日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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77 巻 , 4 号
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  • 澁谷 利雄
    1988 年 77 巻 4 号 p. 471-480
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    冠動脈造影(CAG)を受けた患者のうち,成人発症の糖尿病68例を対象とし,これに年令,性をマッチさせた非糖尿病症例68例をコントロールとして,糖尿病におけるCAG所見の特徴を検討した.また,糖尿病に合併しやすい高脂血症の各タイプ(IIa, IIb, IV)におけるCAG所見を明らかにするため,冠動脈疾患のある非家族性高脂血症90例を対象として検討した.糖尿病では冠動脈病変枝数と冠動脈硬化指数が有意に(p<0.05)高かったが,症例により狭窄数,形態にばらつきが多かった.高脂血症については, IIa型では多発型の狭窄が, IV型では近位部限局型の狭窄が多い傾向(p<0.1)があった. IIb型では2cm以上の長い狭窄が有意(p<0.05)に多かった.
  • 上平 憲, 早田 央, 樅田 三郎, 池田 柊一, 森内 幸美, 親川 信幸, 尼崎 辰彦, 山田 恭暉, 市丸 道人, 中村 龍文, 木下 ...
    1988 年 77 巻 4 号 p. 481-486
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    HTLV-I持続感染者を健康人キャリアと成人T細胞白血病(ATL), HTLV-I関連ミオパチー(HAM)などの有病者に分け,酵素抗体法やウエスタンブロット法でIgM, IgGクラス別に抗ATLA抗体を測定した. IgM抗体は,健康人キャリア26%, ATL 7.7%, HAM 72.3%で,特にHAMでは有意に高頻度で,抗体価も高く, p24抗原との反応性が強かった.長期に経時的に観察したATL, HAM患者では,約1年間の観察中若干の変動を示しつつ,常時陽性のままであった.特に, HAMでは病像と平行して抗体価が変動した.一方,輸血後陽転例では, IgM抗体は感染後急速に上昇し,短期間で急降下するが2年経過後も低力価ながら観察された.従って, HTLV-IのIgM抗体は初感染を意味するのみでなく,ウイルスと宿主との間に特異な免疫学的相互関係があり, HAMでは病状への関与も示唆された.
  • 中野 正明, 菊池 正俊, 荻野 宗次郎, 佐藤 健比呂, 丸山 雄一郎, 長尾 政之助, 深川 光俊, 荒川 正昭
    1988 年 77 巻 4 号 p. 487-493
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチの腎障害に関し,当科入院88例を検討した.アミロイドーシス,膠原病重複例を除いた71例では,毎視野5個以上の血尿は35%, 0.5g/日以上の蛋白尿は12%で,血尿主体の尿異常を認めた.腎機能では,糸球体〓過値30m1/分以下の例はなく,一方PSP試験15分値と濃縮試験の異常は,おのおの28%, 37%で,腎血流,尿細管間質の障害を高頻度に認めた.全症例で,腎障害とCRP値,関節外症状の有無,リウマチ因子,金療法歴の有無との関連を検討した結果,腎障害は原病の活動性とは関連なく,他の関節外症状と出現態度を異にし,リウマチ因子とは負の相関を認め,また,金療法群では,血尿を高度に認め,糸球体基底膜の菲薄化も散見された.
  • 寺田 典生, 大和 田章, 篠原 紳介, 松井 則明, 川田 健一, 藤原 秀臣, 井田 隆
    1988 年 77 巻 4 号 p. 494-498
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血漿交換,ステロイドパルス療法が有効であった急速進行性賢炎を呈した結節性多発性動脈炎(PN)の1例を報告する.症例は69才,男性.主訴は発熱,筋肉痛および腎機能低下.腎生検にて50%以上の糸球体の半月体形成と間質の細胞浸潤が,筋肉生検にて血管炎の所見が得られた. microscopic PNと診断し血漿交換,ステロイドパルス療法を施行したところ,血中免疫複合体は消失し,臨床症状,腎機能および組織学的にも著明な改善が認められた.急速進行性腎炎を呈したPNに血漿交換,ステロイドパルス療法を施行した報告は少なく,文献的考察を加えて報告する.
  • 坂詰 良樹, 斎藤 真理子, 原 義人, 丸野 世志子, 佐藤 健太郎, 石井 淳, 斎藤 典昭, 橋本 裕之, 斎藤 公子, 新海 浤
    1988 年 77 巻 4 号 p. 499-505
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は21才の男性,昭和61年8月,高身長と側弯症により当科入院. Marfan症候群の外観を呈し,同時に著明な皮膚過伸展を認めた.本例はいわゆるMarfanoid hypermobility syndromeに該当する極めてまれな症例であり,皮膚の培養線維芽細胞を用いてコラーゲン代謝を検討したが異常を認め得なかった.先天性結合織疾患の分類は主に障害臓器(例:骨形成不全, Ehlers-Danlos症候群, Marfan症候群)によっているものの,臨床像の多様性や酵素学的診断法の困難さのために亜型分類は確定していない.本例の様に両症候群の特徴を有した例は,今後更に遺伝子レベルでの研究も含め詳細な検討が必要と思われた.
  • 久保 明美, 垣田 時雄, 高木 敦司, 松永 隆, 外林 秀紀, 岡村 康彦
    1988 年 77 巻 4 号 p. 506-509
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気温20~22°C,湿度55~62%,風力1.5m,天候晴というさほど高温多湿ではない条件下に,体熱の放散が妨げられて発症した熱中症3例につき報告した.症例は24~26才の男性,警察学校生で,警備装備品を着装して3~4km駆け足を行ない,意識消失,転倒した. 1例は当日入院,急性胃粘膜病変を呈し,翌日以降に高度の肝機能障害を認めた. 2例は翌日入院でともに高度の肝機能障害を呈し,うち1例は腎不全,播種性血管内凝固症候群をきたして血液透析,血漿交換にて救命しえた.熱中症を発症した場合は,たとえ発症時の症状が軽度であっても適切な加療と経時的な肝機能,腎機能の検索を行なうことが必要と考える.
  • 秋山 建児, 長谷川 岳尚, 小笠原 正洋, 中村 公英, 岩田 光高, 建部 高明, 石井 兼央
    1988 年 77 巻 4 号 p. 510-515
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    患者は, 48才の男性であり, 1985年2月以来反復出現していた意識障害を主訴として,同年5月に入院した.血中のcitrullineの著増とarginineの増加,分枝鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸・比の低下,生検肝におけるargininosuccinate synthetase含量の減少とその正常なkineticsから,患者は成人型シトルリン血症のtype IIと診断された.発症後3カ月から約2年間にわたって,種々の治療が試みられた.その結果,低蛋白食,消化管クリーニングを基盤とし,分枝鎖アミノ酸,安息香酸ナトリウムの投与を中心とした薬物療法が,意識水準の保持に効果的であった.この報告では,主としてシトルリン血症の治療について考察を加えた.
  • 森田 哲也, 橋本 朋子, 魚住 武則, 辻 貞俊, 大西 晃生, 村井 由之, 糸山 泰人
    1988 年 77 巻 4 号 p. 516-519
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    再発性多発軟骨炎に中枢神経症状を合併することはまれである.著者らは歯状核・赤核・淡蒼球・ルイ体萎縮症様症状と再発性多発軟骨炎を合併したきわめてまれな1例を経験した.症例は41才,男.失調性歩行と構音障害で発症し,企図振戦,四肢協調運動障害, myoclonus, choreoathetosis様運動,意識消失および全身〓発作を認めた.経過中,耳鳴・難聴,多発性関節痛,結膜炎,耳介軟骨炎を繰り返し,急性呼吸器症状,著明な鞍鼻,咬合異常を呈した.リンパ球サブセットでOKT4/OKT8比が著明に低下し,免疫学的異常が認められ,自己免疫性好中球減少症の既往がある.
  • 大塚 吉則, 合田 晶, 島田 道朗, 村上 和博, 近藤 宇史, 川上 義和, 井出 肇
    1988 年 77 巻 4 号 p. 520-523
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性副甲状腺機能低下症に甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を合併した1例を経験した。症例は52才,男性.手指・顔面筋のひきつり,痺れ感で発症し,低カルシウム血症を伴っていたため,副甲状腺機能低下症の診断でビタミンD剤の投与が開始された.その後,手指振戦,発汗過多等の甲状腺機能亢進の症状が出現し始め,抗甲状腺薬が投与された.両疾患の合併は,多腺性内分泌腺不全症に属するものと思われるが,極めてまれであり,世界でも5例しか報告がなく,また男性発症は世界で初である.発症機序は明らかではないが,自己免疫学的機序の関与が示唆された.
  • 三木 知博, 坂根 剛, 高田 伸介, 山内 康平, 恒松 徳五郎, 平川 弘泰, 長岡 三郎
    1988 年 77 巻 4 号 p. 524-529
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性甲状腺炎には,他臓器自己免疫疾患を合併することが多い.一方,原発性胆汁性肝硬変(PBC)も特異な病像を示す自己免疫疾患である.今回我々は,慢性甲状腺炎にPBCを合併したと考えられる症例を経験した.甲状腺ホルモンの補償療法を行なったところ,甲状腺機能のみならず,肝機能の改善, IgMの正常化,および抗ミトコンドリア抗体価の低下を認めた.このことから,無症候性PBCのなかには慢性甲状腺炎に合併し甲状腺薬の投与でeuthyroidismの状態となり,時に肝病変に関係する検査異常が正常化する病態の存在が考えられ,本症例の経過よりT4製剤それ自体かT4製剤による全身代謝の改善が免疫系に好影響を与えてPBCの改善をもたらしたと推定され,内分泌環境と自己免疫疾患との関連について究明することが必要であると考えられた.
  • 村上 正治, 岸野 文一郎, 伏見 尚子, 坂田 泰昭, 松雪 銀彦
    1988 年 77 巻 4 号 p. 530-535
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    52才の男性が筋力低下と呼吸困難を主訴に来診した. 15年前より関節痛とレイノー症状, 5年前より間質性肺炎を指摘され, 3カ月前に筋肉痛と筋力低下を自覚し始めた.知能は正常であるが類宦官症を認め原発性性腺機能低下症があり,染色体は核型47XXYであった.血中筋原性酵素の著明な上昇,筋電図所見,筋肉生検所見より多発性筋炎と診断した.抗核抗体,抗Jo-1抗体が陽性であった.間質性肺炎を伴う重複型多発性筋炎と判断し免疫抑制療法を加え寛解した. Klinefelter症侯群に多発性筋炎を発症した報告は,著者らの検索した範囲では見当らず初めての報告と考える.
  • 中村 早人, 岡田 三徳, 北岡 利雄
    1988 年 77 巻 4 号 p. 536-542
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1年間あたり100バイアルの第9因子製剤を7年間にわたり投与された血友病Bの患者で, Pneumocystis cariniiの肺外感染症がみられたacquired immuodeficiency syndromeの1症例を報告した.剖検にて回腸および腸間膜リンパ節にチーズ様壊死がみられ,グロコット染色でcarinii胞体を認めた. Pneumocystis cariniiの肺外感染症はまれとされている.本例は細胞性免疫能の低下もさることながら液性免疫能の低下が著しく,これらが誘因となりPneumocystis carinii Pneumoniaに対してsulfamethoxazole-trimethoprim合剤投与を行なっていたにもかかわらず肺外病変が生じたと推測した.また肺からの転移経路として血行性の関与が考えられた.
  • 藤井 健一郎, 佐渡島 省三, 楠田 憲治, 石束 隆男, 藤島 正敏
    1988 年 77 巻 4 号 p. 543-547
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は22才,女性. 18才時に右眼の視力消失発作, 20才時に持続性の右後頭部痛が出現し, 21才時には発作時右片麻痺,閃輝暗点を伴うようになった. 22才入院時,軽度の動揺する右片麻痺を認めた.その他の理学所見に異常はみられず,大動脈・脳動脈撮影は正常であった.脳波には両側後頭部に6Hz陽性棘波が散発的に認められた.律動異常性片頭痛と診断し, diphenylkydantoinの投与を行ない,頭痛や神経症状の発作の減少をみた.片頭痛にはしばしば種々の神経学的随伴症状および脳波異常を伴うが,本例のように単眼性視力消失,片麻痺, 6Hz陽性棘波を同時に伴うものは極めてまれである.片頭痛の病態を考える上で興味深い症例と思われ報告する.
  • 小林 広幸, 小林 和夫, 牧 之博, 隅田 幸男, 吉住 孝之, 伊東 靖夫
    1988 年 77 巻 4 号 p. 548-552
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胸腺腫は縦隔腫瘍の約30%を占め,臨床的には胸部X線像上の前縦隔の異常陰影として発見される場合が多い.臨床症状としては腫瘍による周囲への圧迫症状,すなわち,呼吸困難,嗄声,嚥下障害,上大静脈症候群などを呈する事が多く,又その特有な合併症である重症筋無力症などを主徴とし発症する事もあり,胸腺腫の臨床的診断は比較的容易とされている.大量の心膜嚢液貯留を来す転移性心臓腫瘍は散見されるが,胸腺腫が原発腫瘍であることはきわめてまれである.今回われわれは,胸部X線像にて胸腺腫を疑はせるような異常陰影を示さず,心タンポナーデを主徴とするきわめてまれな悪性胸腺腫の心膜転移例を経験したので報告する.
  • 渋谷 恒文, 谷口 修一, 石原 圭子, 岡村 孝, 森岡 英次, 永淵 正法, 横田 英介, 仁保 喜之, 植木 祐司
    1988 年 77 巻 4 号 p. 553-557
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は35才の先天性球状赤血球症の女性で,発熱,全身倦怠感にて発症.入院時骨髄で赤芽球の著減と特異な形態異常を認めた.血清中parvovirus抗原を免疫拡散法にて証明したが,その2日後にはseroconversionを起こし,抗体陽性,抗原陰性となった.血清中に,電顕にて約25nmのウイルス粒子を証明した.急性期血清は,患者回復時の骨髄のCFU-Eを抑制した.入院時,血小板,白血球数の減少がみられ,赤芽球系以外の造血系細胞に対する影響も推測された.本邦ではaplastic crisis例でのparvovirusの検出報告はまだ極めてまれで,貴重な1例と考え報告した.
  • 草野 良郎, 佐藤 宏治, 伊藤 信雄, 小島 元子, 福地 総逸
    1988 年 77 巻 4 号 p. 558-563
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Prader-Willi症候群の特徴を有しながら, 10才時より月経不順を認めた1例を報告する.症例は21才,女性.乳児期の筋緊張低下,低身長,肥満,知能低下および両側耳介の低位,高ロ蓋,小肢端症などの多彩な小奇型を認めた.しかし, 10才時から不順な月経を示し,乳房の発達は良好で,外性器も正常であった.検査成績では,軽度の高脂血症を認めた.また, 75gブドウ糖負荷試験時,血糖は正常だがインスリンが過大反応し,血漿prolactinがTRHに過大反応した.また,血漿LHとFSHがLH-RHに過大反応した.さらに軽度の黄体機能不全を認めた.本例はPrader-Willi症候群と類似の形態異常を有し,視床下部の異常により思春期早発をきたした極めてまれな例である.
  • 井上 登紀子, 谷川 敬一郎, 古家 寛司, 中野 晃伸, 野津 和巳, 野手 信哉, 加藤 讓, 長岡 三郎
    1988 年 77 巻 4 号 p. 564-567
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状線クリーゼ発症後,急激に肝不全を呈し死亡した1例を経験した.症例は52才,女性.昭和59年甲状腺機能亢進症発症.昭和61年5月感冒様症状ののち,頻脈,頻呼吸,〓吐が出現し入院した.甲状腺クリーゼの診断のもとに直ちに治療を開始したが,全身状態は改善せず,入院当夜,低血糖昏睡を生じた.ブドウ糖の静注により意識は回復したが,第2病日より再び昏睡となり,肝機能障害が増悪し,第6病日死亡した.組織学的には肝は広範な小葉中心壊死を認めるも,グリソン鞘周囲はよく保たれ,過剰な甲状腺ホルモンによって引き起こされた肝細胞のanoxiaによる壊死と考えられた.
  • 大井 秀美, 佐藤 健比呂, 小澤 哲夫, 菊池 正俊, 鈴木 栄一, 中野 正明, 荒川 正昭
    1988 年 77 巻 4 号 p. 568-571
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Parasitic rheumatismと考えられた糞線虫症の1例を経験したので報告する.症例は20才,男性,ベトナム人.昭和58年,某院で慢性関節リウマチを疑われ,大量のステロイド薬を使用にて軽快.しかし著しい下痢が出現したため,当科に入院した.リウマチ反応は陰性, HLA-B27陽性であった.糞線虫が証明されたため駆虫療法を開始し,腹部症状は軽快したが,関節症状は増悪した.滑膜生検で,非特異的慢性炎症所見が認められた.なお,糞線虫に対する抗体は陰性であった.本例はDouryらのparasitic rheumatismの診断基準に合致した.発症機序に関しては,免疫複合体が重要と考えられた.一方, HLA-B27が陽性であり,発症ならびに進展に遺伝的な因子の関与も考えられた.
  • 小時田 宏仂, 大平 篤志, 上村 明, 藤森 正紀, 加藤 政孝, 高橋 明, 斉木 巌, 金谷 春之, 田代 敦
    1988 年 77 巻 4 号 p. 572-576
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    25才,男性.著明な高血圧があるため某病院より紹介され入院した.高血圧の他に全身の発汗をみとめた.尿中・血中ノルアドレナリンが上昇しており,褐色細胞腫の存在が疑われた. 131I-MIBGによる全身シンチグラフィーを施行したが,有意の集積がみられず,胸部・腹部のCTおよびエコーグラフィーによっても異常腫瘤を見出しえなかった.大腿静脈カテーテルによる選択的静脈採血によって得られた血漿中のカテコラミン濃度は,左内頚静脈でノルアドレナリンが最も高濃度であった.さらに頚部CT像と頚動脈撮影で左翼突口蓋窩に鶏卵大の腫瘍を確認した.手術により腫瘍を摘出すると,血圧は正常範囲に下降し,尿中・血中ノルアドレナリンも著明に減少した.組織学的には典型的な傍神経節腫瘍であった.頚部の左翼突口蓋窩にカテコラミン産生傍神経節腫瘍の症例は初めてであり,ここに報告した
  • 松尾 武文, 山田 勤
    1988 年 77 巻 4 号 p. 577-578
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腸間膜静脈血栓症の合併で発見された循環抗凝血素の35才,女性例を経験した.本例は血小板減少が合併し,術後に深部静脈血栓を反復した.検査でSLEの血清反応陰性,血中抗卜ロンビン活性の低下,血小板減少と抗血小板抗体が陽性であった.後者はダナゾールの投与により改善した.
  • 近藤 俊文, 野中 洋, 鈴木 俊, 山口 裕国, 渡辺 潤, 市川 幹郎, 石川 賢二, 伊藤 嘉信, 北井 浩一朗, 木村 吉男, 河野 ...
    1988 年 77 巻 4 号 p. 579-580
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    副腎静脈撮影の後に,機能性副腎腺腫の症状が軽快したり,腫瘍が消失したとの報告が外国の文献にはみられるが,本邦ではこの様な報告はない.我々はConn症候群の1例で,副腎静脈撮影時の出血の後,臨床症状が軽快し,血圧も下がり,生化学的パラメーターも傍正常値となったのを観察した.摘出腺腫の腫瘍細胞は脂質を失い,著明なエオジン好性壊死に陥っていて,臨床症状の改善を裏づける所見と考えられた.
  • 中村 晃, 津村 泰弘, 前田 均, 清水 伸一, 謝 韶銘, 松田 洋三, 田口 寛, 千原 和夫, 藤田 拓男
    1988 年 77 巻 4 号 p. 581-582
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は56才,女性.食欲不振,全身倦怠感を訴え入院.低血圧,低血糖,電解質異常を認め,尿中17-OHCS,血中ACTH, cortisolは低く,リジン・バゾプレッシンテストでACTHは無反応であったが,連続ACTH刺激テストでcortisolは増加反応を示した.頭部MRIによる形態学的検査で上に凸の下垂体腫大像を認めた.本例は, ACTH単独欠損症に下垂体腫大を認め興味深いため報告する.
  • 向井 正也, 馬場 嘉美, 種市 幸二, 芝木 秀俊
    1988 年 77 巻 4 号 p. 583-584
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例, 70才女性,昭和61年8月より体動時の動悸・全身倦怠感あり当科へ入院した.末梢血は網状赤血球を認めない大球性高色素性貧血を呈したが,白血球数・血小板数は正常であり,骨髄は赤芽球系の低形成を認めたが顆粒球系・巨核球系は正常であり,赤芽球癆と診断した.胸腺腫を認め,抗アセチルコリン受容体抗体価の著明高値を示したが,筋無力症状はなかった.赤芽球癆・胸腺腫・重症筋無力症の関連について検討を加えた.
  • 渡辺 彰, 名村 正伸, 金谷 法忍, 大家 他喜雄, 林 守源
    1988 年 77 巻 4 号 p. 585-586
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    感染性心内膜炎にARDSを発症した症例を報告する.症例は21才,女性.呼吸困難を主訴に入院した.心尖部に汎収縮期雑音を聴取し,胸部X線写真で両肺にびまん性に肺胞陰影を認めた.動脈血ガス分圧では著明な低酸素血症を示した. Bモード法断層心エコー検査にて,僧帽弁前尖の腱索断裂とvegetationが証明された.持続的陽圧呼吸管理, methylprednisoloneの投与, DICの治療によりARDSは改善した.
  • 澤田 秀幸, 宇高 不可思, 藤田 真佐之, 亀山 正邦, 松井 真, 山下 幸政
    1988 年 77 巻 4 号 p. 587-588
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    成人T細胞白血病(ATL)による髄膜炎の症例において,末梢血中,および脳脊髄液中のリンパ球の細胞表面抗原を検索した.末梢血ではOKT4+2H4-の総胞が,髄液ではOKT4+2H4+の細胞が優位であった.これはATL発症前の,多クローン性の細胞増殖の段階で,髄膜浸潤が生じ,異なるクローンが腫瘍化したためと考えられた.
  • 広田 雄一, 近藤 誠司, 田中 毅, 松本 勲, 梶山 憲治, 高上 悦志, 大塚 輝久, 岩下 明徳
    1988 年 77 巻 4 号 p. 589-590
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は37才男性. Hb4.9g/dl,網赤血球1.5万/μl等から重症再生不良性貧血(再不貧)と診断.各種治療を実施したが効果なく,抗リンパ球グロブリン(ALG)を1000mg/日で8日間投与した.治療5週後, Hb7.3g/dl,網赤血球9.2万/μlとgood responseを示した.副作用は,一過性のトランスアミナーゼ上昇のみであった. ALG療法は重症再不貧にとって骨髄移植よりも総合的に有用と考えられ,積極的に試みられるべきである.
  • 羽場 利博, 平井 淳一, 嵯峨 孝, 木藤 知佳志, 竹下 治生, 竹越 忠美, 山崎 義亀与
    1988 年 77 巻 4 号 p. 591-592
    発行日: 1988/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は昭和54年11才でSLE発症, 55年よりネフローゼ症候群を呈した. SLEの経過良好であったが, 60年4月17才で脳梗塞, 11月心筋梗塞を合併した.血清総コレステロール379mg/dl,尿蛋白8.2g/日で, Lp (a)リポ蛋白は193mg/dlと著しい高値であった.長期のステロイド治療に加え,ネフローゼ症候群による高コレステロール血症,家族性高Lp (a)リポ蛋白血症が加わり,冠動脈硬化より心筋梗塞を起こしたと考えられた.
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