日本内科学会雑誌
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80 巻 , 4 号
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  • 後藤 文男
    1991 年 80 巻 4 号 p. 505-506
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 川越 淳一, 山内 洋一, 阿部 康二, 小暮 久也
    1991 年 80 巻 4 号 p. 507-511
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳がその内部環境を維持し仕事をするためには実に大量のエネルギーが必要であるが,脳が正常なエネルギー代謝を行うためには血液によってグルコースと酸素が常に供給されることが必要である.血流の低下によって脳のエネルギー代謝が障害されれば,脳は仕事が出来なくなり,脳のその部分に対応する臓器の機能も障害される.このような脳の部分的で突発的な障害で始まる身体の機能異常が脳血管障害(脳卒中)と呼ばれる病態の本質である.本稿では脳血管障害を理解するために必要な脳循環代謝,その測定法および脳血管障害の分類について述べた後,脳血管障害に関連すると考えられる虚血実験動物モデルを用いて得られたいくつかの実験結果について論じてゆく.
  • 田崎 義昭, 畑 隆志
    1991 年 80 巻 4 号 p. 512-517
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    画像診断が進歩しても,脳血管障害の初期診療では臨床的な病型・病巣診断の重要性は変わらない.脳血管障害の病型診断には神経症候の発現から完成までの時間的な経過(temporal profile)が最も重要で,既往歴,家族歴,現症を含めて検討すれば,ごく少数の例外を除けば正しい診断が可能である.このような例外の臨床像を解析することが臨床診断の精度をあげる有力な手段である.また初期診療では重症度の判定や,高次医療機関への移送の判断も重要で,このためには脳ヘルニアの徴候を理解する必要がある.
  • 山口 武典
    1991 年 80 巻 4 号 p. 518-526
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳梗塞の診断に当たっては,まず出血性脳血管障害との鑑別を行い,その後に内頚動脈系か椎骨脳底動脈系かを考え,さらに詳しい部位診断を行う.その発症機序についても,従来の血栓性,塞栓性だけでなく,できるだけ最新の画像診断装置を駆使して,前者は閉塞動脈の大きさによリアテローマ血栓性梗塞とラクナ梗塞に,後者は塞栓源の種類によって心原性と動脈原性に分けて考え,適切な治療方針をたてる必要がある.
  • 福内 靖男
    1991 年 80 巻 4 号 p. 527-531
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    TIAは疾患名ではなく脳血管障害(とくに脳梗塞)の1病期(前兆)とする考え方が定着しつつある.診断は発作の状況の聴取によりなされ,画像診断でも特異な所見は無い.原因は微小塞栓によるものが多いが,血行動態の異常によるものもある.血栓塞栓発生には内皮損傷と血小板の相互関係が重要な役割を演じている.
  • 中村 重信
    1991 年 80 巻 4 号 p. 532-536
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭蓋内出血は近年その死亡率,発生頻度ともに低下しているが,それでも脳血管障害の30%程度を占めると考えられている.頭蓋内出血のうち,脳血管障害によると考えられるものは脳内出血とくも膜下出血である.脳内出血の多くは高血圧症に伴う脳血管の破綻により起こるもので,被殼,視床,皮質下,脳幹,小脳にみられる.出血部位により呈する症状は異なり,生命予後や緊急度とも関係する。そのため,頭部CT撮影による部位診断以前に,救急処置の必要性を判断する必要がある.くも膜下出血は脳動脈瘤破裂,脳動静脈奇形の破綻および脳内出血の脳室内穿破により起こる.くも膜下出血は局所神経症状が少ないこと,急激に起こること,髄膜刺激症状が強いこと,特徴あるCT所見により脳内出血と区別できるが,両者が共存することもある.脳動脈瘤は好発する部位が決まっているので血管写等により手術適応の有無を検討する.
  • 平井 俊策
    1991 年 80 巻 4 号 p. 537-541
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管性痴呆の診断は,臨床症候と補助検査を総合してつける必要がある,臨床症候では急性の発症と神経症候の合併の少なくともいずれかが大多数の例にみられることに注意する.病型によるtemporal profileが違うことや,随伴精神症候の特徴にも注意して,機械的,断面的ではなく,きめ細かい経時的観察から診断すべきである. X線CTのみではなくMRI, SPECT, PETなどの新しい診断機器も診断上有用である.
  • 篠原 幸人
    1991 年 80 巻 4 号 p. 542-547
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年飛躍的に進歩し,脳血管障害の診断には必要不可欠となったCT・MRIの有用性を概説した.紙面に限りがあるのでまだ一般になじみの薄いMRI所見を中心に図を多用して解説したが,疾患の種類・病期および使用上の目的によってCTとMRIを使い分けるべきである点を特に強調した.
  • 大友 英一
    1991 年 80 巻 4 号 p. 548-552
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳梗塞の成立に血管の変化とともに血液性状の異常が大きな役割を果すことが解って以来,脳梗塞急性期の治療として,血液の性状に影響を与える薬物による治療がいろいろ試みられている.線溶促進,抗血栓(抗凝固)を主とするものであるが,最近は血管と血液の両者に作用するものも開発されて来ている.また,脳梗塞の急性期,血管拡張薬が必ずしも禁忌でないことも解ってきている.
  • 藤島 正敏
    1991 年 80 巻 4 号 p. 553-558
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳卒中の急性期・慢性期の血圧管理は次の点に留意する. (1)急性期の血圧上昇は自然降圧する.したがって脳出血の一部を除き降圧治療は行わない. (2)慢性期(発症1ヵ月以降)の高血圧は再発防止のために降圧治療を行う.降圧目標レベルは病型・重症度・年齢を考慮し,高齢者の血圧は高めに保つ.目標レベルまでは2ヵ月以上かけ降圧は緩徐に行う. (3)脳循環に悪影響のない降圧薬を選び,必要に応じて脳血管拡張薬・抗血小板薬を併用する.
  • 片山 泰朗, 赫 彰郎
    1991 年 80 巻 4 号 p. 559-564
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害,特に脳虚血における脳浮腫の発生および進展因子として静水圧,組織浸透圧,脳代謝障害,アラキドン酸代謝,フリーラジカル反応およびchemical mediatorの関与について解説した.また,抗脳浮腫薬として現在汎く使用されているグリセロールおよびマンニトールを中心としてステロイド薬,利尿薬,アラキドン酸代謝に影響を及ぼす薬物,カルシウム拮抗薬,抗酸化薬およびその他の薬物について最近の知見を含めて概説した.
  • 荒木 五郎
    1991 年 80 巻 4 号 p. 565-569
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性期脳梗塞に対する線溶療法において,脳血栓症の適応としては,基底核小梗塞,脳主幹動脈閉塞特に脳底動脈閉塞の進行型脳卒中に効果的とされている.また脳塞栓症では再開通による脳浮腫の増強,出血性梗塞の助長のおそれがあるため禁忌とされてきた.最近カテーテルによる血栓内注入などの動脈内投与が試みられ,再開通率も高く,神経症候の改善もみており,現在までの治療成績と比べ優れていることが,発表され注目を浴びた.
  • 東儀 英夫
    1991 年 80 巻 4 号 p. 570-577
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    一般に,脳循環改善薬は,しびれ,めまいなどの自覚症状に有効であり,脳代謝改善は精神症状に有効である.脳代謝改善薬には,脳のエネルギー代謝を賦活するものとGABA系,ドパミン系など神経伝達物質に作用するものがある.後者は,効果の発現がすみやかであるが,少量投与から始め,精神・神経系の副作用に注意する.
  • 西丸 雄也
    1991 年 80 巻 4 号 p. 578-582
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗血小板薬は障害された動脈内腔で,血小板が凝集する過程を抑制し,血栓形成による閉塞あるいは血栓剥離による栓塞を予防せんとする薬物である.アスピリン100~300mg/日あるいはチクロピジン200~300mg/日の服薬により. TIA・血栓性脳梗塞患者の脳梗塞再発の危険性を20~30%減少させる.
  • 澤田 徹
    1991 年 80 巻 4 号 p. 583-588
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害入院例にみられる神経症状,退院時転帰,退院後の長期機能予後に関する自験成績を紹介し,後遺症対策について問題点をあげた.脳血管障害患者の約半数は日常生活活動が自立しているが,脳卒中の中核症状は運動麻痺であり,約半数は程度の差はあるが要介護状態となる.とくに高齢者では身体障害者となる頻度が高く,臨床的対策のみならず,リハビリテーション,介護などを包含した社会的対策が重要である.
  • 伊藤 栄一
    1991 年 80 巻 4 号 p. 589-594
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害の再発は,生命予後, ADLを悪化させるのみでなく,血管性痴呆への進展といった意味で最近問題となっている.再発をきたし易い要因といえば勿論,患者の初発に至ったリスクファクターが大きく関係するが,脳血管造影その他により血管狭窄の存在など初発時にウィークポイントを詳細にして置く必要がある.再発防止にはリスクファクターに対する対応のほか,降圧薬,抗血小板薬や手術などきめ細かな対策が必要であろう.
  • 山本 英雄, 菊池 裕, 伊藤 裕昭, 山本 明史, 野田 昌作
    1991 年 80 巻 4 号 p. 617-618
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は55歳女性,多発性脳梗塞後のうつ状態に対し向精神薬が経口投与された.開始20日後発熱,意識障害,筋硬直等の錐体外路症状をきたした.向精神薬による悪性症候群と考えて投与を中止した.中止10日目に神経症状は消失したが発熱が続くためL-dopaを投与したところ発熱は直後に消失した.本症例では発熱が中枢性に出現していたと考えられ,悪性症候群の発熱機序を考えるうえで貴重な症例であった.
  • 長野 正, 上野 利通, 向井 賢司, 矢野 真一郎
    1991 年 80 巻 4 号 p. 619-620
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男. CPIZ投与開始6日後筋肉内出血を来した. APTT94秒, F-VIII: C1%以下, F-VIII inhibitor 3.7 BU/mlより第VIII因子抑制物質と診断した.血漿交換,ステロイドにて病態は改善したが, 1カ月後胃潰瘍(ステロイド潰瘍)による消化管出血をきたし,第IX因子製剤,ステロイドパルス療法,免疫抑制薬によりAPTTをコントロールし,出血性潰瘍を治癒させた.ステロイド投与困難時の循環抗凝血素の治療として貴重な症例と考え報告する.
  • 須原 芳宏, 峯 秀樹, 三浦 真司, 宇野 由佳, 瀬部 俊彦, 重清 俊雄, 小阪 昌明, 斎藤 史郎
    1991 年 80 巻 4 号 p. 621-622
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    58歳,男. 1990年2月2日,右肩甲部に血腫が出現し,摘出術を受けたが再発した.出血時間1分,血小板21.9万/μ1, PT12.1秒, APTT44.1秒, Fbg450mg/dlと正常であったが, TT25%, HPT63%と低下していた.第IX, X因子がおのお0)32%, 40%と低下し,半減期が60分, 10分と短縮していた.血清にM蛋白は認めなかったが,尿にλBJPを認めた.骨髄の形質細胞は12.4%で,胃生検によりAL型アミロイド蛋白の沈着を認めた.以上の成績より,本例は第IX, X因子欠乏症を伴った原発姓アミロイドーシスと診断されたが,同様の報告はまれである.
  • 大高 雅彦, 立川 博邦, 淡路 健雄, 山本 安幸, 池田 昌弘, 赤羽 賢浩, 藤野 雅之, 鈴木 宏, 小林 勲
    1991 年 80 巻 4 号 p. 623-625
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    69歳,女性. 1989年4月末より食欲不振,全身倦怠感,発熱が出現.近医でLDH高値,汎血球減少を指摘され精査加療目的で当科入院.入院時より発熱,貧血,扁桃腫大,胸骨叩打痛,下腿浮腫を認め,その後急速な頚部リンパ節の腫脹,肝脾腫が見られDICを併発した.骨髄穿刺を行い, N/C比の高いperoxidase, esterase反応陰性の組織球様の異型細胞を7.2%に認め,同細胞のerythrophagocytosisの所見および臨床所見よりmalignant histiocytosisと診断した.骨髄生検の免疫組織化学的検索でS-100蛋白, α1-antitrypsin染色はともに陰性であった. CHOP療法を開始したところ,一時的に自他覚所見および検査所見の改善を認め,骨髄像でも異型細胞の減少を認めた.しかし, 2クール目以降の治療に反応せず,第73病日に死亡した.以上,急速な転帰で死亡したmalignant histiocytosisの1例を若干の文献的考察を加え報告する
  • 浅地 孝能, 村上 暎二, 竹越 裏, 松井 忍, 的場 宗敏, 津川 博一, 金光 政右, 小沼 邦男
    1991 年 80 巻 4 号 p. 626-628
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    概要症例は65歳,男性.朝食中にしばしば失神発作を繰り返したため入院.食事開始2~3分後に洞停止,洞房ブロックなどの不整脈と血圧の低下を認めた.電気生理学的検査などでは洞機能は正常であったが,自律神経系の異常が示唆された.食道内圧検査では食道下部昇圧帯の機能低下がみられ,これが嚥下時の食道内圧を上昇させ迷走神経を刺激して失神発作を起こすことが示唆された.硫酸アトロピンの内服にて症状の改善をみた.
  • 三田村 圭二
    1991 年 80 巻 4 号 p. 629-633
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    分子生物学の進歩にともない,多くの疾患が遺伝子のレベルで解明されつつあり,遺伝子診断がなされている.遺伝子診断は核酸の塩基配列の相補性に基づいたハイブリダイゼーションにより目的核酸を検出する特異的DNA (DNAプローブ)を用いてなされることが多く, DNA診断とも表現されている.さらに,核酸の特定領域を増幅するPCR法を用いることにより遺伝子診断はより進歩している.対象は糖尿病などの多因子病を含め遺伝性疾患,悪性腫瘍,個人識別,法医学など広い分野にわたっている.また,寄生体の遺伝子にも適用され,感染症の臨床にも大いに役立っている.診断のみならず,予後の予測,治療方針の決定,治療効果の判定にも有用である.今後,一層の進歩がなされ,さらに遺伝子治療へと発展していくことが期待されている.
  • 三浦 恭定
    1991 年 80 巻 4 号 p. 634-640
    発行日: 1991/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血球産生の調節に必要な造血因子は遺伝子クローニングの結果,十数種類に整理され,その生物活性もよく調べられている.造血因子の標的となる造血幹細胞も濃縮,単離され,併せて造血幹細胞類似の株細胞も利用し,そこに表現される各因子のレセプターについての研究が急速に進んでいる.造血因子やサイトカインのレセプターは遺伝子クローニングの結果,それらの多くに類似の構造が見つかりサイトカインレセプターファミリーという言葉が生れた.これらのレセプターはチロシンキナーゼ活性を持たず細胞外部分に共通のアミノ酸配列がある.レセプターに付着した造血因子が核に達し作用を発現するまでの情報伝達機構が研究され始め,多くの因子でレセプターの作用を伝達するに必要な別の分子が見つかりつつある.これらの基礎的検討を基礎にして今後の臨床応用の発展が期待される.
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