗体価,血中IgM,アルカリフォスファターゼ値,抗マイクロゾーム抗体価は著明に低下,同時に血中TSH binding inhibitor immunoglobulinの改善を伴って甲状腺機能も正常化した.本例におけるこれら三つの病態の密接な関連が示唆された.
  • 加納 正, 西村 隆夫, 徳永 行彦
    1987 年 76 巻 4 号 p. 533-536
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE),甲状腺癌の合併をみたIgA単独欠損症(IgA欠損症)の21才男性例の報告である.症例. 16才SLE (紅斑,発熱,関節痛, LE細胞陽性,各種自己抗体陽性,ループス腎炎), 21才甲状腺癌とIgA欠損症の診断を受けた.易感染傾向を認めない.本例ではいくつかのまれな病態の併存がみられた.すなわち,若年男性のSLEと甲状腺癌(T1N1M0)に加えてIgA欠損症の重複である.これらの合併は偶然とみるより相互に因果関係があるとみるのが自然である.免疫不全症・悪性腫瘍・自己免疫疾患の3病態を有機的一体のものとして把握し,その背景に免疫異常を考える立場から考察した.
  • 山田 順子, 棚橋 忍, 高橋 日出美, 高桑 薫, 亀谷 正明, 時光 直樹
    1987 年 76 巻 4 号 p. 537-542
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    致死的な不整脈を呈した多発性筋炎の1剖検例にて,その原因を病理学的に検討した.症例は66才,男性.昭和56年7月より筋力低下が出現し,筋肉逸脱酵素の上昇を認め筋生検にて多発性筋炎と診断された.発症時から完全右脚ブロック,左脚前枝ブロックを認めていたが,昭和58年8月突然完全房室ブロックによる意識消失発作をきたした.体内式ペースメーカー植込術を実施し,小康を得るも翌年4月結核性髄膜炎を併発し死亡した.剖検では固有心筋の変化は軽度であったが,刺激伝導系には脂肪浸潤, fibrosisが著明で,多発性筋炎の刺激伝導系における一次的な障害であると思われた.多発性筋炎による完全房室ブロックはまれで,興味ある症例である.
  • 蟹沢 祐司, 新津 洋司郎, 後藤 義朗, 曽根 久雄, 近藤 仁, 渡辺 直樹, 高後 裕, 漆崎 一朗
    1987 年 76 巻 4 号 p. 543-548
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    下垂体機能低下症に血中IX因子活性低下を合併した,興味ある1例を経験したので報告する.下垂体機能低下症では甲状腺ホルモン,副腎皮質ホルモンなどが低下するため,肝でのタンパク合成低下をきたすことが知られている.今回筆者らは血中凝固因子活性,特に第IX因子活性もこれらのホルモン欠乏の影響を強く受けることを経験した.すなわち第IX因子活性は適切な補充療法により正常域に保たれるが,ひとたび欠乏状態に陥いると他の凝固因子も含めた血清タンパクよりも速やかに,しかも高度に低下し,臨床症状ともよく一致することを確認した.
  • 繁田 浩史, 田崎 直宏, 北住 清治, 北川 良裕, 金綱 隆弘, 近藤 元治
    1987 年 76 巻 4 号 p. 549-552
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は25才,女性.全身脱力感を主訴として来院,蓍明な電解質異常(血清カリウム1.7mEq/l,カルシウム8.3mg/dl,リン2.3mg/dl)を認めた.内分泌学的諸検査の結果,血漿レニン活性88ng/ml/h,血漿アルドステロン濃度250pg/mlと著増,代謝性アルカローシス,正常血圧,アンギオテンシンIIに対する昇圧反応低下,偽性Bartter症候群の除外,腎生検で傍糸球体細胞の過形成が証明され, Bartter症候群と診断.またAlbright徴候陽性,リン再吸収試験高値, Ellsworth-Howard試験でリン酸反応陰性, cyclic AMP反応陽性より偽性副甲状腺機能低下症type IIを合併した可能性があり,極めてまれな病態と考えられた.
  • 岡田 耕治, 斉藤 寿一, 石川 三衛, 金子 健蔵, 岩本 安彦, 山本 邦宏, 葛谷 健, 小川 松夫
    1987 年 76 巻 4 号 p. 553-557
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    43才の主婦. 42才のとき,全身のピリピリ感,肌荒れ,四肢の筋力低下,悪心嘔吐,発汗異常,高血圧そして視力障害が出現した.皮膚症状,筋力低下,高血圧の改善がないため入院.血中・糞中protoporphyrin,血中coproporphyrinはそれぞれ159.1μg/dl全血, 194.5μg/g wet, 8.2μg/dl全血で,正常値の5から10倍であった.血中ポルフィリン前駆体の定量, aminolevulinic acid dehydrataseとporphobilinogen deaminase活性および他の尿中・糞中ポルフィリン体の定量は正常範囲であった.本例は神経症状と消化器症状を合併した赤芽球増殖性プロトポルフィリン症(erythropoietic protoporphyria; EPP)である.本例は, EPPにも神経症状や消化器症状の合併する可能性を示唆する症例と考えられる.
  • 長谷川 恵, 中島 一格, 森 正樹, 谷本 潔昭, 鈴木 修二, 宮本 昭正
    1987 年 76 巻 4 号 p. 558-562
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    43才,男性.白血球増加,咳痰,発熱,寝汗,頚部・そけい部リンパ節腫脹.某病院で頚部リンパ節生検を行ない, Hodgkin病結節硬化型と診断された.化学療法の途中で自ら退院した.一時症状改善したが,再燃し右半身不随意運動出現し,当科入院.血沈亢進, CRP強陽性,ツ反陰性,画像診断上,縦隔,肺門部,肺野,傍大動脈リンパ節腫大,肝脾腫大,大脳半球浮腫,基底核腫瘤影を認め,臨床病期IVBと診断し,化学療法,放射線治療開始し,症状,検査所見の改善をみた. Hodgkin病での神経症状は, 15~20%の頻度で起こるが,頭蓋内病変によるものは1~3%と少なく,中でも,脳実質病変によるものは稀とされ,示唆に富む1例と考えられる.
  • 高木 均, 石原 清, 吉田 俊明, 桑原 一朗, 市田 文弘
    1987 年 76 巻 4 号 p. 563-569
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    繰り返す肺炎を主訴に入院し,精査の結果common variable immunodeficiencyと診断した17才,男性症例を報告した.血中免疫グロブリンはIgG 152, IgA 30, IgM 8, IgD 21各mg/dl, IgE 50IUとIgD, E以外著減し, B-cell marker陽性細胞はLeu12, B1, B2=0%と欠損していた.一方, T cell markerであるOKT11, Leu4は,それぞれ89.2%, 91%と保たれT4/T8=0.62と低下していた. ELISAによる微量免疫グロブリン定量と, 3H-thymidine uptakeを用いて測定したsuppressor T cell機能はT-B間, T-T間共に亢進しNK活性は低下, T-cell mitogenに対する反応はむしろ高値を示した.免疫グロブリン補充療法により易感染性は消失し現在も経過観察中である.
  • 森 喜弘, 飯村 攻, 足永 武, 菊入 国康, 石山 直志, 前田 剛, 森山 隆則
    1987 年 76 巻 4 号 p. 570-574
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧症にて通院加療中の41才,主婦で,肝・筋の疾患がなく,血清GOT (glutamate oxaloacetate transaminase)値のみ異常高値(60~90IU/l, GOT/GPT比6.0, isozyme patternはmitochondrial-GOT; m-GOTが約80%)が持続し,諸種酵素免疫学的検索の結果, m-GOTとIgG (κ, λ)の複合体形成による高分子GOTと診断された.現在まで,各種酵素と免疫グロブリン(Ig)の複合体形成例は,酵素結合性免疫グロブリン症候群として多数報告されているが, GOTについては未だ世界で13例の報告にとどまる.しかもm-GOTとの結合は過去会にIgA結合型1例の報告をみるにすぎない.本例は世界でも初の結合型を示すものといえるが,他方本症候群の実体の詳細は未だ明らかでなく,ここでは過去の報告例との比較下に本例の特異性を検討した.
  • 梯 龍一, 垣内 雅彦, 垣矢 保雄, 岸本 幸彦, 杉浦 武, 鈴木 司郎
    1987 年 76 巻 4 号 p. 575-579
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎に合併し,神経症状にて発症,剖検にてneoplastic angioendotheliomatosis (NAE)と診断された1例を経験したので報告する.症例は72才,女性.脱力発作にて発症.失見当識,言語障害,四肢麻痺等も出現し入院.入院5日目より意識混濁,髄膜刺激症状,痙攣発作,発熱等をきたし,入院20日目に死亡.剖検にて,血管内皮細胞の悪性腫瘍であるNAEと診断された.中枢神経症状を主体としたNAEは,本例が本邦報告9例目とまれで,生前診断が非常に困難である.最近,他の悪性腫瘍でNAE類似の臨床・病理所見を呈した症例の報告があり,本疾患の診断には,詳細な病理学的検索(原発巣の有無,異型細胞の由来)が必要である.
  • 福岡 佳宏, 門脇 誠三, 杉本 利嗣, 馬場 久光, 深瀬 正晃, 藤田 拓男
    1987 年 76 巻 4 号 p. 580-585
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    遺伝性高チロジン血症・慢性型の38才女性の1症例を報告する.いとこ婚両親の第2子で, 2才頃くる病で発症し全身性色素沈着を伴い,思春期に急性間歇性ポルフィリン症様発作を経て骨痛を主訴とした.著明な骨軟化症,多発性尿細管障害(de-Toni-Debre-Fanconi症候群),肝硬変,高チロジン血症,尿中δ-アミノレヴリン酸高値を呈した.尿有機酸分析ではρ-hydroxyphenyllactic acid, p-hydroxyphenylacetic acid, p-hydroxyphenylpyruvic acid, N-acetyltyrosineが異常高値を示し, succinylacetone, succinylacetoacetic acidが検出されfumarylacetoacetase deficiencyが示唆された.ほぼ無治療のまま38才に至る異例な長期経過を辿った.
  • 石綿との関連について
    岸本 卓巳, 小野 哲也, 岡田 啓成
    1987 年 76 巻 4 号 p. 586-587
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近,呉地方において悪性中皮腫症例が増加している.そこで我々は悪性中皮腫と石綿曝露の関連を検討するため,職業歴,胸膜プラークまたは石灰化影の存在,剖検肺における石綿小体の存在を検討したところ,高率にその因果関係が証明された.
  • 井上 信正, 大槻 剛巳, 森 博雄, 杉原 尚, 八幡 義人, 萬納寺 正清, 武元 良整, 戸川 敦
    1987 年 76 巻 4 号 p. 588-589
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性骨髄腫(MM)に持続性隆起性紅斑(EED)を合併した1例を報告する.症例は66才の男性.皮疹を主訴とし来院, EEDと診断されるが,初診時よりみられたIgAλ型のM蛋白が増加し, MMの病態を完成させるに至った.種々の化学療法を施行したがいずれも一時的な効果のみで,全経過4年2カ月で死亡した. EEDに免疫グロブリン異常が合併することは知られているが, MMを合併した報告は現在までに1例のみである.
  • 高田 輝雄, 山辺 裕, 小林 克也, 福崎 恒
    1987 年 76 巻 4 号 p. 590-591
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    運動時の1回心拍出係数(SVI)の変化をoxygen pulse(O2 pulse=VO2/HR)から評価することを目的に,冠動脈疾患の運動時観血的血行動態測定を行なった.多段階負荷における亜最大から最大負荷の変化率, %δO2pulseと%δSVIの間にr=0.82 (P<0.001)の良好な正相関を認め, %δO2 pulse=15%はSVIの増減の鑑別に有用であった.以上より運動時O2 pulseはSVIの変化を表し,非観血的な左室予備力の評価に適すると結論した.
  • 羽崎 理恵子, 田中 耕太郎, 山本 弘之助, 松本 秀俊, 島田 隆男, 井上 善英, 三崎 文夫, 門脇 誠三, 藤田 拓男, 岩崎 忠 ...
    1987 年 76 巻 4 号 p. 592-593
    発行日: 1987/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は61才,女性.心窩部・背部痛で入院.特有の皮膚病変を欠く.著明な高グルカゴン血症と低アミノ酸血症を示し, 75g O-GTT,アルギニン負荷ではグルカゴノーマのパターンを示した.種々の画像診断にて膵体部腫瘍を認め,グルカゴノーマと診断.手術にて得られた腫瘍組織の形態学的,生化学的検索にて診断は確定した.術後,自他覚症状は消失.その臨床所見,診断の端緒に興味があると考え報告した.
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